久米宏のTVスクランブル

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久米宏のTVスクランブル
ジャンル 情報バラエティ番組
放送時間 日曜 20:00 - 20:54(54分)
放送期間 1982年10月10日 - 1985年3月31日
放送国 日本の旗 日本
制作局 日本テレビ
企画 オフィス・トゥー・ワン
プロデューサー 森田義一
原薫太郎
高村裕
出演者 久米宏
横山やすし
福富達
ほか
オープニング 作曲:羽田健太郎

特記事項:
放送日に国政選挙が行われる日には、『久米宏のTV選挙スクランブル』と題して放送時間を拡大して放送。
第15回テレビ大賞優秀番組賞(1983年)、第1回ATP賞最優秀賞(1984年)受賞。
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久米宏のTVスクランブル』(くめひろしのテレビスクランブル)は、1982年10月10日から1985年3月31日まで日本テレビで放送された生放送情報バラエティ番組で、久米宏冠番組。放送時間は毎週日曜 20:00 - 20:54 (JST) 。

1983年、第15回テレビ大賞優秀番組賞受賞。1984年、第1回ATP賞最優秀賞受賞。

番組概要[編集]

番組は毎回旬の話題をビデオ構成で取り上げ、それについての感想をメインパーソナリティの久米宏横山やすし、当時日本テレビニュースキャスター・解説委員だった福富達らがコメントするというものだった。他にはアシスタントに渡辺みなみ、ビデオコーナーには伊藤克信や「ハリセンおじさん」ことチャンバラトリオの伊吹太郎らが出演した。横山やすしの出演は久米自身の強い希望であった。番組の生放送は日本テレビ北本館(当時)5階Kスタジオで行われた。

「構想3年、放送2年半」というクオリティで、1984年の全日本テレビ番組製作社連盟による第1回ATP賞の最優秀賞を受賞。メインパーソナリティの久米も同時に個人賞を受賞した。

久米とやすしのやりとりや斬新な企画は人気を集めたが、生放送が故にトラブルも多かった。特にやすしは生放送中にもかかわらず、酒に酔った状態で出演して(横山やすし・西川きよしのマネージャーを務めたことのあるフリープロデューサーの木村政雄は「この番組に出演し始めた頃からやすしさんが酒を飲んで仕事をするようになった」と後に語っている[要出典])暴言を吐いたほか、暴言が問題になった翌週には「今日は黙秘権」と発言を一切拒否したり、また放送禁止用語も頻発するなどの問題行動を起こし(本番中にトイレに行ってしまったこともあった)、後述の選挙特番中にくしゃみをして、観客に「鼻かみ(ティッシュペーパー)持ってないか」と声をかけて、久米が「生放送中なんだからティッシュペーパーなんか取りに行かないでよ!!誰かティッシュあげて下さい!!」とあきれるシーンがあったり、1984年11月に渋滞が原因で飛行機に乗り遅れ、番組の出演に穴を開けたのをきっかけに降板したが、こうしたハプニングを期待する新たなタイプの視聴者もいた。やすしが降板した後は毎回ゲストを呼ぶ形式となり、立川談志清水國明とんねるずのほか、政治家では渡辺美智雄森喜朗渡部恒三などが出演している。

放送日に国政選挙が行われる日には、『久米宏のTV選挙スクランブル』と題して放送時間を拡大して放送した。この中で、落選した候補者には、葬送行進曲風船割りゲームで全滅した時の音)を流し、候補者の顔写真が落ちていくという演出を行い、今の選挙番組とは一線を画すものであった。通常番組の各コーナーを選挙用にしたVTRも放送された(国会の赤じゅうたんの値段や、後述の「兆しコーナー」を使った「落選の兆し」など)。

番組で熱帯雨林減少の問題を取り上げた際、日本が問題に大きく係わっている内容であった。そのため、少しでもその問題の改善になればとそれ以降、番組の進行表を、新聞の折込チラシの裏側に書き入れ、出演者・スタッフともにそのまま本番中にそれを使用するとともに、引き続きそれをアピールしながら問題提起を行っていた。

この番組は、放送ライブラリーで1本のみ(1982年10月10日放送分)であるが視聴できる。

視聴率も安定していたが、番組の制作を行ったオフィス・トゥー・ワン側の「人気が衰えてから終了させたくない」との方針と、久米の半年間の充電期間を理由に1985年3月をもって終了となり、後枠に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』が開始された。

主なコーナー[編集]

人間ウォッチング
当時脚光を浴びつつあったバードウォッチングの手法で、不特定多数の人々の行動をカメラに収め「観察」する企画。通勤電車内の様子、チラシ配りの人々といったものの他、「1984年のある試合(放送当日のデーゲーム)におけるプロ野球選手(当時)の衣笠祥雄の様子(この時は衣笠本人がゲスト出演)」というものもあった。また、忘年会で酒が飲めなくてつまらなそうにしている冴えないサラリーマンを放送したところ、それが久米の小学校の同級生であることが判明したことがあった。
こんなに違う
幼稚園と保育所、カメラ量販店と街のカメラ屋さん、後楽園球場巨人戦と日本ハム[1]などを同時かつ多角的に比較していた。
なんでもベスト5
ミスコン優勝者に聞く、美人で損したこと」「新潟県民に聞く田中角栄の功績」など、さまざまなランキングを発表する。黒柳徹子がゲストで出演した際、久米が『ザ・ベストテン』と間違えて「今週の第○位」と言ってしまったことがあった。
ザッツ・マネー
「一生にかかる儀式の金額」や「家の物をすべて質屋に預けたときに手に入る金額」など、世の中の事象を金額に換算する。
限定情報
「たこ焼き屋をやりたい人」「大相撲に懸賞幕をかけたい人」など、極めて限定された人だけに役立つ情報を提供する。1985年シーズンへの契約更改に向けたプロ野球選手(当時)の江川卓への情報というものまであった。
兆しコーナー
「浪人の兆し」「老人ボケの兆し」など、このような事象が現れたら要注意ということを紹介する。
今週のカタログ
「銭湯の絵はこんなにある」とか「忠臣蔵には現代の法律ではこれだけの数の犯罪がある」など、いろいろな種類のものを一挙に見せる。
今週の赤ちゃん
動物の赤ちゃんの映像をビデオクリップ風に流す人気コーナー。エンディング前に放送されていた。後にビデオにまとめられ、『赤ちゃんスクランブル』の題名で販売もされた。
日本全国美人妻
各地の美人(とされる)人妻を紹介するコーナー。登場する人物は20代から30代の者が多かったが、たまに40代以上の者が出ることもあった。氏名、年齢、家族構成、手取収入等の質問に答えた後、今晩の夕食のおかずを紹介する。その後、旦那さんをいつもの呼び方で呼んでもらい、写真で登場して締めるのがパターンであった。VTRの後、横山やすしが○×で判定するが、当人の容姿よりおかずの種類や旦那の顔等で決まることが多かった。
この道はどこへ行く道
「異常に豪華な誕生会」「美容整形する小学生」など、日本の将来が憂慮されるような事象をリポートする。
道徳の時間
主に道徳の教科書に取り上げられている内容に対する感想を視聴者からつのるものだが、現実に起きた出来事が題材になる事も少なくなかった。1994年に久米が司会する独立したスペシャル番組として何度かリメイクされた。
除夜の鐘難視聴撲滅運動
太平洋戦争中、金属供出によってを撤去された寺に新しい鐘をプレゼントし、日本中のどこからでも除夜の鐘を聞けるようにするプロジェクト。実際に寺社や自治会からの応募が多数寄せられていた。
テレビのない家族
小さな子供がいる家庭(複数)にテレビを撤去してもらい、その様子を随時レポートする。しかし、テレビのない生活が各家庭で意外に好評であったため、期間は半年近くに延長の上、撤去したテレビ自体も各家庭の了承の上で視聴者プレゼントとなった。
夢のハリセンおじさん
最低限のマナーも守れない非常識な人間に、ハリセンを持った中年男性(チャンバラトリオの伊吹太郎)が、その人間達をハリセンで叩いて懲らしめるコーナー。不定期で放送された。実際の一般人を叩いているわけではなく、役者による再現だった。
何が悪いのよオバサン
傍から見ると、周りに迷惑をかけたり不快にさせたりしているにもかかわらず、「何が悪いのよ!」と開き直る中年女性を通して、反面教師として、それがいかにみっともないかを視聴者に教えようとしたコーナー。だが、最終回で上記のハリセンおじさんはこの何が悪いのよオバサンの夫で、上記の活躍はすべておじさんの空想の産物だったというオチで終了し、その終わり方が賛否両論となった。
今週の予言
最近の話題を取り上げ、○○となれば××となるという予言を「風が吹けば桶屋が儲かる」的に紹介していくコーナー。
例:「放送衛星が故障すれば北方領土ソ連から返還される」
放送衛星が故障する → ロサンゼルス五輪の中継ができなくなる → TV中継に写るのが目的だった選手たちの不満がたまる → 選手団が五輪をボイコット → 同じくボイコットするソ連が日本を同盟国と見なすようになる → 北方領土が返還される
小さな学校
徳島県三好郡山城町(現在の三好市)の山中にある小学校の分校での、2歳違いの兄弟(この2人が放送当時の分校の全生徒)と、やはり分校唯一人の若い男性教諭による学校生活をドキュメンタリー形式で追ったもの。レギュラーコーナーとして不定期的に取り上げられ、分校ならではの学校生活とあわせて、兄弟の成長や先生の一生懸命さが季節の移ろいと共に紹介されていた。多くの視聴者が番組を通して彼らを暖かく見守っていたようである。番組の最終回直前に兄弟の兄が卒業し、翌年度からはマンツーマン教育の様相となるところでコーナー自体も終了している。
空撮映像
エンディングのコーナー。日本の海岸線を空撮で映し、併せて登場した地域の紹介を行う。霞ヶ浦から海岸線を北上し、最終的に日本一周する予定だったが、途中で番組が終わった。悪天候のため、空撮ができないこともあり、その時は過去の空撮VTRを流していた。なお、翌週にプロ野球中継がある場合は、久米が視聴者に対して「さて来週ですけど、巨人戦がありますので、番組はお休みさせていただきます」とコメントするのが通例であった。

スタッフなど[編集]

  • テーマ曲:番組オリジナル(作編曲:羽田健太郎
  • 構成:鵜沢茂郎、山本喜浩/上西研三郎、内山安雄、内堀尚、遠藤まもる、太田イサム、岡本紋弥、たみやじゅん
  • 音響効果:塚田益章(スポット
  • ディレクター:佐藤文彦、奥津啓治/伊世憲造、川中博、薦田義邦(現・こもだ義邦)、助田卓、松本直規、吉岡攻、新井一生、小松原登、室川治久(NTV)
  • プロデューサー:森田義一(NTV)、原薫太郎/高村裕
  • ロケ技術協力:テレビテクニカ、ビジョン ユニバース
  • 製作:日本テレビ、オフィス・トゥー・ワン

放映ネット局[編集]

系列は放送当時のもの。

放送対象地域 放送局 系列 備考
関東広域圏 日本テレビ 日本テレビ系列 制作局
北海道 札幌テレビ
青森県 青森放送 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
岩手県 テレビ岩手 日本テレビ系列
宮城県 ミヤギテレビ
秋田県 秋田放送
山形県 山形テレビ フジテレビ系列 [2]
福島県 福島中央テレビ 日本テレビ系列
山梨県 山梨放送
新潟県 テレビ新潟
長野県 テレビ信州 テレビ朝日系列
日本テレビ系列
静岡県 静岡第一テレビ 日本テレビ系列
富山県 北日本放送
福井県 福井放送
中京広域圏 中京テレビ
近畿広域圏 読売テレビ
鳥取県
島根県
日本海テレビ 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
広島県 広島テレビ 日本テレビ系列
山口県 山口放送 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
徳島県 四国放送 日本テレビ系列
香川県
香川県
岡山県
西日本放送 当初は香川県のみ
1983年4月から相互乗り入れに伴い岡山県でも放送
愛媛県 南海放送
高知県 高知放送
福岡県 福岡放送
長崎県 テレビ長崎 フジテレビ系列
日本テレビ系列
熊本県 くまもと県民テレビ 日本テレビ系列
大分県 テレビ大分 フジテレビ系列
日本テレビ系列
テレビ朝日系列
宮崎県 テレビ宮崎
鹿児島県 鹿児島テレビ フジテレビ系列
日本テレビ系列

関連項目[編集]

  • TVハッカー - 番組の終了後、同じく日曜20時台にフジテレビ系列局で放送されたクイズ番組。フジテレビとオフィス・トゥー・ワンの共同製作。TVスクランブルと『ニュースステーション』のノウハウを投入した番組という触れ込みだったが、半年で終了した。
  • A - 2005年4月17日から同じく日曜20時台に日本テレビ系列局で放送された久米司会のバラエティ番組。裏番組に大きく水を開けられ、視聴率は初回から1桁が続いた。こうした理由で久米が日テレに降板を申し入れ、番組は同年6月26日、わずか11回で打ち切りとなった。

脚注[編集]

  1. ^ 当時、両球団は後楽園球場をフランチャイズとしていた。
  2. ^ 当時フジテレビ系列局だった山形テレビが当番組を同時ネットしていたのは、当時テレビ朝日系列とのクロスネット局だった山形放送の当該枠がテレビ朝日系番組の同時ネット枠だったからである。
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