和辻哲郎文化賞
和辻哲郎文化賞(わつじてつろうぶんかしょう)は、1988年に兵庫県姫路市が市制百年記念と和辻哲郎生誕百年を記念して創設した学術賞。一般部門と学術部門に分かれる。かつて司馬遼太郎が選考委員を務めた。正賞の「蒔絵源氏絵千姫羽子板」と副賞100万円などが贈られる。
部門と選考委員[編集]
以下、※は故人。
一般部門[編集]
和辻哲郎が文学、歴史、芸術などさまざまな領域において横断的かつユニークな著作を世に問い、広範な読者に訴えかけたスケールの大きな学者であったことに鑑み、文化一般におけるすぐれた著作に与えられる。
選考委員[編集]
- 梅原猛※(2016年度まで)
- 陳舜臣※(2011年まで)
- 司馬遼太郎※
- 中野孝次※(司馬の後任)
- 山折哲雄(中野の後任、2004年度より2018年度まで)
- 阿刀田高(陳の後任、2012年より)
- 辻原登(2019年度より)
- 山内昌之(2019年度より)
学術部門[編集]
和辻哲郎が専門とした哲学、倫理学、宗教、思想、比較文化といった領域での学術的水準を備えた、すぐれた論文に与えられる。
選考委員[編集]
- 勝部真長※
- 湯浅泰雄※
- 坂部恵※
- 濱井修(勝部の後任、1998年度より)
- 関根清三(濱井の後任、2003年度より)
- 黒住眞(湯浅の後任、2005年度より)
- 加藤尚武(坂部の後任、2009年度より)
- 鷲田清一(加藤の後任、2013年度より)
- 野家啓一(鷲田の後任、2017年度より)
- 清水正之(黒住の後任、2022年度より)
受賞者[編集]
- 第1回(1988年)
- 一般 大久保喬樹『岡倉天心』(小沢書店)
- 学術 ウィリアム・R・ラフルーア「廃墟に立つ理性 戦後合理性論争における和辻哲郎の位相」(『戦後日本の精神史』岩波書店所収)
- 第2回(1989年)
- 第3回(1990年)
- 第4回(1991年)
- 第5回(1992年)
- 第6回(1993年)
- 第7回(1994年)
- 第8回(1995年)
- 一般 井上義夫『評伝 D. H. ロレンス』全三巻(小沢書店)
- 学術 阿部良雄『シャルル・ボードレール』(河出書房新社)
- 第9回(1996年)
- 第10回(1997年度)
- 第11回(1998年)
- 第12回(1999年)
- 第13回(2000年)
- 第14回(2001年)
- 第15回(2002年)
- 第16回(2003年)
- 第17回(2004年)
- 一般 平川祐弘『ラフカディオ・ハーン 植民地化・キリスト教化・文明開化』(ミネルヴァ書房)
- 学術 井上達夫『法という企て』(東京大学出版会)
- 第18回(2005年)
- 第19回(2006年)
- 第20回(2007年)
- 第21回(2008年)
- 一般 岡谷公二『南海漂蕩』(冨山房インターナショナル)
- 学術 森一郎『死と誕生』(東京大学出版会)
- 第22回(2009年)
- 第23回(2010年)
- 第24回(2011年)
- 第25回(2012年)
- 第26回(2013年)
- 第27回(2014年)
- 第28回(2015年)
- 第29回(2016年)
- 一般 山口謠司『日本語を作った男 上田万年とその時代』(集英社インターナショナル)
- 学術 野矢茂樹『心という難問 空間・身体・意味』(講談社)
- 第30回(2017年)
- 第31回(2018年)
- 第32回(2019年)
- 第33回(2020年)
- 第34回(2021年)
- 第35回(2022年)