ローストチキン

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ローストチキン
ローストチキン
ローストチキン
別名 鶏の丸焼き
地域 北米ヨーロッパ
主な材料 鶏肉
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ポテトを添えたローストチキン

ローストチキン: Roast chicken)は、ニワトリを丸ごと焼いて作る肉料理である。

準備[編集]

オーブングリルで焼く方法、に刺して焙り焼きにする方法、専用の焼き機(ロースター)で焼く方法など、さまざまな調理法がある。また、ダッチオーブン野外料理用の厚手の鉄鍋)を使って蒸し焼きにする方法もある。丸焼きであるために旨味が逃げにくく、皮の焼けた香味も加わる。

オーブンで焼く場合には、中抜きした鶏に食塩コショウニンニクローズマリーなどを擦り込んで下味をつけ、内部に野菜類や小さく切ったパンなどで作ったファルス(英語ではスタッフィングまたはドレッシングという)を詰めた後に脚をタコ糸などで縫って形を整え、あらかじめ表面に油を塗っておく。オーブンの天板に鶏肉とともにタマネギニンジンなどの野菜類をのせ、水分と香味を補いながら、均一な焼き色がつくように焼き上げる。焼いている途中に、鶏の表面や比較的火が通りやすい胸肉が乾燥しないように、何度か天板にたまった肉汁と脂をかけてやる(「アロゼ: arroser)」または「ベイスティング英語版: Basting)」)のがコツである。

ローストチキンを食卓に出すときに、足先の肉の薄い部分にマンシェット(ペーパーフリルやアルミホイル)を巻くことがある[1]。これは「骨付き肉を持った際に手を汚さないために巻く」と言われるが、もとは「骨の断面が見えてしまうと見た目が良くない」として、断面を隠すために巻かれたのが始まりとされる[誰によって?]

最近では[いつ?]フライドチキンを高カロリーゆえに敬遠する消費者のために、一部のファーストフード店で小分けしたローストチキンを供するサービスが散見されるようになった。

国ごとのローストチキン[編集]

日本では代表的なクリスマス料理のひとつであるが、北米では七面鳥のローストが好まれる。またヨーロッパでは、ガチョウのローストも好まれる。

米国[編集]

アメリカ合衆国では、20世紀のほとんどの間、すぐに食べられるロティサリーチキン英語版がスーパーマーケットやいくつかの肉屋で購入できた。[2] しかし、ボストンマーケット英語版がパッケージ化されたロティサリーチキンの販売の普及に貢献した1990年代初頭まで、[3] それらは消費者に広く利用できる選択肢にはならなかった。[4]

ジョージア・ロシア[編集]

ジョージア(かつてのグルジア)[5][6]ロシアでは、ローストチキンの一種であるタバカ英語版(Табака)が親しまれている。調理法は腹から胸を縦に切り、開いた状態で金槌で骨や関節部を叩いて平たく成形した後、塩胡椒を基本に、その他好みで香草や香辛料を加えて下味をつけバターをフライパンに入れて皮を上にし、全体を押し潰すくらいの重りを乗せてじっくり加熱し、頃合いになったらひっくり返して皮の側も焼く。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 社団法人全国調理師養成施設協会編『改訂調理用語辞典 カラー版』 1999年、1145頁
  2. ^ Why Whole Foods Is Banking on Rotisserie Chicken” (英語). eater.com. 26-10-2021閲覧。.
  3. ^ The legacy of the rotisserie chicken: grocery stores’ golden goose” (英語). thehustle.co (2018年1月11日). 26-10-2021閲覧。.
  4. ^ Rotisserie Chickens: The ’90s Gift to Supermarkets That Keeps on Giving” (英語). wsj.com (2018年1月4日). 26-10-2021閲覧。
  5. ^ スパイシーなジョージア料理に舌鼓 日本から2時間の「週末海外」へ”. Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン (2018年6月9日). 2020年12月26日閲覧。
  6. ^ 美味しいロンドンはロシアが作る”. ニューズウィーク日本版 (2016年6月28日). 2020年12月26日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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