バインミー
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バインミー | |
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各種表記 | |
クォック・グー: | bánh mì, bánh mỳ |
漢字・チュノム: | 餅麵 |
北部発音: | バインミー |
バインミー(ベトナム語: bánh mì, bánh mỳ)は、ベトナムのサンドイッチである(本来は単に「パン」を意味する)。ベトナム語でバインミーは「サンドイッチ」と言う意味ではない。
「パン」の総称である。 フランスパン、食パンなどは全てバインミーである。
「サンドイッチ」の意味だと勘違いして、「バインミー」を下さい( cho toi banh mi!) と言っても通じない。ベトナム語では「バインミーを下さい」は、日本語で言う「パンを下さい」の意味である。
長さ20センチメートルほど(bánh mì queなど細長いものも存在する)の柔らかいフランスパン(バゲット)に切り込みを入れ、バター(マーガリン)、パテを塗り、野菜、ハーブ類、肉などをはさみ、ヌクマム(魚醤)などのソースを振り掛ける。携帯性のよさから屋台だけでなく、バスターミナルなどでは駅弁がわりとして新聞紙に包んでも売られる庶民のファーストフード。同じくフランスの植民地支配を受けたカンボジア、ラオスでも一般化している。
名称[編集]

ベトナム語での一般的な名称は、bánh mì kẹp(バイン・ミー・ケップ:"kẹp"は「挟む」の意味)、bánh mì thịt(バイン・ミー・ティット:"thịt"は「肉」の意味)や bánh mì pa tê(バイン・ミー・パーテー:"pa tê"はパテの意) だが、省略して単に「バインミー」と呼ぶことが多い。ベトナム語でバインミーは「小麦粉の餅」、つまりパンの総称であるが、様々な種類のパンを楽しむ文化がいまだ途上のため、パンといえばフランスパンを指す風潮が根強い(厳密に「フランスパン」と言いたい場合は bánh mì Pháp や bánh mì baguette と言う)。
ラオス語では「カオ・チー・パーテ」[1]、カンボジアのクメール語では「ノムパン・パッテェイ」[2]といい、共に「パテのパン」を意味する。
ベトナムでは、鶏肉が入ったものであれば、bánh mì gà、目玉焼きを挟めば bánh mì ốp la、さつま揚げを挟むと bánh mì chả cá となるなど名前がさまざまに変わる。
歴史[編集]
19世紀末のフランスによる植民地支配後、パン食の文化がベトナム全土に広がった。ベトナムのフランスパンには米粉が入っており、また非常に空気を多く含んだ軽い食感であるのが特徴である。
レシピと調理法[編集]
バインミーに挟む食材は、それぞれの屋台や店によって、またメニューによって大きく異なる。
パテはレバーペーストの他、鴨や魚のペーストを用いる例もある。野菜は、紅白なます、ラディッシュ、キュウリ、玉葱、ハーブは香草などが一般的である。肉についても、鶏、豚耳、ベーコン、サラミ、甘みの強い中華ハム、肉でんぶ、さつま揚げ(chả cà)、あひるや豚の丸焼きを切り出した物など、店ごとに工夫をしている。
なおパンは調理の直前に炭火で炙る事も多く、作り置きはせず、注文を受けてから客の好みを聞きながら作るのが原則である。
出典[編集]
- ^ 地球の歩き方編集部. 地球の歩き方 D23 ラオス '13-'14. ダイヤモンド社/ダイヤモンド・ビッグ社. p. 32. ISBN 978-4-478-04354-7.
- ^ “第42回 親子をつなぐカンボジア版お好み焼き|ナショナルジオグラフィック日本語版サイト”. 2015年6月30日閲覧。