神戸ビーフ

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神戸ビーフ

神戸ビーフ(こうべビーフ)は、兵庫県で生産された「但馬牛たじまうし」(黒毛和種)[1]からとれる枝肉が一定の基準を満たした場合に、「但馬牛たじまぎゅう」の呼称の代わりに用いることが出来る牛肉ブランド名。神戸牛(こうべぎゅう)、あるいは神戸肉(こうべにく)とも呼ばれる。日本三大和牛の1つとされる。神戸牛の証しとしては、兵庫県の花「のじぎく」を形どった刻印が押されている[2]

2009年にはメディアが選んだ「世界で最も高価な9種類の食べ物」にキャビアフォアグラ白トリュフらと共に選出されるなど[3]、日本国外では、欧米を中心に知名度が高く「Kobe Beef」として知られている。

但馬牛の肉質はきめが細かく、脂肪の質が高く融点が他の和牛よりも低いために食べた際に脂っこさを感じにくい。また、近江牛松阪牛淡路ビーフも神戸ビーフ同様但馬牛が素牛になっているほか、多くのブランド牛の素牛にも使用されている[2]。素牛として八重山諸島黒島の小牛が多く使われていることは意外に知られていない[4][5]

繁殖農家8ヶ月〜9ヶ月ほどで子牛市場へ出荷され、肥育農家で約2年間かけ肥育され、最終的には生後30ヶ月〜32ヶ月ほどで枝肉市場に出回る。兵庫県内の指定生産者のみによる繁殖と肥育が行われ、兵庫県内の指定食肉センターで処理される。BMS、重量制限等の基準もすべてクリアしており、その認定基準は日本一厳しいといわれる。[1]

定義[編集]


歩留等級
A B C
B
M
S
No.12



No.11
No.10
No.9
No.8
No.7
No.6
No.5
No.4
No.3
No.2
No.1

兵庫県産(但馬牛)のうち、歩留等級が「A」または「B」等級ならば「但馬牛たじまぎゅう」「但馬ビーフ」「TAJIMA BEEF」と呼称される牛肉となる[3]。このうち、以下の全ての基準を満たした牛肉は、「神戸ビーフ」「神戸肉」(以上は正式名称)「神戸牛こうべうし」「神戸牛こうべぎゅう」 「KOBE BEEF」との呼称を用いることができる[6]

  • メスでは未経産牛、オスでは去勢
  • 脂肪交雑のBMS値No.6以上
  • 枝肉重量がメスでは230kg~470kg、オスでは260kg~470kg
  • 瑕疵の表示がある枝肉は、神戸肉流通推進協議会の委嘱会員の判定に依存

「神戸ビーフ」の基準を満たしている牛肉は、「神戸ビーフ」と「但馬牛たじまぎゅう」のいずれかの銘柄名を任意に選んで出荷することが可能である[7]

歴史[編集]

神戸港1868年に開港され、多くの外国人が入るようになったが、この頃には日本では食肉文化が定着しておらず、農家の作業等に飼育されていた但馬牛を食べたイギリス人が、その味を絶賛したことが始まりといわれる。これがのちに「神戸ビーフ」と呼ばれ、外国へ輸出されたり、全国に流通するようになった。神戸開港と同時に伊藤博文が兵庫県知事に就任するが、イギリス留学経験がある伊藤は好んで神戸ビーフを食べていた[2][8]

現在の神戸ビーフ(神戸肉)は、役畜として飼われてきた小柄な但馬牛たじまうしが食肉用に改良を重ねられ、肉の断面に霜降り(サシ)と言われるマーブル状に脂肪が入った肉質のものが出来るようになったことにより生まれた。

1980年代には「神戸ビーフ」「神戸肉」との名称が知られるようになったものの、明確な基準がなかったため肉質にはバラつきがあった[9]。そのため、兵庫県が協賛して1983年昭和58年)に生産・流通・消費の関係団体が「神戸肉流通推進協議会」(事務局:全農兵庫県本部畜産部)を創設[10]。同協議会により「神戸ビーフ」とのブランドが誕生し、定義が明確化された[10]。このとき、脂肪交雑のBMS値はNo.7以上とされた[10]

2001年(平成13年)にBSE問題産地偽装事件が全国的に問題になると、2003年(平成15年)の牛肉トレーサビリティ法施行を前にして、2002年(平成14年)9月にBMS値をNo.6以上に「神戸ビーフ」の基準を下げた[10]2006年(平成18年)4月1日の規約改定により、450kg以下だった枝肉重量基準は470kg以下となり、下限がメスは230kg、オスは260kgとなった。

2004年(平成16年)10月、和牛のオリンピック「第10回全国和牛能力共進会」にて、「美味しさのチャンピオン」を受賞[2]

2009年(平成21年)、アメリカ合衆国オバマ大統領が、訪日を前に「神戸ビーフとマグロが食べたい」とのリクエストを外交筋を通じて行ったことが明らかとなった[11]

2012年(平成24年)より神戸肉流通推進協議会が海外輸出を解禁した。海外で偽物が出回ってしまい、ブランド価値が低下するおそれがでたためである[12]

エピソード[編集]

アメリカプロバスケットボール選手、コービー・ブライアント(Kobe Bean Bryant)のファーストネームは、「KOBE」の発音がアメリカ風に変化したものだが、これはコービーの父親が来日時に神戸ビーフのステーキを食べてその味に感動したところから命名したといわれる[8]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 神戸ビーフ・神戸肉流通推進協議会 よくある質問
  2. ^ a b c d 兵庫ツーリズムガイド(神戸ビーフ)
  3. ^ a b 米メディアが選んだ「世界で最も高級な9種類の食べ物」
  4. ^ 八重山 島旅への誘い(黒島 FUSMA)
  5. ^ 黒島の牛(八重山・沖縄探検隊公式サイト)
  6. ^ 神戸ビーフ(神戸肉、神戸牛)(財団法人日本食肉消費総合センター「銘柄牛肉検索システム」)
  7. ^ 「神戸肉・神戸ビーフ」の定義(神戸肉流通推進協議会)
  8. ^ a b 神戸肉流通推進協議会
  9. ^ 農林水産物・地域食品における地域ブランド化の先進的取組事例集 (PDF)農林水産省
  10. ^ a b c d 「神戸ビーフ」霜降り度緩和 9月から品薄解消へ神戸新聞 2002年7月23日
  11. ^ 三橋麻子 (2009年11月14日03:00). “オバマ大統領「神戸ビーフ食べたい」 異例のご注文 - 政治”. asahi.com(朝日新聞社). オリジナル2009年11月18日23:40時点によるアーカイブ。. http://megalodon.jp/2009-1118-2340-41/www.asahi.com/politics/update/1114/TKY200911130451.html 2013年4月20日閲覧。 
  12. ^ 牛島要平 (2012年7月6日17:37). “本物の味を世界へ 神戸ビーフ、海外輸出への挑戦続く”. イザ!(産経新聞). オリジナル2013-4-20 11:43時点によるアーカイブ。. http://megalodon.jp/2013-0420-1143-30/www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/574388/ 2013年4月20日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]