国際連合腐敗防止条約

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腐敗の防止に関する国際連合条約
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通称・略称 国連腐敗防止条約
起草 2003年10月31日
署名 2003年12月9日(メリダメキシコ
効力発生 2005年12月14日
寄託者 国際連合事務総長
条約番号 国際連合総会決議58/4
言語 アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語
条文リンク 英文 - 和文(外務省)
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国際連合腐敗防止条約(こくさいれんごうふはいぼうしじょうやく、United Nations Convention against Corruption)は、組織や個人の腐敗行為から生じる経済犯罪を防止するために設置された条約。正式名称は腐敗の防止に関する国際連合条約(ふはいのぼうしにかんするこくさいれんごうじょうやく)。

腐敗による横領粉飾決算資金洗浄贈収賄汚職などの経済犯罪が、民主主義公正な競争組織犯罪テロ等の防止策、法の支配人権生活水準などを脅かすことを懸念し、2003年10月、メキシコメリダで開催された国際連合総会において、決議58/4として採択された[1][2]

2000年国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補完する役割を担っており、国連薬物犯罪事務所が併せて条約の執行と締約国の監視を行っている[3]。国連腐敗防止条約加盟団体会議(: CoSP、 Conference of the States Parties to the United Nations Convention against Corruption)はほぼ2年毎に開催されている[4]

批准状況[編集]

緑:批准した国、黄:署名済み未批准の国。

批准済の団体は、法人として加盟した欧州連合と国連加盟国のうちの176カ国、及びクック諸島パレスチナバチカン市国である(加入を含む)。 署名済の団体は、2016年10月現在、欧州連合及び国連加盟国193か国のうちの180カ国、クック諸島パレスチナバチカン市国である。

署名はしているが未だ批准していない国は、人口100万人以上の国では日本国シリアのみであり、それ以外ではバルバドスのみである。未署名の国は、朝鮮民主主義人民共和国チャドソマリアエリトリアなど12カ国[5]

2004年6月の国連グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミットでは、グローバル・コンパクトの10原則に組み込まれた[6]

国連安全保障理事会2014年12月、日本など未批准の国に批准を促すための附帯決議を行った[7][8]

国内状況[編集]

参議院外交防衛委員会の議決を経て、2006年6月2日に国会両院で条約の締結が承認されたのち、批准に向けた審議は主に参議院で行われている[9]。2009年4月には政府開発援助等に関する特別委員会の議題となり[10]、また7月には国際・地球温暖化問題に関する調査会において、外務大臣官房参事官に対する聴取が行われた[11]

外務省によれば、条約を実施するための国内法の成立の後、批准が行われる予定である[12]

条約の概要 [編集]

条約は71カ条で前文と8章からなる。同条約では腐敗の主体は公職公務員、外国公務員、国際公務員などの他、民間の法人・個人なども含む。

  • 第1章 一般規定 (第1条より第4条)
  • 第2章 防止措置 (第5条より第14条)
腐敗行為を防止するための独立の機関を1または2つ以上設けたうえ、当該機関の連絡先を国連事務総長宛へ報告すること(第6条)、民間の腐敗行為の防止のため会計及び監査の基準を強化すること(第12条)、資金洗浄を防止するため受益者(受益所有者、実質的支配者ともいう。)の身元確認、記録保存並びに疑わしい取引の報告を求めることに重点を置くこと(第14条)などを規定。
  • 第3章 犯罪化及び法執行 (第15条より第44条)
  • 第4章 国際協力 (第43条より第49条)
  • 第5章 財産の回復 (第51条約第59条)
  • 第6章 技術協力と情報交換 (第60条より第62条)
  • 第7章 条約の実施のための仕組み (第63より第64条)
腐敗行為の防止に関する政策の策定及び立案についての能力を構築すること、また国連薬物犯罪事務所を通じて開発途上国における計画及び事業に協力することなどについて規定している(第60条)。
  • 第8章 最終規定 (第65条より第71条)
条約に定める義務の履行を確保するため、自国の国内法の基本原則に従い必要な立法上及び行政上の措置などをとるよう規定されている(第65条)。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]


脚注[編集]