天は赤い河のほとり

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天は赤い河のほとり
漫画
作者 篠原千絵
出版社 小学館
掲載誌 少女コミック
発表期間 1995年3号 - 2002年13号
巻数 単行本全28巻、文庫版全16巻
テンプレート使用方法 ノート
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天は赤い河のほとり』(そらはあかいかわのほとり)は、篠原千絵漫画作品。小学館少女コミック』誌上にて1995年3号から2002年3・4号、7号、11~13号まで連載。単行本全28巻、文庫版全16巻。第46回小学館漫画賞受賞。

目次

[編集] 概要

紀元前14世紀の世界に流された中学3年の少女・夕梨(ユーリ)が古代オリエントの強国ヒッタイトの皇妃(タワナアンナ)となるまでを描いた物語。

最終巻の28巻ではカイル・ユーリの死後のヒッタイトについて描かれており、外伝的な話になっている。カデシュの戦いの約20年後であるこの話で活躍するのは、カイルとユーリの孫のユーリ・ナプテラとラムセスの曾孫にあたるマリパスであり、『天は赤い河のほとり』はこの二人が故郷を捨て東に旅立つところで終わっている。

最終巻の後に出されたムック『天は赤い河のほとりファンブック』にて若干のエピローグが追加されている。

[編集] ストーリー


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


ごく普通の中学生、鈴木 夕梨(すずき ゆうり)は、第一志望の高校に合格し、友人の氷室ともいい仲になり、暖かい家族に囲まれ、幸せな毎日を送っていた。そんなある日、楽しいデートの最中に、突然出てきた手によって水溜りの中に引き込まれる。手から逃れた夕梨がたどり着いた先は、なんと古代のヒッタイト帝国だった。

ユーリを呼んだのは、国内で絶大な権力を持つ皇妃・ナキアだった。ナキアは第6皇子である息子・ジュダに皇位を継がせたいという野望を抱いており、邪魔な兄皇子たちを呪い殺すための生贄としてユーリを呼び寄せたのだった。わけが分からずナキアの元から逃げ出したユーリを助けたのは、ナキアが最も邪魔に思っている第3皇子・カイルだった。カイルは皇妃から守るためにユーリを自分の側室という事にして、宮にかくまう。

ユーリがもとの世界に戻るには、3つの条件がそろわなくてはいけない。

1つは、『高い位の神官の力』。

2つは、『7つの泉が満ちること』。

3つは、『ユーリが着ていた服』。

神官の力はカイルが持っており、泉は暁の明星が昇るころに満ちるためそれを待てばいい。しかし、服はナキア皇妃の宮にあるという。なんとかして20世紀の日本に戻りたいユーリは、使用人ティトと皇妃の宮へ忍び込み、服を取り戻すが、皇妃の罠にはまり、ユーリをかばったティトが犠牲になってしまう。ようやく日本に還ることができる条件がそろうが、ユーリは自分を慕ってくれたティトを想い、ティトのかたきをうつまで還らないと誓う。

有力な皇位継承候補であるカイルにつき従って行動するうちに大きな手柄をあげるユーリは、戦いの女神・イシュタルとして広く認知されるようになっていく。それとともにカイルとユーリは惹かれあっていくが、ユーリの日本に帰りたいという願いのため、想いを遂げられずにいた。

後にカイルはヒッタイト皇帝ムルシリ2世として即位。しかし、ナキアは皇帝から独立した権限を持つ皇太后(タワナアンナ)であるため、手を出すことができない。そんな中、ユーリは皇太后の策略によって、条件の1つである『泉』を埋められそうになる。さらに、それを阻止しようとするカイルの命が危険にさらされる。日本の家族とカイル、ユーリは決断を迫られ、ヒッタイトで生きていく事を決意。ようやく、二人は結ばれる。

しかし、皇太后の野望が潰えたわけではなく、ユーリは命を狙われ続ける。その上、エジプトの将軍・ラムセスもユーリを妻にと狙う。

[編集] 主な登場人物

[編集] 主人公

ユーリ・イシュタル(鈴木夕梨(すずき ゆうり))
現代の普通の中学3年生だったが、ナキア皇妃の陰謀により、ヒッタイトへと召還される。まっすぐな性格で、言い出したら聞かない。体育は得意だが、歴史は苦手。
呪いの形代として皇妃に殺されそうになったところをカイルに助けられ、皇妃から逃れるために、カイルの側室、そして戦いの女神「イシュタル」となる。当初は成り行きでのことだったが、持ち前の強い正義感と運動神経の良さ、現代人らしい感覚で数々の功績を残し、人々の信頼を集める。また、カイルとともに様々な困難と立ち向かううち、いつしか愛し合い、カイルの役に立つためにも、日本に還るまではイシュタルを演じることを決意する。
カイルのそばに残ると決めてからは、公私ともにかけがえのないパートナーとなる。身分の違い、第一子の流産、ナキア皇太后との対決などを乗り越え、カイルと結婚、ヒッタイトの皇后(タワナアンナ)となる。
その後の外伝で4人の子をもうけながら、その容姿は側室としてカイルの側にあがった時と変わらなかったという事が語られている。カイルよりも先に亡くなっている。

[編集] ヒッタイト帝国

[編集] 皇家

カイル・ムルシリ(ムルシリ2世
時の皇帝シュッピルリウマ1世の第3皇子。母は前皇后の故ヒンティ皇妃。神官の位も持ち、母親譲りの風を操る魔力がある。人望が厚く、武勇・知性ともに優れ、いずれ皇位を継ぎヒッタイトを導く人材として期待されている。本人もそのことを自覚しており、戦いのない平和な治世を目指している。そして、ともに国を治める、皇后にふさわしい器量の女性を探しており、ユーリと出会うまでは、女性関係が派手だった。
偶然ユーリと出会い、成り行きで自分の側室とし、ナキア皇妃の魔の手から守る。行動をともにするうち、深く彼女を愛するようになり、またユーリに探し求めていた皇后としての資質を見出すが、ユーリの日本に還るという願いのため、気持ちを抑えていた。しかし、ユーリが残ると決めてからは、ユーリを正妃にすることを心に決める。
様々な困難を打ち破ってユーリと結婚。結婚した後も、側室を持たず生涯彼女1人を愛し続けた。その後、ユーリ他界の1年後に後を追うように亡くなったと、外伝的な物語で語られている。
ナキア
シュッピルリウマ1世の現皇后で、神官。皇帝の死後は皇太后となる。バビロニア王家出身。15歳で、ミタンニの侵略からバビロニアを守るためヒッタイトに嫁ぐ。側室だったが、当時の皇后・ヒンティを暗殺し、皇后の座に就く。自分の生んだ息子ジュダを皇位につけるため、生贄としてユーリを召還する。水を操る力を持つ。
シュッピルリウマ1世
ヒッタイト帝国皇帝。アナトリアの小国にすぎなかったヒッタイトを帝国にまでのし上げた猛将。はやり病により死亡。
ザナンザ・ハットゥシリ
シュッピルリウマ1世の第4皇子で、カイルの異母弟。母は故ヒンティ皇妃の侍女。幼い頃に母を亡くし、カイルとともにヒンティ皇妃に育てられた。母親の身分が低いため、帝位には就けないが、カイルが理想を共有する、最も信頼する腹心の部下であり、周囲からの期待も厚い。ユーリに惹かれていたが、カイルのために身を引く。エジプト王妃アンケセナーメとの婚儀のためエジプトに向かう途中、ナキア皇妃の罠によって死亡。
ジュダ・ハスパスルピ
シュッピルリウマ1世の第6皇子で、ナキア皇妃の息子。素直な優しい性格の少年。母の思惑とは裏腹に本人には皇位を継ぐつもりは全く無く、カイルを慕う。
サリ・アルヌワンダ(アルヌワンダ2世
ヒッタイト帝国皇太子で、カイルの異母兄。母はシュッピルリウマ1世の最初の正妃。体が弱く、正妃にも5人の側室にも子はいない。帝位に就いてまもなく、ナキア皇太后の策略により暗殺される。
ロイス・テリピヌ
シュッピルリウマ1世の第2皇子で、カイルの異母兄。母親の身分が低いため、帝位には就けない。ハレブの知事。
マリ・ピアシュシュリ
シュッピルリウマ1世の第5皇子で、カイルの異母弟。エジプトとの戦いで、ラムセスとたちあい、討死。

[編集] 側近

イル・バーニ
カイルの乳兄弟。代々元老院議長を輩出する貴族出身、王宮の書記官を務める。冷静で頭の切れる人物であり、政治面における参謀として活躍。カイルに命を賭けるほどの忠誠を誓っており、カイルからの信頼も厚い。その後の外伝で、元老院議長になっている。
キックリ
カイルに幼いころから仕えている人物で、カイルの乗る戦車御者を勤める。後に、双子の姉妹であるリュイとシャラの二人の夫となる。その後の外伝では、4人の子供(男の双子と女の双子)をもうけ、馬事総監となっている。
ハディ
ハッティ族の族長の娘でユーリに仕える女官長。初め、弟のティトがユーリに殺されたとウルヒに吹き込まれ、双子の妹たちと共にユーリに復讐しようと暗殺を試みるが、後に真実を知って罪を悔い、献身的にユーリに仕える。剣術が優れている。
リュイ
ハディの妹でユーリに仕える女官。双子の妹にシャラがいる。キックリの妻となる。
シャラ
ハディの妹でユーリに仕える女官。双子の姉にリュイがいる。キックリの子を妊娠し、妻となる。
ルサファ
カイルに仕える弓兵隊隊長。ユーリに想いを寄せていたのをナキア皇太后に利用され、隊長から一兵士に降格。しかし、弓兵隊を除隊、近衛副長官となりユーリを補佐。ネフェルトより求愛されるが、ナキア皇太后の刃からユーリを庇って死亡。
カッシュ
カイルに仕える戦車隊隊長。貧しい貴族の出でウルスラと愛し合い、婚約。ウルスラの形見の髪を額飾りにして身につける。
ミッタンナムワ
カイルに仕える歩兵隊隊長。スキンヘッドの偉丈夫。
シュバス
カイルに仕える第2弓兵隊長。ルサファが降格した際、隊長に昇格。ゾラとは入隊以来の親友。
ゾラ
カイルに仕える第2歩兵隊長。ナキア皇太后から部隊長への昇進を持ちかけられ、カイルの身辺情報を皇太后に流す。
ティト
ハッティ族の族長の息子。カイルに仕え、ヒッタイトにやってきたばかりのユーリの世話をする。雰囲気がユーリの妹・詠美に似ている。ユーリを助けてカシュガのズワに殺された。
ウルスラ
ウルヒに唆され、カタパの町でイシュタルの名を騙り、贅沢な暮らしをした。嘘がばれてからは、ユーリに仕える女官となり、忠誠を誓う。カッシュと愛し合うが、皇帝暗殺の疑いをかけられたユーリの無実を晴らすため、自ら罪を被り死刑となった。カッシュに形見として、自らの髪を渡す。

[編集] その他

ウルヒ・シャルマ
ナキア皇妃に献身的に仕える神官。皇妃の野望のために暗躍する。金髪碧眼。北方の国の王族出身だが国を滅ぼされ、奴隷としてヒッタイトに売られて来た。宦官
タロス
ハッティ族の族長。ハディたち三姉妹とティトの父。ユーリに製鉄法を献上する。
ギュゼル
元老院議長アイギルの娘。カイルの昔の恋人の一人。ひかえめな女性だが、ナキア皇妃にあやつられ、息子をカイルの子と偽る。

[編集] エジプト

ウセル・ラムセス(ラムセス1世
エジプトの軍人。オッドアイ(右:金色、左:セピア)。エジプトでも屈指の名家の生まれだが、鷹揚な性格。武勇・知性ともに優れた実力者で、カイルの最大のライバルとなる。現在の王朝に失望しており、民人すべてが安心して暮らせる国を目指し、エジプト王の座を狙っている。
ザナンザ皇子が暗殺された際、逃げ延びたユーリと出会う。ヒッタイト-エジプト間の開戦の危機を回避させたユーリの才を見込み、妻にと望む。
ナイルデルタ方面守備隊長だったが、ヒッタイトとの和平交渉により、ハットュサ駐屯部隊隊長に就任。ユーリに近づき、奪う機会をうかがう。その後、ホレムヘブがファラオの座に就いたとき、将軍となり、ユーリ、カイルの前に立ちはだかる。
ネフェルティティ
エジプトの王太后。ミタンニ王家出身。黄金とひきかえに、当時のエジプト王アメンホテプ3世の側室として嫁ぐ。3世の死後、義理の息子のアメンホテプ4世の正妃となり、4世の死後も、王太后としてツタンカーメンアイホレムヘブと、次々と王を手玉に取り、エジプト王宮に絶大な権力を誇る。しかし、敵国であるヒッタイト帝国皇太后と通じ、その証拠をラムセスにあげられ失脚。
ホレムヘブ
エジプトの将軍で、ラムセスの上官。王家の娘を妻にしており、後にエジプト王となる。
ハトホル・ネフェルト
ラムセスの妹の一人。さばさばした性格で、ユーリのエジプト滞在中に親しくなる。ユーリとカイルの結婚式に祝賀の使者としてヒッタイトを訪れ、ルサファに求愛する。

[編集] ミタンニ王国

マッティワザ(黒太子)
ミタンニの王太子。冷酷非情で、攻め入った国はすべて滅ぼす「血の黒太子」と恐れられている。姉はタトゥーキア(エジプト皇太后ネフェルティティ)。側室にナキア皇后の妹ナディアがいる。ヒッタイトの進軍によってナディアの祖国バビロニアを頼るが、のちに国の再建を許され、新ミタンニ王国の王として即位、ヒッタイトの藩属国として支える。
ナディア
ミタンニ王太子の側室。黒太子との間に、第一王女と第二王子の2人の子供がいる。バビロニア王家出身で、ナキア皇妃の妹。ミタンニの侵略からバビロニアを守るために嫁ぐも、黒太子を心から愛する。新たに側室となったユーリを殺そうとするが失敗。ヒッタイトの進軍により、ミタンニが滅びても黒太子についていった。

[編集] アルザワ

アレキサンドラ王女
ヒッタイトの隣国(後に藩属国)アルザワの王女。ユーリを慕い、ヒッタイトに滞在。後にジュダの正妃となる。

[編集] 日本

氷室 聡(ひむろ さとし)
夕梨のファーストキスの相手。
鈴木 鞠絵(すずき まりえ)
夕梨の姉。眼鏡をかけている。
鈴木 詠美(すずき えいみ)
夕梨の妹。夕梨を『夕ちゃん』とよぶ。

[編集] ドラマCD

  • ファーストシーズン
    • 1997年12月17日 天は赤い河のほとり サウンドシアター1
    • 1998年5月20日 天は赤い河のほとり サウンドシアター2
    • 1998年11月18日 天は赤い河のほとり サウンドシアター3
    • 1999年5月19日 天は赤い河のほとり サウンドシアター4
    • 2000年2月17日 天は赤い河のほとり サウンドシアター5
    • 2000年7月19日 天は赤い河のほとり サウンドシアター6
  • セカンドシーズン
  • 天は赤い河のほとり サウンドシアター Complete Collection CD
  • 天は赤い河のほとり サウンドシアター【番外編】キックリの一日

[編集] キャスト

[編集] 関連書籍

複製版画/イラスト集
FANBOOK
  • 篠原千絵 著\キャラメル・ママ 企画・構成『天は赤い河のほとりファンブック』 2002年7月26日刊行 ISBN 4-09-135782-2
小説

原作者の篠原千絵自身が執筆する外伝小説、2007年ルルル文庫で刊行した。

  • 『天は赤い河のほとり外伝 ~魔が時代の黎明~』 2007年5月24日刊行 ISBN 978-4-09-452006-4
  • 『天は赤い河のほとり外伝 ~続 魔が時代の黎明~』 2007年8月31日刊行 ISBN 978-4-09-452020-0
小学館漫画賞少女部門
第45回 平成11年度
バラ色の明日
いくえみ綾
第46回 平成12年度
『天は赤い河のほとり』
篠原千絵
第47回 平成13年度
YASHA-夜叉-』/吉田秋生
輝夜姫』/清水玲子