8センチCD

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
8センチCDと12センチCD。
8センチCDのパッケージの例。音楽CD(半分に縮小可能[1])。
8センチCDのパッケージの例。ドライバソフト。

8センチCD(8cm CD)は、コンパクトディスク(CD)のサイズの規格の一つ。通常CDの直径12センチに対し、直径が8センチの小型CDである。

概要[編集]

内周8センチにデジタル音声、外周4センチにアナログ映像を記録したCDビデオ (CDV) という規格が存在した。この内周部分のみを単一のオーディオディスクとしたのが8センチCDである。1988年イギリス日本アメリカフランスドイツ香港で発売された。

欧米(特にアメリカ)では3インチCD (3inch CD)、略してCD3とも呼ばれる(それに対し通常のCDは5インチCD、CD5)。ミニCD、ディスク自体が小さいことから「Small」を略してSCDとも呼ばれる。そう呼びうるものには他に 8×12[cm]のビジネスカードCD、直径6cmの6センチCDもある。

記録方式の規格とは直交的で、音楽CDの場合は12センチ音楽CDと同じくレッドブック、CD-ROMの場合は12センチCD-ROMと同じくイエローブックに準拠している。

音楽CDの場合、パッケージには、通常の「COMPACT Disc DIGITAL AUDIO」(CD-DA)等の記録方式のロゴに加えて、「CD SINGLE」のロゴが加わる。ただしディスク本体には、特別な表記はない。

直径8cmというサイズは、小型光ディスクの1つのデファクトスタンダードとなり、MiniDVDAVCHD・任天堂のゲーム機「ニンテンドーゲームキューブ」メディアにも採用された。

容量[編集]

メガバイト (MB, 情報量) 数はモード1のCD-ROMでのものである。音楽ディスクとしてはこれよりやや多い。

  • 18分 (155MB) - 低密度モード。
  • 21分 (185MB) - 12センチCDの74分 (650MB) と同密度。
  • 24分 (210MB) - 12センチCDの80分 (700MB) と同密度。機器によっては正常に再生できないことがある。
  • 34分 (300MB) - エンハンスト密度モード。対応機器はほとんどない。

再生環境[編集]

8センチCDの記録方式は12センチCDと同じだが、対応プレイヤーでないと物理的に装填ができない。記録方式は同じなので、ドーナツ型の外周アダプタをつけて12センチCDと同じサイズにすれば、非対応プレイヤーでも再生できる。

1988年以降に製造されたほとんどのプレイヤーは対応しているが、それ以前に製造された吸い込み方式や垂直トレイ方式に非対応プレイヤーが多い。有名な非対応プレイヤーとしてPlayStation 2がある。トレイ方式でも、トレイ中央にCDを固定するためのノッチが設けられているプレイヤーであれば、縦置きでも再生可能である[2]。少数だが8センチCD専用プレイヤーも存在する。

多くの音楽CD用アダプタは等倍速での動作しか保障しておらず、CD-ROMドライブでの高速回転での使用は自己責任となることがある。実際に利用すると不安定そうな回転音も発生する。

カーオーディオのCDプレイヤーでは8センチCD対応アダプタを取り付けるとレンズ等の故障の原因となる。かつては8センチCD対応が当たり前であったが、近年では安価な機種や自動車メーカー純正品になると非対応となるものも少なくない。カーナビゲーションでは対応という場合も多かったが2010年代に入るとカーナビでも非対応となっていった。フロアなどに固定して使うCDチェンジャー利用時の場合には確実にそのままでは挿入できないため別売りの8センチ用トレイを購入する必要があったが、現実には購入が簡単なアダプタが使用される場合が多かった。

8cmCDについては当初からCDプレーヤーの性能及び適応性が問題視されていた。登場した当時は8cmサイズのCDに完全対応しているプレーヤーはまだ少なかった。このため、8cmCD非対応のプレーヤーではそのままでは8cmCDを演奏させることが出来ず、故障の原因になることも少なくなかった。 特にカーオーディオなどに多い吸い込み方式のプレーヤーでは、8cmCDがプレーヤーに吸い込まれたまま取り出せなくなるなどのトラブルが多発した。このためオーディオ家電業界は、CDプレーヤーを12cmと8cmの両対応にする必要に迫られた。

トレー式のプレーヤーでは、トレイに段差を設け8cmCDを載置する凹部を設けることで対応した。そのためスロットインと比するとコストが掛かるほどの技術では無い。また、8cmCD非対応のCDプレーヤーに対しては、専用アダプターを8cmCDの外周に取り付けて12cmCDと同じ大きさに調整することで、再生を可能にした。プレーヤーの中には、アナログレコードのプレーヤーのように、真ん中にスピンドルを設けて、そこにCDを取り付けて回転させるようにし、トレーを省いた物も主にCDラジカセやゲーム機を中心に出回った。この方式では、CDの大きさに関係なく、CDを取り付けるだけで再生が可能となる。

また、ソニーから8cmCDサイズのポータブルCDプレーヤーも発売されたが、当時は8cmCDシングルの楽曲をまとめてカセットテープ録音して聴くのが主流でありプレーヤーもやや高価であったためあまり普及しなかった。

主な用途[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 第1回 バブルから始まる物語 8cmの嗜み 歌謡曲リミテッド - KAYOKYOKU LTD.
  2. ^ 横置きでも無くても中央に置けば可能。
  3. ^ 第2回 フルショットの魅力 8cmの嗜み 歌謡曲リミテッド - KAYOKYOKU LTD.
  4. ^ 第3回 これがパノラマだ 8cmの嗜み 歌謡曲リミテッド - KAYOKYOKU LTD.
  5. ^ 4thシングル「BE THERE」から13thシングル「裸足の女神」までの作品が2003年に12cmCD化されているものの、現在8cmCD・12cmCD共に販売され続けている。また、CDトレイが透明色に代わっていたり、価格表記・販売元表記が変更になっているものもある。
  6. ^ この2作は12cmCDの形態の品番が採番されている。
  7. ^ ニューマキシと呼称するケースもある。
  8. ^ 『おジャ魔女CDくらぶ おジャ魔女ソロヴォーカルコレクション』のジャケット内側にCD規格の追加仕様に基づいて製造されており、再生できない機器がある旨が記載されている。
  9. ^ a b c 「おまけCD、今や主役? 親世代に支持 お菓子・飲料からヒット曲」『朝日新聞』2003年12月27日付夕刊、2頁。