国民食

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国民食(こくみんしょく)とは、世代や地域、性別などに影響されることなく大衆に親しまれている食品、または料理を指す用語。


各国の国民食[編集]

アジア[編集]

主食としての米飯おにぎりお茶漬けなどをあげる人は多い(ただし一般の民衆が日常的に白米を食べることが出来るようになったのは戦後になってからである)。麺類であるうどんそばもよく挙げられる。納豆梅干し沢庵漬けなどの漬物、味噌醤油ふりかけ等は日本国外で手に入りにくく、これらを海外旅行に携帯していく人も少なくない。海産物を多く食する傾向にあるため、各種の魚介類や寿司海苔なども挙げられる。他は「日本料理」を参照。
日本人の国民食として、ハンバーグ[1]ラーメンカレーライス肉じゃがなどの「外来料理」を挙げる意見もある。
日本で国民食とされるおもな食べ物
第一に挙げられるのはキムチである。韓国では日本と同じく、炊き上げた米を主食としているが、毎日の食事にキムチを欠かさないという人は多い。 韓国料理はスープ類が発達していることが特徴で、スープが主菜になることが多く、韓国人の食事に欠かせない物である。特にタットリタンサムゲタンミヨッククワカメスープ)は、家庭でよく飲まれる。また、チャジャンミョンインスタントラーメン(ラーミョン)と呼ばれる麺料理も国民食と言われている。
北朝鮮の料理は韓国に比べると辛くないことが多い。また、ジャガイモを使った料理が主流で、ジャガイモ炒め、ジャガイモ餅などジャガイモを主食とした料理が多くみられる。
地域によって食文化が大幅に異なる(北京料理四川料理上海料理広東料理などに大別される)ため、一概にこれと呼べるものを探すのは難しい。広い地域で食べられている料理としては、餃子焼売油条月餅饅頭などがある。
肉を使った料理が主流で、牛肉麺麺線排骨飯魯肉飯といった料理が広く食べられている。
ベトナム料理を参照。米が主食で、チャオ・ガーなどの粥類、チキンライスライスヌードルであるフォーが広く食されている。南北で食文化が異なり、バインセオのように、南部ホーチミン市では日常的な料理だが、北部ハノイ市ではそうではないものもある。また調味料としての魚醤は、東南アジア全域におけるソウルフードといえる。フランス領インドシナとなった過去の歴史があるため、バインミーフランスパンサンドイッチ)、ベトナムコーヒーのような、フランス共和国由来のフランス料理がある。
他の東南アジア諸国や、日本・韓国と同じく主食は米。辛い味付けが好きで、スープ料理ではトムヤムクンが広く食されている。他に豚肉や鶏肉が食されているが、南部地域ではイスラム教徒が居住しているため、豚肉食のタブーである。また北部のイーサーン料理は、ラオス料理に近くタイ料理の主流とは異なる。
煮込み料理のアドボが有名。また南国であるため、ハロハロナタ・デ・ココなど、フルーツ類を使った食品が充実している。
インドネシア料理を参照。サテナシゴレンなど。ココナッツが多用される傾向がある。
インド料理を参照。南インド北インドで大きく食文化が異なる。基本的には、米またはチャパティなど、小麦粉で作ったパンのようなものを主食とし、外国人に「カレー」と呼ばれるスパイスを用いた煮込みや、スープ料理を副食として必ず食べる。南インドではラッサムサンバール、北インドではコルマなどがこれにあたる。
ダツィ料理を参照。唐辛子がメインのチーズ煮込み(エマダツィ)などの非常に辛い料理。

オセアニア・太平洋[編集]

オーストラリア人およびニュージーランド人にのみ愛好される食品としては、ベジマイトと呼ばれる発酵食品が有名である。またワニカンガルーエミューなど、独自の食材も豊富に存在する。
ハワイ料理を参照。代表的なものとしては、タロイモを原料としたポイや、原始的な蒸し焼き料理であるカルア・ピッグなどが挙げられる。

中近東・北アフリカ[編集]

トルコ料理を参照。用いられる肉は宗教上の理由もあり、鶏肉ヒツジ肉が多い。大衆料理としては、ヒツジの肉を串に刺して焼いたケバブが親しまれている。またピラフも食される。
コシャリと呼ばれる混ぜご飯や、アエイシーという平べったいパンに何かを付けて食べたりする。モロヘイヤスープやレンズ豆スープが常食される。ムサカやケバブといった近隣諸国と共通する料理も国民的に親しまれている。
モロッコ料理を参照。ホブズと呼ばれるパンや、小麦粉を小さな固まりに丸めたクスクスを主食とする。他の西アジア・北アフリカ圏と同様、羊肉がもっともよく食べられる肉であり、ケバブやマルガズと呼ばれるソーセージなどにされる。

ヨーロッパ[編集]

フライドポテト(チップス)が大量に付け合わされた料理が多く、庶民ではフィッシュ・アンド・チップスがよく挙げられる。「イギリス料理に旨いものなし」などとジョークや揶揄されることも多いが、キドニーパイヨークシャー・プディングなど独自の料理もある。イギリス生まれのカレーであるチキンティッカマサラも人気である。
イタリア料理は地域差が大きく、国民的な料理を挙げることは難しいが、イタリアの人々が主食とするパスタが国民食と言える。スパゲッティラザニアなどが特にポピュラーなパスタである。ピザも広く知られる。
高級料理が多いように思われがちだが、ポトフなどはフランス家庭料理の定番である。
庶民料理として発達したボルシチ(紅汁)、ヴァレーヌィク(水餃子)、サーロ(豚白脂)が有名である。煮込み料理も多い。
クネッケブロートと呼ばれる固いパン、ニシンの酢漬け、ミートボールなどが国民的な料理であり、スモーガスボード(バイキング)でも定番のメニューである。
スイス料理チーズを用いた料理が多いが、中でもチーズフォンデュがスイスを代表する料理として有名である。スイスではチーズの値段が安いため庶民が日常的に食べている。
ドイツ料理を参照。ドイツ人は黒パンやジャガイモ料理を主食とし、各種のソーセージベーコンザワークラウトを日常的に食べている。スープでよく飲まれるのはオニオンスープアイントプフ
ピロシキボルシチシチービーフストロガノフなどがよく知られる。ロシアではカーシャという粥、ブリヌイというパンケーキ状のもの、ペリメニという餃子に似た料理を日常食べている。味付けにはサワークリームが多用される。

北中米[編集]

国家の成立に、多数の移民が関わっている国である事から、ニューイングランド料理(東部)・フランス料理(中南部)・西海岸の海の幸を使ったコースト料理・メキシコ料理・フライドチキンのような南部料理ソウルフードなどの種類がある。
大衆食としてはファーストフードであるホットドッグハンバーガーピザコーラなどの炭酸飲料アイスクリームコーヒーなどが普及している。特にホットドッグは、アメリカの国技である野球との関わりもあって、アメリカ人にとって特別な食べ物と位置づけられることが多い。"~ is as American as apple pie. (〜はアップルパイぐらいアメリカ的)"という言い回しの通り、アップルパイも、アメリカの国民食的存在のようである。
また感謝祭に、家族揃って食べる七面鳥や、仲間同士でグリルを囲むバーベキューも、アメリカ人共通の思いの込められた料理である。他、アメリカ料理も参照。
トルティーヤと呼ばれるトウモロコシや、小麦粉を原料とした薄焼きパンに具を盛り、サルサフリホレスで調味してタコスブリトーなどとして食べる。ほかに、蒸留酒であるテキーラもよく飲まれる。メキシコ料理も参照。

南米[編集]

畜産国であるため、肉料理やそれに付随するワインが親しまれている。
ブラジル料理の項目にもあるが、アメリカと同様に多民族国家であるため、さまざまな文化をルーツとした料理が発達している。特徴としては、多種多様な種類の豆を使った料理が多いこと。豆や肉を煮込んだ料理は「フェジョアーダ」と呼ばれ、ブラジルでは国民食として親しまれている。

その他[編集]

  • 1997年公開のジョージ・ティルマン・Jr監督、脚本のアメリカ映画「ソウルフード」(原題 Soul Food)は、家族愛で結ばれた黒人の一家が共に囲む食卓を一家の絆としていく物語。アメリカ南部の伝統的な料理が登場する。

出典[編集]

  1. ^ みんな大好き日本の国民食を知ろう!ハンバーグ - グリコ栄養食品食べ物事典

関連項目[編集]