クウェート航空

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クウェート航空
الخطوط الجوية الكويتية
IATA
KU
ICAO
KAC
コールサイン
KUWAITI
設立 1954年3月16日
ハブ空港 クウェート国際空港
マイレージサービス Oasis Club
会員ラウンジ Dasman Lounge
航空連合 未加盟
親会社 クウェート政府
保有機材数 26機(発注中28機)
就航地 34都市
スローガン Earning Your Trust
本拠地 クウェート国クウェートファルワーニーヤ県
代表者 Yousef A M J Alsaqer (Chairperson)
外部リンク https://www.kuwaitairways.com/
テンプレートを表示
クウェート航空 エアバスA340型機(現在は全機退役済)
同 ボーイング777-200ER(現在はすべて退役)

クウェート航空(クウェートこうくう、アラビア語: الخطوط الجوية الكويتية‎; al-khuṭūṭ al-jawwīya al-kuwaytīya, 英語: Kuwait Airways)は、クウェート航空会社である。アラブ航空会社機構(Arab Air Carriers Organization)の一員で主に中東、南アジア、東南アジア、ヨーロッパ、北アメリカを結んでいる。

概要[編集]

1953年にクウェート・ナショナル・エアウェイズとして設立された。1954年にダグラス・ダコタで運航を開始し、翌年の1955年に現在の社名になった。当初はクウェート政府が50%を出資していたが、1962年にクウェート政府が全額出資することになり国有化された。

1963年に初のジェット機であるデ・ハビランド コメットを受領。その後、ボーイング707ボーイング747エアバスA310等を導入し更に規模を広げていった。

しかし、1990年のイラクによるクウェート侵攻で保有機はイラク軍に奪われ、イラク航空に編入された。翌1991年の湾岸戦争でそのうちの4機(ボーイング767が9K-AIB/AICの2機、エアバスA300が9K-AHF/AHGの2機)が破壊され大きな打撃を被った。

湾岸戦争終結後は破壊された施設・機材の復旧を行い、現在に至っている。 2016年12月のB777-300ERを導入を機にブランドイメージを一新した。(現行機の塗装変更は未実施) 2017年7月にB777-300ERの導入が完了し、A340、B777-200の運航を終了した。そして、2019年1月31日に自社の唯一の商業的使用が可能なボーイング747(-400の9K-ADE)が定期便の役目を終えた。ラストフライトの区間はドーハ・クウェート線であった。その後、同年5月24日にオランダエンスヘデへのフェリーフライトを行ったが、恐らくそこでスクラップにされると思われる。

機内サービス[編集]

ファーストクラスエアバスA320を除く)、ビジネスクラスエコノミークラスの3クラス制であり、アルコール飲料は提供されない。

就航路線[編集]

2023年2月現在[1]

クウェート航空 就航都市
都市 空港 備考
西アジア中東
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 アブダビ アブダビ国際空港
ドバイ ドバイ国際空港
イランの旗 イラン マシュハド マシュハド国際空港
テヘラン エマーム・ホメイニー国際空港
カタールの旗 カタール ドーハ ハマド国際空港
クウェートの旗 クウェート クウェート クウェート国際空港 ハブ空港
レバノンの旗 レバノン ベイルート ベイルート国際空港
オマーンの旗 オマーン マスカット マスカット国際空港
サウジアラビアの旗 サウジアラビア ダンマーム キング・ファハド国際空港
ジッダ キング・アブドゥルアズィーズ国際空港
マディーナ プリンス・モハンマド・ビン・アブドゥルアズィーズ国際空港
リヤド キング・ハーリド国際空港
ターイフ ターイフ地域空港
バーレーンの旗 バーレーン マナーマ バーレーン国際空港
ヨルダンの旗 ヨルダン アンマン クィーンアリア国際空港
東南アジア
バングラデシュの旗 バングラデシュ ダッカ シャージャラル国際空港
フィリピンの旗 フィリピン マニラ ニノイ・アキノ国際空港
タイ王国の旗 タイ バンコク スワンナプーム国際空港
南アジア
インドの旗 インド アフマダーバード アフマダーバード空港
バンガロール ケンペゴウダ国際空港
チェンナイ チェンナイ国際空港
デリー インディラ・ガンディー国際空港
コーチ コーチン国際空港
ムンバイ チャットラパティー・シヴァージー国際空港
ティルヴァナンタプラム トリヴァンドラム国際空港
スリランカの旗 スリランカ コロンボ バンダラナイケ国際空港
パキスタンの旗 パキスタン イスラマバード イスラマバード国際空港
ラホール アッラーマ・イクバール国際空港
東アジア
中華人民共和国の旗 中国 広州 白雲国際空港
アフリカ
 エジプト カイロ カイロ国際空港
ソハーグ ソハーグ国際空港
シャルム・エル・シェイク シャルム・エル・シェイク国際空港 季節運航
ヨーロッパ
 オーストリア ウィーン ウィーン国際空港 季節運航
イギリスの旗 イギリス ロンドン ロンドン・ヒースロー空港
イタリアの旗 イタリア ミラノ ミラノ・マルペンサ国際空港
ローマ レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港
ジョージア (国)の旗 ジョージア トビリシ トビリシ国際空港 季節運航
スイスの旗 スイス ジュネーブ ジュネーブ空港
スペインの旗 スペイン マラガ マラガ=コスタ・デル・ソル空港 季節運航
ドイツの旗 ドイツ フランクフルト フランクフルト空港
ミュンヘン ミュンヘン国際空港
 ブルガリア ヴァルナ ヴァルナ空港
キプロスの旗 キプロス ラルナカ ラルナカ国際空港 2019年6月3日より再開
フランスの旗 フランス パリ シャルル・ド・ゴール国際空港
ニース コート・ダジュール空港 2019年6月3日より再開
トルコの旗 トルコ イスタンブール イスタンブール新空港
トラブゾン トラブゾン空港 季節運航
北アメリカ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク ジョン・F・ケネディ国際空港
休・廃止路線
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 ラアス・アル=ハイマ ラアス・アル=ハイマ国際空港
シャールジャ市 シャールジャ国際空港
バングラデシュの旗 バングラデシュ チッタゴン シャーアマーナト国際空港
イエメンの旗 イエメン アデン アデン・アッデ国際空港
サナア サヌア国際空港
イランの旗 イラン アーバーダーン アーバーダーン空港
エスファハーン エスファハーン・シャヒード・ベヘシュティー国際空港
シーラーズ シーラーズ国際空港
イラクの旗 イラク バグダード バグダード国際空港
ナジャフ アル・ナジャフ空港
 エジプト ルクソール ルクソール国際空港
シリアの旗 シリア ダマスカス ダマスカス国際空港
パレスチナの旗パレスチナ 東エルサレム アタロット空港
インドの旗 インド ハイデラバード ラジーヴ・ガンディー国際空港
コルカタ ネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港
パキスタンの旗 パキスタン カラチ ジンナー国際空港
イスラマバード ベナジル・ブット国際空港 新空港への移転の為
インドネシアの旗 インドネシア ジャカルタ スカルノ・ハッタ国際空港
モロッコの旗 モロッコ カサブランカ ムハンマド5世国際空港
オランダの旗 オランダ アムステルダム アムステルダム・スキポール空港
ギリシャの旗 ギリシャ アテネ アテネ国際空港
スイスの旗 スイス チューリッヒ チューリッヒ空港
スペインの旗 スペイン マドリード アドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス空港
トルコの旗 トルコ イスタンブール アタテュルク国際空港
ボスニア・ヘルツェゴビナの旗 ボスニア・ヘルツェゴビナ サラエヴォ サラエヴォ国際空港
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 シカゴ シカゴ・オヘア国際空港
大韓民国の旗 韓国 仁川 仁川国際空港
シンガポールの旗 シンガポール シンガポール シンガポール・チャンギ国際空港
マレーシアの旗 マレーシア クアラルンプール クアラルンプール国際空港

保有機材[編集]

ボーイング製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は69である。

引退済みのボーイング747-400M
新塗装のボーイング777-300ER
旧塗装のエアバスA320-200
クウェート航空 保有機材(2021年現在)
機材 保有 発注 乗客 備考
F C Y
エアバスA320-200 13 20 110 130
エアバスA320neo 6 9[2] 12 122 142
エアバスA330-200 5 17 30 165 212
エアバスA330-800neo 2 6 32 203 235
エアバスA350-900 5 未定 2019年に受領予定。
ボーイング777-300ER 10 8 26 290 324
総計 36 20

この他にも、1機のエアバスA300-600、1機のエアバスA310-300、1機のエアバスA319、1機のエアバスA320、2機のエアバス340-500、1機のボーイング747-8BBJが似た塗装を施しているが、これらは政府専用機としてクウェート政府が所有する。

なお、退役したボーイング747-400Mにおいては、アッパーデッキ(2階席)へは、収納式の階段があった。これは要人専用のフロアであり、主に要人などを載せていたが、稀にミドルデッキにある客室が商業的に使われる時もあった(主に中長距離国際線であった)。なお、ミドルデッキの真ん中に手術台になる場所もあった。

共同運航[編集]

事件・事故[編集]

  • 1966年6月30日、32便ベイルート発クウェート行きが大破。死者なし、負傷者多数。
  • 1984年12月3日、221便クウェート発カラチ行きが4人のレバノン人によってハイジャックされた。
  • 1988年4月5日、422便バンコク発クウェート行きのボーイング747-269B(9K-ADB)が16日に渡ってハイジャックされた。乗員乗客112人の内、2人の人質が死亡。犯人は複数のレバノン人であった。
  • 1990年8月、イラク軍による航空機(前述)の略奪。

脚注[編集]

外部リンク[編集]