第76回アカデミー賞

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第76回アカデミー賞
開催日 2004年2月29日 (2004-02-29)
会場 カリフォルニア州ロサンゼルス市ハリウッド
コダック・シアター
プレショー ビリー・ブッシュ英語版
クリス・コネリー英語版
マリア・メヌーノス英語版[1]
司会 ビリー・クリスタル[2]
プロデューサー ジョー・ロス[3]
ディレクター ルイス・J・ホーヴィッツ英語版[4]
ハイライト
作品賞 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
最多部門受賞 『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』 (11)
最多部門
ノミネート
『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』 (11)
TV放映
放送局 ABC
開催時間 3分45秒[4]
視聴率 4356万人
26.68% (ニールセン・レイティング英語版)[5]
 < 第75回 アカデミー賞 第77回 > 

第76回アカデミー賞(だい76かいアカデミーしょう)は、2004年2月29日にコダック・シアターで発表・授賞式が行われた。司会はビリー・クリスタル。ノミネーションは2004年1月27日に行われた。

受賞とノミネート[編集]

第76回アカデミー賞のノミネートは2004年1月27日午前5時38分PST(13時38分UTC)にカリフォルニア州ビバリーヒルズサミュエル・ゴールドウィン・シアター英語版にてアカデミー会長のフランク・ピアソンと女優のシガニー・ウィーバーより発表された[6][7]。最多ノミネートは『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』の11個、次いで『マスター・アンド・コマンダー』の10個であった。

授賞結果は2004年2月29日開催の授賞式で発表された。『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』は『ベン・ハー』と『タイタニック』と並ぶ史上最多の11部門で受賞を果たした[8]。またノミネートされた部門全てで勝利したが、これは『恋の手ほどき』と『ラストエンペラー』の9部門を超える史上最多記録であった[9]。さらに演技部門で1つもノミネートされずに作品賞を獲得した10例目となった[10]ソフィア・コッポラはアメリカ人女性としては初めて、女性としても史上3人目の監督賞候補者となった[11]。また彼女は脚本賞を獲得したが、父のフランシス・フォード・コッポラと祖父のカーマインも受賞経験者であり、3世代にわたってオスカー受賞者を達成した2例目となった[12]。主演女優賞にノミネートされたケイシャ・キャッスル=ヒューズは当時13歳であったが、これは2013年にクヮヴェンジャネ・ウォレス(9歳)に更新されるまでは同部門史上最年少記録であった[13]。『ミスティック・リバー』のショーン・ペンティム・ロビンスはそれぞれ主演男優賞と助演男優賞を獲得し、男優の両部門を制した史上4例目となった[14]

結果[編集]

A picture of a bearded man with long black hair. He wears a beige and white striped shirt underneath a charcoal striped jacket.
ピーター・ジャクソンは監督賞・脚色賞・作品賞を獲得した。
Photo of Sean Penn in February 2009.
ショーン・ペンは主演男優賞を獲得した。
Photo of Charlize Theron at the 2015 Cannes Film Festival.
シャーリーズ・セロンは主演女優賞を獲得した。
Photo of Tim Robbins at the 2012 Toronto International Film Festival.
ティム・ロビンスは助演男優賞を獲得した。
Photo of Renée Zellweger at the 2010 Berlin International Film Festival.
レネー・ゼルウィガーは助演女優賞を獲得した。
Photo of Sofia Coppola at the 2013 Cannes Film Festival.
ソフィア・コッポラは脚本賞を獲得した。
Photo of Denys Arcand at the 2007 Toronto International Film Festival.
ドゥニ・アルカンは外国語映画賞を獲得した。
Portrait photo of Adam Elliot in 2010.
アダム・エリオット英語版は短編アニメ映画賞を獲得した。
A picture of a man with grey hair. He wears thick-rimmed glasses, a white shirt, and a beige suit.
ハワード・ショアは作曲賞・歌曲賞を獲得した。
アニー・レノックスは歌曲賞を獲得した。
Photo of Richard Taylor in 2014.
リチャード・テイラーはメイクアップ賞・衣裳デザイン賞を獲得した。

受賞者は各項目最上段に太字でダブルダガー (double-dagger) 付きのものである[15]

アカデミー名誉賞[編集]

複数の部門での候補及び受賞作品[編集]

複数の部門で受賞した作品
受賞数 映画
11 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
2 マスター・アンド・コマンダー
ミスティック・リバー

プレゼンター[編集]

授賞式情報[編集]

司会のビリー・クリスタルはこれで授賞式の司会は8回目となり、余裕の進行ぶりであった。『ターミネーター3』、『マスター・アンド・コマンダー』、『ファインディング・ニモ』、『恋愛適齢期』、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』、『ラスト サムライ』といったヒット映画のパロディや、作品賞を紹介するメドレー、ロビン・ウィリアムズの物まねなどを披露した。

ABCは放送中の不測の事態に対応するため、ライブではなく5秒遅れで授賞式を放映した。

In Memorial[編集]

昨年亡くなった映画人を偲ぶIn Memorialにはトム・ハンクスが登場し、コメディアン・俳優のボブ・ホープ (2003年7月没)の功績を称えた。ボブ・ホープはアカデミー賞の司会を18回も務めた。また、ジュリア・ロバーツオスカーを4度受賞したキャサリン・ヘプバーン(2003年6月没)を紹介した。更に、映画芸術科学アカデミーの会長フランク・ピアソンは、同じく協会の会長を務めたことのあるグレゴリー・ペック(2003年6月没)にスポットを当てた。その他には俳優のウェンディ・ヒラーホープ・ラングマイケル・ジェッターチャールズ・ブロンソンデヴィッド・ヘミングスアート・カーニーロバート・スタックグレゴリー・ハインズアラン・ベイツ、ドナルド・オコナー、アン・ミラー、脚本家のジョージ・アクセルロッドデヴィッド・ニューマン、監督のエリア・カザンジョン・シュレシンジャースタン・ブラッケージ、ドキュメンタリー作家のレニ・リーフェンシュタール、プロデューサーのレイ・スターク、作曲家のマイケル・ケイメンらの功績が称えられた。

参考文献[編集]

  1. ^ Leviste, Lanz (2004年3月12日). “The King sweeps the Oscars”. The Philippine Star (PhilStar Daily, Inc.). オリジナルの2014年2月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140203012124/http://www.philstar.com/young-star/242278/king-sweeps-oscars 2013年7月19日閲覧。 
  2. ^ “Billy Crystal will MC Oscars”. The Guardian (Guardian Media Group). (2003年9月25日). オリジナルの2013年10月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131010081828/http://www.theguardian.com/film/2003/sep/25/awardsandprizes.news 2013年7月8日閲覧。 
  3. ^ Lubrano, Alfred (2003年9月25日). “Lord of the Oscars: Billy Crystal's back”. The Philadelphia Inquirer (Philadelphia Media Network). オリジナルの2014年2月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140219084532/http://articles.philly.com/2003-09-25/news/25457055_1_peta-crabs-food-poisoning 2013年7月8日閲覧。 
  4. ^ a b Lowry, Brian (2004年2月29日). “Review: "The 76th Annual Academy Awards"”. Variety (PMC). オリジナルの2013年10月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131010082030/http://variety.com/2004/film/reviews/the-76th-annual-academy-awards-1200534757/ 2013年7月8日閲覧。 
  5. ^ Levin, Gary (2004年3月1日). “Oscar back to form with 43.5M viewers”. USA Today (Gannett Company). オリジナルの2013年10月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131017200222/http://usatoday30.usatoday.com/life/movies/movieawards/oscars/2004-03-01-oscar-ratings_x.htm 2013年7月15日閲覧。 
  6. ^ Susman, Gary (2004年1月27日). “Three-'Ring' Circus”. Entertainment Weekly (Time Warner). オリジナルの2013年10月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131004214300/http://www.ew.com/ew/article/0%2C%2C574422%2C00.html 2013年7月8日閲覧。 
  7. ^ Fernandez, Maria Elena; Greg Braxton (2004年1月28日). “Dawn's early rite”. Los Angeles Times (Tribune Company). オリジナルの2013年10月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131004215520/http://articles.latimes.com/2004/jan/28/entertainment/et-fernandez28 2013年7月19日閲覧。 
  8. ^ Smith, Neil (2004年3月1日). “Rings joins Oscar's big winners”. BBC News (BBC). オリジナルの2013年11月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131105110109/http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/3521401.stm 2013年7月8日閲覧。 
  9. ^ “"Lord of the Rings" Wins 11 Oscars”. ABC News (The Walt Disney Company). (2004年3月1日). オリジナルの2014年2月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140224002917/http://abcnews.go.com/Entertainment/Oscars2005/lord-rings-wins-11-oscars/story?id=116560 2013年7月9日閲覧。 
  10. ^ Crow, Kim; Barbara Vancheri (2004年3月1日). “Third "Ring" movie wins 11 Oscars”. Pittsburgh Post-Gazette (Crain Communications). オリジナルの2014年2月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140222041100/http://old.post-gazette.com/ae/20040301oscarfinal0301fnp1.asp 2013年7月9日閲覧。 
  11. ^ Klein, Joshua (2004年2月3日). “Coppola feeling `Lost in Translation'”. Chicago Tribune (Tribune Company). オリジナルの2014年2月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140222015946/http://articles.chicagotribune.com/2004-02-03/features/0402030265_1_sofia-coppola-golden-globes-translation 2013年7月8日閲覧。 
  12. ^ Ryzik, Melina (2013年1月11日). “Oscar’s First Family? Depends on How You Count”. The New York Times (The New York Times Company). オリジナルの2013年5月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130530112507/http://carpetbagger.blogs.nytimes.com/2013/01/11/oscars-first-family-depends-on-how-you-count/ 2013年7月25日閲覧。 
  13. ^ Wloszczyna, Susan (2009年9月13日). “'Luck' may be changing for Caro, grown-up Castle-Hughes”. USA Today (Gannett Company). http://usatoday30.usatoday.com/life/movies/news/2009-09-13-caro-castle-hughes_N.htm 2013年7月8日閲覧。 
  14. ^ McNary, Dave (2004年2月29日). “A ‘River’ of dreams for Penn, Robbins”. Variety (PMC). オリジナルの2014年3月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140304222637/http://variety.com/2004/film/news/a-river-of-dreams-for-penn-robbins-1117900991/ 2013年8月16日閲覧。 
  15. ^ “The 76th Academy Awards (2004) Nominees and Winners”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences (AMPAS). オリジナルの2014年11月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141109220942/http://www.oscars.org/oscars/ceremonies/2004 2011年11月20日閲覧。 
  16. ^ Kehr, Dave (2004年2月15日). “Oscar Films; Anatomy of a Blake Edwards Splat”. The New York Times (The New York Times Company). オリジナルの2014年10月27日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141027234325/http://www.nytimes.com/2004/02/15/movies/oscar-films-anatomy-of-a-blake-edwards-splat.html 2013年7月9日閲覧。 

外部リンク[編集]