119番

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

119番(ひゃくじゅうきゅうばん)は、日本において消防機関に提供される緊急通報用電話番号(消防通報用電話)。火災を発見した場合や救急が必要な場合、不発弾を発見した場合[注釈 1]に使う。なお本項では、沖縄県離島・へき地において同様の目的で使用されてきたワンクッションコールについても述べる。

回線保留機能に対応し[注釈 2]、通話を終了しても消防機関が切断しない限りは回線は繋がったままのため、即時に消防から呼び返せるようになっている[1]。誤って119番に接続した場合は、即断せず指令員に「間違い電話である」旨を告げる必要がある。

通話[編集]

119番に電話すると、消防本部の通信指令室の受付台に接続される。東京都内からの119番通報は、東京消防庁 特別区内では東京・大手町の本庁災害救急情報センターへ、稲城市と島しょ地区を除く多摩地区は立川市にある多摩災害救急情報センターへ接続される[2]

2010年代からは東京消防庁に倣った、110番同様の「集中受付制」が各地で始まり、該当地域では地元消防本部ではなく「消防共同指令センター」が一元的に通報を受け付け出動指令を発するようになった[3]。資料によると、13の地域(協議会方式12、委託方式1)が共同運用を実施している。

回線保留・逆信機能[編集]

他の緊急通報用電話番号と同様、119番にも回線保留機能が設けられている。メタル電話からの架電の場合は、PSTNにより回線保留(通報者が通話を一方的に終了しても消防機関側で切断しないうちは接続状態が継続)・逆信(通報者が受話器を下ろしている時に、着信音を鳴らす)が可能である。

携帯電話からの通報の場合は、コールバック(かけなおし)のみ対応。指令台から消防の代表番号(発信者番号)を利用してかけ直す。1XY通知(架電時に緊急通報用電話番号を表示)には対応していない[4]

歴史[編集]

壁掛け電話機受話器を外してから、廻轉盤(回転盤)を回して電話番号を入力し、電話機本体にある送話器に向かって話す。

1917年(大正6年)4月1日電話による火災報知が制度化された。当時は電話は交換手に通話先を伝えてつなぐ方式だったため、交換手に「火事」と言えば、そのまま交換手が消防につないだ[5]

1926年(大正15年)に電話にダイヤル式が導入されたため、自働局所属加入者は112番が緊急通報用に定められた[5]。当時一般的だったダイヤル式の電話で、一番早くダイヤルできるのが「1」であり、その次が「2」「3」」となり、一番時間がかかるのが「0」であったためである。しかし、電話が普及して間もない頃でかけ間違いが多発したため、翌年1927年(昭和2年)に、当時地域番号としては使用されていなかった「9」を使用することで間違い電話を減らす目的で、119番に改められた[6]

なお、早くダイヤルするために「1」を二回続けたあと、緊急時にも心を落ち着かせ、最後の1つを回せるように時間のかかる番号「9」を使い、「119」が割り当てられた[7]という俗説があるが、上記の通り、そもそも掛け間違いを防ぐ以外の目的がないため、本来この説は誤りである。

災害時の接続[編集]

地震等の災害時はダイヤルしても消防に繋がらないことが多い。

原因は概ね、電話回線の混雑を回避するための発信規制だが、稀に電話線の断線によるもの[8]や、交換機設備の故障の場合がある。

発信規制をかけられると、一般電話からの119番への発信ができなくなる(フックアップした時点で話中になるので、どこにダイヤルしたいかは関係ない)。

これは、携帯電話、PHSにおいても同様である。NTTは発信先によって規制をかけられる方法を考案すべきとの意見もある。

又、常時、非常時に係わらず、一定のエリアから複数の発信があると、話中となる場合がある。

これは、着信側の回線数が決まっているためである(○○市は○回線、○○地区は○回線等、携帯電話、PHS、IP電話についても回線数が地域毎に決められている)。

回線数を増やすことは可能だが、それに対応できるかは別問題(災害対応を見越して、平時から何十人もオペレーターは配置できない 受付台だけは緊急時に備えて多数設置されており、災害対策本部が設置されるような事態が起きた場合にのみフル回転で通報を受ける)。 消防では、大規模災害時には急を要する要請ではない「問い合わせ」に119番を使用するのは控えてほしいとし[9]、付近に要救助者がいる場合には、119番をかけ続けるのではなく周囲の人と連携して救出活動を実施するのが望ましいとしている[10]

出動の選抜と通信の確保[編集]

前述の通り、大規模災害時には市民から多数の出動要請が入電することが予想される。出動可能隊にも限りがあるため、緊急性の高いものを選別する必要があった。2016年(平成28年)の熊本地震の本震時は熊本市消防局に1700件の通報があったが、実際に部隊が出動した件数は、およそ4分の1の450件に留まった[11]。「人命最優先で出動させる」との指令室の判断による。

東日本大震災時には通信事業者の中継局が津波で被災し、広範囲に渡り電話が使用不能となった。被災地を管轄する消防(岩手・宮城・福島県の消防本部)36本部のうち、およそ25%にあたる9消防本部において通信の途絶が発生した。これは、指令室や非常電源の被災による電源供給の停止も原因である。また、一部消防ではバックアップ回線の利用により通信を確保、119番通報の受信を回復したところもある[12]

119番通報集中時の緊急度に応じた選抜、119番回線の途絶に備え通信事業者の迂回回線を設置するなど、大規模災害時における方策の取りまとめが急務である。

通報者の死亡事案[編集]

ドン・キホーテ放火事件で、火災を通報した女性店員が逃げ遅れて死亡した。消防が“通報者は屋外の目撃者であるとは限らない”という点を想定していなかったためという指摘もあるが、通報の影響など逃げ遅れた際の状況については正確には判明していない。ドン・キホーテ (企業)#消防法不備と放火事件も参照。

いたずら電話[編集]

いたずら電話の内容に虚偽の通報があった場合は消防法44条15号の規定により30万円以下の罰金又は拘留の処罰対象となり、通話履歴などから実際に検挙されている。

また、偽計業務妨害罪で懲役2年の実刑判決を下した事例(2006年12月・仙台地裁)もある。

誤報[編集]

虚報と区別しなければならないのが、『焚き火や調理中に発生する、火災と見間違う怪煙や、緊急性のない泥酔者に対する救急要請』などの『誤報』である。なお、非常ベルが何者かによっていたずら押下されているなどの出場も、広義で『誤報』と位置づけている。

前提として、疑わしい煙が発生する行為を実施する場合には、消防機関への事前の届け出を要する。なお、『誤報』については、原則親切心から行うものであり、罰則規定は設けられていない[13]

消防では、『火事だと判断して通報したものであれば、たとえ誤報でも災害が発生していないのが1番なので、躊躇うことなく通報してほしい』と広報している[14]

火災発見後の早期通報[編集]

東京消防庁の統計では、火災を発見した際の市民の通報状況として[注釈 3]「発見後にすぐ通報」した例が全体の191件(55.4%)、「先に消火し、その後すぐに通報」した例が55件(15.9%)であった。

比較的早期に発見され、何らかの対応行動を実施しているといえる[15]

火災を発見した場合の最善行動としては、まず周囲に知らせ、通報することが重要だとしている。その後、消火行動や避難を開始する[16]

携帯電話[編集]

近年は携帯電話の普及により、携帯電話からの通報が増加している。当初は携帯電話事業者の交換機からアナログ専用線で接続する形態であったため、各地域の代表の消防本部(主として都道府県庁所在地や規模の大きな消防本部)に繋がり、受理した本部から通報地管轄の消防本部への転送や通報内容の伝達が行われていた。

2016年現在は、通報者の電波を受信した基地局の所在地の消防本部へ繋がるようになったが、携帯電話の特性上携帯電話の位置と基地局の位置が数キロメートル異なる場合があり、必ずしも管轄の消防本部へ接続されるとは限らない。携帯電話からの通報者は現在居る位置がわからない場合が多いので、総務省では携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能(緊急通報位置通知)を2007年までに整備するよう検討。

これにより、2007年(平成19年)4月1日以降に販売される第三世代携帯電話には、位置情報の通知が義務づけられたものの、GPSの搭載は原則義務化となったため、基地局測位での対応とした機種も多く、GPS受信機非搭載のものが、その後も新規に発売されていた(例えばNTTドコモの70xiシリーズや、この流れを汲むSTYLE seriesの大部分とSMART seriesの全機種。機能の絞り込みや薄型化を理由に搭載が見送られた。またソフトバンクは多くが非搭載だった)。auでは、CDMA方式だったので、GPS受信機の搭載が容易であり、2006年度末時点で、殆どの機種がGPSに対応していた。

Y!mobileの旧イー・モバイル音声網は、一部接続されていない消防本部がある[17]

発話困難者のためのシステム[編集]

聴力・発話障害がある者が、周囲に人がおらず119番を依頼出来ない場合に、スマートフォンのアプリを活用した通報を受け付けている消防本部もある。従来のFAXないしメール通報では、GPSを指令室に送信出来なかったが、アプリにより自動的に送信され場所の特定が容易に可能となった[18]

自動通報システム[編集]

自動通報は、受信する消防本部の体制によるが、社会福祉施設旅館や、休日や夜間に無人となる施設などから、自動火災報知設備が発報した旨の情報が自動的に消防へ送信されるシステムをいう。名称は様々だが「有人直接通報」と「無人直接通報」の二つに分類される[19]

有人直接通報[編集]

この通報は、社会福祉施設旅館やホテル等で設置されている自動火災報知設備(*以後、自火報という。)と火災通報装置を連結させ、自火報の発報により自動的に所在および建物名称が消防機関へ送信されるものである。自火報の発報と同時に情報が合成音声で送信される[20]

無人直接通報[編集]

この通報は、休日や夜間に無人となる施設が対象である。自火報の発報があるとその情報が消防機関へ送信される上に、建物関係者へも直ちに送信される。なお、建物関係者も20分以内(東京消防庁の場合)に現場に駆けつける必要がある。

この他、急病時などにペンダントを押下し、消防・救急隊が出場する緊急即時通報や緊急通報システムなども存在する[21]

口頭指導の実施[編集]

聴取内容から、バイスタンダーによる応急処置を要すると判断した場合は、電話回線を切断せずに口頭指導を実施する。救急隊が現着するまでの時間を活用し、救命率の向上、傷病者の社会復帰に繋がる。

指導項目は、心肺蘇生法・気道異物除去法・止血法・熱傷手当・指趾切断手当であり、口頭指導の実施者は、指令業務従事者のうち、救急救命士・救急隊員資格者・応急手当指導員である[22]

緊急性が認められない119番通報の増加[編集]

近年、緊急性が認められない119番通報が増加しており、救急隊が到着、傷病者を病院へ搬送するまでの時間が長くなる傾向、また出動させられる事により、真に救急対応が必要な傷病者のための救急出動が困難になっている[23]救急車は緊急に病院に搬送しなければならない傷病者のためのものであり、緊急性の低い件に用いてしまうと、真に救急医療を必要とする人への対処が遅れる原因となる[23]。病気や怪我の場合でも、緊急の救助が必要な場合以外は、タクシー等の手段で病院へ行くよう消防機関は呼びかけている。

救急搬送トリアージ[編集]

東京消防庁2007年(平成19年)6月1日より「救急搬送トリアージ」を試行している。この制度は緊急性が認められない救急の要請に対して、自身での医療機関受診を求めるものである。しかし現場で緊急性が無いと判断しても通報者の希望を拒否できない事になっており、搬送するケースが多いのが現在のところは実情である。2010年10月31日には、山形市で山形大学の学生が、体調不良で119番通報したが、市消防本部は緊急性が認められないと判断して救急車を派遣せず、タクシーで病院に行くよう指示するにとどめた。学生は通話後死亡し、遺族が1000万円の損害賠償を求める訴訟を提起している。山形市は、「出場要請が取り消された」と判断した、との姿勢を崩さなかったが、1500万円の解決金を支払うことで和解した[24]

#7119(緊急でない救急相談など)[編集]

一部の地域(札幌市東京都大阪市奈良県など)では、応急手当の方法、近隣の救急病院の案内、救急車を呼んだ方がいいのかどうかなど、救急に関する緊急性の低い事柄に対応する部署を設置している。真に救急車を必要とする者に対して効果的に救急隊が対応できる体制を構築するため、運用が開始された。「救急相談センター」「救急安心センター」など部署名はそれぞれ異なる。設置している地域においては「#7119」に電話することでその地域の部署につながる。なお、この部署には医師や看護師などが常駐し、聞き取り内容から救急車を出場させるべきか、自力で医療機関に向かわせるべきかを判断する[25]

以下に、東京消防庁管内の救急相談センター受付件数を記載する。

都内の受付状況(件) 医療機関へ案内 救急相談
平成24年 321,335 238,257 82,075
平成25年 314,737 224,511 89,617
平成26年 330,865 226,123 103,688
平成27年 375,458 224,844 145,554
平成28年 378,776 225,879 152,145

通報者との意思疎通不足による出動への影響[編集]

2015年、横浜市消防局管内で発生した火災により、出火建物の居住者から入電した119番通報において、指令員との意思疎通不足により消防隊の出場に遅延が発生した。消防隊の現場到着時には延焼が拡大し、通報者が死亡するという事例が発生している[26]

消防局の発表によれば[27]、火災発生直後に、出火元の居住者からの第一報があった。指令員の呼びかけに応答したものの、発音が悪く聞き取ることが出来ないため、何度か聞き返している。しかし、「救急車は必要ですか?」との問に「いらない」と応答し自ら切断したため、出動の要はないと判断した。が、その後付近住民からの119番通報が相次ぎ、部隊到着時には2階にまで延焼。消火活動への遅延が発生した。

この事例について消防局は、「通報者とコミュニケーションが取れていなかった。話ができていたら結果は違った」とし、再発防止に向けた対策検討委員会を立ち上げた。

なお、この通報者は、緊急性が薄いと思われる119番(救急要請)を百数回にわたり架電していたことが判明しているが、通報時に指令員の判断に影響したかどうかについては、『「またあの通報者からか」という気持ちがまったくなかったとは言い切れない』としている。

通話する内容[編集]

火災(消防車)と救急(救急車)の出動要請を兼ねるため、最初にどちらの事案であるか明確にする必要がある。通報を受けた指令台オペレータは必ず「火事ですか、救急ですか」と問うので[28]、これに答えれば良い。

ただし通報者は往々にして動揺し、場合によってはパニック状態になってしまうため[29]、オペレーターは強い口調で繰り返し訪ねる事がある。これは、通報者を落ち着かせて身の安全を確保させると共に、最も重要な住所などの情報を得るためである。

極度の焦燥により、意味のない言葉(「燃えてるー燃えてるー」「車が、人が」など)を繰り返したり、不完全な住所(何丁目何番地、だけ繰り返すなど)しか言えなくなっていたりする。もし、『自分はちゃんと言ってる』のに何度も聞き返されるとしたら、それは必要な情報が抜け落ちている事を意味する[30]

通話中になんらかの事情で通話が切れた場合には指令台側からかけなおしてくる。まとめると次のようになる。

  1. 火事と救急の種別
  2. 発生場所・位置(○区(市)、○町、○丁目、○番、○号、○ビル、○階、または目印)
  3. 状況
    • 火事の場合 どこ・何が燃えている、けが人、逃げ遅れの有無
    • 救急の場合 急病か事故か 人数、状況(挟まれている、出血している、意識の有無など)
  • 通報例(火事、救急の別、場所(目標)、燃えている物、救助要請等を確実に伝えること。=太字)
    • 火事です、○○町の○○商店から火が出ています。燃えている物は○○で、店の○○階で救助を求めている人が○○人います。現場への目標は○○です。」
    • 救急です。80歳の祖父が突然倒れました。意識がありません。呼吸はあります。以前に、脳卒中で○○病院に通院しています。場所は○○町の○番地電話番号はxxx-xxxxです。」
      • 年齢・性別・現場の状況・既往歴・かかりつけ病院・意識の有無または意識の水準(意識が全く無いとか、自分の氏名や現在いる場所が言えないとか)・呼吸や脈拍の有無などを、指示に従いながら冷静に伝えるのが望ましい。救急車が到着するまでどんな応急処置をすればいいかも担当者が指示してくれる。
住所表示ステッカー一例。(通常は下部)

通報時に正確な住所が判明しない場合[編集]

昨今の携帯電話の普及に伴って外出先での通報が増加しているが、通報時に、正確な住所が不明な場合は、目標となる近くの大きな建築物、電柱や自動販売機、に書かれている住所(自動販売機の場合は、下部に記載されていることが多い)[31]。その他は公衆電話の整理番号などでも場所の特定が可能[32][注釈 4]

日本自動販売システム機械工業会の社会貢献の取り組みとして、警察や消防機関と連携して2005年から自販機に住所表示ステッカーを貼りはじめた[33][34]

急病のため発語困難な状態での通報[編集]

脳血管疾患などにより、119番通報してもうまく言葉を発せない場合がある[35]。指令室から『受話器を複数回叩いて』と指示し、応答があれば『緊急事態である』と判断し、緊急車両を出場させる事になっている。

東京消防庁などでは、相手方の応答が無い場合でも『通報者の微かな変化をとことん確認する』ように日頃から指導しており、都内で脳梗塞のために救急要請した男性が発語できず、機転を利かせた指令課職員が、二十三区名を順に読み上げていき、合っていれば受話器を連打するように指示した。これに対して応答があったため、この方法で町名や番地も特定。一命をとりとめたとの事例も発生している[36]

同様の事例としては、2000年(平成12年)に京都市消防局が脳梗塞症状の男性が2日にわたり計20回も架電したにもかかわらず、発語がなかったという理由から『いたずら電話である』と判断し、救急隊を出場させなかった。当時指令課職員は複数回の架電を確認し、相手方が既に特定できる旨を告げた。しかし、その後さらに架電があったのだから、何らかの緊急事態が発生していると、疾病のためにうまく発語できないと想像するには難くない。

担当した職員は、酩酊で意識朦朧状態の者が電話をしていると感じた旨を供述しているが、意識朦朧状態の発語であると感じたならば、泥酔以外の事由を想定すべきであった。裁判所は、死線をさまよい、医療機関での処置が遅れたことは相当の苦痛・不安が継続したと思われるとし、いたずらを前提とした消防局の対応の不備を認め、慰謝料の支払いを命じている。この男性は、処置の遅延により後遺症が残っている[37]

他国の例[編集]

警察 消防 救急
大韓民国の旗 韓国 112 119
 台湾 110 119
中華人民共和国の旗 中国 110 119 120
スリランカの旗 スリランカ 119 111 110
ジャマイカの旗 ジャマイカ 119 110
中国消防車。車体に「119」と書かれている。

緊急通報用電話番号は世界共通ではない。例えば、アメリカでは「911番」(警察と共通で、指令センターの受信係は内容を聴いて法執行機関に伝えるか消防に伝えるかを判断する)、イギリスでは「999番」、EU加盟国の多くでは「112番」である。いくつかの国では、日本と同様に119番が救急・消防(一部の国では警察)に割り当てられている。

大韓民国の旗 韓国 及び  台湾[編集]

韓国救急車。車体に「119」と書かれている。

大韓民国及び中華民国(台湾)では「119番」は救急および消防に割り当てられた緊急通報用電話番号となっている。

韓国および台湾では、電話網の導入が日本統治下で行われたため、元々「119番」が総合緊急通報番号であった。「110番」の運用開始(119番からの分離)は戦後であるため導入しておらず、韓国では「112番」とした。台湾では日本に倣って「110番」とした。

韓国では韓国消防防災庁により運用されている。通報者の位置は回線が接続されると指令台側で自動的に特定され、韓国語英語中国語日本語の4か国語に対応できるオペレーターが応対する。

1339番が緊急を要しない医療の情報提供ダイヤルとなっている。ポケットベルを用いた「U119」救急医療サービスも、一部の高齢者やがん患者向けに提供されている。

なお朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は旧COMECON加盟国共通の「消防01・救急02・警察03」である。ただし北朝鮮自身はCOMECONそのものには参加していない。

スリランカの旗 スリランカ[編集]

スリランカでは「119番」は、警察用の緊急通報用電話番号である。

119番はいったんコロンボの担当部署 Police Emergency Division にかかり、そこから各地の警察署へ割り振られる。

元は、スリランカ内戦 (1983 – 2009) 時に、テロ通報用番号として導入された。

ワンクッションコール[編集]

ワンクッションコールとは、沖縄県において、119番が運用されていなかった離島・へき地に所在する診療所在勤の医師医療従事者の心身の負担解消と安全に医療従事できる環境づくりのため[38]、夜間(時間外)・休日の救急に関する連絡を役場消防本部消防団・委託を受けた警備会社が受け付け、その判断を経て対応を行う仕組みである[39][40][41]。その電話番号は119番のような特番でなく、市外局番から始まる通常の電話番号[39][41]や、090から始まる携帯電話番号[42]が用いられていた。

ワンクッションコールは、2011年(平成23年)3月時点で、国頭村(楚洲、安田、安波、奥、北国、佐手)、伊平屋村伊是名村伊江村うるま市津堅島)、渡嘉敷村座間味村渡名喜村粟国村北大東村南大東村多良間村竹富町及び与那国町で運用され[43]2013年 (平成25年)6月からは南城市久高島)にも導入されたが[41]、沖縄県消防指令センター(センター119)の運用開始に伴い、2015年(平成27年)10月から12月に掛けて市町村ごと順次「119番」へ移行され[44]、従来のワンクッションコールの電話番号は廃止される[39]

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ 不発弾発見時には絶対に触れてはいけない。また、110番(警察通報用電話)への通報も有効である。
  2. ^ 回線保留・逆信機能の項も参照
  3. ^ 東京消防庁管内の火災発生件数は345件。発見時に鎮圧状態だった火災を除いた311件が対象(平成29年度版 火災の実態 東京消防庁)
  4. ^ 公衆電話ボックス等には、整理番号の近くに住所表記がある。

出典[編集]

この記事を作成するに当たり、以下の資料を参考にした。

  1. ^ 119番に関するお願い|滝川地区広域消防事務組合
  2. ^ 東京消防庁|119番通報のしくみ
  3. ^ 総務省消防庁|消防指令業務の共同運用について2018年8月17日閲覧
  4. ^ 総務省 (PDF, 回線保留機能について)
  5. ^ a b 大正十五年五月一日現在 東京電話番號簿 (PDF)中央区立図書館電話番号簿」) … 消防署への通知は、手働局所属加入者の場合は交換手に「火事」と言い、自働局所属加入者の場合は局番号なしの三数字「112番」とある。
  6. ^ 119番通報要領 - 呉市消防局
  7. ^ 119番の番号の由来を教えてください |愛西市
  8. ^ 典型的な例が世田谷局ケーブル火災
  9. ^ 仙台市消防局 大規模地震時の119番通報について
  10. ^ 広報さっぽろ 2010年9月号
  11. ^ “必死の救助要請 殺到する通報…地震当時の音声記録”. テレビ朝日 | テレ朝news. http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000074837.html 2018年8月29日閲覧。 
  12. ^ 大規模災害発生時における消防本部の効果的な初動活動のあり方について 総務省消防庁 (PDF) 2018年8月30日閲覧
  13. ^ 伊万里・有田消防組合 いたずら電話について
  14. ^ 神戸市 生活安全情報
  15. ^ 平成29年度版 火災の実態(東京消防庁) 2017年7月発行 2018年8月21日閲覧
  16. ^ 東村山市 火災発見時の対応 (PDF) 2016年3月掲載 2018年8月21日閲覧
  17. ^ 119番(消防/救急)の対応エリアについて
  18. ^ NET119 緊急通報システム
  19. ^ 火災便覧 第3版 1120p
  20. ^ 東京消防庁 自動通報制度
  21. ^ 世田谷区|緊急通報システム「愛のペンダント」
  22. ^ 口頭指導要領 総務省消防庁 (PDF) 2018年8月30日 閲覧
  23. ^ a b 119番、「不要」「不急」の通報が7割 読売新聞 2016年1月27日
  24. ^ 119番死亡 山形市長遺族と面会 毎日新聞2016年2月25日掲載 2018年8月28日閲覧
  25. ^ 総務省消防庁 7119の全国展開 (PDF)
  26. ^ 産経新聞デジタル|火災通報を「ハチ」と誤解 消防車の出動遅れる 2015年 5月11日掲載 2018年 8月17日 閲覧
  27. ^ 聞き違い? 横浜市港北区の火事で119番通報と分からず出動が遅れて1人死亡! 横浜市の今後の対策は?|はまれぽ.com 2018年8月17日 閲覧
  28. ^ 119番通報のしくみ東京消防庁
  29. ^ 横浜市消防局 119番 非協力的な通報 Youtube
  30. ^ 東京消防庁、自衛消防組織講話より
  31. ^ 千葉北西消防|Q&A2018年8月17日閲覧
  32. ^ “災害時に強い「公衆電話」、故障を見つけたら? - Excite Bit コネタ” (日本語). https://www.excite.co.jp/News/bit/E1302848209385.html?_p=2 2018年8月30日閲覧。 
  33. ^ 日本自動販売システム機械工業会|社会貢献の取り組み 掲載日不明2018年8月17日 閲覧
  34. ^ 全国清涼飲料連合会 自販機にある住所表示ステッカー。どのような経緯で?またいつから掲示されていますか? 2018年8月18日 閲覧
  35. ^ 室蘭市|救急車を呼びたいが、話が出来ない状態の場合はどうしたらいいの?
  36. ^ “119番 声が出せない急患「受話器たたいて答えて」 東京消防庁ナイスプレー”. (2005年 産経新聞) 
  37. ^ 京都地方裁判所 判例
  38. ^ 沖縄県第10次へき地保健医療計画 (PDF)”. 沖縄県福祉保健部. p. 12 (2007年3月). 2015年12月10日閲覧。
  39. ^ a b c 火事・救急・救助・ワンクッションコールは、119番へ”. 竹富町 (2015年10月23日). 2015年12月10日閲覧。
  40. ^ 「沖縄県消防指令センター」運用について (PDF) 」 、『広報いぜな』第531号、伊是名村2015年6月、 7頁、2015年12月10日閲覧。
  41. ^ a b c 久高島に緊急車両を配備。6月からワンクッションコール導入”. 南城市 (2013年5月26日). 2015年12月10日閲覧。
  42. ^ 多良間村 火事・救急・救助・ワンクッションコールは119番へ! (PDF) 」 、『広報たらま』第499号、多良間村2015年10月、 14頁、2015年12月10日閲覧。
  43. ^ 沖縄県第11次へき地保健医療計画 (PDF)”. 沖縄県福祉保健部. p. 15 (2011年3月). 2015年12月10日閲覧。
  44. ^ 火事・救急・救助・ワンクッションコールは119番へ! (PDF)”. 沖縄県消防指令センター. 2015年12月10日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]