007 ロシアより愛をこめて
『007 ロシアより愛をこめて』(ゼロゼロセブン ロシアよりあいをこめて、From Russia with Love)は、イアン・フレミングの長編小説第5作(後述のように日本語版のタイトルは『007 ロシアから愛をこめて』)。また1963年に製作されたスパイ映画。『007』シリーズ映画第2作。ユナイテッド・アーティスツ提供。
小説[編集]
イアン・フレミングの小説『007』シリーズ長編第5作。1957年、ジョナサン・ケープより出版された。日本では1964年に東京創元社から井上一夫訳により創元推理文庫で発売されているが、タイトルは映画版と異なり『007 ロシアから愛をこめて』である。
本作執筆中のフレミングはボンドシリーズの自主映画化を目論見、それに専念(バラバラに売却した1作目から3作目までの映画化権の買い戻し等であるが、買い戻せたのは2作目のみであった)するため、本作をもって小説シリーズを打ち切ろうとして、ボンドを殺す内容を考えていたが、出版社の猛反対に遭い、結局、生死不明のまま終わるという折衷案が採用されたという。
あらすじ[編集]
ソビエト連邦情報機関の最高幹部会議は、西側の情報機関に打撃を与えるため、スメルシュの手によってイギリス秘密情報部の情報部員ジェームズ・ボンドをはずかしめて殺すことに決定した。チェスのモスクワ選手権タイトル保持者でスメルシュ企画課長のクロンスティーンが立てた計画に基づき、第2課長ローザ・クレッブ大佐は、タチアナ・ロマノーヴァ伍長を囮に仕立てた。
ボンドに夢中になったソ連職員タチアナが、暗号解読器「スペクター[1]」を手土産に亡命を望んでいるという連絡が入り、ボンドはイスタンブールへ派遣された。首尾よくタチアナと解読器を確保したボンドは、夫婦を装いオリエント急行に乗り込んで国外脱出を図るが、そこにはスメルシュの放った刺客グラントが待っていた。
出版[編集]
- イアン・フレミング『007 ロシアから愛をこめて』井上一夫訳、東京創元社〈創元推理文庫〉、2008年11月。ISBN 9784488138080。
- Fleming, Ian (2002-12-31) (英語). From Russia with Love. Penguin. ISBN 9780142002070
映画[編集]
007 危機一発 007 ロシアより愛をこめて | |
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From Russia with Love | |
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監督 | テレンス・ヤング |
脚本 | リチャード・メイボーム |
原作 | イアン・フレミング |
製作 |
ハリー・サルツマン アルバート・R・ブロッコリ |
出演者 |
ショーン・コネリー ダニエラ・ビアンキ ペドロ・アルメンダリス ロッテ・レーニャ ロバート・ショウ |
音楽 | ジョン・バリー |
撮影 | テッド・ムーア |
編集 | ピーター・ハント |
配給 | ユナイテッド・アーティスツ |
公開 |
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上映時間 | 115分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $2,000,000[2] |
興行収入 |
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配給収入 |
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前作 | 007 ドクター・ノオ |
次作 | 007 ゴールドフィンガー |
概要[編集]
1963年10月10日にイギリスで、1964年4月8日にアメリカでそれぞれ公開された。低予算で作られた007映画第一作「ドクター・ノオ」の成功により、さらにアクション要素を強めた活劇大作。屈強な殺し屋との格闘、ヘリコプターによる追跡、ボートでの脱走と、見せ場が次から次に登場する。一方で、前作の後半で見られたSF色の強い展開は、リアリティを意識して抑えられている。ダニエラ・ビアンキは、知性の中に色気とチャーミングさを覗かせ、その後のボンド・ガールの方向性を確立した。ボンドのアクションにおける強敵としてのグラントのキャラクター、支給品の秘密兵器(ここでは決まった手順であけないと催涙ガスが噴き出す仕組みのアタッシェケース)がクライマックスで重要な伏線になること、何よりもオープニング・テーマの前に「プレタイトル・シークエンス」が入るようになったことなど、後続作品に踏襲されることになるパターンの多くが、本作で形作られた。
原作小説では刊行当時(1956年)の趨勢を反映して、英国秘密情報部対ソ連特務機関スメルシュの図式となっているが、映画では政治問題を避けて前作に続き犯罪組織「スペクター」を主敵としている。しかし、映画作品内といえども当時のソ連にとって好ましくない描写もあったため、同国ではその後007シリーズは御法度とされていたという。
ロケ地であるイスタンブールの描写やオリエント急行車内(映画では特に明言されていない)での模様など、ストーリーの展開は概ね原作に近づけてある。本作は1963年の世界興行収入で『クレオパトラ』に次ぐ第2位となり[4][5]、日本においては1964年の外国映画興行成績で第6位(第3位に次回作の『ゴールドフィンガー』が入った)だった[6]。
あらすじ[編集]
犯罪組織「スペクター」は、クラブ諸島の領主ジュリアス・ノオ博士の秘密基地を破壊し、アメリカ月ロケットの軌道妨害を阻止した英国海外情報局の諜報員007ことジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)への復讐、それもソビエト情報局の美人女性情報員と暗号解読機「レクター[1]」を餌にボンドを「辱めて殺す」ことで両国に泥を塗り外交関係を悪化させ、さらにその機に乗じて解読機を強奪するという、一石三鳥の計画を立案した。
実はスペクターのNo.3であるソビエト特殊諜報部隊スメルシュのクレッブ大佐(ロッテ・レーニャ)は、真相を知らない保安局の情報員タチアナ・ロマノヴァ伍長(ダニエラ・ビアンキ)を騙し、暗号解読機を持ってイギリスに亡命すること、また亡命時にはボンドが連行することが条件だと言うように命令する。英国海外情報局のトルコ支局長・ケリム(ペドロ・アルメンダリス)からタチアナの亡命要請を受けたボンドは、罠の匂いを感じつつも、トルコのイスタンブールに赴いた。イスタンブールは各国の工作員が半ば公然と監視し合う、国際諜報戦の舞台であった。さらに、同地にはスペクターの屈強な刺客・グラント(ロバート・ショウ)が待っていた。
主題歌[編集]
ライオネル・バート(Lionel Bart、1930年 - 1999年)が作曲、バラード・シンガーのマット・モンロー(Matt Monro、1932年 - 1985年)が唄う同名タイトルの主題歌が大ヒットした。イギリスの「メロディ・メーカー」誌では、最高位20位を獲得、また、ジョン・バリー・オーケストラの演奏による同主題歌もチャートに登場し、最高位39位を記録している。アメリカではチャート入りは果たしていないが、サウンドトラック・アルバムは、アメリカの「ビルボード」誌アルバム・チャートで最高位27位を獲得している。「ジェームズ・ボンドのテーマ」(作曲:モンティ・ノーマン)も使用されている。
ボンドガール[編集]
ボンドガールはローマ出身の[7]ダニエラ・ビアンキが選ばれた。ミス・ユニバース1960で準優勝(およびミス・フォトジェニック)に選ばれたことで知られる[8]。
彼女にとって本作は10年の映画キャリアの間に出演した唯一の英語フィルムである[9]。ただし彼女の本当の声は作品に残っていない。イタリアなまりの強い英語はBarbara Jeffordによって吹き替えられた[10]。イタリア語版はそれをMaria Pia Di Meoが吹き替えた[11]。彼女はかろうじて英語を話す能力しかないと言う者もいる[9]。実際、1964年のTV Guide誌のインタビューでも、LAの迷路のような道路網を理解できていないと発言している[12]。
日本初公開[編集]
「007危機一発」の題名で1964年4月25日、東京はミラノ座・パンテオン・丸の内東映パラス・浅草東映ホールの松竹東急系でロードショー公開され、配給収入は2億6038万円であった。因みに前作「007は殺しの番号」は配給収入5780万円で、4倍の収入増であった[13]。
タイトルについて[編集]
このタイトル『007 危機一発』は、髪の毛一本の僅差で生じる危機的状況を意味する「危機一髪」と銃弾「一発」をかけた一種の洒落で、ユナイト映画の宣伝部にいた映画評論家の水野晴郎が考案した[14]。この表記は1956年の東映映画に『御存じ快傑黒頭巾危機一発』のタイトルがあり、水野の独創ではなく、以前から使われていた[15]。しかし本作により「危機一発」との表記が浸透、新聞社から苦情が来た[14]。
1972年のリバイバル公開時には、タイトルを小説の題名に近い『007 ロシアより愛をこめて』に変えている。
この時に既にあった原作小説の邦題『ロシアから愛をこめて』も『ロシアより・・・』に変更された。これは「ロシア経由で」と「ロシアへの愛(母国愛)以上に」の2つの意味を持たせるためだったという可能性がある(「ロシアから」だと後者の意味が欠ける)[16]。しかし、初公開時から主題歌の邦題は「ロシアより愛をこめて」であり、単純にそれにあやかった可能性もある。
キャラクター、キャストなど[編集]
ロッテ・レーニャ(1962年撮影)
デスモンド・リュウェリン(1992年撮影)
- 本作は、ケリム・ベイを演じたペドロ・アルメンダリスにとって遺作となる。撮影当時、すでに末期癌に冒されており、彼の出演部分が撮影終了した直後にUCLA病院に入院したが、そこで拳銃自殺を図ってしまった。なお、息子の「二世」が『消されたライセンス』に出演している。
- レッド・グラントを鍛え上げたスペクター秘密訓練所の責任者・モゼニー役のウォルター・ゴテルは、後に『私を愛したスパイ』~『リビング・デイライツ』でソビエト情報局のゴーゴル将軍を演じた。
- 映画版では本作で初めてスペクターの No.1 ブロフェルドが登場するが、顔も見せなければ名前も明らかにせず、エンディングに流れる出演者名もクエスチョンマークのみであった。この人物を演じたのは、『ドクター・ノオ』で配下のデントを演じたアンソニー・ドーソン。声はエリック・ポールマンがアフレコをしている。
- クロンスティーン(スペクターNo.5)役のヴラディク・シェイバルは、番外編『カジノ・ロワイヤル』にも、ル・シフルの部下として登場。ポーランド出身の俳優で、テレビシリーズ『謎の円盤UFO』のドクター・ジャクソン役などでも知られる。
- ブースロイド役が、前作のピーター・バートンからデスモンド・リュウェリンに替わる。本作では装備主任(Equipment Officer)と紹介され、ボンドに特殊装備のアタッシェケースを渡す。「Q」と呼ばれるようになるのは、次作の『ゴールドフィンガー』からで、シリーズでもお馴染みとなっているボンドとの掛け合いも次作以降。この後、第8作『死ぬのは奴らだ』を除き、第19作『ワールド・イズ・ノット・イナフ』までのシリーズ全作品に登場することになる。
- 前作『ドクター・ノオ』でボンドとカジノで知り合った、ユーニス・ゲイソン演ずるシルビア・トレンチが再び登場。レギュラーキャストとなる計画もあったというが、結局本作が最後の登場となった。ここで本作が「ドクター・ノオ」から半年後であることが語られている。
- 原作のエンディングでは、小説第1作『カジノ・ロワイヤル』でボンドに協力したフランス参謀本部2課のルネ・マティスが顔を見せるが、本作では出てこない。このキャラクターは、2006年の『カジノ・ロワイヤル』でモンテネグロの現地部員と設定変更されて、ようやく登場している。
原作ではこれを刺されたボンドが呼吸困難に陥って倒れ「一体どうなるのか!?」というところで終わってしまう。次作『ドクター・ノオ』で、その後人工呼吸によってボンドが一命を取り留めたことが明らかになるが、映画では製作順序が逆になったため、このエピソードは変更されている。
- 特殊装備搭載のボンドカーは、まだ登場しない。本作の序盤で、ボンドはベントレーマークIV・コンバーチブルに乗っている。自動車電話付きで、ポケットベルで呼び出しを受けたボンドは、この電話で本部と連絡を取る。どちらも、当時はまだ珍しいものであった。
- 原作のボンドは、初め1933年式ベントレー・コンバーチブルに乗っていたが、第3作『ムーンレイカー』で大破してしまい、1953年型の二台目に乗り換えた(中古の事故車を入手、コーチビルダーでボディを再架装)。映画のボンドカーは情報部の車両であるが、原作のベントレーはどちらもボンド個人の所有である。
ギャラリー[編集]
エピソード[編集]
- 前作『ドクター・ノオ』の成功に満足していたユナイテッド・アーティスツは、イオン・プロに対し、1963年の公開を目安に2本の映画を制作するよう打診した。その内の1本が本作で、もう1本の作品が『腰抜けアフリカ博士』であった。
- ボンドとシルビア・トレンチが河畔でピクニックをしているシーンは、イギリスのバークシャーにあるハーレーでロケされた。
- ボンドはパンアメリカン航空のボーイング707旅客機で、イスタンブールのイェシルキョイ空港に到着する。なお同機は世界一周便の「PA001」便という設定であった。
- ケリムがボンドを連れて行ったロマの村のシーンは、イスタンブールのアジア側郊外にあるペンディク(Pendik)でロケされた。
- ボンドがタチアナの持ち出したソ連領事館の見取り図を入手した場所は、聖ソフィア寺院。
- ブロフェルドがクレッブとクロンスティーンを叱責する場面で、ブロフェルドがはめていた指輪が、次のカットになると反対の指にはめられている。
- トラックがヘリコプターに追われるシーンや、ボートチェイスのシーンは、実際はスコットランドで撮影された。
- ボンドがヘリを撃墜し、隠れていた岩陰から出てくるシーンで、いるはずのない人影(スタッフ?)が映っている。
- ボンドとタチアナはヴェネツィアで運河をクルーズし、ため息橋の下を通過する。このシーンではコネリーとビアンキは現地ロケを行っておらず、スタジオでスクリーン・プロセス撮影をしている。
- 前作『ドクター・ノオ』を初め、初期のボンド映画のプロダクション・デザインを担当したケン・アダムは、スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情』の製作に関わるため、本作には参加していない。
- 映画での敵役はスペクターだが、原作ではスメルシュとなっている。また黒幕は映画ではブロフェルドだったが、原作ではイワン・シーロフであり、彼は実在した人物である。
- 日本でリバイバル上映されたときのポスターは、最初の上映時と違ってオリジナルのものが使用されたが、トレードマークのワルサーPPKを持つボンドの手が下がっていたのを嫌い、モデルガンを水野晴郎が持って写真に撮り、ショーン・コネリーの写真にPPKを持つ腕の部分だけ合成して作られた[14]。
- アメリカでは、1964年の4月に封切られ、次回作の『ゴールドフィンガー』は同年12月に公開された為、この年のアメリカでは、ボンド映画が2作品公開されたことになる。
作品の与えた影響[編集]
- 1961年、ライフ誌に載ったケネディ大統領の愛読書10冊の中に、本作の原作が入っていた。
- 映画初演邦題タイトル「危機一発」は、その後の「ドラゴン危機一発」や「黒ひげ危機一発」などで使われている。
- アニメ「ルパン三世」では、映画の初演邦題タイトルからの流用で「ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!(1989年)」として使われ、さらにリバイバル邦題タイトルも「ルパン三世 ロシアより愛をこめて(1992年)」で使われている。
- 本作で登場するナイフ仕込みの靴とほぼ同じ物が、1999年の映画「ワイルド・ワイルド・ウエスト」に登場する。また、2015年公開の映画『キングスマン』においても類似する機能の靴が登場し終盤で敵の配下の足を刺し引導を渡している。
- 本作より「ジェームズ・ボンドのテーマ」(作曲:モンティ・ノーマン)に続く第二のテーマ曲とも言える「007(或いは、007のテーマ)」(作曲:ジョン・バリー)が初登場し、以降、コネリー作品を中心に「ムーンレイカー」まで使用される、ファンに人気の高い曲である。[17]この曲のタイトルは「007 TAKES THE LEKTOR」であると誤認されることがあるが、「007 TAKES THE LEKTOR」は「007」をほぼノーアレンジでロシア大使館からレクターを強奪する際に使用されたBGMのサントラ盤に於ける曲名であり、「007」という曲名はMGM、ダンジャック、フレミング財団、ジョン・バリー公認のものである。
スタッフ[編集]
- 原作 - イアン・フレミング
- 監督 - テレンス・ヤング
- プロデューサー - ハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ
- 脚本 - リチャード・メイボーム
- 撮影 - テッド・ムーア
- 編集 - ピーター・ハント
- 音楽 - ジョン・バリー
- 主題歌 - マット・モンロー
- 作曲 - ライオネル・バート
- 楽曲録音プロデューサー - ジョージ・マーティン
- 美術 - シド・ケイン
- 特殊効果 - ジョン・ステアズ
- 視覚効果 - ロイ・フィールド
- メインタイトル・デザイン - ロバート・ブラウンジョン
- 製作 - イオン・プロダクション、ダンジャック、ユナイテッド・アーティスツ
キャスト[編集]
- ジェームズ・ボンド - ショーン・コネリー
- タチアナ・ロマノヴァ - ダニエラ・ビアンキ
- ローザ・クレッブ(スペクターNo.3) - ロッテ・レーニャ
- レッド・グラント - ロバート・ショウ
- ケリム・ベイ - ペドロ・アルメンダリス(w:Pedro_Armendariz)
- ケリム・ベイの女 - ナジャ・ジレン
- モーゼニー - ウォルター・ゴテル(w:Walter Gotell)
- M - バーナード・リー
- Q - デスモンド・リュウェリン
- マニーペニー - ロイス・マクスウェル
- クロンスティーン(スペクターNo.5) - ヴラディク・シェイバル(w:Vladek Sheybal)
- シルビア・トレンチ - ユーニス・ゲイソン
- ゾラ - マルティーヌ・ベズウィック
日本語吹替[編集]
役名 | 俳優 | TBS版1 | TBS版2 | DVD・BD版 |
---|---|---|---|---|
ボンド | ショーン・コネリー | 日高晤郎 | 若山弦蔵 | |
タチアナ | ダニエラ・ビアンキ | 鈴木弘子 | 林真里花 | |
グラント | ロバート・ショウ | 内海賢二 | 山野井仁 | |
ローザ | ロッテ・レーニャ | 林洋子 | 沼波輝枝 | 定岡小百合 |
ケリム・ベイ | ペドロ・アルメンダリス | 小松方正 | 大宮悌二 | 長島雄一 |
M | バーナード・リー | 大宮悌二 | 今西正男 | 藤本譲 |
マニーペニー | ロイス・マクスウェル | 北村昌子 | 花形恵子 | 泉裕子 |
ブロフェルド | アンソニー・ドーソン | 大平透 | 早川雄三 | 稲垣隆史 |
モーゼニー | ウォルター・ゴテル | 飯塚昭三 | 島香裕 | |
Q | デスモンド・リュウェリン | 杉田俊也 | 緒方敏也 | 白熊寛嗣 |
クロスティーン | ウラデク・シェイバル | 寺島幹夫 | 田原アルノ | |
車掌 | ジョージ・パステル | 小関一 | 西村知道 | |
ケリムの女 | ナジャ・レジン | 高島雅羅 | 加川三起 | |
ケリムの運転手 | ネヴィル・ジェイソン | 円谷文彦 | 若本紀昭 | |
ローダ | ピーター・ブレイアム | 木原正二郎 | 広瀬正志 | |
イリーナ | ブルドン・ブルース | 水野谷佐絵 | 日比野美佐子 |
※キングレコードから発売の特別版DVDにはTBS版の2バージョンの吹替を収録。
テレビ放送吹替完声版の補完部分のキャストはDVD・BD版の流用。
TBS版1 - 1975年4月7日21:00-22:55 『月曜ロードショー』放送
- ※TBSが初めて日本での初回放映権を獲得。
TBS版2 - 1976年3月29日21:02-22:55 『月曜ロードショー』放送
- 日本語版制作
- 担当 - 熊谷国雄
- 演出 - 佐藤敏夫
- 翻訳 - 飯島永昭
- 選曲 - 重秀彦
- 調整 - 前田仁信
- 効果 - 遠藤グループ
- 製作 - 東北新社/TBS
- 解説 - 荻昌弘
DVD新録版 - 初出、2006年11月22日発売 DVD アルティメット・コレクション
秘密兵器など[編集]
- ブリーフ・ケース(英「スウェニー&アドニー」製。後に「スウェニー、アドニー&ブリックス」と社名変更)には、AR-7用銃弾20発、ナイフ、ソブリン金貨50枚(25枚ずつ2本のストラップに収納)が隠されており、赤外線照準器付きアーマライトAR-7が入っている(AR-7にはスコープは付属しないため、収納式ストックは専用に改造されている)。また、タルカム・パウダーの容器に詰めた催涙ガスをセットすると、ケースを普通に開けた際ガスが噴出する。これを避けるには、つまみを水平に回してから開く。Qブランチが開発したもので、ブースロイド少佐から説明を受けた後、Mの命令で携帯させられた(MI6諜報員の標準装備で劇中でボンドの応援にやってきた諜報員も持っていた。ただしこの諜報員はボンドになりすましたグラントに殺された)。
- 盗聴器探知機。電話に仕掛けられた盗聴器を探知。特に他のものに偽装はしていない。
- ローライフレックス・2眼レフカメラに偽装した小型オープンリール・テープレコーダー。
- レッド・グラントの腕時計。竜頭を引くとワイヤーが伸び、これを相手の首に巻きつけて殺す。
- ナイフを仕込んだ靴。スペクターのモゼニーとローザ・クレッブが使用。
- 原作によると、ナイフに塗られていたのはフグ毒で有名なテトロドトキシン。
- 特殊装備搭載のボンドカーは、まだ登場しない。本作の序盤で、ボンドはベントレーマークIV・コンバーチブルに乗っている。自動車電話付きで、ポケットベルで呼び出しを受けたボンドは、この電話で本部と連絡を取る。どちらも、当時はまだ珍しいものであった。
脚注・参照[編集]
- ^ a b ソ連の暗号解読器の名前は原作ではスペクターだが、映画では敵がスペクターに変えられたため、混同を避けるためレクターに変更された。
- ^ a b “From Russia With Love” (英語). The Numbers. 2009年6月26日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)211頁
- ^ “List movies by worldwide gross” (英語). WorldwideBoxoffice.com. 2009年6月26日閲覧。
- ^ List of highest-grossing films(ウィキペディア英語版)
- ^ “興行成績一覧”. キネマ旬報DB. 2009年6月26日閲覧。
- ^ Enrico Lancia; Roberto Poppi (2003) (イタリア語). Le attrici: dal 1930 ai giorni nostri. Gremese Editore. p. 36. ISBN 9788884402141
- ^ Ron Milione (英語). 007 HISTORY OF GADGETS. Lulu.com. p. 175. ISBN 9781387472536
- ^ a b Chris Strodder (2007-03-01) (英語). The Encyclopedia of Sixties Cool: A Celebration of the Grooviest People, Events, and Artifacts of the 1960s. Santa Monica Press. pp. 53-54. ISBN 9781595809865
- ^ Terence Young(監督), Sean Connery(出演) (2006年) (英語). From Russia with Love, Ultimate Edition (DVD). MGM.
- ^ Antonio Mustara (2016年6月25日). “Daniela Bianchi, 10 cose da sapere sulla prima Bond girl italiana”. sorrisi.com. Arnoldo Mondadori Editore Spa. 2020年7月14日閲覧。
- ^ Tom Lisanti; Louis Paul (2002-04-10) (英語). Film Fatales: Women in Espionage Films and Television, 1962-1973. McFarland. pp. 63-66. ISBN 9780786411948
- ^ 「映画を知るための教科書 1912~1979」140P参照 斉藤守彦 著 洋泉社 2016年3月発行
- ^ a b c フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 1』講談社、2003年。
- ^ 浦崎浩實「映画人、逝く 水野晴郎」『キネマ旬報』2008年7月下旬号、キネマ旬報社
- ^ 「キネマ旬報」007特集号への寄稿で「シリーズベスト10投票」にて訳者が、「苦心の邦題を勝手に…」(邦題に苦心した他作品も含め)とコメントしている。
- ^ 「交渉人 真下正義」メイキングにて監督の本広克行が語っている。
外部リンク[編集]
- 007 ロシアより愛をこめて - allcinema
- 007 ロシアより愛をこめて - KINENOTE
- 007 ロシアより愛をこめてのチラシ - ぴあ(リバイバル公開時のもの)
- 007 From Russia with Love - オールムービー(英語)
- 007 From Russia with Love - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- EA PS2/PSPゲーム「007 ロシアより愛をこめて」 - ウェイバックマシン(2006年4月6日アーカイブ分)
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