カルピス
種類 | 株式会社 |
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市場情報 |
大証1部(廃止) 2591 1961年10月 - 2007年9月25日 |
本社所在地 |
日本 〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南二丁目4番1号 |
設立 |
1948年(昭和23年)12月14日 (カルピス食品工業株式会社) |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 5011001005908 |
事業内容 | 食品 |
代表者 | 山田 藤男(代表取締役社長) |
資本金 | 130億5675万円(2010年3月31日時点) |
売上高 | 1056億2600万円(2010年3月期) |
営業利益 | 29億7000万円(2010年3月期) |
純利益 | 9億7100万円(2010年3月期) |
純資産 | 558億4700万円(2010年3月31日時点) |
総資産 | 806億2500万円(2010年3月31日時点) |
従業員数 | 852人(2007年6月30日時点) |
決算期 | 12月末日 |
主要株主 | 味の素 100%(2012年3月31日現在) |
関係する人物 | 稲森俊介(元社長、元味の素社長) |
外部リンク | http://www.calpis.co.jp/ |
特記事項:1997年(平成9年)9月に現商号へ商号変更 |
カルピスとは日本の飲料メーカーであるカルピス株式会社および、同社が製造販売し主力製品とする乳酸菌飲料の名称である。ローマ字表記はCALPIS。日本以外ではCalpicoとも。
カルピス本社は、東京都渋谷区に所在している。英文名称はCalpis Co., Ltd.。1991年(平成3年)に味の素グループ入り、2007年(平成19年)10月に味の素の完全子会社となった。
「カルピス」の名称は同社の登録商標である。
現在のコーポレート・スローガンは「カラダにピース。CALPIS」。
企業
企業としてのカルピスの創業者は、僧侶出身の三島海雲。創業初期は国分グループだった。名付け親は山田耕筰と、当時芝学園校長だった渡辺海旭。創業時より「初恋の味」で知られる世界初の乳酸菌飲料「カルピス」を生産していた。これと共に、脱脂乳の生産の際に副産品として製造を開始したとされるカルピスバターが主力商品である。
味の素との提携後近年は、カルピスを製造時に水で希釈調合しすぐに飲めるようにした清涼飲料水「カルピスウォーター」の生産、ミネラルウォーターの「エビアン」やワインの輸入、カクテル「カルピスサワー」などのアルコール飲料にも進出している。
Calpisが英語: cow piss(カウ ピス=牛の尿)」と聞こえることから、米国ではCALPICO(カルピコ)という名称で販売される。なお、製造情報の欄には輸出会社として「CALPIS CO.,LTD.」と書かれている。
味の素は2007年(平成19年)6月11日に同年10月1日付で、カルピス社を完全子会社化することで合意したと発表した。カルピス経営陣は他社との提携も考慮したが、今後の少子高齢化で懸念される日本市場の規模縮小と、それを補うための海外市場展開、更にはいわゆる「三角合併」の解禁による海外企業の買収攻勢への対応を見据え、この統合案しかないと表明。苦渋の決断だったとしている。
2012年5月7日、日本経済新聞は、アサヒグループホールディングスが味の素からカルピス社の全株式を約1000億円で取得し、子会社化することで基本合意に至ったと報じた[1]。各社は5月7日時点では「当社が発表したものではない」とのプレスリリースを出した[2]。翌8日、味の素がアサヒグループホールディングスにカルピス社の全株式を2012年10月1日までに約1200億円で売却する内容の売買契約が締結され、正式発表された[3]。
沿革
- 1916年(大正5年)4月 - 前身となる醍醐味合資会社を設立。
- 1917年(大正6年) - ラクトー株式会社設立。
- 1919年(大正8年)7月7日 - 日本で初めての乳酸菌飲料・カルピス発売。
- 1923年(大正12年) - カルピス製造株式会社に商号変更。
- 1948年(昭和23年) - カルピス食品工業株式会社に商号変更。
- 1987年(昭和62年) - フランスBSNグループ(現グループ・ダノン)と業務提携。
- 1990年(平成2年)
- 1991年(平成3年) - 味の素株式会社から飲料事業を譲受、両社の缶入り飲料事業を統合。
- 1997年(平成9年) - カルピス株式会社に商号変更。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)1月4日 - 自動販売機事業子会社6社をアサヒカルピスビバレッジに譲渡。
- 2009年(平成21年)10月1日 - 物流子会社(カルピス物流サービス)を関東エース物流(岡山は関西エース物流)に譲渡。
事業所
- 本社:東京都渋谷区恵比寿南二丁目4番1号
- 支店:札幌、仙台、東京、関東、名古屋、大阪、中四国、福岡
- 営業所:北東北、新潟、長野、静岡、金沢、高松、岡山、鹿児島
- 工場:相模(2008年(平成20年)閉鎖 群馬工場へ統合 工場記号はSC)、岡山(工場記号BC)、群馬(工場記号KC) 国内工場の屋根は暗色系のオレンジ色に統一されている。
- 相模工場内に研究所がある。ただし、相模工場閉鎖後も研究所等、一部機能は存続。
- 札幌BC・仙台BC・群馬BC・館林BC・相模原BC・鈴鹿BC・西日本BC・岡山BC・岡山第2BC・福岡BC
由来
1902年(明治35年)、当時25歳の三島は内モンゴル(現在の中華人民共和国・内モンゴル自治区)を訪れ、そこで口にしたジョッヘという飲み物を参考にして1919年(大正8年)にカルピスを開発・発売し、この飲料と同名の企業の創業者となったと伝えられている。脱脂乳を乳酸菌で発酵(酸乳)しこれに加糖、さらに酵母(馬乳酒中の酵母と近似[4])による発酵がカルピス独特の風味に不可欠であることは、長く企業秘密とされていたが、1990年代半ばに公開された。
社名は、「カルシウム」とサンスクリットの「サルピス」(sarpis、漢訳:熟酥(じゅくそ))を合わせたものである。サンスクリット「サルピル・マンダ」(sarpir-maṇḍa、漢訳:醍醐)を使用し、「サルピス」・「カルピル」とする案もあった。同社では重要なことを決める際には、その道の第一人者を訪ねる「日本一主義」があり、音楽の第一人者の山田に社名について相談したところ、「カルピス」が最も響きが良いということで現行社名・商品名になったという。
元々は、パナマ帽を被った黒人男性がストローでグラス入りのカルピスを飲んでいる図案化イラストが商標だった。これは第一次世界大戦終戦後のドイツで苦しむ画家を救うために社長(当時)の三島が開催した「国際懸賞ポスター展」で、3位を受賞したドイツ人デザイナーのオットー・デュンケルスビューラーによる作品を使用したものだが、「黒人マーク」と呼ばれるようになり、1989年(平成元年)に一部から“差別思想につながる”との指摘を受けて現行マークに変更された。また、カルピスは「黒人マーク」を白黒反転させたマークも商標登録している。
飲料
乳酸菌飲料のカルピスは、原液は非常に高濃度でそのままでの飲用は推奨されていない。水、湯または牛乳で2.5から5倍程度に希釈して飲用とする。かき氷のシロップとして、またカルピスハイなどの材料にも使われる。原液はその濃さから常温保存しても腐敗しにくい性質があり、戦前から一般家庭の常備品や軍隊の補給品として、戦後は贈答用としても広く使われている。
飲料のカルピスは1919年(大正8年)7月7日に販売が開始された。カルピスのパッケージの水玉模様は、発売日の七夕にちなんで天の川(英語: Milky Way(ミルキーウェイ))をイメージしたもの。最初は青色地に白い無地玉であったが1953年(昭和28年)に色を逆にし、白地に青い水玉とした。
1927年(昭和2年)には森永乳業より同様の乳酸菌飲料であるコーラスが発売され、1980年代まで人気を二分した。
その後は希釈済みの製品として、1973年(昭和48年)に炭酸水で希釈したカルピスソーダを発売。炭酸水希釈のソーダ飲料としたのは、当時の技術では普通の水による希釈では長期の品質維持に問題があったため。1980年代も終盤に差し掛かると生活様式の変化により、飲用時に希釈が必要な従来の原液カルピスは、一般家庭において徐々に疎遠な存在となっていった。こうして1991年(平成3年)には希釈の手間を省いたカルピスウォーターが発売され、大ヒット商品となった。
原液のカルピスは瓶詰めの商品であったが、瓶は重いことなどから、1995年(平成7年)に登場した紙パック入りが近年の販売の主体となっている。これにより、商品のコンパクト化が実現された。
2012年(平成24年)4月9日より、新たに開発した4層構造のプラスチックボトル「ピースボトル」を採用し、全面リニューアルを行った(レギュラー・ダイエット・ぶどうのみ、新規発売のオレンジとマンゴーも同じ「ピースボトル」を採用)。但し、主原料の砂糖・生乳の価格高騰が続いていることから、希望小売価格は据え置きながら、内容量は従来の紙容器から30ml少なくなり、470mlとなった。
派生商品
- カルピスソーダ - 1973年(昭和48年)発売。乳性炭酸飲料ブームの先駆け的商品。
- カルピスウォーター - 1991年(平成3年)発売。薄めずに飲める手軽さが大ヒットを呼び込んだ。
- カルピス酸乳 アミールS - カルピスの製造過程で生まれる酸乳の血圧抑制効果に着目した健康飲料。特定保健用食品認可。普及初期のテレビCMに長嶋茂雄が起用されたことでも有名。
- カルピスサワー
- アミノカルピスシリーズ
- カルピスバター - カルピスの製造工程で、脱脂乳を製造する過程で生まれる乳脂肪分を活用したもの。
- ザ・プレミアムカルピス - 2007年(平成19年)発売。カルピス社が創業90周年を記念して3種類の乳酸菌をブレンド。
- カルピスダイエット - 2006年(平成18年)発売。通常のカルピスよりカロリー60%カット。
- カルピスとマッコリのお酒 - 2010年(平成22年)発売。カルピスとマッコリをソーダで割ったもの。
その他の商品
- 健茶王 - 血糖値の上昇を抑える難消化性デキストリンを配合した茶系飲料。特定保健用食品認可。
- ウェルチ - 米国有数の天然果汁ブランド製品。日本ではかつてペプシコ社が製造販売権を持っていたが、1997年(平成9年)にカルピスへ移管。
- ほっとレモン
- アミノバイタル - 元は味の素のアミノ飲料ブランドであるため、ラベルには「AJINOMOTO」のロゴが記されている。アサヒとの自動販売機統合後、旧カルピスの自販機ではアサヒの「H2O」は缶入り、当商品はペットボトル入りと棲み分けられた。
- ダウンタウンソーダカンパニー - 商品よりCM曲がヒット[要出典]した。
- ストロングルト - ミルクプロテイン、ミルクカルシウム、ローヤルゼリーを配合した、20 - 30代の男性にフォーカスした元気なカラダ作りを応援する乳性飲料。キャッチコピーは“乳性カラダメイキング”。2010年(平成22年)3月29日発売。
- ぐんぐんグルト - カルシウムを多く配合した乳性飲料。2003年(平成15年)発売。
過去に存在した商品
- カルピコ - 1973年(昭和48年)頃発売されたフルーツ味の炭酸飲料。当初、グレープとプラムの2種類で発売された。コカ・コーラ社の「ファンタ」の圧倒的シェアを切り崩すには至らず、1970年代後半には姿を消した。「同じ品名であっても、日本国内と海外で商品の実態が違う」という事例の1つである。
(※ カルピコを「カルピス入りコーラ」の品名とする説が一部にあるが、これは誤り。ただし「カルピスソーダ」のラインナップにコーラ味が存在していた時期はある) - Sun New - 1983年(昭和58年)頃発売、現在のアミールシリーズの先駆けか。品名は「酸乳」をそのまま類似発音の英単語に置き換えたもの。
- カピーホワイト - 1983年(昭和58年)頃。乳成分から作られたアイソトニック飲料。カルピス版スポーツドリンクという位置づけ。明石家さんまが当時のテレビCMに出演し、話題を呼んだ。来生たかおのCMソング(まどろみミステリー)、森本レオのナレーションという組み合わせも秀逸であった。キャッチコピーは「助けてよ、カピー」「アイソトニックが美味しくなりました。常識を裏切ってごめんなさい」という静かながら挑発的なもの。しかし商品自体はかなり短命に終わった。
- オリゴCC - 1990年代初期にブームとなった機能性飲料の有力商品の1つ。腸内のビフィズス菌を増やす効果のあるオリゴ糖を配合する。
- 梅烏龍茶 - 1991年(平成3年)頃発売された。烏龍茶に梅の風味を加えた烏龍茶飲料。開けると梅の風味が漂って匂いはよいが、飲んだ直後の風味は梅の酸味と烏龍茶の苦味がブレンドされ、美味とはどうにも言いがたい。生産期間も極めて短かった模様。
- サポーター - 1990年代前半に発売されたスポーツドリンク。発売時はサッカー日本代表公式スポーツドリンクだった。2000年(平成12年)にその座をキリンビバレッジの「侍」に譲受し、当社のスポーツドリンクは「アミノバイタル」に移行した
- オバルチン - オリンピック公認の麦芽飲料として日本ではカルピスが販売していた。
- エビアン - 2008年(平成20年)4月13日をもってカルピスからの販売は終了。現在は伊藤園が販売。
- 冴え緑茶 - アサヒはすでに「十六茶」などがあるため販売終了。
- AGF(味の素ゼネラルフーヅ)ブランドの缶コーヒー飲料(ブレンディー・カフェ・ラ・モード) - 2008年(平成20年)にアサヒ飲料と自動販売機事業を統合するため販売を終了した(アサヒには既に「WONDA」があるため)。
- 紅茶伝説 - 1991年(平成3年)に味の素から譲受した商品の中で唯一最後まで発売されていたが、こちらもアサヒに「旬摘み紅茶」が存在するため販売を終えた。
その他
- カルピス味(風味)の氷菓は、ロッテアイスなどが製造・販売している。また、カルピス風味のキャンディはカンロが製造・販売している。その他、カルピス風味のマシュマロもあり、エイワが製造・販売している。
- 辛味を抑える効果があり、香辛料の効いた辛味を特徴とする料理(カレー、焼肉、エスニックなど)を扱う飲食店ではカルピス(アルコールなし)やカルピスサワー(アルコール含む)がメニューにあることが多い。
CM出演者
- 吉永小百合
- 薬師丸ひろ子(カルピスソーダ)
- 三田寛子(カルピスソーダ)
- 松尾久美子(カルピスソーダ)
- 伊藤麻衣子(カルピスソーダ)
- 長嶋茂雄(アミールS)
- 広岡達朗
- 藤田元司
- 金田正一
- 萩本欽一
- 水森亜土
- オズモンド・ファミリー
- 西田敏行(健茶王)
- ジャネット・リン
- 熊谷幸子(CMソング担当)
- 可愛かずみ
- 斉藤由貴
- 後藤久美子
- 内田有紀
- スターダストレビュー(CMソング担当)
- 井上トロ(『どこでもいっしょ』のキャラクター)
- BoA
- 平山あや
- 酒井彩名
- 長澤まさみ(カルピス及びサウンドロゴ)
- 池松壮亮
- 渡辺弓太郎(ニューヨーク・ヤンキース・井川慶の専任通訳)
- 木梨憲武(アミールS)
- 森田剛
- 三宅健
- 岡田准一
- 森尾由美(「ウェルチ」のイメージキャラクター)
- 川島海荷(カルピスウォーターの映画「私の優しくない先輩」とのコラボレートCM)
- 神戸蘭子(「ストロングルト」の広告キャラクター)
- 金田哲(カルピスウォーターの映画「私の優しくない先輩」とのコラボレートCM)
- 小林星蘭
- 木村佳乃(ウェルチ)
- 能年玲奈
歴代CMソング
- 尾崎亜美『My Song for You』
- スターダストレビュー『夢伝説』
- 斉藤由貴『予感』
- 斉藤由貴『ONE』
- 岡村孝子『明日の幸せ』(1997年(平成9年))
- 藤井ミチヨ『Wonderful Day』
- スピッツ『ハネモノ』
- つじあやの『ありきたりなロマンス』
- ウルフルズ『バンザイ 〜好きでよかった〜』
- ウルフルズ『愛がなくちゃ』
- 熊谷幸子『白いKiss』(カルピスウォーター)
- Coming Century『夏のかけら』(カルピスウォーター)
- 山下達郎『夏コイの味』(カルピスウォーター)
- BoA『Shine We Are!』(アミノカルピス・カルピスウォーター)
- BoA『コノヨノシルシ』(カルピスウォーター)
- サンボマスター『歌声よおこれ』(カルピスウォーター・カルピスソーダ)
- サクラメリーメン『サイハテホーム』(カルピスウォーター)
- D-51『Forever Friends』(カルピスウォーター)
- D-51『Travelers of life』(カルピスウォーター)
- aiko『桜の時』(カルピスウォーター)
- 阿部真央『I wanna see you』(カルピスウォーター)
- aiko『恋のスーパーボール』(カルピスウォーター)
- NICO Touches the Walls『夏の大三角形』(カルピスウォーター)
関連項目
注
- ^ 日本経済新聞2012年5月7日付夕刊1面、“アサヒ、カルピス買収で味の素と合意 あすにも発表”. 日本経済新聞. (2012年5月7日) 2012年5月7日閲覧。
- ^ 本日の一部報道について(アサヒグループホールディングス株式会社2012年5月7日付プレスリリース、同日閲覧)
- ^ カルピス株式会社の株式の取得(子会社化)に関する株式売買契約締結のお知らせ (PDF) (アサヒグループホールディングス株式会社2012年5月8日付プレスリリース、同日閲覧)
- ^ “中国内蒙古伝統的発酵乳とカルピス酸乳の理化学性状および構成菌比較” (PDF) (1998年(平成10年)). 2009年8月15日閲覧。