ピアノソナタ第11番 (モーツァルト)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
mutopiaproject.orgよりMIDIデジタルピアノ演奏









これらの音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。

ピアノソナタ第11番 イ長調 K. 331 (300i) は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したピアノソナタである。

第3楽章が有名な「トルコ行進曲」であるため、「トルコ行進曲付き」と呼ばれることが多い。またこの楽章だけが単独で演奏される機会も良くある。

概要[編集]

このピアノソナタが、いつごろ、またどこで作曲されたのかは判明していない。現在最も有力な説は、1783年ウィーンあるいはザルツブルクで作曲されたとするものである。一方で1778年パリで作曲されたとする説もある。

この曲の最も著しい特徴として、一般の4楽章構成によるソナタ(急-緩-舞-急)の最初の楽章に相当する楽章を欠いている(緩-舞-急しかない)ことが挙げられる。このことによって、一般に古典派ソナタの第1楽章におくべきとされるソナタ形式による楽章が欠如してしまっている。ソナタ形式による楽章を含まない「ソナタ」は、もはや古典派ソナタの定義からはずれているが、この「ピアノソナタ」において、表面的な形式を超越した次元で、「ソナタ」を作ることに成功している。なお、時代が下るにつれて、ソナタ形式の欠如は珍しいことではなくなっていく。

曲の構成[編集]

第1楽章の主題より冒頭部分
  • 第1楽章 主題と変奏:アンダンテグラツィオーソ(第5変奏ではアダージョ、第6変奏ではアレグレット
    イ長調(第3変奏ではイ短調)、8分の6拍子(第6変奏では4分の4拍子)、変奏曲形式
    非常に典雅で有名なシチリアーナの主題と6つの変奏からなる。冒頭の主題から第4変奏までは8分の6拍子のアンダンテであるが、第5変奏は8分の6拍子のアダージョ、最終の第6変奏は軽快な4分の4拍子のアレグレットとなり、そのままのテンポで短いコーダを伴って締めくくる。
第3楽章「トルコ行進曲」の冒頭部分
  • 第3楽章 トルコ風ロンド:アレグレット
    イ短調 - イ長調、4分の2拍子、ロンド形式(A→B→C→B→A→B'→コーダ、B'はオクターヴを分散して16分音符化した旋律)。
    有名な「トルコ行進曲」である。当時流行していたトルコ趣味を取り入れたものである。左手の伴奏がよくトルコの軍楽隊の打楽器の響きを模倣している。特殊なペダルを用いて演奏することがある。テンポは楽譜上ではアレグレット(初期の出版ではAllegrinoとなっている)であるが、多くの演奏家はアレグロで演奏することが多い。

この曲が使用された作品など[編集]

第1楽章[編集]

第3楽章「トルコ行進曲」[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

ピアノソナタ第11番 イ長調 K. 331 (300i)「トルコ行進曲付き」の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクトPDFとして無料で入手可能。