武士の一分

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武士の一分
監督 山田洋次
脚本 山田洋次
平松恵美子
山本一郎
製作 久松猛朗
製作総指揮 迫本淳一
出演者 木村拓哉
檀れい
笹野高史
坂東三津五郎
音楽 冨田勲
撮影 長沼六男
編集 石井厳
製作会社 「武士の一分」製作委員会
配給 松竹
公開 日本の旗 2006年12月1日
上映時間 121分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 41.1億円
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武士の一分』(ぶしのいちぶん)は、2006年製作の日本映画

原作は時代小説『盲目剣谺返し』(『隠し剣秋風抄』収録、藤沢周平作)。山田洋次の監督による『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』と並ぶ、「時代劇三部作」の完結作。興行収入は40億円を超え[1]松竹配給映画としての歴代最高記録(当時)を樹立した(後に、『おくりびと』がこの記録を更新)。第57回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門オープニング作品、特別部門に選出された。

ストーリー

幕末時代の海坂藩。藩主の毒見役を務める侍、三村新之丞は妻・加世と慎ましくも幸せに暮らしていた。だがある日、毒見の際に食べた貝の毒に中り失明してしまう。この一件から一時は絶望するも加世の支えもあり、光の無い世界に慣れてきたある日、加世と海坂藩番頭・島田藤弥との不貞を知ってしまう。島田に体を預けることを引き換えに家禄を保ってきたことを知った新之丞は、加世を離縁。その後、新之丞は家禄の保持は実は藩主の温情からもたらされたものであり、島田の恩を着る必要は無く、島田は事情の分からない加世を弄ぶために家禄を口実に加世を騙したことを知り、島田に対し、自らの「武士の一分」を賭けて果たし合いに挑み、島田の片腕を切り落とす。

登場人物

  • 三村新之丞(木村拓哉) ‐ 近習組に務める30石の下級武士。藩主の毒味役を務めていたが、つぶ貝の毒にあたってしまい、最終的には失明してしまう。
  • 三村加世(檀れい) ‐ 新之丞の妻。孤児だったが新之丞の両親に我が子同然に大切に育てられ、徳平とも昔からの顔なじみ。夫が失明をしてしまい、今後の生活のために島田を頼るのだが、そこに付け込まれて弄ばれてしまう。
  • 徳平(笹野高史) ‐ 新之丞の父の代から務める中間。新之丞とは軽口を叩き合っている仲。真面目で少々口うるさい性格ではあるが、新之丞と加世をいつも温かく見守っている。
  • 波多野東吾(岡本信人) ‐ 新之丞の叔父。2人の生活の安泰を願っている。加世と島田との密会を目撃してしまう。
  • 滝川つね(左時枝) ‐ 勘十郎の妻。世間体を気にしており、「加世が新之丞と別れる事は滝川家の恥」と懸念する。
  • 滝川勘十郎(綾田俊樹) ‐ 加世の親類。新之丞が失明したと聞き、2人の生活を案じて滝川邸にて話し合いを開くきっかけを作る。
  • 波多野以寧(桃井かおり) ‐ 新之丞の叔母。おせっかいで大げさな性格。新之丞からはいつもうるさがられている。夫から聞いた事実を報告するが、新之丞に「加世はそんな女ではない」と言われ機嫌を損ねてしまう。
  • 木部孫八郎(緒形拳) ‐ 新之丞の剣の師。
  • 山崎兵太(赤塚真人
  • 加賀山嘉右衛門(近藤公園
  • 藩主(歌澤寅右衛門
  • 玄斎(大地康雄) ‐ 新之丞のかかりつけの医師。加世に、恐らく薬の効果は無く、神仏に祈るしかないと、新之丞の失明が治らないであろう事を伝える。
  • 樋口作之助(小林稔侍) ‐ 海坂藩広式番。食事の際の不始末の責を取って切腹せざるを得なくなってしまう。
  • 島田藤弥(坂東三津五郎) ‐ 海坂藩番頭。新之丞の上司であり、加世とは昔からの顔なじみ。実は自らの出世の事しか考えておらず、平気で人を騙したりするような性格。最後は新之丞との決闘にて片腕を切り落とされ、切腹して果てる末路を辿る。それもまた、彼の武士の一分であった。

スタッフ

作品の特色

全編にナレーションが入るという異例の構成になっており(オープニングタイトル含む)、視覚障害者でもそのまま作品を堪能することもできる異色作である。

受賞歴

  • 第30回日本アカデミー賞
    • 優秀作品賞
    • 優秀監督賞
    • 優秀脚本賞
    • 優秀主演女優賞
    • 最優秀助演男優賞
    • 優秀助演女優賞
    • 優秀音楽賞
    • 最優秀撮影賞
    • 優秀美術賞
    • 優秀録音賞
    • 最優秀照明賞
    • 優秀編集賞
  • 第25回ゴールデングロス賞 日本映画部門優秀銀賞
  • (木村拓哉は、事務所の方針により日本アカデミー賞主演男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞のノミネートを辞退)

文献

  • 『隠し剣秋風抄』藤沢周平、文藝春秋、1981年 ISBN 4163063102

関連項目

脚注

外部リンク

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