ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 | |
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本拠地のカドガン・ホール | |
基本情報 | |
原語名 | Royal Philharmonic Orchestra |
出身地 | イギリス イングランド ロンドン |
ジャンル | クラシック音楽 |
活動期間 | 1946年 - |
公式サイト |
www |
メンバー |
音楽監督 ヴァシリー・ペトレンコ |
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(ロイヤル・フィルハーモニーかんげんがくだん、英語: Royal Philharmonic Orchestra, 略称RPO)は、イギリス・ロンドンを拠点とするイングランドを代表するオーケストラの1つ。海外公演よりイギリス国内で幅広く演奏旅行に取り組み[1]、「イギリスの国民的オーケストラ」と呼ばれることもある。
概要
[編集]旧ロイヤル・フィル
[編集]1919年にロイヤル・フィルハーモニック協会が設立した、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団というオーケストラがあった。ただし、同楽団は1931年には活動を停止し、翌1932年にビーチャムが組織したロンドン・フィルハーモニー管弦楽団[2]の母体となっている(ビーチャムはロンドン・フィル結成に際し「ロイヤル・フィル」の称号の継承を望んだが、ロイヤル・フィルハーモニック協会はこれを認めず、名は消滅)。したがって現行のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とはまったく別の団体である。現行団体と区別するため、1919年設立のロイヤル・フィルはCD等では「旧ロイヤル・フィル」と表記される場合もある。
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(現行)の沿革
[編集]ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団は1946年にトーマス・ビーチャムによって創設され[3](=ビーチャムによる二度目の管弦楽団創設)、1963年に株式会社と合併して自治団体となった。「ロイヤル」の称号はビーチャム個人がロイヤル・フィルハーモニック協会から使用許可を得てつけられ[3]、1966年に女王エリザベス2世から正式に許可された。エリザベス皇太后が生前にパトロンとなっていて、ロンドン交響楽団とならび「女王陛下のオーケストラ」という事でも知られている。
初代指揮者ビーチャムのもと、1946年9月15日にクロイドンのディヴィス劇場で最初の演奏会を行った[4]。
1950年に行なったアメリカ合衆国ツアー[1]は、イギリスのオーケストラとして2度目の渡米であった(最初の訪米は、1912年にロンドン交響楽団が行なった[4] )。また、商業録音も開始した。
ビーチャムが亡くなった後、組織維持が困難となったため、1963年には楽員による自主管理体制となった[4]。
クラシックだけでなく、映画音楽や「フックト・オン・クラシック」シリーズ、ロックの編曲(フリオ・イグレシアス、ビートルズ、オアシス、ピンク・フロイド、アバ、クイーン、マイク・オールドフィールド、フィル・コリンズ、ビーチボーイズ、ディープ・パープルとの共演など)でも広く知られており、日本でもTHE ALFEE、X JAPAN、坂本龍一、福山雅治などの録音でなじみが深い[1]。
1987年に設立されたRPOポップス(RPO Pops, Royal Philharmonic Pops Orchestra)はRPOを母体としており、ホーム・クラシックや軽音楽の演奏を専門としている[1]。
歴代首席指揮者等
[編集]- 1946 - 1961:トーマス・ビーチャム
- 1961 - 1975:ルドルフ・ケンペ(1970年から終身指揮者)
- 1975 - 1978:アンタル・ドラティ
- 1980 - 1985:ヴァルター・ヴェラー
- 1985 - 1992:アンドレ・プレヴィン
- 1987 - 1994:ウラディーミル・アシュケナージ
- 1992 - 1996:ユーリ・テミルカーノフ(桂冠指揮者)
- 1996 - 2009:ダニエレ・ガッティ(音楽監督兼任、現在は桂冠指揮者)
- 2009 - 2018:シャルル・デュトワ(芸術監督兼任)
- 2021 - ヴァシリー・ペトレンコ :
日本での主なコラボレーション
[編集]- THE ALFEE
- 『THE ALFEE CLASSICS Ⅱ THE ALFEE with Royal Philharmonic Orchestra』
- 『THE ALFEE CLASSICS III』
- 石井竜也
- 『日時計』
- X JAPAN(YOSHIKI)
- 『ART OF LIFE』
- 『オーケストラ・セレクション -BLUE BLOOD&JEALOUSY-』
- 奥慶一
- 『アイルトン・セナ組曲 ~フォーエヴァー・アイルトン・セナ』
- 坂本龍一
- 映画『シェルタリング・スカイ』(オリジナル・サウンドトラック)
- 映画『嵐が丘 オリジナル・サウンド・トラック』
- 崎谷健次郎
- T-SQUARE/奥慶一
- 『HARMONY』(「TOMORROW'S AFFAIR」フジテレビ系ドラマ「じゃじゃ馬ならし」メインテーマ)
- 『CLASSICS』(フジテレビ系ドラマ「ボクたちのドラマシリーズ:放課後」 TV オリジナル・サウンド・トラック)
- 鳥山雄司
- 『世界遺産 組曲』
- 葉加瀬太郎
- 『ファイナルファンタジーXII/交響詩 「希望」 Symphonic Poem‘"Hope"』
- 『Der Wunder ~葉加瀬太郎 meets 松本零士~』
- 爆風スランプ
- 久石譲
- 福山雅治
- 『fukuyama presents MAGNUM CLASSICS』
- 松田聖子
- 『Best of Best 27(Best of Best 13)』『松田聖子 スーパー・ヒットコレクション Vol.2』(あなたに逢いたくて 2004)
- 美空ひばり
- 『美空ひばりに捧ぐ/川の流れのように』
- 映画『バーバー吉野』
脚注
[編集]- ^ a b c d 音楽の友 & レコード芸術 2020, p. 140, 「ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団」.
- ^ 音楽之友社 2009, p. 79, 「ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団」.
- ^ a b 音楽之友社 2009, p. 73, 「ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団」.
- ^ a b c 世界のオーケストラ(2)下 ~英、露、パン・ヨーロピアン 編~ 2017, p. 191-196「41.ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団」.
- ^ “久石譲、宮崎駿監督映画作品への提供曲で構成された新作ALが米ビルボード「Classical Albums」チャートにて1位獲得”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク). (2023年7月14日) 2023年7月14日閲覧。
参考文献
[編集]- 『最新 世界のオーケストラ名鑑387』音楽之友社〈ONTOMO MOOK〉、2009年6月。ISBN 978-4-276-96188-3。
- 音楽の友、レコード芸術 編『最新版 世界の名門オーケストラ オーケストラ・ファン必携!』音楽之友社〈ONTOMO MOOK〉、2020年4月。ISBN 978-4-276-96306-1。
- 上地 隆裕著『世界のオーケストラ(2)下 ~英、露、パン・ヨーロピアン 編~』株式会社 芸術現代社、2017年。ISBN 978-4-87463-207-9。
外部リンク
[編集]- Royal Philharmonic Orchestra - 公式ウェブサイト
- 【FFXIIコラボ発表会】メインテーマは、葉加瀬太郎が担当!レコーディング共演の記事(ファミ通)