クリストキント

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クリストキントを描いたイラスト(1845年の本より)
家を訪問するクリストキント

クリストキントChristkind, ChristusKind)は、主にドイツ南部、オーストリアスイスハンガリーチェコスロバキアなどに伝わるクリスマス天使

名前は「幼いキリスト」だが、そのイメージは、女性の姿で想像されている。サンタクロースと同じような役割を持つ。ドイツのニュルンベルクでは2年に1度、若い女性のなかからコンテストでクリストキントが選ばれる。金と白の衣装を身にまとい、金髪の巻き髪のかつらをつける[1]

歴史[編集]

マルチン・ルター聖人崇拝を禁止した後のプロテスタントの間では、年に1回子供たちに贈り物を配るのは聖ニコラウスではなく幼子キリストの役割とされ、贈り物の日も聖ニコラウスの日である12月6日からキリスト生誕の前夜である12月24日に変わった[2]。これには、教会が子供たちに対してクリスマスの主役はキリストであることに注意を向けたいという意思があったとされる[3]

クリストキントがラインラントバイエルンなどといったドイツのカトリック教徒の多い地方に広がったのは、19世紀のことであった[4]。以後、クリストキントはヨーロッパのカトリック圏や中南米のカトリック国の間に広がり、今日に至っている[5]。もともと、クリストキントを受容した北ドイツのプロテスタントの間では次第にヴァイナハツマン(サンタクロースのドイツ版で、クリスマスに贈り物を配って回る人物)が人気を持つようになっていった一方、南ドイツやオーストリアなどのカトリックの間ではクリストキントがサンタクロースの地位を奪うに至っている。

脚注[編集]

  1. ^ 何で?サンタクロース人気が異常に低い町がドイツにあるらしい”. withnews. 朝日新聞社 (2014年12月18日). 2015年2月10日閲覧。
  2. ^ Forbes, Bruce David, Christmas: a candid history, University of California Press, 2007, 0-520-25104-0, pp. 68-79.
  3. ^ Siefker, Phyllis (1 January 1997) (英語). Santa Claus, Last of the Wild Men: The Origins and Evolution of Saint Nicholas, Spanning 50,000 Years. McFarland. p. 158. ISBN 9780786402465. "Beginning in the sixteenth century, the Lutheran Church promoted Christ as the children's gift-giver, hoping to draw attention to the child for whom Christmas was named." 
  4. ^ Perry, Joe (27 September 2010) (英語). Christmas in Germany: A Cultural History. Univ of North Carolina Press. p. 36. ISBN 9780807899410. "The Christkind, despite his Lutheran roots, was especially popular in Catholic households because of his lingering associations with Jesus." 
  5. ^ McCullough, Joseph (20 September 2014) (英語). The Story of Santa Claus. Bloomsbury Publishing. p. 43. ISBN 9781472803443. "Instead, the Christkind became popular in more Catholic countries, and remains the main gift bringer in many Catholic countries in Latin America."