牛かた

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日本式の牛肉部位

牛かた牛肩(ぎゅうかた、英語: beef shoulder clod)は、日本における牛肉の部位の1つ。牛うでしゃくしカタミスジとも呼ばれる[1]牛かたロース(牛肩ロース)とは異なる。

食肉小売品質基準が定める牛肉の11部位の1つであり、日本に輸入される牛肉の部位のショルダークロッド、クロッド英語版(ブレード)、チャックテンダーを含む[2]

運動量が多い部分であるので、筋肉質で脂肪は少ない[1][3]。肉質はやや堅いが[3][1]、薄切り肉にすると柔らかくなる[3]カレーシチューしゃぶしゃぶなど、幅広く利用できる[1]。ただし、内側のミスジなどは柔らかく、脂肪も少なくはない。

以下に牛かた肉を細分した例を記す。

ミスジ
肩甲骨の肩甲棘の下にある棘下筋[4]
英語ではOyster BladeTop Bladeと呼ばれる[4]。イギリスでは断面を羽とみたててFeatherとも呼ばれる[4]
ウワミスジ
ミスジの上に部位[4]関西ではコバンザメとも呼ばれる[4]。筋肉としては肩甲下筋大円筋[4]
英語ではUpper Oyster Blade[4]
肩三角(かたさんかく)
上腕三頭筋の部分[4]。三角形をしており、サンカク(クリ)とも呼ばれる[4]
英語ではTriceps Brachii Caput[4]
こさんかく
広背筋の部分[4]。肩三角よりひとまわり小さい三角形のため小三角と呼ばれる[4]
英語ではAnconeus[4]
にのうで
上腕筋烏口腕筋の部分[4]まくらとも呼ばれる[4]
英語ではBiceps Brachii[4]
トウガラシ
肩甲骨の肩甲棘の上にある棘上筋の部分。形がトウガラシに似ていることから名付けられた[5]
間のスジを取り除いて肉を開くと鳥のに似た形状となるため、関西ではトンビとも呼ばれる[4]
英語ではChuck Tender[4]。「柔らかい(Tender)、肩(Chuck)」の意で、その名の通りに柔らかいのが特徴[4]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 肉の部位の呼び名は、地域によってこんなに違う! チマキに天肉、クラシタとは!?”. 飲食店ドットコム. 2023年12月31日閲覧。
  2. ^ 食肉小売品質基準(牛肉及び豚肉)” (PDF). 全国食肉事業協同組合連合会 (2005年3月1日). 2023年12月31日閲覧。
  3. ^ a b c 牛薄切り肉の各部位の特徴って?”. オレンジページ. 2023年12月31日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 日英肉比較 牛肉 ウデ編”. 西島畜産 (2020年4月9日). 2024年1月1日閲覧。
  5. ^ 【まめ知識】牛肉の「トウガラシ」「ザブトン」「ネクタイ」ってなあに?”. 農畜産業振興機構 (2019年7月3日). 2024年1月5日閲覧。