伝統

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伝統(でんとう、: tradition)とは、信仰、風習、制度、思想、学問、芸術などの様々な分野において、古くからのしきたり・様式・傾向、血筋、などの有形無形の系統を受け伝えることをいう。

伝統とは[編集]

伝統とは、古くからのしきたり・様式・傾向、血筋などの有形あるいは無形の系統を受け伝えること[1]、民族や社会・団体が長い歴史を通じて培い伝えて来た、信仰、風習、制度、思想、学問、芸術、あるいはそれらの中心をなす精神的あり方[2]などのことをいう。

様々な分野において、様々な由来の様々な伝統が存在する。

創られた伝統[編集]

場合によっては、本来「伝統」ではないものが「伝統」として広まることもある[3][4][5]。伝統とするのはおかしい例として以下のような指摘が挙げられることがある。

国内の例
  • 夫婦同姓は日本の「伝統」とはいえない[3][5]。夫婦同姓が規定されたのは国民皆姓制度ができてよりもかなり後の明治後半の明治31年である。
  • 江戸しぐさ」は江戸時代からの「伝統」ではない[3]。江戸しぐさは1980年代に創作された、と指摘されている。
  • 初詣は日本の伝統ではない[6]。初詣は明治中期に成立した新しい行事である。
  • 武士道」は江戸時代からの武士の「伝統」ではない[5]。「武士道」という言葉は1900年以前のいかなる辞書にも載っていない[5][7]
  • 万葉集は、伝統的に評価が高かったわけではなく、明治期に、庶民から天皇までの歌が収められているために、「日本」という統一国家観の形成のために価値が創りだされた、と品田悦一は指摘している[8]
  • ゴミが少ないのは昔からの日本の「伝統」ではない[3]。現在の日本においてゴミが少ないのは、戦後のさまざまな取り組みによるもので「伝統」ではない、という指摘がある。
海外の例
  • タータンチェック・スカートはスコットランドの「伝統」ではない[4]。もともと、タータンチェックは17世紀後半頃、スコットランドの高地に住む人々が「伝統」として始めたものだった、との指摘がある。
  • ヨーガと言えば独特のポーズ(アーサナ)をとる練習風景を連想するが、このポーズ練習を中心に据えたヨーガは、インド古来の「伝統」ではない。19世紀後半から20世紀前半に西洋で発達した西洋式体操が、近代インドに輸入されてできあがったものである[9][10]。現在日本で行われている「ヨーガ教室」等の大半はこの流派に入る。

脚注[編集]

  1. ^ 日本国語大辞典、小学館、2005年。
  2. ^ 広辞苑、第六版、岩波書店、2008年。
  3. ^ a b c d 「それホンモノ? 『良き伝統』の正体」毎日新聞、2016年1月25日
  4. ^ a b エリック・ボブズボウム、テレンス・レンジャー(編)、『創られた伝統』紀伊國屋書店、1983年。
  5. ^ a b c d 「創られちゃう伝統――「夫婦別姓」最高裁判決を受けて生じる無邪気な言説」、Yahoo News、2015年12月18日
  6. ^ 平山昇『鉄道が変えた社寺参詣 · 初詣は鉄道とともに生まれ育った』交通新聞社新書
  7. ^ Michele M. Mason ”Empowering the Would-be Warrior: Bushido and the Gendered Bodies of the Japanese Nation”
  8. ^ 品田悦一、「萬葉集の発明」、新曜社、2001年。
  9. ^ マーク・シングルトン 『ヨガ・ボディ - ポーズ練習の起源』 喜多千草訳、大隅書店、2014年ISBN 978-4-905328-06-3
  10. ^ 伊藤雅之「現代ヨーガの系譜 : スピリチュアリティ文化との融合に着目して」、『宗教研究』84(4)、日本宗教学会、2011年3月30日、 417-418頁、 NAID 110008514008

関連項目[編集]

外部リンク[編集]