2002年日本グランプリ (4輪)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本の旗 2002年日本グランプリ
レース詳細
2002年F1世界選手権全17戦の第17戦
日程 2002年シーズン
決勝開催日 10月13日
正式名称 XXVIII Fuji Television Japanese Grand Prix
開催地 鈴鹿サーキット
三重県鈴鹿市
コース Permanent racing facility
コース長 5.807
レース距離 307.771
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー フェラーリ
タイム 1:31.317
ファステストラップ
ドライバー ドイツの旗 ミハエル・シューマッハ フェラーリ
タイム 1:36.125 (15周目)
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位 フェラーリ
3位 マクラーレン-メルセデス

2002年日本グランプリXXVIII Fuji Television Japanese Grand Prix)は、2002年F1世界選手権の第17戦として、2002年10月13日に鈴鹿サーキットで開催された。

予選[編集]

予選開始35分過ぎ、アラン・マクニッシュトヨタ)が130R出口でスピンしてタイヤバリアに激突し、さらに外側のガードレールも突き破るという大クラッシュが発生した。ドライバーに怪我はなかったものの予選は赤旗中断となり、ガードレールを交換・修復するため再開まで1時間15分を要した。

最終的にミハエル・シューマッハフェラーリ)が通算50回目のポールポジション獲得。日本GPでは1998年から5年連続となる。上位グリッドはフェラーリ、マクラーレンウィリアムズジョーダンの順に2台ずつマシンが並んだ。

鈴鹿サーキットレーシングスクール (SRS-F) 出身者である佐藤琢磨(ジョーダン)は今季自己ベストの7番グリッドを獲得。ホンダエンジンユーザー勢では最上位のポジションからスタートする。

なお、予選107%ルールはこのレースを最後に廃止されたが、2011年シーズンに復活することとなる。

予選結果[編集]

順位 No ドライバー チーム 周回
1 1 ドイツの旗 ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1:31.317
2 2 ブラジルの旗 ルーベンス・バリチェロ フェラーリ 1:31.749 +0.432
3 3 イギリスの旗 デビッド・クルサード マクラーレン-メルセデス 1:32.088 +0.771
4 4 フィンランドの旗 キミ・ライコネン マクラーレン-メルセデス 1:32.197 +0.880
5 5 ドイツの旗 ラルフ・シューマッハ ウィリアムズ-BMW 1:32.444 +1.127
6 6 コロンビアの旗ファン・パブロ・モントーヤ ウィリアムズ-BMW 1:32.507 +1.190
7 10 日本の旗 佐藤琢磨 ジョーダン-ホンダ 1:33.090 +1.773
8 9 イタリアの旗 ジャンカルロ・フィジケラ ジョーダン-ホンダ 1:33.276 +1.959
9 11 カナダの旗 ジャック・ヴィルヌーヴ BAR-ホンダ 1:33.349 +2.032
10 15 イギリスの旗 ジェンソン・バトン ルノー 1:33.429 +2.112
11 14 イタリアの旗 ヤルノ・トゥルーリ ルノー 1:33.547 +2.230
12 7 ドイツの旗 ニック・ハイドフェルド ザウバー-ペトロナス 1:33.553 +2.236
13 24 フィンランドの旗 ミカ・サロ トヨタ 1:33.742 +2.425
14 16 イギリスの旗 エディ・アーバイン ジャガー-コスワース 1:33.915 +2.598
15 8 ブラジルの旗 フェリペ・マッサ ザウバー-ペトロナス 1:33.979 +2.662
16 12 フランスの旗 オリビエ・パニス BAR-ホンダ 1:34.192 +2.875
17 17 スペインの旗 ペドロ・デ・ラ・ロサ ジャガー-コスワース 1:34.227 +2.910
18 25 イギリスの旗 アラン・マクニッシュ トヨタ 1:35.191 +3.874
19 23 オーストラリアの旗 マーク・ウェバー ミナルディ-アジアテック 1:35.958 +4.641
20 22 マレーシアの旗 アレックス・ユーン ミナルディ-アジアテック 1:36.267 +4.950

決勝[編集]

前日の予選で大クラッシュを喫したマクニッシュは朝のフリー走行に出走したものの、医師からドクターストップがかかり決勝レースを断念した。トヨタとの契約終了が決まっているマクニッシュは、結果的に自身最後となるグランプリをふいにした。

スタートでは上位が順当なスタートを切り、フロントローのフェラーリ2台が後続を置き去りにして独走態勢に入る。レース序盤、3位クルサードがスローダウンしピットに戻ってリタイア。パニス(BAR)も燃料系トラブルでピットインを繰り返したのちリタイアした。佐藤はルノーの2台に追い上げられながらも6位をキープ。後方ではフィジケラ(ジョーダン)、サロ(トヨタ)、ヴィルヌーヴ (BAR) が10位を争う。佐藤は最初のピットストップでルノー勢に逆転され8位に後退した。

その後もマシントラブルによるリタイアが続く。27周目、ヴィルヌーヴが最終コーナーでエンジンブローしBARチームは全滅となった。32周目には6位のトゥルーリ(ルノー)、38周目にはフィジケラがエンジンブローでリタイア。フィジケラはスタート前にもブローして佐藤のTカーに乗り換えており、この日ホンダエンジンは相次ぐトラブルに見舞われた。レース残り5周、3位ラルフ・シューマッハ(ウィリアムズ)のBMWエンジンもブローし、ライコネン(マクラーレン)が表彰台圏内に浮上した。

他チームの混乱をよそにフェラーリは終始危なげないレース運びをみせ、圧勝のシーズンを5戦連続ワンツーフィニッシュ(今季9回目)で締め括った。年間15勝は1988年シーズンのマクラーレン・ホンダに並ぶ(当時は16戦)。ミハエル・シューマッハはシーズン全戦表彰台に立ち、年間最多勝利記録を11に伸ばした。フェラーリが履くブリヂストンタイヤはF1参戦100戦目で70勝に達した。

佐藤は2回目のピットインでバトン(ルノー)との順位を再逆転し、地元観客の大歓声の中で自身F1初入賞となる5位フィニッシュを果たした。日本人選手の入賞は中野信治(1997年ハンガリーGP)以来5年ぶり。佐藤が稼いだ2ポイントにより、ジョーダンはジャガーとBARを抜いてコンストラクターズランキング6位に浮上した(ジョーダン9点.ジャガー8点、BAR7点)。

決勝結果[編集]

順位 No ドライバー チーム 周回 タイム グリッド ポイント
1 1 ドイツの旗 ミハエル・シューマッハ フェラーリ 53 1:26:59.698 1 10
2 2 ブラジルの旗 ルーベンス・バリチェロ フェラーリ 53 +0.506 2 6
3 4 フィンランドの旗 キミ・ライコネン マクラーレン-メルセデス 53 +23.292 4 4
4 6 コロンビアの旗 ファン・パブロ・モントーヤ ウィリアムズ-BMW 53 +36.275 6 3
5 10 日本の旗 佐藤琢磨 ジョーダン-ホンダ 53 +1:22.694 7 2
6 15 イギリスの旗 ジェンソン・バトン ルノー 52 +1 Lap 10 1
7 7 ドイツの旗 ニック・ハイドフェルド ザウバー-ペトロナス 52 +1 Lap 12  
8 24 フィンランドの旗 ミカ・サロ トヨタ 52 +1 Lap 13  
9 16 イギリスの旗 エディ・アーバイン ジャガー-コスワース 52 +1 Lap 14  
10 23 オーストラリアの旗 マーク・ウェバー ミナルディ-アジアテック 51 +2 Laps 19  
11 5 ドイツの旗 ラルフ・シューマッハ ウィリアムズ-BMW 48 エンジン 5  
リタイア 17 スペインの旗 ペドロ・デ・ラ・ロサ ジャガー-コスワース 39 トランスミッション 17  
リタイア 9 イタリアの旗 ジャンカルロ・フィジケラ ジョーダン-ホンダ 37 エンジン 8  
リタイア 14 イタリアの旗 ヤルノ・トゥルーリ ルノー 32 機械系 11  
リタイア 11 カナダの旗 ジャック・ヴィルヌーヴ BAR-ホンダ 27 エンジン 9  
リタイア 22 マレーシアの旗 アレックス・ユーン ミナルディ-アジアテック 14 スピン 20  
リタイア 12 フランスの旗 オリビエ・パニス BAR-ホンダ 8 機械系 16  
リタイア 3 イギリスの旗 デビッド・クルサード マクラーレン-メルセデス 7 スロットル 3  
リタイア 8 ブラジルの旗 フェリペ・マッサ ザウバー-ペトロナス 3 アクシデント 15  
DNS 25 イギリスの旗 アラン・マクニッシュ トヨタ - 負傷 18  

最終ランキング[編集]

  • 太字はワールドチャンピオン
  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

参照[編集]

前戦
2002年アメリカグランプリ
FIA F1世界選手権
2002年シーズン
前回開催
2001年日本グランプリ
日本の旗 日本グランプリ 次回開催
2003年日本グランプリ

座標: 北緯34度50分35秒 東経136度32分26秒 / 北緯34.84306度 東経136.54056度 / 34.84306; 136.54056