Lies and Truth
「Lies and Truth」 | |||||||||||||||||||||||||
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L'Arc〜en〜Ciel の シングル | |||||||||||||||||||||||||
初出アルバム『True』 | |||||||||||||||||||||||||
B面 | 賽は投げられた | ||||||||||||||||||||||||
リリース | |||||||||||||||||||||||||
規格 |
8cmシングル 12cmシングル デジタル・ダウンロード | ||||||||||||||||||||||||
ジャンル |
ポップス ロック | ||||||||||||||||||||||||
時間 | |||||||||||||||||||||||||
レーベル | Ki/oon Sony Records | ||||||||||||||||||||||||
作詞・作曲 |
hyde (作詞) ken (作曲) | ||||||||||||||||||||||||
プロデュース |
L'Arc〜en〜Ciel 西平彰、秦野猛行 | ||||||||||||||||||||||||
ゴールドディスク | |||||||||||||||||||||||||
チャート最高順位 | |||||||||||||||||||||||||
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L'Arc〜en〜Ciel シングル 年表 | |||||||||||||||||||||||||
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「Lies and Truth」(ライズ アンド トゥルース)は、日本のロックバンド、L'Arc〜en〜Cielの6作目のシングル。1996年11月21日発売。発売元はKi/oon Sony Records。
解説[編集]
前作「flower」以来1ヶ月ぶりとなる1996年第3弾シングル。同年3月に発売された4thアルバム『True』の先行シングルとなっている。また、1997年11月4日にドラマーのsakuraがL'Arc〜en〜Cielを脱退したため、結果的にsakura在籍していたころのL'Arc〜en〜Cielが発表した最後のシングルとなった。
本作の表題曲は、同年2月に行った、各メンバーがデモを披露する曲出し会においてkenが提出していたものを基に制作された[2]。この曲出し会では「風にきえないで」や「the Fourth Avenue Cafe」も提出されており[2]、夏に発表するシングルとして「風にきえないで」が、アルバム発売の直前に発表するシングル表題曲として「Lies and Truth」が採用されている。これまでのL'Arc〜en〜Cielはアルバム発売前にシングルを多くリリースすることはなかったが、アルバム『True』の発表に向け、本作含め約半年の間に3作のシングルが発表されている。アルバム発表前に多くのシングルを発表することについて、kenは「街にL'Arc〜en〜Cielの音楽を氾濫させようという面では、シングルをいっぱい出してもいいと思ったし、ま、結果的にアルバムを聴いてもらえるならなおさらいいかな、と。ただし、いい曲がいっぱいあるからシングルにしようという感覚であって、狙ってシングルをって考えで曲出しはしてないです[3]」と本作当時のインタビューで語っている。
表題曲は、軽快なカッティングとメロディアスなサビが印象的な、哀愁が漂う憂いのある楽曲となっている。さらにこの曲ではストリングス・サウンドが大々的にフィーチャーされている。弦楽器を取り入れた背景について、作曲者のkenは「曲を塗るよりも推し進めていくギタープレイをした。塗るのはキーボードやストリングスに任せた。そういう他の楽器と絡んで鳴っているのがやってみたかったんです[4]」と語っている。また、この曲について、kenは後年に受けたインタビューで「メロディ指向のものがチャート上位に入っていたから、意識的に書いた[5]」とも語っている。
本作の表題曲を含め、1996年にアルバム『True』に先駆けて発表したシングル3作品は、いずれもセールスチャートに入るポップスを意識したうえで制作が行われている。2004年に受けた『True』に関するインタビューにおいて、hydeは「僕らにやりたいことが山ほどあったから、ここでポップな曲での攻撃を覚え始めた[6]」と述べている。また、同インタビューにおいて、kenは「(L'Arc〜en〜Cielが)売れねえって声が聞こえた時、当時自分が一番曲を書いていたから、"曲が悪いんだろう"、"俺が悪いんだろう"、"そりゃ売れねえの作ってるよ、俺は"と思っていた。だから"じゃあ売れるの作りましょうか"っていう気分で『True』の制作にあたった[5]」と語っており、当時セールスを意識するに至った背景について述懐している。
表題曲のミュージック・ビデオは2003年3月19日に発表したベストアルバム『The Best of L'Arc〜en〜Ciel 1998-2000』の初回限定盤特典DVDに初収録され、2007年2月14日に発表したクリップ集『CHRONICLE 0 -ZERO-』にも収められている。また、2019年12月11日に公式YouTubeアーティストチャンネルにおいてYouTube Music Premium限定で映像の有料公開を開始している。この映像のディレクターは竹内スグルが務めており、映像は埼玉県入間市にある旧石川組製糸西洋館という古い洋館で撮影された。前述のYouTubeチャンネルでの有料公開開始から約2年4ヶ月後となる2022年4月8日からは同サイトで映像の無料公開が開始されている。
フィジカルは当時8cmシングルで発表されていたが、2006年のシングル14作品再発企画において12cmシングルとして再発売されている。
収録曲[編集]
- Lies and Truth
- 作詞: hyde / 作曲: ken / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Akira Nishihira
- テレビ東京系番組『TOWER COUNTDOWN』テーマソング。
- メンバーが「案外サビが長く続くやつ」とこの曲を表現するほど印象的なサビがついており、ポップでメロディアスなナンバーに仕上げられている。メロディアスなサビを付けた背景について、2004年に受けたインタビューで作曲者のkenは「メロディ指向のものがチャート上位に入っていたから、意識的に書いた[5]」と述べており、セールスを意識しこの曲を制作していたことを示唆している。また、kenはこの曲について「16分音符のカッティングが上手くハマった曲[3]」とも語っている。
- さらに、この曲ではストリングスが大々的にフィーチャーされており、弦楽器の導入はL'Arc〜en〜Cielのシングル表題曲としては初の試みとなった。弦楽器を取り入れた背景ついて、kenは「『True』ってアルバムのために曲を作り始めてから、徐々に自分の中の曲作りの感じが変わってって。前はギターが楽しけりゃいいや、みたいなところがあったんだけど、今回はまずメロディがきて、それに枝葉をつけるようにいろいろつけてったって感じだった[4]」「ギター的なことでいったら、曲を塗るよりも推し進めていくプレイをした。塗るのはキーボードやストリングスに任せた。そういう他の楽器と絡んで鳴っているのがやってみたかったんです[4]」と語っている。ちなみに、この曲のプロデュースおよびアレンジには、「Vivid Colors」の共同編曲を担当した西平彰が参加している。
- 作詞を担当したhydeは、作詞作業について「怪しい感じにしたいなと思った。ミステリアスな感じにしたかった。夜の雰囲気で書きたいっていうのが最初からあって、それを出すためにどういう服が似合うかなあっていろいろ着せていく作業でしたね[7]」と語っている。また、歌詞の印象についてhydeは「儚くてせつない空気が聴く人に伝わればと思っている[3]」と本作発売当時のインタビューでコメントしている。ちなみにこの曲の歌詞は、hyde曰く、自分自身を主人公として投影したものではないといい[8]、hydeは「僕本人の想いじゃなくて、まわりにいる人の想いだったりする。この曲の<君が見えなくて>っていうのは、"君からはたぶん、僕が見えてないんだろうな"と思って、曲の中の人の気持ちになって書いてる[8]」と語っている。
- 4thアルバム『True』にはアルバムバージョンとなる「"True" Mix」としてこの曲を収録している。アルバムに収録されたバージョンでは、フェイドアウトで終わるシングルバージョンと異なり、エンディングにメロディが追加されており、ベース、ドラムの音を追加したカットアウトで終了する。このアルバムミックスについてkenは「ミックスが違うというよりも、エンディングが違う。この曲を作って、レコーディングするときにエンディングのアイデアがすでに2パターンあったから、2バージョン録ったのね。そしたらどっちも捨てがたくて、イントロにフレットレスベースも入れたりしてるから、じゃあ2パターンにして両方CDに残してしまおうと。それでアルバムバージョンになった[9]」と述べている。ちなみに、本作に収録されたシングルバージョンは2001年に発表したベストアルバム『Clicked Singles Best 13』に初収録されている。
- 賽は投げられた
- 作詞: hyde / 作曲: ken / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Takeyuki Hatano
- hydeが作詞を担当しており、環境破壊をテーマとしたリリックが曲にのせられている。曲名は、古代ローマの政務官であるカエサルが残した言葉として知られる『賽は投げられた(The die is cast)』から取られている。また、この曲をライヴで披露する際には、曲名の駄洒落としてhydeが、動物のサイのぬいぐるみを客席に投げるパフォーマンスをしていたことがある。歌詞の中にある<Mew is Dead>というフレーズは、当初<Cat is Dead>でhydeが手掛けていたが制作途中で変更されたという。また、この曲のプロデュースおよびアレンジには、L'Arc〜en〜Cielのサポートキーボーディストを務める秦野猛行が参加している。
- ちなみに、この曲は1997年に開催したコンサートツアー「CONCERT TOUR '96〜'97 Carnival of True」の一部公演で披露されていたが、このツアーの後は現在までライヴで披露されていない。
- Lies and Truth (hydeless version)
参加ミュージシャン[編集]
- hyde:Vocal
- ken:Guitars
- tetsu:Bass
- sakura:Drums
- Lies and Truth
- 飛鳥ストリングス:Strings
- 西平彰:Strings Arrangement, Other Instruments
- 賽は投げられた
- 秦野猛行:Keyboard
カバー[編集]
収録アルバム[編集]
- オリジナルアルバム
- 『True』 (#1,アルバムバージョン)
- ベストアルバム
- 『Clicked Singles Best 13』 (#1)
- 『The Best of L'Arc〜en〜Ciel 1994-1998』 (#1)
- 『The Best of L'Arc〜en〜Ciel c/w』 (#2)
- 『TWENITY 1991-1996』 (#1,アルバムバージョン、#2)
脚注[編集]
- ^ ゴールドディスク認定 1996年12月 - 日本レコード協会
- ^ a b 『L'Arc〜en〜Ciel Box Set of The 15th anniversary in formation CHRONICLE of TEXT 01』、p.71、ソニー・マガジンズ、2006年(『uv vol.13』の再掲)
- ^ a b c 『L'Arc〜en〜Ciel Box Set of The 15th anniversary in formation CHRONICLE of TEXT 01』、p.51、ソニー・マガジンズ、2006年(『PATi PATi 1996年12月号』の再掲)
- ^ a b c 『L'Arc〜en〜Ciel Box Set of The 15th anniversary in formation CHRONICLE of TEXT 01』、p.48、ソニー・マガジンズ、2006年(『PATi PATi 1996年12月号』の再掲)
- ^ a b c 『ROCKIN'ON JAPAN』、p.63-p.64、ロッキング・オン、2004年3月号
- ^ 『ROCKIN'ON JAPAN』、p.71、ロッキング・オン、2004年3月号
- ^ 『L'Arc〜en〜Ciel Box Set of The 15th anniversary in formation CHRONICLE of TEXT 01』、p.47、ソニー・マガジンズ、2006年(『PATi PATi 1996年12月号』の再掲)
- ^ a b 『L'Arc〜en〜Ciel Box Set of The 15th anniversary in formation CHRONICLE of TEXT 01』、p.70、ソニー・マガジンズ、2006年(『uv vol.13』の再掲)
- ^ 『L'Arc〜en〜Ciel Box Set of The 15th anniversary in formation CHRONICLE of TEXT 01』、p.62、ソニー・マガジンズ、2006年(『PATi PATi 1997年1月号』の再掲)