熊蜂の飛行
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「熊蜂の飛行」(くまばちのひこう、ロシア語: Полет шмеля、英語: Flight of the Bumblebee)は、ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフが作曲した曲。「くまんばちの飛行」、「熊蜂は飛ぶ」、「くまんばちは飛ぶ」等とも訳される。ただし、ロシア語の"Шмель"も英語の"bumblebee"も、和名はマルハナバチ(ミツバチより大型のミツバチ科のハチ)であり、クマバチはマルハナバチよりさらに大型のミツバチ科のハチである。
アレクサンドル・プーシキンの原作に基づき1889年から翌年にかけて作曲されたオペラ『サルタン皇帝』(ロシア語: Сказка о царе Салтане)の第3幕で、主人公のグヴィドン王子が魔法の力で蜂に姿を変え、悪役の2人の姉妹を襲う場面で使われる曲である。独奏用などに編曲され、熊蜂の羽音を模した親しみやすい曲調もあって広く知られている。演奏者のテクニックを示すために、様々な楽器でしばしば演奏される。ヴァイオリン、トランペット、胡弓、エレキギター、はてはチューバで演奏された例もある。
なお、プーシキンの原作ではグヴィドンは3回虫に変身している(1回めは蚊、2回めは蝿、3回めは蜂)。リムスキー=コルサコフの作品では蜂のみが採用されている。
編成[編集]
2 フルート、2 オーボエ、コーラングレ、2 クラリネット、2 ファゴット、4 ホルン、2 トランペット、3 トロンボーン、チューバ、ティンパニ、シンバル、弦五部
主な編曲[編集]
- セルゲイ・ラフマニノフ - ピアノ独奏に編曲。
- ヤッシャ・ハイフェッツ - ヴァイオリン独奏(ピアノ伴奏)に編曲。
- ジョルジュ・シフラ - ピアノ独奏に編曲。ピアノの難曲として知られている。
- マルカンドレ・アムラン - この曲を基にした練習曲を作曲している。
- フレディ・マーチン楽団 - 「バンブル・ブギー」(Bumble Boogie)という名のジャズアレンジ。
- エクストリーム - この曲を基にした「Flight of the Wounded Bumblebee」をエレクトリック・ギターで演奏している。
- ブライアン・セッツァー・オーケストラ「ウルフギャングズ・ビッグ・ナイト・アウト(2007)」
使用例[編集]
- 映画・放送
- グリーン・ホーネット - ラジオ版(1936年-1952年)でこの曲がテーマ曲として使われていた。TVドラマ版(1966年-1967年)や映画版(2011年)ではビリー・メイがアレンジしたもの(俗に「Green Bee」と呼ばれる)がテーマ曲として使われ、これは映画『キル・ビル』(2003年)の中でもサウンドトラックに用いられている。
- 黄金狂時代 - チャーリー・チャップリンによる映画のサウンド版にて吹雪のシーンなどで使われている。(1942年)
- メロディ・タイム - ディズニー作品。この曲のアレンジ版「Bumble Boogie」が「クマンバチ・ブギ」のシークエンスに使用されている。アニメーションは、いたずら好きで怒りっぽいクマンバチが楽器の形をした花やイモムシに襲われるという内容。
- 音楽ファンタジー・ゆめ(第3期) - NHKのテレビ番組。第58回で使用されていた。(1995年1月16日放送)
- ブラックニッカ - ニッカウヰスキーの製品のCMにBGMとして使用。編曲樋口康雄。(1999年)
- ロシア語会話 - NHKのテレビ番組。テーマ曲として採用され、毎回様々なアレンジが流れる。(2007年)
- コンピュータゲーム
- パロディウス - コナミから発売されたシューティングゲームのシリーズ。初代「パロディウス 〜タコは地球を救う〜」(1988年)から「セクシーパロディウス」(1996年)までの5作品でそれぞれボス戦BGMとしてアレンジされたものが使用されている。
- テトラ・スター - タイトーから発売されたシューティングゲーム。BGMとしてアレンジされたものが使用されている。(1991年)
- pop'n music 10 - コナミから発売された音楽ゲーム。収録曲「Doll's sight(ジャンル「クラシック10」)」の中でこの曲の一部が使用されている。(2004年)
- VitaminX - ディースリー・パブリッシャーから発売された恋愛アドベンチャーゲーム。登場人物である仙道清春のテーマ曲としてアレンジされたものが使用されている。(2007年)
- TETRIS 99 - 任天堂から発売された対戦型パズルゲーム。対戦中、残り10人以下のときのBGMとしてアレンジされたものが使用されている。(2019年)