牛カツ

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ビーフカツレツ

牛カツ(ぎゅうカツ)は、スライスした牛肉パン粉の衣をつけて食用油揚げ日本洋食である。ビフカツビーフカツビーフカツレツとも呼ばれる。

概要[編集]

歴史[編集]

明治時代初頭、コートレット(カツレツ)という、衣を付けた仔牛肉を油を入れたフライパンで焼き揚げる西洋料理が紹介された。後にこれが多量の油で「揚げる」調理法に変化し、現在の姿となった。

大正時代以降、東京圏における主たるカツレツの素材は仔牛肉から豚肉へと切り替わったが、これは洋食が大衆化する過程においてより安価で入手しやすい食材が求められたことや、日本人、特に豚肉文化圏である関東人の好みに合った事が理由とされている[1]

しかしながら、牛肉文化圏である神戸大阪京都などの近畿地方では豚肉ではなく牛肉のカツが主流となり、東京発祥のとんかつが全国的に普及した現在も内食や外食において日常的に食べられている。(近畿地方#食文化を参照)

全国的にはマイナーな料理となっていた牛肉のカツレツであったが、「牛カツ」という名称で2015年東京でブームとなり、首都圏においては急速に認知度が上昇してきている。 この「牛カツ」は1972年西新橋に開業した「びふかつ みその」(2011年閉店)や、1996年開店の「新ばし 牛かつ おか田」を手本とした「厚切り」「レア」「和風」のスタイルであり、関西地方で伝統的に食されている大衆洋食の「ビフカツ」とは似て非なる料理となっている。

牛カツの各種[編集]

  • ビフカツ - 近畿圏の大衆食堂ではお馴染みのメニューであり、数百円から千円程度のさほど高くない価格帯で提供される。付け合せはキャベツの千切りやポテトサラダ、スパゲティなど一般的なもので、ドミグラスソースあるいはウースターソースで食べる。大抵は箸で食べられるようにあらかじめ切られており、からしが添えられることが多い。関西地方では家庭料理としてもしばしば作られるほか、肉屋の店頭などでも揚げたてが販売されており、パンに挟んでカツサンドとして食べることもある。
  • ビーフカツレツ [2]- 少し高級な洋食屋、西洋料理店ではにんじんのグラッセやいんげんのソテー、ポテトなど洋風の付け合せとともに供される。クラシックな調理法として、厚く切った肉にごく細かいパン粉の衣をつけ、表面だけを油で焼き固めた後にオーブンで火を通すという手法もある。ドミグラスソースがかけられ、ナイフとフォークで切り分けて食べるスタイルが主流である。
  • 牛カツ - 昨今流行の「牛カツ」店では、ほとんど火を通さないレア状態のカツをわさび醤油やごまだれなど和風のソースで食べさせる。
  • かつめし - 兵庫県加古川市の名物。白飯の上にビフカツを載せ、ソースをかけた皿盛り料理。
  • 串かつ - 大阪を中心とする近畿圏の串かつ屋において、基本となる肉は豚ではなく、牛の赤身やすじ肉である。

牛肉は生食が可能な食材であるため牛カツにもステーキと同様レア・ミディアム・ウェルダンなど揚げ方による区別をすることがある。また、豚など他の食肉同様に「ヘレ(ヒレ)カツ」「ロースカツ」といった表現も用いられる。

主な牛カツ店[編集]

  • 牛カツ京都勝牛 - 京都発祥の牛カツ専門店。全国展開しており、海外でも展開している牛カツチェーンの最大手。牛カツの種類が多く、ロースやタン、ヒレなどの部位が選べる。また、多様な薬味やタレが用意されているのも特徴。全国展開している牛カツ店で唯一、結着肉を使用せず、和牛や海外産の一枚肉を使用しており、ミディアムレアのまま食べるスタイルを導入している。
  • 牛かつもと村 - 東京発祥の牛かつ専門店。京都勝牛に次ぐ牛かつチェーン。牛かつの種類は基本的に1種類とシンプル。牛肉は、店内やホームページに「牛脂を加えております」と記載されている通り牛脂注入の結着肉を使用している。よって、焼き台が一人一台用意され、焼いて食べるスタイルを導入している。外国人観光客の人気が高い。
  • 牛かつあおな - こちらも東京発の牛かつ専門店。展開は東京のみ。京都勝牛と同様一枚肉を使用しており、部位は赤身が多く産地やグレードが異なる数種類がある。牛カツはベリーレアの状態で薄切りで提供し、そのまま焼かずに食べるスタイルを導入している。牛カツと並んで彩り豊かなサラダが特徴。

脚注[編集]

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  1. ^ 「とんかつ大盛況」「ブーム」
  2. ^ ビフカツ、ビーフカツ、ビーフカツレツの表記や使い分けは店や世代差によるところが大きく、特に決まったルールはない。しかしながら近畿圏において「牛カツ」という表現を耳にすることはまずない。

関連項目[編集]