アシッドアタック

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アシッドアタックAcid attacksAcid throwing)とは、硫酸塩酸硝酸など劇物としての(アシッド)を他者の顔や頭部などにかけて火傷を負わせ、顔面や身体を損壊にいたらしめる行為を指す。別名、酸攻撃ともいう[1]。被害者の75から80パーセントが女性であり[1]、また25から34歳の女性が最も被害を受けやすく、男性優位で女性の立場が弱い地域で起こりやすいドメスティック・バイオレンスであるケースが多い[2][1]

中東アジア東南アジアなどで問題になっており、アシッドアタックが盛んな国は、バングラデシュパキスタンインドコロンビアカンボジアなどの国が挙げられる。他にもアフリカ南米などにも広がり世界各地で同様の事件が起きている。特にバングラデシュは、アシッドアタックが最も多く報告されている国であり、その数は1999年以降3,000件以上に上る。だが、この国では女性蔑視の風潮が強いこともあり、被害にあっても裁判に至ることは少ないという。コロンビアでは国の主要産業であるゴム産業で使用される関係から強酸の入手が容易であることが多発の原因にもなっていると考えられており[1]、インドでは、被害者への救済策の制定と共に、酸の売買に規制がかけられることになった[3]

世界初のアシッドアタック被害者の救済支援団体「ASTI」(Acid Survivors Trust International)の責任者によると、世界中から毎年1,500件あまりのアシッドアタックの報告されているが、報復の懸念や被害者が教育を受けていない環境などにおかれているために通報に至らぬケースもあり、実数はもっと多いとしている[1]。国連の調査からは、アシッドアタックは加害男性による嫉妬や交際や縁談を断られたことに対する逆恨み、果ては父親から生まれてきた子が女だったからなどの身勝手な動機から、被害女性の外見を破壊し、苦痛を与える目的で行われているという結果が出ている[1][2]

脚注

関連項目

外部リンク