アメリカバイソン
| アメリカバイソン | |||||||||||||||||||||||||||
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アメリカバイソン Bison bison
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| 保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
| NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) |
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| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Bison bison (Linnaeus, 1758)[1][2][3] | |||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||
| アメリカバイソン[4][5] | |||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||
| American bison[6] | |||||||||||||||||||||||||||
以前の分布域 濃茶:ヘイゲンバイソンB. b. bison
茶:シンリンバイソンB. b. athabasca |
アメリカバイソン(Bison bison)はウシ科バイソン属に分類されるウシ。別名アメリカヤギュウ。また、誤ってバッファローと呼ばれることも多い。
分布[編集]
アメリカ合衆国(アイダホ州、アリゾナ州、カリフォルニア州、サウスダコタ州、モンタナ州、ワイオミング州、ユタ州)、カナダ[1]
以前はアラスカからカナダ西部・アメリカ合衆国からメキシコ北部にかけて分布していた[1][2]。ワイオミング州のイエローストーン国立公園とノースウェスト準州のウッド・バッファロー国立公園を除いて野生個体群は絶滅し、各地で再導入が行われている[3]。
形態[編集]
体長オス304 - 380センチメートル、メス213 - 318センチメートル[2]。尾長オス33 - 91センチメートル、メス31 - 51センチメートル[2]。肩高オス167 - 186センチメートル、メス152 - 157センチメートル[2][6]。体重オス544 - 907キログラム、メス318 - 545キログラム[2]。最大体重1,724キログラム[2]。メスよりもオスの方が大型になる[5]。肩部は盛り上がり、オスでは特に著しい[4]。成獣は頭部や肩部、前肢が長く縮れた体毛で被われる[7]。
湾曲した角があり、最大角長50センチメートル[5]。
分類[編集]
2亜種に分ける説がある[2]。一方で生態が異なるのみとして亜種を認めない説もある[3]。分類は(Meagher, 1986)、和名は(丸山, 1992)に従う[2][7]
- Bison bison bison (Linnaeus, 1758) ヘイゲンバイソン Plains bison
- Bison bison athabasca Rhoads, 1898 シンリンバイソン Wood bison
生態[編集]
草原、森林に生息する[7]。以前は季節により南北へ大規模な移動を行っていた[1][6]。メスと幼獣からなる群れを形成する[7]。オスがこの群れに合流するが、これらが合流して大規模な群れを形成することもある[7]。オス同士では糞尿の上を転げ回り臭いをまとわりつかせて威嚇したり、突進して角を突き合わせる等して激しく争う。
食性は植物食で、草本や木の葉、芽、小枝、樹皮などを食べる[7]。通常の成獣であれば捕食されることはないが、老齢個体や病気の個体・幼獣はタイリクオオカミ・ピューマに捕食されることもある[6]。また、イエローストーン国立公園において、若い成獣がヒグマに捕食されたことが観察されている[8]。
繁殖形態は胎生。6 - 9月に交尾を行う[6]。妊娠期間は285日[2][6]。4 - 5月に1回に1頭の幼獣を出産する[6]。オスは生後3年、メスは生後2 - 3年で性成熟する[6]。
人間との関係[編集]
ネイティブ・アメリカンは食用とし、毛皮は服・靴・テントなど、骨は矢じりに利用された[7]。
ネイティブ・アメリカンは弓や、群れを崖から追い落とすなど伝統的な手法によりバイソンの狩猟を行っていた。特にスー族など平原インディアンは農耕文化を持たず、衣食住の全てをバイソンに依存していた。17世紀に白人が北アメリカ大陸に移入を開始すると食用や皮革用の狩猟、農業や牧畜を妨害する害獣として駆除されるようになった[7]。18世紀に白人による、主に皮革を目的とする猟銃を使った狩猟が行われるようになると、バイソンの生息数は狩猟圧で急激に減少する。1830年代以降は商業的な乱獲により大平原の個体も壊滅的な状態となり、ネイティブ・アメリカンも日用品や酒・銃器などと交換するために乱獲するようになった[7]。1860年代以降は大陸横断鉄道の敷設により肉や毛皮の大規模輸送も可能となり、列車から銃によって狩猟するツアーが催されるなど娯楽としての乱獲も行われるようになった[7]。当時のアメリカ政府はインディアンへの飢餓作戦のため、彼らの主要な食料であったアメリカバイソンを保護せずむしろ積極的に殺していき、多くのバイソンが単に射殺されたまま利用されず放置された。この作戦のため、白人支配に抵抗していたインディアン諸部族は食糧源を失い、徐々に飢えていった。彼らは、アメリカ政府の配給する食料に頼る生活を受け入れざるを得なくなり、これまで抵抗していた白人の行政機構に組み入れられていった。狩猟ができなくなり、不慣れな農耕に従事せざるを得なくなった彼らの伝統文化は破壊された。バイソン駆除の背景には牛の放牧地を増やす目的もあったとされ、バイソンが姿を消すと牛の数は急速に増えていった[9][10][11]。
1860年代以降は保護しようとする動きが始まるが、開拓期の混乱が継続していたこと・ネイティブ・アメリカンへの食料供給の阻止・狩人や皮革業者の生活保障などの理由から大きな動きとはならなかった[7]。19世紀末から20世紀になりフロンティアの消滅に伴い保護の動きが強くなりイエローストーン国立公園などの国立公園・保護区が設置されるようになり、1905年にアメリカバイソン協会が発足された[7]。白人が移入する以前の生息数は約60,000,000頭だったと推定されている[6][12]。1890年には1,000頭未満まで激減した[6]。1970年には15,000 - 30,000頭まで増加した[7]。亜種シンリンバイソンはワシントン条約附属書IIに掲載されている[13]。2016年にはアメリカ合衆国の「国獣(National Mammal)」になった[14]。
参考文献[編集]
- ^ a b c d e Gates, C. & Aune, K. 2008. Bison bison. The IUCN Red List of Threatened Species 2008: e.T2815A9485062. http://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2008.RLTS.T2815A9485062.en . Downloaded on 20 October 2015.
- ^ a b c d e f g h i j k l Mary Meagher, "Bison bison," Mammalian Species, No. 266, American Society of Mammalogists, 1986, pp. 1-8.
- ^ a b c Peter Grubb, "Bison bison,". Mammal Species of the World, (3rd ed.), Volume 1, Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, p. 689
- ^ a b 今泉吉典、松井孝爾監修 「アメリカバイソン」『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、105、181頁。
- ^ a b c 三浦慎悟 「アメリカバイソン」『小学館の図鑑NEO 動物』、小学館、2002年、95頁。
- ^ a b c d e f g h i j "Newell, T. and A. Sorin 2003. "Bison bison" (On-line), Animal Diversity Web. Accessed October 17, 2015 at http://animaldiversity.org/accounts/Bison_bison/
- ^ a b c d e f g h i j k l m 丸山直樹 「アメリカ開拓の犠牲者 バイソン」『動物たちの地球 哺乳類II 8 バイソン・カモシカ・ヌーほか』第9巻 56号、朝日新聞社、1992年、228-230頁。
- ^ Wyman, Travis (2002). “Grizzly bear predation on a bull bison in Yellowstone National Park”. Ursus: 375-377.
- ^ Records, Laban (March 1995). Cherokee Outlet Cowboy: Recollectioons of Laban S. Records. Norman, Oklahoma: University of Oklahoma Press. ISBN 978-0-8061-2694-4.
- ^ Moulton, M (1995). Wildlife issues in a changing world, 2nd edition. CRC Press.
- ^ Hämäläinen, Pekka (2008). The Comanche Empire. Yale University Press. pp. 294–299, 313. ISBN 978-0-300-12654-9.
- ^ w:William Temple Hornaday's late-nineteenth-century research.
- ^ Appendices I, II and III<http://www.cites.org/>(accessed Oct 20, 2015)
- ^ バイソンを米国の国獣に指定、議会が法案可決2016年5月11日ロイター
- ^ 特定動物リスト (動物の愛護と適切な管理) (環境省・2015年10月20日に利用)
- 『食と文化の謎』マーヴィン・ハリス、同時代ライブラリー、146頁
