アタテュルク国際空港
| イスタンブール・アタテュルク空港 İstanbul Atatürk Havalimanı Istanbul Atatürk Airport | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
| |||||||
| IATA: ISL - ICAO: LTBA | |||||||
| 概要 | |||||||
| 国・地域 |
| ||||||
| 所在地 | イェシルキョイ | ||||||
| 母都市 | イスタンブール | ||||||
| 種類 | 民間 | ||||||
| 所有者 | トルコ航空局(DHMI) | ||||||
| 運営者 | TAVエアポーツ・ホールディング | ||||||
| 開港 | 1953年(空港として) | ||||||
| 標高 | 50 m (163 ft) | ||||||
| 座標 | 北緯40度58分34秒 東経28度48分51秒 / 北緯40.97611度 東経28.81417度座標: 北緯40度58分34秒 東経28度48分51秒 / 北緯40.97611度 東経28.81417度 | ||||||
| 地図 | |||||||
| 滑走路 | |||||||
| |||||||
| 統計(2018年) | |||||||
| 旅客数 | 6,834万人 | ||||||
| リスト | |||||||
| 空港の一覧 | |||||||
イスタンブール・アタテュルク空港(イスタンブール・アタテュルクくうこう、英語: Istanbul Atatürk Airport、トルコ語: İstanbul Atatürk Havalimanı)は、トルコ・イスタンブールのゼネラル・アビエーション空港。かつては同国最大の国際空港で、ターキッシュ エアラインズの本拠地だった。イスタンブールのヨーロッパ側(トラキア)にあり、市街地中心部の南西15kmに位置している。旧称は地名から採られたイェシルキョイ空港で、現在の名称はトルコ建国の父、ムスタファ・ケマル・アタテュルクに由来する。
2019年にイスタンブール空港が新規開業し、定期旅客便は新空港へ全面移転した[3]。IATAコード「IST」を新空港へ譲り、新たに「ISL」で登録された。空港用地のうち余剰となったスペースは公園として整備され[4]、ターミナルビルは催事会場としての活用も検討されている[5]。2025年時点でもゼネラル・アビエーションなどの小型機は離発着している[6]。
同じイスタンブール市内のアジア側にはサビハ・ギョクチェン国際空港があるが、イスタンブール空港より規模が小さく就航路線も少ない。
施設
[編集]
国際空港としての運用時には、3,000m滑走路2本、2,600m滑走路1本の計3本の滑走路を有していた[7]。
旅客用ターミナルはかつては1つであったが、2001年に国際線ターミナルが新設され、ターミナルA(国内線)、ターミナルB(国際線)、ターミナルC(貨物便)、一般航空用ターミナルの4棟を持っていた[7]。国際線・国内線ターミナル間は連絡通路(動く歩道設置)により接続されていた。国際線ターミナルの到着エリア(税関検査通過後)および出発エリア(出国手続後)には公衆無線LANが完備され(1週間あたり2時間まで無料。SMSの受信ができる携帯電話が必要)。国際線ターミナル内各所に外貨両替カウンターが複数設置されていた。
2007年時点での貨物取扱量は、世界各国の空港の中で30位であった。
2020年、新型コロナウイルスのパンデミックに対処するため、3000m級の平行滑走路は閉鎖され、元滑走路だった部分の一部に救急病院が建設された[8]。
沿革
[編集]伊土戦争と前後し、オスマン帝国では空軍の設置が計画された[9]。空軍学校および基地として当初ユスキュダルが候補地として挙げられたが、風向きや地形、鉄道に近接することなどを考慮してイェシルキョイが選定され[10]、2棟の格納庫と小さな駐機場が建設された[11]。これが現在のアタテュルク空港の発祥とされる[9]。イェキルショイ空軍学校は1912年7月3日に正式に活動を開始した。
1933年にはターキッシュ・エアラインズが2機のカーティス・キングバード旅客機を用いて、アンカラおよびアテネへ向かう旅客路線を開業した。同時に旅客ターミナルが建設され、駐機場も拡張された[11]。第2次世界大戦後の1949年から1953年にかけて、イェシルキョイは民間専用の空港として再整備された。1972年に2本目の滑走路が設置された[11]。
1985年7月29日にはトルコ共和国初代大統領アタテュルクを顕彰して、現在のイスタンブール・アタテュルク空港へと改称された[8]。
2005年に民間の空港運営会社TAVが15年半の運営権を取得した[7]。2016年には死者42人を出したアタテュルク国際空港襲撃事件が発生したが、事件発生から5時間程度で営業が再開された[12]。
新空港への移転
[編集]同空港を拠点に置くターキッシュ エアラインズでは、機材の拡充と同時に空港の拡張を求めていた。2013年にはイスタンブールの2空港における旅客数が7000万人に達し、受け入れ能力の限界が懸念された[13]。このため、トルコ政府運輸省管轄の航空管理局は、イスタンブールの黒海側に第3空港の建設を計画した。2014年6月8日に着工式が行われ、2018年10月29日(トルコ共和国記念日)に開港した[14]。
移転作業のスケジュールは延期され続けたものの、2019年4月6日に旅客便の運航をすべて終え、全面移転が完了した[15]。またこのとき、従来アタテュルク空港が使用していたIATAコードISTは新空港へ引き継がれ、新空港が暫定的に使用していたISLがアタテュルク空港の新たなIATAコードとなった[16]。
2023年には、コロナで閉鎖された平行滑走路などの空港用地のうち200万平方メートルの区域がアタテュルク空港市民公園として整備され一般開放された[17]。将来は空港用地850万平方メートルのうち、520万平方メートルを公園として整備する計画であり、残りの南側1本の滑走路を含む用地で軍用・貨物・政府利用などの離着陸機能を維持する予定である[18]。
アクセス
[編集]鉄道
[編集]イスタンブール地下鉄(LRT)M1A線がターミナルビル地下に乗り入れている。LRTの空港駅はハヴァリマヌ駅(Havalimani)やアタテュルク空港駅(Ataturk Airport)などと表記されるが、いずれも同じ駅を指す。2014年11月にM1線がイェニカプ駅まで延伸したことにより、空港から旧市街および新市街への行き方は以下の3通りとなった[19]。
- LRTの空港駅から途中駅アクサライ駅(Aksaray)まで行き、そこでトラムのユスフパシャ駅(Yusufpasa)に乗り換える。なお、アクサライ駅は地下駅であり、かつユスフパシャ駅とは大通りを挟んで徒歩3分ほど離れている。
- LRTの空港駅から途中駅ゼイティンブルヌ駅(Zeytinburnu)まで行き、そこでトラムのゼイティンブルヌ駅に乗り換える。ゼイティンブルヌ駅はLRTとトラムの駅が地上で隣接しており、エスカレーター、エレベーター、スロープが設置されていることから、一般にはこちらでの乗り換えが推奨されている。
- LRTの空港駅から終点イェニカプ駅(Yenikapı)まで行き、旧市街のスィルケジ地区およびアジア側が目的地であるのならマルマライ、新市街が目的地であるのならイスタンブール地下鉄M2線に乗り換える。
運賃はLRT、トラムとも距離に関係なく片道1.75TL(2011年1月現在)。駅窓口や駅付近の売店で販売されているジェトン(Jeton)と呼ばれるコイン(3TL)を購入し、自動改札機に投入して乗車する。または、空港のメトロ駅や大きな駅近くのキオスクなどで売られているICカードのイスタンブールカード (プリペイド式公共交通機関カード)を7TLで購入してチャージして使用する。カード使用時に割引金額でトラムやメトロ、オトバスなどの公共交通機関を使うことができる。
いずれの方法でも旧市街の中心であるスルタンアフメット駅(Sultanahmet)まで待ち時間・乗換時間を含めて所要約50分。
バス
[編集]ハヴァシュHAVAŞと呼ばれる空港バスがあり、新市街の中心部であるタクシム広場に行くものは、4~9時は30分間隔、9~1時は15分間隔で運行されている。所要約30分。旧市街に行くには途中のアクサライで下車してトラムに乗り換える。タクシム広場から空港へは、4~1時の間30分間隔での運行。料金は片道12TL(ただし0~6時の間は25%割増となる)。
タクシー
[編集]黄色い車体のタクシーが空港前に常駐している。場所にもよるが、旧市街中心部までで40~50TL、新市街までで50~60TL程度。以前の深夜割増料金制度は廃止されている。
事件・事故
[編集]- 2006年5月24日、旅客ターミナルから約1km離れた貨物用施設で大規模な火災が発生した。原因は電気の漏電と伝えられている。翌日、クルド人の独立派武装組織「クルド解放のタカ」が犯行声明を出している。
- 2007年3月23日、アリアナ・アフガン航空のエアバスA300が滑走路をオーバーランし、右翼を接地しようやく停止。悪天候の下着陸を強行したのが原因とみられる。
- 2007年10月11日、エジプトのAMC航空MD-83が、エジプト・フルガダ国際空港からポーランド・ワルシャワ・フレデリック・ショパン空港に向かう途中緊急胴体着陸。機体は激しく損傷したものの、1人が怪我をしたのみで死者はいなかった。
- 2016年6月29日、41人が死亡する銃撃、爆破テロ事件が起きた。
脚註
[編集]- ^ “LTBA – Istanbul / Atatürk / International” (PDF). AIP Turkey. Ankara: DHMİ Genel Müdürlüğü (2012年7月26日). 2012年8月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “DHMI Statistics 2018”. 2025年10月15日閲覧。
- ^ “イスタンブール新空港への移転(4月5日、6日)”. 在イスタンブール日本国総領事館. 2025年10月11日閲覧。
- ^ “The new Istanbul Airport opens for business” (英語). International Airport Review. (2018年10月30日) 2025年10月11日閲覧。
- ^ “Istanbul’s Atatürk Airport area not zoned for construction: Minister” (英語). Hürriyet Daily News. (2017年12月27日)
- ^ “Kapatıldı Ama Hâlâ Yoğun: Atatürk Havalimanı’na 4 Ayda 8 Bin Uçak İndi! [閉鎖後も多忙:アタテュルク空港、4ヶ月で8000フライト]” (トルコ語). Turizm Günlüğü. (2025年5月9日)
- ^ a b c “Atatürk International Airport” (英語). Airport Technology. 2025年10月11日閲覧。
- ^ a b Nedim Türkmen (2020年5月11日). “Atatürk Havalimanı şimdi tarih oldu... [アタテュルク空港は今や歴史に…]” (トルコ語). Sözcü 2025年10月13日閲覧。
- ^ a b Leiser, Gary (2009年6月2日). “Rich history, importance define Turkish Air Force” (英語). インジルリク空軍基地. 2025年10月11日閲覧。
- ^ “History” (英語). National Defense University, Turkish Air Force Academy. 2025年10月11日閲覧。
- ^ a b c “Airport history” (英語). XO. 2025年10月11日閲覧。
- ^ 「テロ現場の空港が営業再開、死者42人に トルコ」『』CNN、2016年6月30日。2025年10月11日閲覧。
- ^ “Groundbreaking for world's biggest airport in Istanbul” (英語). Daily Sabah. (2014年6月9日) 2025年10月11日閲覧。
- ^ “トルコに世界最大規模の国際空港が10月29日開港!概要が明らかに”. All About (2018年3月28日). 2025年10月11日閲覧。
- ^ “イスタンブール新空港への移転(4月5日、6日)”. 在イスタンブール日本国総領事館. 2025年10月11日閲覧。
- ^ ウォレンス雄太 (2024年11月25日). “新空港オープンから6年。かつてのトルコの玄関口 イスタンブール・アタテュルク空港のいま”. AIRLINE Web. イカロス出版. 2025年10月12日閲覧。
- ^ “Türkiye's biggest city park opens to visitors in Istanbul” (英語). Daily Sabah. (2023年5月11日) 2025年10月11日閲覧。
- ^ “Ataturk Airport to become Istanbul Ataturk National Park” (英語). Property Turkey (2022年5月26日). 2025年10月11日閲覧。
- ^ 『地球の歩き方E03 イスタンブールとトルコの大地 2015~2016年度版』 p128
関連項目
[編集]- 航空交通管制
- 007 ロシアより愛をこめて - 旧名称のイェシルキョイ空港時代に同作品に登場