名張市

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なばりし ウィキデータを編集
名張市
赤目四十八滝(荷担滝)
名張市旗
名張市章
日本の旗 日本
地方 東海地方近畿地方
都道府県 三重県
市町村コード 24208-0
法人番号 4000020242080 ウィキデータを編集
面積 129.77km2
総人口 73,459[編集]
推計人口、2024年4月1日)
人口密度 566人/km2
隣接自治体 三重県津市伊賀市
奈良県宇陀市山辺郡山添村、宇陀郡曽爾村
市の木 モミジ
市の花 キキョウ
市の鳥 ウグイス
名張市役所
市長 北川裕之
所在地 518-0492
三重県名張市鴻之台一番町1番地
外部リンク 名張市

名張市位置図

― 市 / ― 町

特記事項 海抜:225.93m
ウィキプロジェクト

名張市(なばりし)は三重県西部、伊賀地方に位置するである。

近鉄大阪線の沿線で、大阪都市圏へ約60分の位置にある名張市は大阪府奈良県ベッドタウンとして発展、1980年代前半から名張藤堂家の家紋であった「桔梗」にちなんだ「桔梗が丘」の開発をはじめとした多くの大規模住宅地が造成され人口が急増した。初期に「桔梗が丘」と命名されたことから、その後に開発される住宅地についても「つつじが丘」「ゆりが丘」「さつき台」「すずらん台」など、花の名を冠した住宅地が造成されることになる。

しかし、2000年頃以降はより利便性の高い奈良県香芝市等に土地需要を奪われ、世帯・人口ともに微減傾向が継続している。

伊賀盆地南部に位置し、周囲を山野や赤目四十八滝香落渓といった渓谷を含めた美しい自然に囲まれ、四季折々の鳥の鳴き声などの自然の音を感じながら暮らすことができる、観光都市と生活都市の両面を併せ持つ市である。

地理

河川

ダム

歴史

万葉の昔から宿駅として開け、壬申の乱に際して大海人皇子が東国へ逃れる際にも当地を経由した。

墾田永年私財法の施行以降、東大寺荘園として人口の増加が始まり集落として発達しはじめた。その後自治勢力が武装し「黒田の悪党」と呼ばれ荘園支配から逃れようと地主に対抗したことで中世日本史に名を残す地域である。荘園支配に抵抗してはいたが、実際に東大寺との関係は深く、年中行事であるお水取りでは当地で伐採された木材が使用されるなど名残を残す。しかし、宗教文化が実際にこの地に花開いているわけではなく、華々しく飾られた今風の宗教施設のほかは山村地域に枯れた風景を彩る山寺が散見されるのみとなっている。

悪党は独特の戦闘知識や薬学体系を背景に、後に忍者と呼ばれる存在となる。その中でも伊賀忍者の名前はあまりにも有名であるがゆえに、発祥の地は北に隣接する伊賀市であると誤解を受けているが、実際は伊賀地域に広く忍者の生活・活動した跡が見られ、その中でも支配的地位にあった上級の忍者(上忍三家)は名張に拠点を置いていた。(伊賀忍者の技・術・道具などの展示は赤目四十八滝入り口付近にある展示施設にて行われている。)

1579年から1581年にかけ、忍者による陰謀が発端となり織田信長親子による伊賀忍者殲滅作戦、天正伊賀の乱が二度にわたって展開され、名張の地は文字通り焦土と化した。現在は「天正乱れ太鼓」などの伝承により当時の様子が物語られている。

現在の街は、伊勢参り宿場町が原型。明治以降も小規模な地方鉄道が出来ただけで、交通の便に恵まれなかったが、1930年に参宮急行電鉄(現在の近鉄大阪線)が開通し、発展の礎となる。1954年3月に市制施行。

その後、大阪方面への通勤者のために大規模な団地が形成され、それに呼応するように郊外型の大型商業施設も相次いで開店した。このため、伊賀市(旧上野市)とともに伊賀地方の商業の中心として発展を続けている。

市の歴史

  • 昭和29年(1954年)3月:市制施行 
  • 昭和39年(1964年):高北新治郎が名誉市民となる。
  • 昭和40年(1965年):桔梗が丘団地の入居開始。
  • 昭和48年(1973年)7月:国道165号開通
  • 昭和53年(1978年)10月:美旗古墳群が国の史跡に指定 
  • 平成2年(1990年)9月:人口7万人突破
  • 平成4年(1992年)10月:名張藤堂邸が一般公開
  • 平成6年(1994年)10月:人口8万人突破
  • 平成15年(2003年)2月:伊賀6市町村との合併可否を問う住民投票を実施。結果は反対多数で協議会から脱退。
  • 平成16年(2004年)3月:市制50周年記念

人口


名張市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


名張市政

ロゴ・マスコット類

1999年の市制執行45周年記念に制定された。一覧

  • マスコットキャラクター「なばりのナッキー」(市の花であるキキョウをモチーフにデザイン)
  • 漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字のロゴマークを多数設定。

市長

  • 亀井利克(かめい としかつ)
    • 在任期間:2010年4月 - 2014年4月
    • 任期数:3

歴代市長

初代・2代市長は名誉市民となった。

  • 初代 北田藤太郎:1954年4月 - 1974年4月(1976年1月に名誉市民認定)
  • 2代 永岡茂之:1974年4月 - 1990年4月(1992年10月に名誉市民認定)
  • 3代 富永英輔:1990年4月 - 2002年4月
  • 4代 亀井利克:2002年4月 - 現在

市制の状況

3代目市長・富永英輔の金銭問題の反省を受けて、以降の市制は情報の開示を積極的に行っている。

市役所が旧市街地から現在の鴻之台に移転し、それに伴い主要な役所も相次いで旧市街から移転したため、それまで経済の中心地だった旧市街地域は古いたたずまいを残すも経済の中心地たる地位を維持できず、商業地域の中心は国道165号沿線地域および大規模造成地である桔梗が丘へと移り変わって行った。現在、市はこの旧市街区の経済活性化を目標に、文化・観光資源としての利用を検討している。

伊賀市エリアとの合併否決により、今後の安定した市制施行のための財源を確保するためあらゆる支出の見直しを市当局は行っている。

産業

農業

稲作・ぶどう・いちごなど。ぶどう・いちごは、観光農園として青連寺湖周辺で行われている。京阪神・名古屋方面からの集客もあり。また、水が綺麗で日本酒づくりも行われている。酒蔵複数あり。

工業

市内に工業団地が複数造成され(八幡工業団地、蔵持工業団地など)、新神戸電機コクヨ藤森工業ノーベル製菓ニッタフジシールトステムなどが工場を建設、稼動。

  • 本社所在地が市内にある企業
    • ボルグワーナー・モールステック株式会社(自動車部品製造)
    • 株式会社タカキタ(農機具・精密部品製造 東証2部上場)
    • オキツモ株式会社(塗料製造)

商業

宿場町であったことと、数ある観光資源、自然が残っていることを生かした観光関連業。関西と東海の中間点であることから、関西系(オークワ・万代・イオン)、東海系(マックスバリュ中部、ユニー【アピタ】、ビバホーム)がそれぞれ出店。日清食品のきつねどん兵衛の東日本仕様と西日本仕様が同じ市内で買える。同様に、関西限定品と東海限定品が同時に購入可能なことも多い。

人口急増が十年以上続いたため、成長市場として国道165号沿線に大店舗の出店を計画する企業があとを絶たない状況が続いているが、人口、および商圏の拡大が昨今伸び止まりの傾向が見られたことや大店舗同士の競争の激化などで人知れず閉店している店舗も数多い。

金融機関

日本郵政グループ

  • 国津集配センター(長瀬/国津郵便局と併設)
  • 名張郵便局(栄町)
  • 滝川郵便局(赤目町丈六=あかめちょうじょうろく)
  • 西名張郵便局(木屋町)
  • 名張百合が丘郵便局(百合が丘東)
  • 名張つつじが丘郵便局(つつじが丘北)
  • 名張梅が丘郵便局(梅が丘南)
  • 名張桔梗が丘郵便局(桔梗が丘)
  • 名張桔梗丘南郵便局(桔梗が丘)
  • 美旗郵便局(新田=しんでん)
  • 比奈知郵便局(下比奈知)
  • 国津郵便局(長瀬)
  • 名張錦生(にしきお)簡易郵便局(安部田)
  • 赤目滝簡易郵便局(赤目町長坂)
  • 名張蔵持簡易郵便局(蔵持町原出)
  • 薦原(こもはら)簡易郵便局(薦生=こもお)
  • 名張東田原(ひがしたわら)簡易郵便局(東田原)
  • 名張すずらん台簡易郵便局(すずらん台東)
  • 名張滝之原簡易郵便局(滝之原)


  • 名古屋支店 リバーナショッピングセンター内出張所(元町)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
  • 名古屋支店 名張市役所内出張所(鴻之台=こうのだい)(ATMのみ)
  • 名古屋支店 近鉄百貨店桔梗が丘店内出張所(桔梗が丘)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
その他簡易郵便局を除く各郵便局にATMが設置されており、名張郵便局ではホリデーサービスも実施。(2011年2月現在)

※名張市内の郵便番号は「518-04xx」「518-06xx」「518-07xx」(以上は後述以外の地域=名張支店(本庁舎)の管轄)「518-05xx」(長瀬・上長瀬・奈垣・布生(ふのう)・神屋=国津集配センターの管轄)となっている。

教育

大学・短期大学

  • 皇學館大学名張学舎  (2009年4月入学生の選抜を以て、撤退。伊勢キャンパスへ統合)

高等専門学校

高等学校

地理的に、ごく一部の国公立大学を除けば通学範囲にあると言い難い。そのため、地元に優秀な難関大学の大学生が居住することがなく、教育への意識は都市部からの移住者以外は低いものになっている。隣接する奈良県の県立高校へは原則進学できない。名張高校、名張桔梗丘高校はどちらも学力向上フロンティア事業の参加校となっている。

中学校

小学校

  • 名張市立名張小学校
  • 名張市立蔵持小学校
  • 名張市立薦原小学校
  • 名張市立錦生小学校
  • 名張市立比奈知小学校
  • 名張市立滝之原小学校
  • 名張市立美旗小学校
  • 名張市立箕曲小学校
  • 名張市立赤目小学校
  • 名張市立国津小学校
  • 名張市立桔梗が丘小学校
  • 名張市立桔梗が丘南小学校
  • 名張市立桔梗が丘東小学校
  • 名張市立つつじが丘小学校
  • 名張市立すずらん台小学校
  • 名張市立梅が丘小学校
  • 名張市立百合が丘小学校

廃校となった小学校

  • 名張市立長瀬小学校 2008年比奈知小学校へ統合
校舎は現在、ヤマト運輸のコールセンターとして利用されている。

特別支援学校

専門学校

  • 名張市立看護専門学校

教育に関する過去の問題

過去、名張高校が地元の優秀な高校であったことを懐かしみ、名張高校の復権を願った現・梶田市議を発起人としたOB達が市政に関与。名張市内の中学に通う生徒を伊賀地区から出さないような進路指導を行うよう、市の方針として市立中学に要請したことがある(1984年から突如開始)。これらは明らかに人権侵害に類するものであるため、中学校によっては非常に緩やかに施行されたが、市教委の影響の強い名張中学校などでは県外および津市内の県立高校への進学を希望する生徒に対し、「非常に厳しい進路指導」を行った。この施策のターゲットは、第二学校群と当時言われた津高校津西高校への進学希望者であった。

結果として、優秀な中学生は比較的楽に地元高校への進学ができる形となったが、その後当地域では国公立大学や難関私立大学への進学実績において目立った向上がなかった。中には逆に進学成績を落とし、そのまま現在に至るまで回復できなくなっている高校も存在する。

公共施設

警察

消防

公園

図書館

交通

鉄道

  • 近畿日本鉄道
    近鉄大阪線では名阪ノンストップ特急や阪伊ノンストップ特急を除けば、すべての列車が名張駅に停車する。また時間帯によるが桔梗が丘駅にも特急が停車する。特急を利用しての大阪市内(大阪上本町駅)への到達時間は50分強、特急料金の要らない快速急行・区間快速による大阪市内への到達時間は最短で1時間10分程度である。このため、名張市内から、大阪市内・堺市八尾市東大阪市などへの通勤・通学者が多い。
    津・名古屋方面は直通の特急を利用すれば津まで30分、名古屋まで1時間20分で到着するが、多くは途中の伊勢中川駅で乗り継ぎをしなければならない。しかし、スムーズな乗り継ぎとなるよう、ダイヤが組まれており所要時間に大きな差はない。特急料金の要らない急行(近鉄山田線・名古屋線には快速急行の設定がないため、名張以東では快速急行の名称は用いられない)での津への到達時間は50分強、名古屋までは2時間以上を要する。
    西名張駅は当初、名張駅を名乗っていた。参宮急行電鉄建設の際、当初はこの初代名張駅を経由する計画であったが、この時に駅周辺で利権屋による土地の買占めなどが起こったため、参宮急行電鉄ではこの駅の南側である市街地外れに路線を設置、こちらに現在の名張駅を置いて、初代の名張駅を西名張駅に改めた。

高速バス

一般路線バス

道路

メディア等

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

名所・旧跡

レジャー

赤目四十八滝 不動滝

観光

  • 日本サンショウウオセンター

祭り

  • 蛭子まつり:2月8日(蛭子神社)
  • 愛宕の火祭り:7月下旬

出身有名人

ゆかりの人物

その他

脚注

  1. ^ 産経は中部本社がないため、全域大阪本社版。

外部リンク