ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

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ライフ・オブ・パイ
トラと漂流した227日
Life of Pi
監督 アン・リー
脚本 デヴィッド・マギー
原作 ヤン・マーテル
パイの物語
製作 アン・リー
ギル・ネッター
デヴィッド・ウォマーク
製作総指揮 ディーン・ジョーガリス
出演者 スラージ・シャルマ
イルファーン・カーン
タッブー
レイフ・スポール
音楽 マイケル・ダナ
撮影 クラウディオ・ミランダ
編集 ティム・スクワイアズ
製作会社 フォックス2000ピクチャーズ
配給 20世紀フォックス
公開 アメリカ合衆国の旗 2012年11月21日
日本の旗 2013年1月24日
上映時間 127分[1]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $120,000,000[2]
興行収入 $609,016,565[3]
日本の旗 19.1億円[4]
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ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(ライフ・オブ・パイ/トラとひょうりゅうしたにひゃくにじゅうななにち、Life of Pi)は、ヤン・マーテルの2001年の小説『パイの物語』を原作とした、2012年アメリカ合衆国3D冒険映画である[5]。制作費は1億2000万ドル。

アン・リーが監督し、デヴィッド・マギーが脚本を執筆し、スラージ・シャルマが主人公のパイを演じる。第85回アカデミー賞で11部門ノミネートし、監督賞、作曲賞、撮影賞、視覚効果賞の最多4部門を受賞した。

あらすじ[編集]

ヒンズー教キリスト教イスラム教とを同時に信奉し、かつ円周率を延々と暗記するほど賢く、泳ぎや楽器も得意な少年パイ。インド動物園を経営していたパイの一家は、新天地を求めて動物とともにカナダに移住を決断。しかし乗船した日本の貨物船は太平洋を北上中に海難事故に遭い、16歳の少年パイが人間では唯一の生存者となる。彼はライフボートでオランウータンハイエナシマウマベンガルトラと過ごすことになる[6]。足を骨折しているシマウマを襲うハイエナ、それに怒ってハイエナを襲うが逆に倒されるオランウータン。ハイエナはベンガルトラに倒され、トラとパイ少年とで広大な海をさまようことになる。ボートにあった道具で筏をつくりボートと筏とでたどりついた島は涅槃仏の形をした楽園であり、水を飲み肉を食べいっときの安らぎを得る。しかしそこは夜になると水が酸性に変り動物を溶かしてしまう恐ろしい島だった。早々に島を逃げ出し再び海をさまよってメキシコの海岸にたどり着くとトラは振り返りもせずにジャングルへと立ち去ってしまい少年パイは寂しく感じる。地元の人間に救助され入院した少年のもとに日本の保険会社が状況を尋ねにやってくる。トラとの漂流の物語を信じない彼らは「誰もが信じられる真実の話」を要求する。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
パイ・パテル スラージ・シャルマ 木村良平
パイ・パテル(成人) イルファーン・カーン 本木雅弘[7]
パイ・パテル(11~12歳) アーユッシュ・タンドン 矢島晶子
パイ・パテル(5歳) ゴータム・ベルール
サントッシュ・パテル(パイの父) アディル・フセイン 木下浩之
ジータ・パテル(パイの母) タッブー 山像かおり
ラヴィ・パテル(パイの兄、7歳) アヤン・カーン
ラヴィ・パテル(パイの兄、13~14歳) モハマド・アッバス・カリーリ
ラヴィ・パテル(パイの兄、18~19歳) ヴィビシュ・シヴァクマール
アナンディ(パイの恋人) シュラヴァンティ・サイナット
カナダ人小説家 レイフ・スポール 土田大
貨物船コック ジェラール・ドパルデュー 菅生隆之
仏教徒の船員 王柏傑
教会司祭 アンドレア・ディ・ステファノ
ママジ(パイの父親の親友) エリー・アルーフ
保険調査員(上司) ジェームズ・サイトウ
保険調査員(部下) ジュン・ナイトウ

製作[編集]

アン・リーが監督し、デヴィッド・マギーが脚本を執筆した。脚本はヤン・マーテルの2001年の小説『パイの物語』を原作としている。リーに決定する以前に多数の監督や脚本家に声がかかっていた[8]。フォックス2000ピクチャーズ重役のエリザベス・ゲイブラーは2003年2月に『パイの物語』の映画化権を購入し、ディーン・ジョーガリスが脚本執筆のために雇われた。10月、フォックス2000はM・ナイト・シャマランを監督とすることを発表した。シャマランは特に小説の主人公がインドのポンディシェリ出身であることに魅了された。シャマランは『ヴィレッジ』の作業を終えた後に本作に取り組むつもりであり、また、ジョーガリスに代わって脚本家も兼任し、新たな脚本を執筆した[9]。だが最終的にシャマランは『ヴィレッジ』の後に『レディ・イン・ザ・ウォーター』を監督する道を選び、フォックス2000は別の監督を探し始めた。2005年3月、新監督としてアルフォンソ・キュアロンとの協議が始まった[10]

キュアロンが『トゥモロー・ワールド』の監督に決定すると、フォックス2000は2005年10月にジャン=ピエール・ジュネを雇った。ジュネはギョーム・ローランと共に脚本を執筆し、2006年中頃にインドで撮影を始める予定であった[11]。ジュネは最終的にプロジェクトから外れ、2009年2月にアン・リーが雇われた[12]。2010年5月、リーとプロデューサーのギル・ネッターは製作費に7000万ドルを要求し、スタジオが尻込みをしたためにプロジェクトが短期間保留された[8]

サバイバル技術のコンサルタントとして、実際に漂流経験があるスティーブン・キャラハン英語版(『大西洋漂流76日間』の著者)が起用されている。

脚本執筆にはデヴイッド・マギーが雇われ、リーは数ヶ月にわたってパイ役の俳優を探した。3000人に及ぶオーディションを行った結果、2010年10月にリーはパイ役に17歳学生で新人俳優のスラジュ・シャルマを選んだ。スラジュは泳げなかったが、空手とインドの伝統音楽を習得していたことと、その純粋で素朴な表情が気に入られた。ガールフレンド役も新人で、実際にインド伝統舞踏の学校に通う生徒である。撮影は2011年1月より台中市墾丁国家公園インドで開始された[13]。2012年9月、リーは国際色豊かなキャストにするという理由からトビー・マグワイアの出演箇所をカットした。マグワイアが演じたヤン・マーテルはレイフ・スポールに代わり、再撮影が行われた[14]

ロケ地[編集]

主に台湾とインドで撮影された。

CG[編集]

  • CG制作は、アメリカのリズム&ヒューズ・スタジオ(R&H)が行なった。同社が手掛けたナルニア国物語を見て、リー監督が発注したもの。ナルニアのライオンよりリアルにしたいという依頼に、アーティスティックな仕事ができることにR&H社は喜び、調査研究と体制作りに一年かけたのち、制作に入った。
  • 劇中に登場するベンガルトラは86%ほどがCGで作られており、人物や動物と同時に映らない、演技を要求されないシーン限定で本物のトラを用いて撮影を行った[15]

公開[編集]

北米では2012年11月21日に3Dと2Dの両方で公開。元々は2012年12月14日を予定していたが、『ホビット 思いがけない冒険』が同日であったために1ヶ月前倒しされた[16]

興行収入[編集]

北米で11月21日水曜日に公開され、25日日曜日までの5日間で3057万ドル、23日~25日の週末3日間で2245万ドルの興行収入を記録し、初登場は5位であった[17]。その後も4週連続で5位をキープするなど、順調に収益を伸ばし続け、最終的に1億2489万ドルの興行収入を記録[18]

日本での公開は2013年1月25日金曜日。26日~27日の週末2日間で、動員21万9536人、興収3億2979万5700円を記録[19]。最終的には19億円を超えるヒットとなった[20]

北米、日本以外の全世界でも同様に大ヒットを記録し、トータル興行成績は6億892万ドルを記録している[21]

評価[編集]

  • レビュー集約サイトのRotten Tomatoesでは映画批評家223人中88%に当たる196人が肯定的評価を付け、平均点は8.0/10となった[22]
  • 第85回アカデミー賞にて『リンカーン』の12部門に次いで多い11部門にノミネート[23]。そして全ノミネート作品の中で最多となる4部門(監督賞、作曲賞、撮影賞、視覚効果賞)を受賞する[24]
  • 米ローリング・ストーン誌「2012年のベスト映画11」 第7位[25]
  • アメリカ映画協会「2012年の映画トップ10」選出(順不同)[26]
  • 米タイム誌「2012年の映画トップ10」 第3位[27]
  • 2012年AFIアワードベスト10選出[28]

ソフト化[編集]

日本では、20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンよりBlu-ray Disc (BD) およびDVDが発売されている。

  • ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 ブルーレイ&DVD (2枚組〈BD + DVD〉、2013年6月5日発売 FXXF-52617)
Disc 1. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(2D版 BD)
Disc 2. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(DVD)
  • ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 コレクターズ・エディション 特製ブックレット付き(4枚組〈2枚組BD + 2枚組DVD〉、2013年6月5日発売 FXXK-52617)
Disc 1. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(3D版 BD)
Disc 2. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(2D版 BD)
Disc 3. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(DVD)
Disc 4. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 特典ディスク(DVD)
  • ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 (DVD、2013年6月5日発売 FXBA-52617)
Disc 1. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(DVD)
  • ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 (BD、2013年11月22日 FXXJC-52617)
Disc 1. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(2D版 BD)
  • ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 3D・2Dブルーレイセット (2枚組BD、2013年11月22日発売 FXXKA-52617)
Disc 1. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(3D版 BD)
Disc 2. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(2D版 BD)
  • ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 (DVD低価格版、2013年11月22日 FXBNG-52617)
Disc 1. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(DVD)

参考文献[編集]

  1. ^ LIFE OF PI (PG)”. 全英映像等級審査機構. 2013年1月5日閲覧。
  2. ^ Life of Pi”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2013年1月5日閲覧。
  3. ^ 世界の縂興行収入
  4. ^ 2013年(平成25年)全国映画概況日本映画製作者連盟 2014年1月28日
  5. ^ Smith, Ian Hayden (2012). International Film Guide 2012. p. 143. ISBN 978-1908215017. 
  6. ^ Life of Pi”. ComingSoon.net. 2011年6月2日閲覧。
  7. ^ <アカデミー賞×アカデミー賞>の奇跡のコラボ実現!! 本木雅弘さんが初の実写洋画吹き替えに挑戦!”. 映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」オフィシャルサイト. 2013年1月7日閲覧。
  8. ^ a b Zeitchik, Steven; Horn, John (2010年5月27日). “'Life of Pi' suffers another blow”. Los Angeles Times. http://latimesblogs.latimes.com/movies/2010/05/life-of-pi-ang-lee-movie-trouble.html 
  9. ^ Brodesser, Claude; McNary (2003-10-08). “'Pi' in sky at Fox 2000”. Variety. http://stage.variety.com/index.asp?layout=awardcentral&jump=news&articleid=VR1117893693. 
  10. ^ Brodesser, Claude (2005-03-31). “Inside Move: New baker for Fox's 'Pi'”. Variety. http://stage.variety.com/index.asp?layout=awardcentral&jump=news&articleid=VR1117920378. 
  11. ^ Fleming, Michael (2005-10-23). “Jeunet gets piece of 'Pi'”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1117931447. 
  12. ^ Fleming, Michael (2009-02-17). “Ang Lee circles 'Life of Pi' film”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1118000240. 
  13. ^ McClintock, Pamela (2010-10-25). “Indian teen newcomer gets 'Life of Pi' lead”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1118026333. 
  14. ^ George Wales (2012年9月6日). “Tobey Maguire cut from Ang Lee’s Life Of Pi”. 'Total Film'. 2012年9月6日閲覧。
  15. ^ アメリカでCG屋をやってみる
  16. ^ McClintock, Pamela (2011-06-01). “'Life of Pi' Moves Back One Week to Avoid 'Hobbit' Film”. The Hollywood Reporter. http://www.hollywoodreporter.com/news/life-pi-moves-back-one-193993. 
  17. ^ [http://www.boxofficemojo.com/weekend/chart/?yr=2012&wknd=47&p=.htm November 23-25, 2012 Weekend]
  18. ^ Life of Pi
  19. ^ 全国週末興行成績:2013年1月26日~2013年1月27日(全国動員集計)興行通信社提供
  20. ^ コラム:大高宏雄の映画カルテ 興行の表と裏 - 第5回
  21. ^ Life of Pi
  22. ^ Life of Pi (2012)
  23. ^ 第85回アカデミー賞「リンカーン」が最多12部門ノミネート!
  24. ^ 第85回アカデミー賞は「アルゴ」が作品賞含む3冠!最多4部門は「ライフ・オブ・パイ」
  25. ^ 米ローリング・ストーン誌「2012年のベスト映画11」
  26. ^ アメリカ映画協会、2012年のベスト映画とドラマトップ10を発表!
  27. ^ 米タイム誌が選ぶ2012年の映画トップ10 1位はパルムドール受賞作
  28. ^ 今年のベスト映画10本を選出するAFIアワード発表

関連項目[編集]

外部リンク[編集]