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「ユジャ・ワン」の版間の差分

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{{Portal クラシック音楽}}
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'''ユジャ・ワン'''{{efn2|2001年の[[仙台国際音楽コンクール]]入賞時にはワン・ユーチィアと表記されている{{sfnp|下田|2017|pp=67f}}。}} ({{Lang-zh|王 羽佳}}、Yuja Wang、[[1987年]][[2月10日]] - )は、[[中華人民共和国|中国]]出身の[[クラシック音楽|クラシック]]・[[ピアニスト]]。6歳からピアノを習い始め{{sfnp|DG|2018}}、北京の[[中央音楽学院]]、[[フィラデルフィア]]の[[カーティス音楽学校|カーティス音楽院]]で学ぶ{{sfnp|DG|2018}}{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=BIOGRAPHY}}。2000年代後半より世界各地の指揮者やオーケストラと共演、[[ドイツ・グラモフォン]]での録音もおこない、技巧、表現、公演におけるカリスマ性ともに高く評価されている{{sfnp|DG|2018}}{{sfnp|BSO|n.d.}}。また、[[グラモフォン (雑誌)|グラモフォン]]賞などいくつもの賞を受賞している{{sfnp|DG|2018}}{{sfnp|KAJIMOTO|n.d.}}。おもなレパートリーとしては[[セルゲイ・ラフマニノフ|ラフマニノフ]]や[[セルゲイ・プロコフィエフ|プロコフィエフ]]、[[アレクサンドル・スクリャービン|スクリャービン]]といった[[ロシアのクラシック音楽史|ロシアの近現代音楽]]が挙げられるが、[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]]や[[ロベルト・シューマン|シューマン]]、[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]]や[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ|バッハ]]などのドイツの[[バロック音楽|バロック]]・[[古典派音楽|古典派]]・[[ロマン派音楽|ロマン派]]の作曲家にも取り組んでいる{{sfnp|DG|2018}}{{sfnp|フィネーン|2013}}{{sfnp|Kovan|2017}}。
'''ユジャ・ワン''' ('''王 羽佳'''、Yuja Wang、[[1987年]][[2月10日]] - )は、世界的な[[クラシック音楽|クラシック]][[ピアニスト]]。[[中華人民共和国]]の[[北京]]に生まれ、6歳からピアノを習い始め、北京の[[中央音楽学院]]に学んだ<ref name=schedule>[http://www.dailygazette.com/news/2008/aug/14/0814_Wang/ Pianist Wang enjoys unpredictable schedule]</ref>。2008年にアメリカ合衆国フィラデルフィアのカーティス音楽院を卒業。ニューヨーク在住。


== 人物・来歴 ==
== 来歴 ==
=== カーティス音楽院卒業まで ===
[[1987年]][[2月10日]]に[[パーカッショニスト]]の父と[[バレエダンサー|ダンサー]]の母のもと、[[北京市|北京]]の音楽一家に生まれる<!--{{sfnp|DG|2018}}{{sfnp|フィネーン|2013}}{{sfn|Manheim|n.d.}}-->。両親が結婚祝いとして貰った[[ピアノ]]でメロディに親しみはじめ、6歳よりピアノのレッスンを開始した{{sfnp|DG|2018}}{{sfnp|フィネーン|2013}}{{sfn|Manheim|n.d.}}。母からはダンサーとなることを望まれていたが、体が硬かったため挫折したという{{sfnp|フィネーン|2013}}。また、パーカッショニストだけでなく譜面起こしの仕事もしていた父はリズムに厳しく、完璧であることを求められたとも語っている{{sfnp|フィネーン|2013}}。ピアニストになることを意識し始めたのは7、8歳のころであるという{{sfnp|青澤|2017|pp=62f.}}。


7歳のときより3年間北京の[[中央音楽学院]]にて学んだ{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=BIOGRAPHY}}。このころはブラームス以前の標準的なレパートリーに取り組み、曲を細部まで完璧に仕上げるよう指導されたという{{sfnp|Isacoff|2017}}。1999年に12歳で奨学金を得て、[[カナダ]]の[[カルガリー]]の{{仮リンク|マウント・ロイヤル・カレッジ|en|Mount Royal University}}におけるモーニング・サイド・ミュージック・サマー・プログラムに当時最年少で参加{{sfnp|Saint-Petersburg Philharmonia|n.d.}}{{sfnp|Freedman|2008}}{{sfnp|Isacoff|2017}}。2001年には仙台国際音楽コンクールで3位に入賞{{sfnp|仙台市市民文化事業団|2001}}。同年にはマウント・ロイヤル・カレッジにフルタイムで通い始め{{sfnp|Isacoff|2017}}{{sfn|Manheim|n.d.}}、[[スタインウェイ・アンド・サンズ#スタインウェイ・アーティスト|スタインウェイ・アーティスト]]にも選ばれている{{sfnp|Steinway & Sons|n.d.}}。15歳からは[[アメリカ合衆国]][[フィラデルフィア]]の[[カーティス音楽学校|カーティス音楽院]]にて[[ゲイリー・グラフマン]]に師事したほか、レオン・フライシャー
[[ファイル:Yuja Wang.jpg|thumb|200px|ユジャ・ワン]]
の薫陶も受けた{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=BIOGRAPHY}}{{sfn|Manheim|n.d.}}{{sfnp|Isacoff|2017}}。また17歳のときには[[マイケル・ティルソン・トーマス]]と出会い、以降師と仰ぐことになる{{sfnp|Isacoff|2017}}。


この間2002年に、[[アスペン音楽祭]]のコンチェルト・コンペティションで優勝を果たし、翌年[[デイヴィッド・ジンマン]]指揮の[[チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団]]の共演でヨーロッパ・デビューを果たしている{{sfnp|Freedman|2008}}{{sfnp|Kustanczy|2019}}。2005年には[[ラドゥ・ルプ]]の代役として[[ピンカス・ズーカーマン]]指揮の[[国立芸術センター管弦楽団]]と共演し、メジャー・コンサート・デビューを果たした{{sfnp|Universal Music Japan|2009}}{{sfnp|Freedman|2008}}。さらに[[2007年]]3月には、[[マルタ・アルゲリッチ]]の代役として[[シャルル・デュトワ]]指揮の[[ボストン交響楽団]]と共演、カーティス音楽院を卒業した翌2008年には[[マレイ・ペライア]]の代役も務め、21歳で世界的な名声を獲得した{{sfnp|Westphal|2007}}{{sfnp|BSO|n.d.}}{{sfn|Manheim|n.d.}}。
音楽一家に生まれる。父親はパーカッショニスト、母親はダンサー。6歳からピアノを始め、7歳のときに北京の中央音楽学院に入り、3年間そこで学んだ。14歳のときに[[カルガリー]]のマウント・ロイヤル・カレッジで[[英語]]を学ぶために[[カナダ]]に移り住んだ。2008年にアメリカ合衆国フィラデルフィアのカーティス音楽院(The Curtis Institute of Music)を卒業。ゲイリー・グラフマン(Gary Graffman) に師事。2007年3月、ボストン交響楽団(The Boston Symphony Orchestra) とマルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich) の公演で、急遽、アルゲリッチの代役を務めた。この演奏により、20歳で、世界的な名声を獲得。2009年にドイツ・グラモフォン(Deutsche Grammophon Gesellschaft)と契約。2011年にカーネギーホール (Carnegie Hall)でソロ・リサイタル・デビュー公演。以来、同ホールではソリストとしても定期的に公演をしている。 2017年、「Musical America Artist of the Year 2017」に選ばれる。現在[[ニューヨーク]]在住だが、常に世界中を演奏旅行している。


=== カーティス音楽院卒業後 ===
== キャリア ==
[[2009年]]に[[ドイツ・グラモフォン]]と契約し、[[フレデリック・ショパン|ショパン]]、[[アレクサンドル・スクリャービン|スクリャービン]]、[[フランツ・リスト|リスト]]、[[リゲティ・ジェルジュ|リゲティ]]の楽曲を演奏した『ソナタ&エチュード』を発表{{sfnp|Universal Music Japan|2009}}{{sfn|Manheim|n.d.}}。同年には、[[ロレックス]]の文化大使にも選ばれている{{sfnp|BSO|n.d.}}。その後2011年に[[カーネギー・ホール]]にて、ソロ・リサイタル・デビューとなる公演をおこなった{{sfnp|Carnegie Hall|2019}}。
=== 2001年 ===
[[仙台国際音楽コンクール]]で3位、審査委員特別賞(Special Jury Prize、20歳未満の特に優れた決勝出場者、賞金50万円)を獲得した<ref>[http://simc.jp/simc/past/summary2001/#piano 第1回仙台国際音楽コンクール]</ref>。


2011年以降も、2012年の[[サンフランシスコ交響楽団]]とのアジア・ツアーや2019年の[[シュターツカペレ・ドレスデン]]とのツアーなど、大御所から若手まで数多くの指揮者のもと世界各地のオーケストラと共演{{sfnp|Saint-Petersburg Philharmonia|n.d.}}{{sfn|Manheim|n.d.}}。2017年には{{仮リンク|ミュージカル・アメリカ|en|Musical America|label=}}年間最優秀アーティストに選ばれ{{sfnp|Isacoff|2017}}、同年以降[[マーラー室内管弦楽団]]{{sfnp|Van Groningen|2017}}および[[ヨーロッパ室内管弦楽団]]{{sfnp|Chamber Orchestra of Europe|2018}}において[[弾き振り]]もおこなっている{{sfnp|DG|2018}}{{sfnp|BSO|n.d.}}。2018年の『ベルリン・リサイタル』が高い評価を受けるなど{{sfn|Manheim|n.d.}}、ドイツ・グラモフォンでのスタジオおよびライブでの協奏曲・室内楽・独奏曲の録音も継続的におこなっており、複数の賞を獲得している<!--#主な共演者、#ディスコグラフィー、#主な受賞歴、#主な公演歴の要約-->。
=== デビュー ===
2003年、[[チューリッヒ]]で[[デイヴィッド・ジンマン]]の指揮[[チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団]]との共演による[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]]の[[ピアノ協奏曲第4番 (ベートーヴェン)|ピアノ協奏曲第4番]]を演奏し、ヨーロッパデビューを果たした。2005-06シーズンに、[[オタワ]]で[[ラドゥ・ルプー]]の代役として[[ピンカス・ズーカーマン]]指揮によるベートーヴェンの協奏曲を演奏し北米デビューを飾った。


=== 2005年 ===
== 評価と発言 ==
{{Quote box|この軽快で輝かしい鍵盤の類まれなる演奏{{efn2|{{Lang|en|<q>[N]onchalant, brilliant keyboard virtuosity</q>}}{{sfnp|Swed|2015}}.}}は、偉大なピアニストでもあった[[セルゲイ・プロコフィエフ|プロコフィエフ]]を、そしてかの伝説的な[[ウラディミール・ホロヴィッツ|ホロヴィッツ]]ですら嫉妬させただろう|{{harvtxt|Swed|2015}}<!--BSO (n.d.) などでも引用あり-->|width=250px}}
2005年9月11日、最も有望な21歳以下のピアニストに与えられる「2006年ギルモア・ヤング・アーティスト賞」の受賞者に決まり、賞金1万5000ドルを得た<ref>http://www.gilmore.org/media_center/?id=16</ref>。


=== 2006-2008年 ===
=== 演奏について ===
幼少時にはピアノ教師から手が小さすぎるためプロのピアニストになるのは難しいと言われており、成人後も小柄{{efn2|身長は[[アリシア・デ・ラローチャ|ラローチャ]]や[[マリア・ジョアン・ピレシュ|ピレシュ]]と同じくらいで、手の大きさは[[マルタ・アルゲリッチ|アルゲリッチ]]、[[内田光子]]、[[エレーヌ・グリモー|エリーヌ・グリモー]]と同じくらい{{sfnp|Wigler|2017}}。}}であるが、彼女の演奏はそれを感じさせないと評されている{{sfnp|ジョルジオ・アルマーニ|2016}}{{sfnp|Wigler|2017}}。超絶技巧を要する曲を弾きこなすだけでなく、深い洞察力や新鮮な解釈、情緒的な表現においても評価されている{{sfnp|BSO|n.d.}}{{sfnp|Universal Music Japan|2009}}{{sfnp|Chamber Orchestra of Europe|2018}}。 [[パーカッショニスト]]である父の影響もあり、しばしば優れたリズム感覚{{efn2|たとえば{{harvtxt|Allen|2013}} は<q>ユジャ・ワンとはリズムである({{lang|en|Yuja Wang is all about rhythm}})</q>の一文から始まる批評において、そのピアニズムは若者のものでありまだ成熟に欠けるとしつつ、<q>リズムの力強さ、管弦楽的な色彩感、果敢に鍵盤に挑む姿勢</q>などについて、同年代のピアニストと一線を画すと評している。}}について指摘される{{sfnp|フィネーン|2013}}{{sfnp|Swed|2015}}{{sfnp|下田|2017|p=66}}{{sfnp|上村|2019}}<!--過剰脚注回避のためコメントアウト{{sfnp|CDJournal|2015}}-->。また、[[対位法]]の明快な解釈を評価する批評もある{{sfnp|Swed|2015}}{{sfnp|Allen|2013}}{{sfnp|Isacoff|2017}}。また{{harvtxt|下田|2017|pp=66f.}} は、[[フレデリック・ショパン|ショパン]]『[[ピアノソナタ第2番 (ショパン)|ピアノ・ソナタ第2番]]』の演奏が論理的かつシリアスであると評し、ピアニスト像の目標として<!--レコ芸2016年2月号において(原典未確認)-->[[ピエール=ローラン・エマール]]、[[ミハイル・プレトニョフ]]、[[グリゴリー・ソコロフ]]、[[アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ]]、[[ウラディミール・ホロヴィッツ]]を挙げていることからも<q>派手な外見と演奏マナーとは裏腹の大変真面目な部分が見える</q>と述べている。
15歳からの5年間[[フィラデルフィア]]の[[カーティス音楽学校]]で学び、[[ラン・ラン]]の教師でもあった[[ゲイリー・グラフマン]]に師事し、2008年5月に卒業した。コンサートの数も多くなった。


ステージにおけるドラマティックで活気あふれるカリスマ的な魅力についても、耳の肥えた聴衆からクラシック初心者まで幅広く好評を博している{{sfnp|DG|2018}}{{sfnp|BSO|n.d.}}{{sfnp|Carnegie Hall|2019}}。躍動的な演奏は、アスリートさながらと評されることもある{{sfnp|Kovan|2017}}{{sfnp|CLASSICA JAPAN|n.d.}}{{sfnp|Universal Music Japan|2015}}。またソロ・リサイタルにおいては、しばしば直前まで数度に渡って演奏曲目を変更することでも知られている{{sfnp|フィネーン|2013}}{{sfnp|Maddocks|2017}}{{sfnp|Tommasini|2020}}。なお{{harvtxt|Isacoff|2017}} によると、彼女自身は批評家の意見は気にしないと述べている。
2006-2007年、[[ニューヨーク・フィルハーモニック]]、[[ヒューストン交響楽団]]、[[シカゴ交響楽団]]、[[サンフランシスコ交響楽団]]、[[NHK交響楽団]]、[[オランダ]]にて[[サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団]]、[[北京]]にて[[中国フィルハーモニック管弦楽団]]、[[サンタフェ室内楽音楽祭]]にて[[広州交響楽団]]と共演した。


=== 作曲家や他の音楽家について ===
2007年3月、[[ボストン]]で行われたコンサートにて、3月8日から3月の13日まで4回の定期演奏会での[[ボストン交響楽団]]との共演を取りやめた、伝説的なピアニスト[[マルタ・アルゲリッチ]]の代役となった<ref name=Argerich>[http://www.playbillarts.com/news/article/6110.html playbillarts News Martha Argerich Cancels This Week's Appearances with Boston Symphony]</ref>。[[シャルル・デュトワ]]指揮の下[[ピョートル・チャイコフスキー|チャイコフスキー]]の[[ピアノ協奏曲第1番 (チャイコフスキー)|ピアノ協奏曲第1番]]を演奏し、非常に好ましい批評を得た<ref name=schedule />。
幼少時、母が[[ピョートル・チャイコフスキー|チャイコフスキー]]の《[[白鳥の湖]]》のリハーサルをしているのを見た経験が、[[ロシアのクラシック音楽史|ロシアの作品]]への愛着へと繋がっている{{sfnp|DG|2018}}{{sfnp|フィネーン|2013}}。また、9歳のころに音楽プレイヤーを手に入れてからは、[[マウリツィオ・ポリーニ]]や[[アルトゥール・ルービンシュタイン]]の弾く[[フレデリック・ショパン|ショパン]]、[[ヴィルヘルム・フルトヴェングラー]]指揮の[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]]など[[ロマン派音楽|ロマン派]]的な音楽<!-- ベートーヴェンは古典派だが、フルトヴェングラーはロマン派的な解釈で知られるため、このように要約した。 -->にも[[LPレコード]]で親しんだ{{sfnp|フィネーン|2013}}{{sfnp|青澤|2017|p=63}}。


{{harvtxt|フィネーン|2013}} によるインタビューでは、[[セルゲイ・プロコフィエフ|プロコフィエフ]]、[[セルゲイ・ラフマニノフ|ラフマニノフ]]、[[アレクサンドル・スクリャービン|スクリャービン]]といったロシアの作曲家の情熱的で多彩な魅力について語るとともに、[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]]や[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]]、[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ|バッハ]]などのドイツ[[古典派音楽|古典派]]以前の作品についてはじっくりと腰を据えて徹底的に取り組みたいと、両者をロック・コンサートと講義の違いに例えて語っている。いずれにしても譜読みには時間を掛け、基本的なアプローチは変わらないが、ものになるまでどれだけ時間がかかるかは作曲家によって異なるという。2018年の[[イギリス]]版[[ヴォーグ (雑誌)|ヴォーグ]]誌によるインタビューにおいても、<q>作曲家は作品を書くのに多くの時間を費やしたのだから、私たちがそれを何年もかけて解読するのは正しいこと</q>であると述べている{{sfnp|DG|2018}}。
2008年1月21日、[[アナーバー]]の Hill Auditorium で演奏し、スタンディングオベーションに応えて3度アンコール演奏([[クリストフ・ヴィリバルト・グルック|グルック]]の[[オルフェオとエウリディーチェ|オルフェオ]]のメロディー、[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]]の[[ピアノソナタ第11番 (モーツァルト)|トルコ行進曲]]、[[ニコライ・リムスキー=コルサコフ|リムスキー=コルサコフ]]の[[熊蜂の飛行]]([[ジョルジュ・シフラ]]編曲))した。


上記以外に敬愛する[[ピアニスト]]としては[[ヴィルヘルム・ケンプ]]、 [[アルトゥル・シュナーベル]]、[[エフゲニー・キーシン]]を挙げている{{sfnp|Maddocks|2017}}。{{harvtxt|Kustanczy|2019}} によるインタビューでは、[[チェロ|チェリスト]]の{{仮リンク|ゴーティエ・カプソン|en|Gautier Capuçon}}について、相手がなにも言わずとも一緒に呼吸するだけで自然に音楽が流れ、そのような他の音楽家は亡き[[クラウディオ・アバド]]だけであったと語っている。公演前には[[ロック (音楽)|ロック]]を聴き、公演後にはバーに[[電子音楽]]を聴きに行こうとするなど、クラシック音楽意外にも関心を持っており{{sfnp|Isacoff|2017}}、2013年時点で[[キース・ジャレット]]、[[レディオヘッド]]、[[ブラック・アイド・ピーズ]]、[[ザーズ]]、[[スティング (ミュージシャン)|スティング]] を{{sfnp|フィネーン|2013}}、2017年時点では[[リアーナ]]、[[レディー・ガガ]]、[[ブルーノ・マーズ]]を好きなミュージシャンとして挙げている{{sfnp|Kovan|2017}}。
2008年4月2日、[[シンフォニーホール|ボストン・シンフォニーホール]]で、元々[[マレイ・ペライア]]の演奏予定だったコンサートにて[[アカデミー室内管弦楽団]]と共演した。


=== その他 ===
2008年[[ヴェルビエ音楽祭]]で演奏し喝采を得た。
==== 思想やほかの芸術ジャンルについて ====
[[中華人民共和国|中国]]のテレビ番組に出演した際には、中国人であることを誇りに思っており、[[禅]]をおこなっているほか[[道教]]についても学びたいと語っている{{sfnp|Maddocks|2017}}。また『[[論語]]』を原文で読むほか、[[ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ|ゲーテ]]の『[[ファウスト (ゲーテ)|ファウスト]]』や[[村上春樹]]も愛読している{{sfnp|Maddocks|2017}}{{sfnp|Billboard JAPAN|2015}}{{sfnp|Isacoff|2017}}。


{{harvtxt|Vankin|2017}} によるインタビューでは、自分にとって音楽とは女優のように別の生き方に移るためのものであり、音楽を営んでいなくてもほかの手段で同じようなことを追究していただろうと語っている。また、写真を撮ることや[[ユニバーサル・スタジオ]]の大作映画が好きであるとも述べている。
== 来日歴 ==
===2006年===
2006年11月、[[ロリン・マゼール]]指揮の[[ニューヨーク・フィルハーモニック]]来日公演において[[フランツ・リスト|リスト]]の[[ピアノ協奏曲第1番 (リスト)|ピアノ協奏曲第1番]]を演奏。
===2007年===
2007年1月、[[シャルル・デュトワ]]指揮による[[NHK交響楽団]]定期演奏会で[[セルゲイ・プロコフィエフ|プロコフィエフ]]の[[ピアノ協奏曲第2番 (プロコフィエフ)|ピアノ協奏曲第2番]]を演奏。
=== 2008年 ===
2008年12月17,18日、シャルル・デュトワ指揮によるNHK交響楽団第1636回定期演奏会で[[セルゲイ・ラフマニノフ|ラフマニノフ]]の[[パガニーニの主題による狂詩曲]]を演奏。17日の演奏はテレビ放映された。


==== ファッションについて ====
=== 2011年 ===
{{CSS image crop
2011年3月ピアノリサイタル、4日 [[武蔵野市民文化会館]]、5日 [[紀尾井ホール]]、6日 [[名古屋電気文化会館]]
|Image=NYO-China with Yuja Wang at Carnegie Hall.jpg
*演奏曲目
|bSize=600|cWidth=150|cHeight=200
** ラフマニノフ:[[コレルリの主題による変奏曲 (ラフマニノフ)|コレルリの主題による変奏曲]]Op.42
|oTop=122|oLeft=222
**[[フランツ・シューベルト|シューベルト]]:[[ピアノソナタ第19番 (シューベルト)|ピアノソナタ第19番]]ハ短調D958
|Location=right|Description=[[カーネギー・ホール]]で演奏するワン(2017年)。
**[[アレクサンドル・スクリャービン|スクリャービン]]:前奏曲ロ長調Op.11-11
}}
**同:前奏曲ロ短調Op.13-6
タイトな[[ミニスカート|ミニ・スカート]]や[[ハイヒール]]などで演奏に臨むことでも知られており、{{仮リンク|エルベ・レジェ|en|Hervé Leger|label=}}の[[ボディコン|ボディ・コンシャス]]なドレスや[[クリスチャン・ルブタン]]のピンヒール、[[アルマーニ]]などを好んでいる{{sfnp|Maddocks|2017}}{{sfnp|Billboard JAPAN|2015}}{{sfnp|Canaves|2019}}。彼女のステージ・ファッションは賛否双方で評価されている{{sfnp|Maddocks|2017}}{{sfnp|Malcolm|2016}}。
**同:前奏曲嬰ト短調Op.11-12
**同:練習曲嬰ト短調Op.8-9
**同:[[2つの詩曲 (スクリャービン)|詩曲]]第1番Op.32-1
**[[フェリックス・メンデルスゾーン|メンデルスゾーン]](ラフマニノフ編):『[[夏の夜の夢 (メンデルスゾーン)|夏の夜の夢]]』から「[[スケルツォ]]」
**[[カミーユ・サン=サーンス|サン=サーンス]]([[ウラディミール・ホロヴィッツ|ホロヴィッツ]]編):『[[死の舞踏 (サン=サーンス)|死の舞踏]]』Op.40
**[[ジョルジュ・ビゼー|ビゼー]](ホロヴィッツ編):カルメンの主題による変奏曲
*3公演共通のアンコール曲
** [[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]](ヴォロドス編):トルコ行進曲


{{harvtxt|Kovan|2017}} によるインタビューでは、[[クラシック音楽]]における堅苦しい[[服装規定|ドレス・コード]]やルールは、音楽の演奏自体とは関係なく、自分はそれを壊したのだと語っている。一方で自分自身にとっては、ファッションは身につけると音楽へと変容し自信を与えてくれるものであるともいう<!--{{sfnp|Kovan|2017}}-->。また、小柄であるため体に合うドレスを見つけるのが難しいとも述べている<!--{{sfnp|Kovan|2017}}-->。{{harvtxt|Wigler|2017}} によるインタビューでは、デザイナーたちをとても愛しており、彼女/彼らの服を身につけていると[[スタインウェイ・アンド・サンズ|スタンウェイ]]の[[グランドピアノ|フル・コンサート・グランド]]<!-- 原文では nine-foot Steinway とあり、スタンウェイのコンサート・グランドは274cm -->の前でも自分が小さいとは感じないと語っている。
=== 2012年 ===
2012年11月[[マイケル・ティルソン・トーマス]]指揮[[サンフランシスコ交響楽団]]と共に来日。
*演奏曲目
**ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
**プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.16


2016年には、[[アルマーニ]]のキャンペーン「Yesと言える女性のサークル」{{efn2|{{Lang|en|Sì Women's Circle}}。{{Lang|it|Sì}}は[[英語]]の{{lang|en|Yes}}に当たる[[イタリア語]]。}}に5人の女性の1人として取り上げられている{{sfnp|ジョルジオ・アルマーニ|2016}}。また[[2019年]]には、[[リモワ]]のキャンペーン「Never Still」においても起用されている{{sfnp|Canaves|2019}}{{sfnp|FASHIONSNAP.COM|2019}}。
=== 2013年 ===
{{-}}
この年、3度の来日公演が行われた。4月水戸、東京、横浜、京都、さいたま、横浜でピアノ・リサイタル。スクリャービン、プロコフィエフ、ラフマニノフのソナタなどを演奏した。6月シャルル・デュトワ指揮[[ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団]]と共に来日し、[[フレデリック・ショパン|ショパン]]の[[ピアノ協奏曲第1番 (ショパン)|ピアノ協奏曲第1番]]を共演した。12月チェリストの[[ゴーティエ・カピュソン]]と共に来日し、羽島と東京でデュオ・リサイタル。[[ドミートリイ・ショスタコーヴィチ|ショスタコーヴィチ]]、ラフマニノフのチェロソナタなどを共演した。


== ディスコグラフィー ==
=== 2014年 ===
{| class="wikitable"
12月にチェリストのゴーティエ・カピュソンとのデュオ・リサイタルとシャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団との共演のために来日。デュオ・リサイタルではドビュッシー、プロコフィエフ、ラフマニノフ、ブラームスのチェロ・ソナタを演奏。シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団との共演では[[マヌエル・デ・ファリャ|ファリャ]]の交響的印象『[[スペインの庭の夜]]』、[[モーリス・ラヴェル|ラヴェル]]の[[ピアノ協奏曲 (ラヴェル)|ピアノ協奏曲ト長調]]を演奏。
|+
!タイトル
<small>発売年、レーベル</small>


<small>備考</small>
=== 2015年 ===
!収録曲
11月に[[グスターボ・ヒメノ]]指揮[[ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団]]とともに来日。[[京都]]、[[名古屋]]、[[東京]]で[[ピョートル・チャイコフスキー|チャイコフスキー]]のピアノ協奏曲第2番ト長調を披露した。
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|'''第1回 仙台国際音楽コンクール 入賞者記念アルバム'''{{sfnp|CDJournal|n.d.}}


2001年、[[音楽之友社]]
=== 2016年 ===
9月に東京など5都市でリサイタル。[[ロベルト・シューマン|シューマン]]:[[クライスレリアーナ]]Op.16、ベートーヴェン:[[ピアノソナタ第29番 (ベートーヴェン)|ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調Op.106「ハンマークラヴィーア」]]などを演奏。


* CD1 #3 –# 6、ワン・ユーチィア名義
11月にマイケル・ティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団と共に来日。ショパン:[[ピアノ協奏曲第2番 (ショパン)|ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21]]、ショスタコーヴィチ:[[ピアノ協奏曲第1番 (ショスタコーヴィチ)|ピアノ協奏曲第1番ハ短調Op.35]]を共演した。
* 予選での演奏
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* [[フレデリック・ショパン|ショパン]] :[[練習曲 (ショパン)|12の練習曲 作品10]] :第8番ヘ長調、第2番イ長調
* [[セルゲイ・ラフマニノフ|ラフマニノフ]] :[[音の絵|絵画的練習曲《音の絵》作品39]] :第1曲ヘ短調
* [[フランツ・リスト|リスト]] :[[超絶技巧練習曲|超絶技巧練習曲 S.139]] :第5番「鬼火」
* [[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]] :[[ピアノ協奏曲第12番 (モーツァルト)|ピアノ協奏曲イ長調 K414]] :第1楽章
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|'''ソナタ&エチュード{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=DISCOGRAPHY}}'''
2009年、[[ドイツ・グラモフォン|DG]]


* クラシックFM[[グラモフォン (雑誌)|グラモフォン]] ・アワード新人賞{{sfnp|Gramophone|2009}}
== ディスコグラフィー ==
* [[グラミー賞]] 最優秀クラシック・インストゥルメンタル・ソロ部門ノミネート{{sfnp|Grammy Awards|n.d.}}
=== CD ===
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*「第1回 仙台国際音楽コンクール 入賞者記念アルバム」(2001年 OCD 0120)
* ショパン:[[ピアノソナタ第2番 (ショパン)|ピアノ・ソナタ第2番 作品35]]
:コンクールのメモリアルCDとして、音楽之友社から市販された2枚組CD。ユジャ・ワンの演奏は以下の5曲を収録。いずれも予選での演奏。
* [[リゲティ・ジェルジュ|リゲティ]] :[[練習曲 (リゲティ)|練習曲]]:第4番「ファンファーレ」 、第10番「魔法使いの弟子」
#ショパン 練習曲 ヘ長調 作品10の8
* [[アレクサンドル・スクリャービン|スクリャービン]] :[[ピアノソナタ第2番 (スクリャービン)|ピアノ・ソナタ第2番]]
#ショパン 練習曲 イ短調 作品10の2
* リスト:[[ピアノソナタ (リスト)|ピアノ・ソナタ イ短調 S.178]]
#ラフマニノフ 絵画的練習曲集 作品39~第1曲ハ短調
* モーツァルト([[アルカーディ・ヴォロドス|ヴォロドス]] 編曲):[[トルコ行進曲 (モーツァルトの曲)|トルコ行進曲]]<small>(日本盤ボーナス・トラック)</small>
#リスト 超絶技巧練習曲集~第5曲「鬼火」
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#モーツァルト ピアノ協奏曲第12番 K414~第1楽章
|'''トランスフォーメーション{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=DISCOGRAPHY}}'''
*「ソナタ&エチュード」ショパン、スクリャービン、リスト、リゲティ (2009年)<br>クラシックFMグラモフォン・アワード新人賞、インターナショナル・ピアノ誌最優秀デビューアルバム
2010年、DG
*「トランスフォーメーション」ストラヴィンスキー、スカルラッティ、ブラームス、ラヴェル (2010年)
*「ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43/ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」マーラー・チェンバー・オーケストラ 指揮:クラウディオ・アバド (2011年)
*「ファンタジア」ラフマニノフ、グルック、ビセー、スクリャービン、サン・サーンス等アンコール曲集 (2012年)
*「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 作品30/プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品16」シモン・ボリバル・シンフォニー・オーケストラ・オブ・ベネズエラ 指揮:[[グスターボ・ドゥダメル]] (2013年)
*「ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調 /フォーレ:バラード嬰ヘ長調 作品19/ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調」チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 指揮:[[リオネル・ブランギエ]] (2015年)


* [[エコー賞|エコー・クラシック]] 年間新人賞受賞{{sfnp|KAJIMOTO|n.d.}} 。
== 演奏スタイル ==
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[[ファイル:NYO-China with Yuja Wang at Carnegie Hall.jpg|thumb|300px|露出度の高い派手な衣装で知られる(2017年)]]
* [[イーゴリ・ストラヴィンスキー|ストラヴィンスキー]] :[[ペトルーシュカからの3楽章]]
* [[ドメニコ・スカルラッティ|スカルラッティ]] :[[ドメニコ・スカルラッティのソナタ一覧|ピアノ・ソナタ]] K380、K455、K466
* [[ヨハネス・ブラームス|ブラームス]] :[[パガニーニの主題による変奏曲 (ブラームス)|パガニーニの主題による変奏曲 作品35]]
* [[モーリス・ラヴェル|ラヴェル]] :[[ラ・ヴァルス]]
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|'''ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、パガニーニ狂詩曲{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=DISCOGRAPHY}}'''
2011年、DG


* [[クラウディオ・アバド]] 指揮、[[マーラー室内管弦楽団]]
* ライブ録音
* [[グラミー賞]] 最優秀クラシック・インストゥルメンタル・ソロ部門ノミネート{{sfnp|Grammy Awards|n.d.}}
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*ラフマニノフ
** [[パガニーニの主題による狂詩曲|パガニーニの主題による狂詩曲 作品43]]
** [[ピアノ協奏曲第2番 (ラフマニノフ)|ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18]]
** [[V.R.のポルカ]]
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|'''ファンタジア{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=DISCOGRAPHY}}'''
2012年 、DG
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* ラフマニノフ:
** 絵画的練習曲《音の絵》 作品39:第6曲変ホ短調、第4曲ロ短調、第5曲変ホ短調
** [[幻想的小品集 (ラフマニノフ)|幻想的小曲集 作品3番]] :第1曲「悲歌」
* スカルラッティ:ピアノ・ソナタ K455
* [[クリストフ・ヴィリバルト・グルック|グルック]] ([[ジョヴァンニ・ズガンバーティ|ズガンバーティ]] 編曲):[[オルフェオとエウリディーチェ]] :第2幕より「オルフェオのメロディ(精霊の踊り) 」
* [[イサーク・アルベニス|アルベニス]] :[[イベリア (アルベニス)|イベリア、12の新しい印象]] 第2集:第3曲トリアーナ
* [[ジョルジュ・ビゼー|ビゼー]] ([[ホロヴィッツ]] 編曲):{{仮リンク|カルメン変奏曲 (ホロヴィッツ)|en|Carmen Variations (Horowitz)|label=カルメンの主題による変奏曲}}
* [[フランツ・シューベルト|シューベルト]] (リスト編曲):[[糸をつむぐグレートヒェン|糸を紡ぐグレートヒェン D118]]
* [[ヨハン・シュトラウス2世]] ([[ジョルジュ・シフラ|シフラ]] 編曲):[[トリッチ・トラッチ・ポルカ|トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214]]
* ショパン:[[ワルツ第7番 (ショパン)|ワルツ嬰ハ短調 作品64の2]]
* [[ポール・デュカス|デュカス]] ({{仮リンク|ヴィクトル・スタウ|en|Victor Staub|label=スタウ}} 編曲):[[魔法使いの弟子|交響的スケルツォ《魔法使いの弟子》]]
* スクリャービン
** {{仮リンク|24の前奏曲 作品11|en|24 Preludes, Op. 11 (Scriabin)}} :第11番ロ長調、第12番ト短調
** {{仮リンク|6つの前奏曲 作品13|fr|Six Préludes op. 13}} :第番ロ短調
** [[12の練習曲 作品8]] :第9番嬰ト短調
** [[2つの詩曲 (スクリャービン)|2つの詩曲]] :第1番嬰ヘ長調
* [[カミーユ・サン=サーンス|サン=サーンス]] (リスト&ホロヴィッツ編曲):[[死の舞踏 (サン=サーンス)|死の舞踏 作品40]]
* [[ヴィンセント・ユーマンス|ユーマンス]] ([[アート・テイタム|テイタム]] 編曲):[[二人でお茶を (曲)|二人でお茶を]]<small>(日本盤ボーナス・トラック)</small>
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|style="font-size:smaller;"|'''ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=DISCOGRAPHY}}'''
2013年 、DG


* [[グスターボ・ドゥダメル]] 指揮 、[[シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ|シモン・ボリバル交響楽団]]
超技巧曲を得意とするだけあって、独奏曲、協奏曲でも往年の[[マルタ・アルゲリッチ|アルゲリッチ]]を彷彿とさせる速度と正確さで演奏するが、速度だけでなく叙情的な表現も優れている。
* ライブ録音
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* ラフマニノフ:[[ピアノ協奏曲第3番 (ラフマニノフ)|ピアノ協奏曲第3番ニ短調 作品30]]
* プロコフィエフ:[[ピアノ協奏曲第2番 (プロコフィエフ)|ピアノ協奏曲第2番ト短調 作品16]]
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|'''Summer in February'''{{sfnp|DG|n.d.}}
2013年、DG


* [[ベンジャミン・ウォルフィッシュ]]指揮、ザ・チェンバー・オーケストラ・オブ・ロンドン<small>({{Lang-en|The Chamber Orchestra of London}}</small>)
演奏に際し、[[舞台|ステージ]]にロングの他に[[ミニスカート]]で登場することもあり、[[クリスチャン・ルブタン]](Christian Louboutin)の靴などの[[ハイヒール|ピンヒール]]を履いて演奏する。
|style="font-size:smaller;"|
技巧的な曲においてはアスリートのような精力的な演奏を披露することがある。
* ベンジャミン・ウォルフィッシュ:映画『{{仮リンク|2月の夏|en|Summer in February|label=}}』のサウンドトラック
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|'''ラヴェル:ピアノ協奏曲集{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=DISCOGRAPHY}}'''
2015年 、DG

* {{仮リンク|リオネル・ブランギエ|en|Lionel Bringuier}} 指揮、[[チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団|チューリヒ・トーンハレ管弦楽団]]
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* ラヴェル
** [[ピアノ協奏曲 (ラヴェル)|ピアノ協奏曲ト長調]]
** [[左手のためのピアノ協奏曲 (ラヴェル)|左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調]]
* [[ガブリエル・フォーレ|フォーレ]] :バラード嬰ヘ長調 作品19<small>([[:en:Piano music of Gabriel Fauré#Ballade in F%E2%99%AF major%2C Op. 19|英語版]])</small>
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|'''ベルリン・リサイタル{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=DISCOGRAPHY}}'''
2018年 、DG

* ライブ録音
*[[グラモフォン (雑誌)|グラモフォン]]賞器楽部門受賞{{sfnp|Gramophone|2019}}
* [[グラミー賞]] 最優秀クラシック・インストゥルメンタル・ソロ部門ノミネート{{sfnp|Grammy Awards|n.d.}}
※ [[YouTube]]において全曲が[[ドイツ・グラモフォン]]によりアップロードされている{{efn2|{{YouTube|playlist=PLcSkPXginhQcrvYdO1eVnnNlTXZV0mOL-|title=Yuja Wang - Best of}}}}。
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* ラフマニノフ
** [[前奏曲 (ラフマニノフ)#10の前奏曲 作品23|10の前奏曲 作品23]] :第5番ト短調
** [[前奏曲 (ラフマニノフ)#13の前奏曲 作品32|13の前奏曲]] :第10番ロ短調
** 絵画的練習曲《音の絵》 :第1曲 ハ短調、第3曲 ハ短調
* スクリャービン:[[ピアノソナタ第10番 (スクリャービン)|ピアノソナタ第10番 作品70]]
* リゲティ:[[練習曲 (リゲティ)|ピアノのための練習曲]] :第3番 《妨げられた打鍵》、第9番 《眩暈》、第1番 《無秩序》
* プロコフィエフ:[[ピアノソナタ第8番 (プロコフィエフ)|ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調 作品84]]
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|'''The Berlin Recital – Encores'''{{sfnp|DG|n.d.}}
2018年、DG

* ライブ配信
* ダウンロード、ストリーミング配信のみ
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* [[ニコライ・カプースチン|カプースチン]]:8つの演奏会用練習曲:第3曲トッカティーナ
* [[ロベルト・シューマン|シューマン]]([[カール・タウジヒ]]編曲):スペインの歌遊び 作品74:密輸入者
* [[ピョートル・チャイコフスキー|チャイコフスキー]]:[[白鳥の湖|《白鳥の湖》作品20]]:第2幕より第13曲 白鳥たちの踊り
* プロコフィエフ:[[ピアノソナタ第7番 (プロコフィエフ)|ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 作品83]] 第3楽章
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|'''ブルー・アワー{{sfnp|DG|n.d.}}'''
2019年、DG

* {{仮リンク|アンドレアス・オッテンザマー|en|Andreas Ottensamer|label=}}([[クラリネット]])
* #1、 #5–#15
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* ブラームス:[[6つの小品 (ブラームス)|6つの小品 作品118]]:第2曲イ長調
* [[フェリックス・メンデルスゾーン|メンデルスゾーン]]:[[無言歌集 (メンデルスゾーン)|無言歌集]]
** 《さすらい人》作品30-4、《ヴェネツアの舟歌 第2》作品30-6、
** 《失われた幻影》作品67-2、《巡礼の歌》作品67-3、
** 《家もなく》作品102-1
* [[カール・マリア・フォン・ウェーバー|ウェーバー]]:[[協奏的大二重奏曲 (ウェーバー)|協奏的大二重奏曲変ホ長調 作品48]]
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|'''ショパン、フランク'''{{sfnp|Warner Music Japan|2019}}
2019年、[[エラート]]

* {{仮リンク|ゴーティエ・カプソン|en|Gautier Capuçon|label=}}([[チェロ]])
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* [[セザール・フランク|フランク]]:[[ヴァイオリンソナタ (フランク)|ヴァイオリン・ソナタ イ長調 FWV 8]]
* ショパン:
** [[序奏と華麗なるポロネーズ (ショパン)|序奏と華麗なるポロネーズハ長調 作品3]]
** [[チェロソナタ (ショパン)|チェロ・ソナタ ト短調 作品65]]
* [[アストル・ピアソラ|ピアソラ]]:[[ル・グラン・タンゴ]]
|-
|'''Rachmaninov: Cello Sonata in G Minor, Op. 19{{sfnp|DG|n.d.}}'''
2020年、DG

* [[リン・ハレル]]([[チェロ]])
* 2008年ライブ録音
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* [[セルゲイ・ラフマニノフ|ラフマニノフ]]:[[チェロソナタ (ラフマニノフ)|チェロ・ソナタト短調 作品19]]
|-
|'''ジョン・アダムズ:Must The Devil Have All The Good Tunes?{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=DISCOGRAPHY}}'''
2020年 、DG

* グスターボ・ドゥダメル指揮、[[ロサンジェルス・フィルハーモニック|ロサンゼルス・フィルハーモニック]]
※ [[YouTube]]において第1楽章がドイツ・グラモフォンによりアップロードされている{{efn2|{{YouTube|id=y3M1z3ITIf4|title=Gustavo Dudamel, Yuja Wang & LA Phil – Adams: I. Gritty, Funky, But in strict Tempo}}}}。
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* [[ジョン・クーリッジ・アダムズ|アダムズ]]
** {{仮リンク|悪魔は全ての名曲を手にしなければならないのか?|en|Must the Devil Have All the Good Tunes?|label=}}
** {{仮リンク|中国の門々|en|China Gates|label=}}
|}

== 主な受賞歴 ==
* 2001年 :[[仙台国際音楽コンクール]] 第3位、審査委員特別賞{{sfnp|仙台市市民文化事業団|2001}}。
* 2002年 :[[アスペン音楽祭]] コンチェルト・コンペティション優勝{{sfnp|Universal Music Japan|n.d.|loc=BIOGRAPHY}} 。
* 2006年:{{仮リンク|ギルモア・アーティスト賞|en|Gilmore Artist Award|label=ギルモア・ヤング・アーティスト賞}}{{efn2|最も優秀な21歳以下のピアニストに授与される賞(賞金1万5000ドル)。}}受賞{{sfnp|The Gilmore|n.d.}}。
* 2009年:[[グラモフォン (雑誌)|グラモフォン]]賞ヤング・アーティスト・オブ・ジ・イヤー受賞{{sfnp|Gramophone|2009}}。
* 2011年:[[エコー賞|エコー・クラシック]]年間新人賞受賞{{sfnp|KAJIMOTO|n.d.}}。
* 2017年 :{{仮リンク|ミュージカル・アメリカ|en|Musical America|label=}} 年間最優秀アーティスト受賞{{sfnp|Isacoff|2017}}。
* 2019年:グラモフォン賞器楽部門受賞{{sfnp|Gramophone|2019}}。
* 2009年、[[2011年]]、[[2018年]]、2019年:[[グラミー賞]]クラシック・インストゥルメンタル・ソロ部門ノミネート{{sfnp|Grammy Awards|n.d.}}。

== 主な公演歴 ==
=== 2000年代 ===
* 2003年、[[チューリッヒ]] で[[デイヴィッド・ジンマン]] の指揮[[チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団]] との共演による[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]] の[[ピアノ協奏曲第4番 (ベートーヴェン)|ピアノ協奏曲第4番]] を演奏し、ヨーロッパデビューを果たした。
* 2005-06シーズンに、[[オタワ]] で[[ラドゥ・ルプー]] の代役として[[ピンカス・ズーカーマン]] 指揮によるベートーヴェンの協奏曲を演奏し北米デビューを飾った。
* 2006-2007年、[[ニューヨーク・フィルハーモニック]] 、[[ヒューストン交響楽団]] 、[[シカゴ交響楽団]] 、[[サンフランシスコ交響楽団]] 、[[NHK交響楽団]] 、[[オランダ]] にて[[サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団]] 、[[北京]] にて[[中国フィルハーモニック管弦楽団]] 、[[サンタフェ室内楽音楽祭]] にて[[広州交響楽団]] と共演した。
* 2007年、3月8日から3月の13日まで4回の定期演奏会において、伝説的なピアニスト[[マルタ・アルゲリッチ]] が[[ボストン交響楽団]] との共演を取りやめたため、代役として出演{{sfnp|Westphal|2007}} 。[[シャルル・デュトワ]] 指揮の下[[ピョートル・チャイコフスキー|チャイコフスキー]] の[[ピアノ協奏曲第1番 (チャイコフスキー)|ピアノ協奏曲第1番]] を演奏し、非常に好ましい批評を得た{{sfnp|Freedman|2008}} 。
* 2008年1月21日、[[アナーバー]] の Hill Auditorium で演奏し、スタンディングオベーションに応えて3度アンコール演奏([[クリストフ・ヴィリバルト・グルック|グルック]] の[[オルフェオとエウリディーチェ|オルフェオ]] のメロディー、[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]] の[[ピアノソナタ第11番 (モーツァルト)|トルコ行進曲]] 、[[ニコライ・リムスキー=コルサコフ|リムスキー=コルサコフ]] の[[熊蜂の飛行]] ([[ジョルジュ・シフラ]] 編曲))した。
* 2008年4月2日、[[シンフォニーホール|ボストン・シンフォニーホール]] で、元々[[マレイ・ペライア]] の演奏予定だったコンサートにて[[アカデミー室内管弦楽団]] と共演した。
* 2008年[[ヴェルビエ音楽祭]] で演奏し喝采を得た。

=== 2010年代 ===
* [[2019年]]3月7日、[[グスターボ・ドゥダメル]]指揮の[[ロサンジェルス・フィルハーモニック]]とともに、[[ジョン・クーリッジ・アダムズ|ジョン・アダムズ]]の『{{仮リンク|悪魔は全ての名曲を手にしなければならないのか?|en|Must the Devil Have All the Good Tunes?|label=}}』を世界初演{{sfnp|Adams|2019}}。{{harvtxt|Banno|2019}} から「彼女が詩的な感性と花火のような眩しさの双方において印象的であることが再び証明された」との評価を得た。また,アンコールで演奏した同作曲家の「{{仮リンク|中国の門々|en|China Gates|label=}}」については{{harvtxt|Vittes|2019}} によって、雨のように鮮烈な演奏であったと評された。

=== 来日公演 ===
==== 2000年代 ====
* [[2006年]] 11月、[[ロリン・マゼール]] 指揮の[[ニューヨーク・フィルハーモニック]] 来日公演において[[フランツ・リスト|リスト]] の[[ピアノ協奏曲第1番 (リスト)|ピアノ協奏曲第1番]] を演奏。
* 2007年 1月、[[シャルル・デュトワ]] 指揮による[[NHK交響楽団]] 定期演奏会で[[セルゲイ・プロコフィエフ|プロコフィエフ]] の[[ピアノ協奏曲第2番 (プロコフィエフ)|ピアノ協奏曲第2番]] を演奏。
* 2008年12月17 、18日 、シャルル・デュトワ指揮によるNHK交響楽団第1636回定期演奏会で[[セルゲイ・ラフマニノフ|ラフマニノフ]] の[[パガニーニの主題による狂詩曲]] を演奏。17日の演奏はテレビ放映された。

==== 2010年代 ====
* 2011年 3月ピアノリサイタル、4日 [[武蔵野市民文化会館]] 、5日 [[紀尾井ホール]] 、6日 [[名古屋電気文化会館]]
** 演奏曲目
*** ラフマニノフ:[[コレルリの主題による変奏曲 (ラフマニノフ)|コレルリの主題による変奏曲 作品42]]
*** [[フランツ・シューベルト|シューベルト]]:[[ピアノソナタ第19番 (シューベルト)|ピアノソナタ第19番ハ短調 D958]]
*** [[アレクサンドル・スクリャービン|スクリャービン]]:前奏曲ロ長調 作品11-11
*** 同:前奏曲ロ短調 作品13-6
*** 同:前奏曲嬰ト短調 作品11-12
*** 同:練習曲嬰ト短調 作品8-9
*** 同:[[2つの詩曲 (スクリャービン)|詩曲]]第1番 作品32-1
*** [[フェリックス・メンデルスゾーン|メンデルスゾーン]](ラフマニノフ編):『[[夏の夜の夢 (メンデルスゾーン)|夏の夜の夢]]』から「[[スケルツォ]]」
*** [[カミーユ・サン=サーンス|サン=サーンス]]([[ウラディミール・ホロヴィッツ|ホロヴィッツ]]編):『[[死の舞踏 (サン=サーンス)|死の舞踏]]』作品40
*** [[ジョルジュ・ビゼー|ビゼー]](ホロヴィッツ編):カルメンの主題による変奏曲
** 3公演共通のアンコール曲
*** [[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]] (ヴォロドス編):トルコ行進曲

* 2012年 11月[[マイケル・ティルソン・トーマス]] 指揮[[サンフランシスコ交響楽団]] と共に来日。
** 演奏曲目
*** ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
*** プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 作品16

* 2013年 4月水戸、東京、横浜、京都、さいたま、横浜でピアノ・リサイタル。スクリャービン、プロコフィエフ、ラフマニノフのソナタなどを演奏した。
* 2013年6月シャルル・デュトワ指揮[[ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団]] と共に来日し、[[フレデリック・ショパン|ショパン]] の[[ピアノ協奏曲第1番 (ショパン)|ピアノ協奏曲第1番]] を共演した。
* 2013年12月チェリストの{{仮リンク|ゴーティエ・カピュソン|en|Gautier Capuçon|label=}} と共に来日し、羽島と東京でデュオ・リサイタル。[[ドミートリイ・ショスタコーヴィチ|ショスタコーヴィチ]] 、ラフマニノフのチェロソナタなどを共演した。
* 2014年 12月にチェリストのゴーティエ・カピュソンとのデュオ・リサイタルとシャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団との共演のために来日。デュオ・リサイタルではドビュッシー、プロコフィエフ、ラフマニノフ、ブラームスの[[チェロソナタ|チェロ・ソナタ]] を演奏。シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団との共演では[[マヌエル・デ・ファリャ|ファリャ]] の交響的印象『[[スペインの庭の夜]] 』、[[モーリス・ラヴェル|ラヴェル]] の[[ピアノ協奏曲 (ラヴェル)|ピアノ協奏曲ト長調]] を演奏。
* 2015年 11月に[[グスターボ・ヒメノ]] 指揮[[ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団]] とともに来日。[[京都]] 、[[名古屋]] 、[[東京]] で[[ピョートル・チャイコフスキー|チャイコフスキー]] の[[ピアノ協奏曲第2番 (チャイコフスキー)|ピアノ協奏曲第2番ト長調]] を披露した。
* 2016年 9月に東京など5都市でリサイタル。[[ロベルト・シューマン|シューマン]] :[[クライスレリアーナ|クライスレリアーナ 作品16]] 、ベートーヴェン:[[ピアノソナタ第29番 (ベートーヴェン)|ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調 作品106「ハンマークラヴィーア」]] などを演奏。
* 2016年11月にマイケル・ティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団と共に来日。ショパン:[[ピアノ協奏曲第2番 (ショパン)|ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 作品21]] 、ショスタコーヴィチ:[[ピアノ協奏曲第1番 (ショスタコーヴィチ)|ピアノ協奏曲第1番ハ短調 作品35]] を共演した。

== 主な共演者 ==
<small>※以下特記のない限り{{harvtxt|DG|2018}}、{{harvtxt|BSO|n.d.}}ないし{{harvtxt|KAJIMOTO|n.d.}} による。</small>

=== 指揮者 ===
<!-- 生年順 -->
{{hlist-comma|[[クルト・マズア]]<!-- *1927 -->|[[ロリン・マゼール]]<!-- *1930 -->|[[クラウディオ・アバド]]<!-- *1933 -->|[[ロジャー・ノリントン]]<!-- *1934 -->|[[デイヴィッド・ジンマン]]<!-- *1936-07 -->{{sfnp|Freedman|2008}}{{sfnp|Kustanczy|2019}}|[[シャルル・デュトワ]]<!-- *1936-10 -->|[[ユーリ・テミルカーノフ]]<!-- *1938 -->|[[ダニエル・バレンボイム<!-- *1942 -->]]|[[マイケル・ティルソン・トーマス<!-- *1944 -->]]|[[ピンカス・ズーカーマン]]<!-- *1948 -->{{sfnp|Universal Music Japan|2009}}|[[ヴァレリー・ゲルギエフ]]<!-- *1953 -->|[[マンフレート・ホーネック]]{{sfnp|Pittsburgh Symphony Orchestra|2013}}<!-- *1958。KAJIMOTO にはホーネックとしか記されていなかったためライナー・ホーネックでないことを確定するため別途出典を追加。 -->| [[アントニオ・パッパーノ]]<!-- *1959 -->|[[フランツ・ウェルザー=メスト]]<!-- *1960-08 -->|[[ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン]]<!-- *1960-12 -->|[[ダニエレ・ガッティ]]<!-- *1961 -->|[[キリル・ペトレンコ]]<!-- *1972 -->|[[ヤニック・ネゼ=セガン]]<!-- *1975 -->|[[ミッコ・フランク]]<!-- *1979 -->|[[ピエタリ・インキネン]]<!-- *1980 -->|[[グスターボ・ドゥダメル]]<!-- *1981 -->|[[ミルガ・グラジニーテ=ティーラ]]<!-- *1986-08 -->|{{仮リンク|リオネル・ブランギエ|en|Lionel Bringuier|label=}}<!-- 1986-09 -->}}

=== オーケストラ ===
<small>*は弾き振りを含むことを意味する。</small>

;ヨーロッパ
:;イギリス
::{{hlist-comma|[[ロンドン交響楽団]]| [[ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団]]|[[ヨーロッパ室内管弦楽団]]*|[[バーミンガム市交響楽団]]|[[アカデミー室内管弦楽団]]}}
:;ドイツ
::{{hlist-comma|[[ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団]]|[[マーラー室内管弦楽団]]*| [[シュターツカペレ・ベルリン]]|[[ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団]]}}
:;その他
::{{hlist-comma|[[ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団]]|[[ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団]]|[[パリ管弦楽団]]|[[ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団]]|[[チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団]]|[[ルツェルン祝祭管弦楽団]]|[[スペイン国立管弦楽団]]|[[サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団]]|[[ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団]]|[[サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団]]}}
;アジア
:{{hlist-comma|[[イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団]]|{{仮リンク|中国フィルハーモニー管弦楽団|en|China Philharmonic Orchestra|label=}}|[[香港フィルハーモニー管弦楽団]]|[[NHK交響楽団]]}}
;北アメリカ
:{{hlist-comma|[[国立芸術センター管弦楽団]]{{sfnp|Universal Music Japan|2009}}|[[サンフランシスコ交響楽団]]|[[ロサンジェルス・フィルハーモニック]]| [[ダラス交響楽団]]|[[ヒューストン交響楽団]]|[[シカゴ交響楽団]]|[[デトロイト交響楽団]]|[[クリーヴランド管弦楽団]] |[[ボストン交響楽団]]|[[ピッツバーグ交響楽団]]|[[ニューヨーク・フィルハーモニック]]|[[フィラデルフィア管弦楽団]]|[[ワシントン・ナショナル交響楽団]]}}
;南アメリカ
:{{hlist-comma|[[シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ|シモン・ボリバル交響楽団]]}}
;多国籍
:{{仮リンク|YouTubeシンフォニー・オーケストラ|en|YouTube Symphony Orchestra|label=}}

=== ソリスト ===
<!-- 生年順 -->
{{hlist-comma|[[リン・ハレル]]([[チェロ]])'''{{sfnp|DG|n.d.}}'''<!-- *1944 -->|{{仮リンク|マティアス・ゲルネ|en|Matthias Goerne|label=}}([[バリトン]])<!-- *1967-03 -->|[[レオニダス・カヴァコス]]([[ヴァイオリン]])<!-- *1967-10 -->|{{仮リンク|ゴーティエ・カプソン|en|Gautier Capuçon|label=}}(チェロ)<!-- *1981 -->|{{仮リンク|マーティン・グラビンガー|en|Martin Grubinger|label=}}([[パーカッション]])<!-- *1983 -->|{{仮リンク|アンドレアス・オッテンザマー|en|Andreas Ottensamer|label=}}([[クラリネット]])'''{{sfnp|DG|n.d.}}'''<!-- *1989年 -->}}


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}


=== 注釈・出典 ===
=== 注釈 ===
{{reflist}}
{{notelist2|45em}}

=== 出典 ===
{{Reflist|20em}}

== 参考資料 ==
;公式
:* {{Cite web|date=2018-09|title=Yuja Wang {{!}} Biography|website=Deutsche Grammophon|publisher=[[ドイツ・グラモフォン|Deutsche Grammophon]]|language=en|url=https://www.deutschegrammophon.com/en/artists/yujawang/biography|accessdate=2020-12-07|ref={{sfnref|DG|2018}}}}
:* {{Cite web|title=Discography of Yuja Wang|website=Deutsche Grammophon|publisher=[[ドイツ・グラモフォン|Deutsche Grammophon]]|lang=en|url=https://www.deutschegrammophon.com/en/artists/yujawang/discography|accessdate=2020-12-07|ref={{sfnref|DG|n.d.}}}}
:* {{Cite web|title=ユジャ・ワン {{!}} Yuja Wang|website=UNIVERSAL MUSIC JAPAN|publisher=[[ユニバーサルミュージック (日本)|ユニバーサルミュージック]]|language=ja|url=https://www.universal-music.co.jp/yuja-wang/|accessdate=2020-12-07|ref={{sfnref|Universal Music Japan|n.d.}}}}
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:
;インタビュー
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:** {{Cite web|date=2013|first=ベン|last=フィネーン|coauthor=ワン, ユジャ|title=私にはそういう血が流れている|website=Steinway & Sons|publisher=[[スタインウェイ・アンド・サンズ]]|language=ja|url=https://www.steinway.co.jp/news/features/i-have-that-blood-yuja-wang|accessdate=2020-12-07|ref=harv}}
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;批評
:* {{Cite web|date=2013-05-20|first=David|last=Allen|title=Rhythm in heels — Yuja Wang at Carnegie Hall|website=[[:en:Bachtrack|Bachtrack]]|publisher=Bachtrack|language=en|url=https://bachtrack.com/review-carnegie-hall-yuja-wang|accessdate=2020-12-08|ref=harv|year=2013}}
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;管弦楽団、作曲家によるウェブページ
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:* {{Cite web|date=2017-11-30|first=Elvira|last=Van Groningen|title=Across Europe with Yuja Wang — Tour Diary|website=Mahler Chamber Orchestra|publisher=[[マーラー室内管弦楽団|Mahler Chamber Orchestra]]|language=en|url=https://mahlerchamber.com/play/tour-diary/across-europe-with-yuja-wang|accessdate=2020-12-07|ref=harv|year=2017}}
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;その他ウェブページ
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:* {{Cite web|date=2015-10-08|title=中国生まれのピアニスト、ユジャ・ワン(YUJA WANG)の最新録音はラヴェルのピアノ協奏曲|website=CDJournal|publisher=[[シーディージャーナル]]|language=ja|url=https://www.cdjournal.com/main/news/yuja-wang/68633|accessdate=2020-12-08|ref={{sfnref|CDJournal|2015}}}}
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:* {{Cite web|date=2016-04-07|author=ジョルジオ・アルマーニ・フレグランス・インターナショナル|title=ジョルジオ・アルマーニが「Si Women's Circle」立ち上げで革新|website=PRWire|publisher=共同通信ピー・アール・ワイヤー|language=ja|url=https://kyodonewsprwire.jp/release/201604079620|accessdate=2021-06-06|ref={{sfnref|ジョルジオ・アルマーニ|2016}}}}
:* {{Cite web|date=2019-06-06|title=舞台は日本とインド、リモワがキム・ジョーンズを起用したキャンペーン映像を公開|website=[[Fashionsnap.com|FASHIONSNAP.COM]]|publisher=レコオーランド|url=https://www.fashionsnap.com/article/2019-06-06/rimowa-movie-kimjones/|accessdate=2020-12-08|ref={{sfnref|FASHIONSNAP.COM|2019}}}}
:* {{Cite web|date=2019-08-18|first=Sky|last=Canaves|title=Rimowa Taps Chinese Pianist Yuja Wang for Latest Campaign|website=Jing Daily|publisher=Herlar|language=en|url=https://jingdaily.com/rimowa-campaign-yuja-wang-lebron-james-kim-jones/|accessdate=2020-12-07|ref=harv|year=2019}}
:* {{Cite web|title=第1回仙台国際音楽コンクール&#x301C;入賞者記念アルバム[2CD]|website=CDJournal|publisher=[[シーディージャーナル]]|language=ja|url=https://artist.cdjournal.com/d/the-1st-sendai-international-music-competition---/3201120427|accessdate=2020-12-06|ref={{sfnref|CDJournal|n.d.}}}}
:* {{Cite web|website=Steinway & Sons|publisher=[[スタインウェイ・アンド・サンズ|Steinway & Sons]]|title=Yuja Wang|language=en|url=https://www.steinway.co.jp/en/music-and-artists/solo/yuja-wang-feature|accessdate=2020-12-07|ref={{sfnref|Steinway & Sons|n.d.}}}}
:* {{Cite web|title=ユジャ・ワンがやってきた|website=[[CLASSICA JAPAN]]|publisher=東北新社|language=ja|url=https://www.classica-jp.com/feature/201103/02.html|accessdate=2020-12-07|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201001115458/https://www.classica-jp.com/feature/201103/02.html|archivedate=2020-10-01|deadlink=2021-06-06|ref={{sfnref|CLASSICA JAPAN|n.d.}}}}
:* {{Cite web|first=James|last=Manheim|title=Yuja Wang {{!}} Biography & History|website=[[オールミュージック|AllMusic]]|publisher=Netaktion|url=https://www.allmusic.com/artist/yuja-wang-mn0001713512/biography|accessdate=2021-06-07|ref={{sfnref|Manheim|n.d.}}}}


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
=== 公式サイト/SNS ===
* {{official|http://www.yujawang.com}}
{{div col||45em}}
* [http://www.kajimotomusic.com/artists/index.php?submenu_exp=6&main_content_exp=82#ja 招聘会社KAJIMOTOによるプロフィール]
*{{Official website}}{{en icon}}
* [http://www.allmusic.com/artist/yuja-wang-mn0001713512 ユジャ・ワン] - [[Allmusic]]
*[https://www.kajimotomusic.com/jp/artists/k=82/ アーティスト | ユジャ・ワン] - [[KAJIMOTO]](マネジメント会社)
* [http://www.opus3artists.com/artists/yuja-wang Profile of Yuja Wang] on Opus3 Artists site
* [http://www.tokafi.com/15questions/15-questions-to-yuja-wang/ Interview with Yuja Wang]
*[https://www.universal-music.co.jp/yuja-wang/ ユジャ・ワン | Yuja Wang] - [[UNIVERSAL MUSIC JAPAN]](国内盤発売元)
*[https://www.deutschegrammophon.com/en/artists/yujawang Yuja Wang] - [[ドイツ・グラモフォン]]{{en icon}}
*{{Facebook||Yuja Wang}}{{en icon}}
*{{Instagram||Yuja Wang}}{{en icon}}
*{{Twitter||Yuja}}{{en icon}}
{{div col end}}

=== 動画/音源配信サイト ===
{{div col||45em}}
* {{YouTube|playlist=PLcSkPXginhQcrvYdO1eVnnNlTXZV0mOL-|title=Yuja Wang - Best of|user=}}、[[ドイツ・グラモフォン]]
* {{YouTube|playlist=PLDgJJZYFP7IoQFSf7AhD5SIi5u3TxHlya|title=Yuja Wang - The best of (Shostakovich, Brahms, Vivaldi...)}}、{{仮リンク|メディチTV|en|Medici.tv}}
* {{YouTube|playlist=PL6on-dqI02314qMKLgPdt5VcI1VzuvutH|title=Concert webcasts from Carnegie Hall on medici.tv}}、[[カーネギー・ホール]]
* {{YouTube Music|channel=UCRFHKMw2TBesUcnYhOdZs_w|title=ユジャ・ワン}}
{{div col end}}

=== その他関連サイト ===
{{div col||45em}}
*{{allmusic|title=Yuja Wang}}{{en icon}}
*{{Discogs artist||Yuja Wang}}{{en icon}}
{{div col end}}

{{Normdaten}}


{{DEFAULTSORT:わん ゆしあ}}
{{DEFAULTSORT:わん ゆしあ}}
[[Category:中国のクラシック音楽のピアニスト]]
[[Category:中国のクラシック音楽のピアニスト]]
[[Category:中国の女性ピアニスト]]
[[Category:カーティス音楽学校出身の人物]]
[[Category:カーティス音楽学校出身の人物]]
[[Category:在アメリカ合衆国中国人]]
[[Category:在アメリカ合衆国中国人]]

2021年6月28日 (月) 18:55時点における版

王 羽佳
ユジャ・ワン(2012年)
基本情報
中国語 王 羽佳
漢語拼音 Wáng Yǔjiā
生誕 (1987-02-10) 1987年2月10日(37歳)[1]
中華人民共和国の旗 中国北京市
英語名 Yuja Wang
職業 ピアニスト
ジャンル クラシック音楽
担当楽器 ピアノ
レーベル ドイツ・グラモフォン
活動期間 2003年 -
教育 カーティス音楽院卒業
公式サイト http://www.yujawang.com/
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ユジャ・ワン[注 1] (中国語: 王 羽佳、Yuja Wang、1987年2月10日 - )は、中国出身のクラシックピアニスト。6歳からピアノを習い始め[1]、北京の中央音楽学院フィラデルフィアカーティス音楽院で学ぶ[1][3]。2000年代後半より世界各地の指揮者やオーケストラと共演、ドイツ・グラモフォンでの録音もおこない、技巧、表現、公演におけるカリスマ性ともに高く評価されている[1][4]。また、グラモフォン賞などいくつもの賞を受賞している[1][5]。おもなレパートリーとしてはラフマニノフプロコフィエフスクリャービンといったロシアの近現代音楽が挙げられるが、ベートーヴェンシューマンモーツァルトバッハなどのドイツのバロック古典派ロマン派の作曲家にも取り組んでいる[1][6][7]

来歴

カーティス音楽院卒業まで

1987年2月10日パーカッショニストの父とダンサーの母のもと、北京の音楽一家に生まれる。両親が結婚祝いとして貰ったピアノでメロディに親しみはじめ、6歳よりピアノのレッスンを開始した[1][6][8]。母からはダンサーとなることを望まれていたが、体が硬かったため挫折したという[6]。また、パーカッショニストだけでなく譜面起こしの仕事もしていた父はリズムに厳しく、完璧であることを求められたとも語っている[6]。ピアニストになることを意識し始めたのは7、8歳のころであるという[9]

7歳のときより3年間北京の中央音楽学院にて学んだ[3]。このころはブラームス以前の標準的なレパートリーに取り組み、曲を細部まで完璧に仕上げるよう指導されたという[10]。1999年に12歳で奨学金を得て、カナダカルガリーマウント・ロイヤル・カレッジ英語版におけるモーニング・サイド・ミュージック・サマー・プログラムに当時最年少で参加[11][12][10]。2001年には仙台国際音楽コンクールで3位に入賞[13]。同年にはマウント・ロイヤル・カレッジにフルタイムで通い始め[10][8]スタインウェイ・アーティストにも選ばれている[14]。15歳からはアメリカ合衆国フィラデルフィアカーティス音楽院にてゲイリー・グラフマンに師事したほか、レオン・フライシャー の薫陶も受けた[3][8][10]。また17歳のときにはマイケル・ティルソン・トーマスと出会い、以降師と仰ぐことになる[10]

この間2002年に、アスペン音楽祭のコンチェルト・コンペティションで優勝を果たし、翌年デイヴィッド・ジンマン指揮のチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の共演でヨーロッパ・デビューを果たしている[12][15]。2005年にはラドゥ・ルプの代役としてピンカス・ズーカーマン指揮の国立芸術センター管弦楽団と共演し、メジャー・コンサート・デビューを果たした[16][12]。さらに2007年3月には、マルタ・アルゲリッチの代役としてシャルル・デュトワ指揮のボストン交響楽団と共演、カーティス音楽院を卒業した翌2008年にはマレイ・ペライアの代役も務め、21歳で世界的な名声を獲得した[17][4][8]

カーティス音楽院卒業後

2009年ドイツ・グラモフォンと契約し、ショパンスクリャービンリストリゲティの楽曲を演奏した『ソナタ&エチュード』を発表[16][8]。同年には、ロレックスの文化大使にも選ばれている[4]。その後2011年にカーネギー・ホールにて、ソロ・リサイタル・デビューとなる公演をおこなった[18]

2011年以降も、2012年のサンフランシスコ交響楽団とのアジア・ツアーや2019年のシュターツカペレ・ドレスデンとのツアーなど、大御所から若手まで数多くの指揮者のもと世界各地のオーケストラと共演[11][8]。2017年にはミュージカル・アメリカ英語版年間最優秀アーティストに選ばれ[10]、同年以降マーラー室内管弦楽団[19]およびヨーロッパ室内管弦楽団[20]において弾き振りもおこなっている[1][4]。2018年の『ベルリン・リサイタル』が高い評価を受けるなど[8]、ドイツ・グラモフォンでのスタジオおよびライブでの協奏曲・室内楽・独奏曲の録音も継続的におこなっており、複数の賞を獲得している。

評価と発言

この軽快で輝かしい鍵盤の類まれなる演奏[注 2]は、偉大なピアニストでもあったプロコフィエフを、そしてかの伝説的なホロヴィッツですら嫉妬させただろう
Swed (2015)

演奏について

幼少時にはピアノ教師から手が小さすぎるためプロのピアニストになるのは難しいと言われており、成人後も小柄[注 3]であるが、彼女の演奏はそれを感じさせないと評されている[23][22]。超絶技巧を要する曲を弾きこなすだけでなく、深い洞察力や新鮮な解釈、情緒的な表現においても評価されている[4][16][20]パーカッショニストである父の影響もあり、しばしば優れたリズム感覚[注 4]について指摘される[6][21][24][25]。また、対位法の明快な解釈を評価する批評もある[21][26][10]。また下田 (2017, pp. 66f.) は、ショパンピアノ・ソナタ第2番』の演奏が論理的かつシリアスであると評し、ピアニスト像の目標としてピエール=ローラン・エマールミハイル・プレトニョフグリゴリー・ソコロフアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリウラディミール・ホロヴィッツを挙げていることからも派手な外見と演奏マナーとは裏腹の大変真面目な部分が見えると述べている。

ステージにおけるドラマティックで活気あふれるカリスマ的な魅力についても、耳の肥えた聴衆からクラシック初心者まで幅広く好評を博している[1][4][18]。躍動的な演奏は、アスリートさながらと評されることもある[7][27][28]。またソロ・リサイタルにおいては、しばしば直前まで数度に渡って演奏曲目を変更することでも知られている[6][29][30]。なおIsacoff (2017) によると、彼女自身は批評家の意見は気にしないと述べている。

作曲家や他の音楽家について

幼少時、母がチャイコフスキーの《白鳥の湖》のリハーサルをしているのを見た経験が、ロシアの作品への愛着へと繋がっている[1][6]。また、9歳のころに音楽プレイヤーを手に入れてからは、マウリツィオ・ポリーニアルトゥール・ルービンシュタインの弾くショパンヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮のベートーヴェンなどロマン派的な音楽にもLPレコードで親しんだ[6][31]

フィネーン (2013) によるインタビューでは、プロコフィエフラフマニノフスクリャービンといったロシアの作曲家の情熱的で多彩な魅力について語るとともに、ベートーヴェンモーツァルトバッハなどのドイツ古典派以前の作品についてはじっくりと腰を据えて徹底的に取り組みたいと、両者をロック・コンサートと講義の違いに例えて語っている。いずれにしても譜読みには時間を掛け、基本的なアプローチは変わらないが、ものになるまでどれだけ時間がかかるかは作曲家によって異なるという。2018年のイギリスヴォーグ誌によるインタビューにおいても、作曲家は作品を書くのに多くの時間を費やしたのだから、私たちがそれを何年もかけて解読するのは正しいことであると述べている[1]

上記以外に敬愛するピアニストとしてはヴィルヘルム・ケンプアルトゥル・シュナーベルエフゲニー・キーシンを挙げている[29]Kustanczy (2019) によるインタビューでは、チェリストゴーティエ・カプソンについて、相手がなにも言わずとも一緒に呼吸するだけで自然に音楽が流れ、そのような他の音楽家は亡きクラウディオ・アバドだけであったと語っている。公演前にはロックを聴き、公演後にはバーに電子音楽を聴きに行こうとするなど、クラシック音楽意外にも関心を持っており[10]、2013年時点でキース・ジャレットレディオヘッドブラック・アイド・ピーズザーズスティング[6]、2017年時点ではリアーナレディー・ガガブルーノ・マーズを好きなミュージシャンとして挙げている[7]

その他

思想やほかの芸術ジャンルについて

中国のテレビ番組に出演した際には、中国人であることを誇りに思っており、をおこなっているほか道教についても学びたいと語っている[29]。また『論語』を原文で読むほか、ゲーテの『ファウスト』や村上春樹も愛読している[29][32][10]

Vankin (2017) によるインタビューでは、自分にとって音楽とは女優のように別の生き方に移るためのものであり、音楽を営んでいなくてもほかの手段で同じようなことを追究していただろうと語っている。また、写真を撮ることやユニバーサル・スタジオの大作映画が好きであるとも述べている。

ファッションについて

カーネギー・ホールで演奏するワン(2017年)。
カーネギー・ホールで演奏するワン(2017年)。

タイトなミニ・スカートハイヒールなどで演奏に臨むことでも知られており、エルベ・レジェ英語版ボディ・コンシャスなドレスやクリスチャン・ルブタンのピンヒール、アルマーニなどを好んでいる[29][32][33]。彼女のステージ・ファッションは賛否双方で評価されている[29][34]

Kovan (2017) によるインタビューでは、クラシック音楽における堅苦しいドレス・コードやルールは、音楽の演奏自体とは関係なく、自分はそれを壊したのだと語っている。一方で自分自身にとっては、ファッションは身につけると音楽へと変容し自信を与えてくれるものであるともいう。また、小柄であるため体に合うドレスを見つけるのが難しいとも述べている。Wigler (2017) によるインタビューでは、デザイナーたちをとても愛しており、彼女/彼らの服を身につけているとスタンウェイフル・コンサート・グランドの前でも自分が小さいとは感じないと語っている。

2016年には、アルマーニのキャンペーン「Yesと言える女性のサークル」[注 5]に5人の女性の1人として取り上げられている[23]。また2019年には、リモワのキャンペーン「Never Still」においても起用されている[33][35]

ディスコグラフィー

タイトル

発売年、レーベル

備考

収録曲
第1回 仙台国際音楽コンクール 入賞者記念アルバム[36]

2001年、音楽之友社

  • CD1 #3 –# 6、ワン・ユーチィア名義
  • 予選での演奏
ソナタ&エチュード[37]

2009年、DG

トランスフォーメーション[37]

2010年、DG

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、パガニーニ狂詩曲[37]

2011年、DG

ファンタジア[37]

2012年 、DG

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番[37]

2013年 、DG

Summer in February[40]

2013年、DG

  • ベンジャミン・ウォルフィッシュ:映画『2月の夏英語版』のサウンドトラック
ラヴェル:ピアノ協奏曲集[37]

2015年 、DG

ベルリン・リサイタル[37]

2018年 、DG

YouTubeにおいて全曲がドイツ・グラモフォンによりアップロードされている[注 6]

The Berlin Recital – Encores[40]

2018年、DG

  • ライブ配信
  • ダウンロード、ストリーミング配信のみ
ブルー・アワー[40]

2019年、DG

ショパン、フランク[42]

2019年、エラート

Rachmaninov: Cello Sonata in G Minor, Op. 19[40]

2020年、DG

ジョン・アダムズ:Must The Devil Have All The Good Tunes?[37]

2020年 、DG

YouTubeにおいて第1楽章がドイツ・グラモフォンによりアップロードされている[注 7]

主な受賞歴

主な公演歴

2000年代

2010年代

来日公演

2000年代

2010年代

主な共演者

※以下特記のない限りDG (2018)BSO (n.d.)ないしKAJIMOTO (n.d.) による。

指揮者

オーケストラ

*は弾き振りを含むことを意味する。

ヨーロッパ
イギリス
ドイツ
その他
アジア
北アメリカ
南アメリカ
多国籍
YouTubeシンフォニー・オーケストラ英語版

ソリスト

脚注

注釈

  1. ^ 2001年の仙台国際音楽コンクール入賞時にはワン・ユーチィアと表記されている[2]
  2. ^ [N]onchalant, brilliant keyboard virtuosity[21].
  3. ^ 身長はラローチャピレシュと同じくらいで、手の大きさはアルゲリッチ内田光子エリーヌ・グリモーと同じくらい[22]
  4. ^ たとえばAllen (2013)ユジャ・ワンとはリズムである(Yuja Wang is all about rhythmの一文から始まる批評において、そのピアニズムは若者のものでありまだ成熟に欠けるとしつつ、リズムの力強さ、管弦楽的な色彩感、果敢に鍵盤に挑む姿勢などについて、同年代のピアニストと一線を画すと評している。
  5. ^ Sì Women's Circle英語Yesに当たるイタリア語
  6. ^ Yuja Wang - Best of - YouTubeプレイリスト
  7. ^ Gustavo Dudamel, Yuja Wang & LA Phil – Adams: I. Gritty, Funky, But in strict Tempo - YouTube
  8. ^ 最も優秀な21歳以下のピアニストに授与される賞(賞金1万5000ドル)。

出典

参考資料

公式
インタビュー
  • Finane, Ben (2013年). “i have THAT BLOOD” (英語). Listen Magazine. Steinway & Sons. 2021年6月4日閲覧。
  • 青澤, 隆明「ユジャ・ワン×ダニール・トリフォノフ」『音楽の友』第75巻第3号、音楽之友社、2017年3月1日、57-64頁、ISSN 0289-3606 
  • Wigler, Stephen (2017年3月17日). “Thinking Big — Yuja Wang” (英語). Rhinegold. Rhinegold Publishing. 2020年12月8日閲覧。
  • Maddocks, Fiona (2017年4月9日). “Yuja Wang — ‘If the Music Is Beautiful and Sensual, Why Not Dress to Fit?’” (英語). The Guardian. Guardian News & Media. 2020年12月8日閲覧。
  • Kovan, Brianna (2017年5月24日). “Piano Phenomenon Yuja Wang on Fashion and Her Favorite Pieces to Play” (英語). ELLE. Hearst Magazine Media. 2020年12月8日閲覧。
  • Perspectives: Yuja Wang” (英語). Carnegie Hall. Carnegie Hall (2019年1月). 2020年12月7日閲覧。
  • Kustanczy, Catherine (2019年12月6日). “Yuja Wang — “I Respond to Something on the Spot”” (英語). The Opera Queen. 2020年12月7日閲覧。
批評
管弦楽団、作曲家によるウェブページ
音楽祭、音楽賞関連
その他ウェブページ

外部リンク

公式サイト/SNS

動画/音源配信サイト

その他関連サイト