M・ナイト・シャマラン

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M・ナイト・シャマラン
M. Night Shyamalan
M. Night Shyamalan
ハプニング』の記者会見でのシャマラン(2008年)。
本名 Manoj Nelliattu Shyamalan
生年月日 1970年8月6日(43歳)
出生地 インドの旗 インド ポンディチェリーマヘ[1]
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
配偶者 Bhavna Vaswani (1993-)

M・ナイト・シャマランM. Night Shyamalan, 本名: Manoj Nelliattu Shyamalan, 1970年8月6日 - )は、インド系アメリカ人の映画監督脚本家映画プロデューサーである。

2008年、インド政府によりパドマ・シュリ英語版が授与された[2]

生い立ち[編集]

インドポンディチェリーマヘでヒンドゥー教徒の家庭に生まれる[1][3]。母親は産婦人科医であった[4]。生後6週間でペンシルベニア州フィラデルフィア郊外に移った。ヒンドゥー教家庭であったがシャマランはカトリック系の中学、高校に通い、1988年にニューヨーク大学の奨学金を手にした[5]。シャマランはニューヨーク大学の芸術学部で学び[6]、1992年に卒業した。その当時にシャマランはセカンドネームの「ナイト」をつけた[7]

シャマランは幼少の頃にスーパー8カメラを買い与えられ、早くから映画製作者を志望していた。父親は家系に従って医学の道へ進むことを希望したが、母親はシャマランの意思を尊重した[8]。シャマランはスティーヴン・スピルバーグに憧れ、17歳までに45本もの自主映画を撮った[9]

キャリア[編集]

1本目の映画は大学時代に家族や友人から資金を借りて製作した半自伝的ドラマ作品『Praying with Anger』であった[10]。1992年9月12日にトロント国際映画祭で上映され[11]、さらにイリノイ州ウッドストックで1週間だけ劇場で商業上映もされた[11]

1995年に第2作『翼のない天使』を脚本・監督したが、1998年まで公開されなかった[12]。彼の両親はこの映画ではアソシエイト・プロデューサーであった。映画は限定公開され、600万ドルの製作費に対し、興行収入30万5704ドルを記録した[13]。また同年シャマランはグレッグ・ブルッカーと共同で『スチュアート・リトル』の脚本を執筆した。

1999年には脚本・監督を務めた『シックス・センス』が商業的に成功をおさめ、アカデミー賞では作品賞監督賞脚本賞にノミネートされ、国際的な知名度を上げた。2000年公開の『アンブレイカブル』、2002年の『サイン』もまた興行的、批評的にも成功した。しかし監督6作目の『ヴィレッジ』(2004年)が賛否両論の評価となり[14]、続く『レディ・イン・ザ・ウォーター』(2006年)は製作費7500万ドルを回収できずに興行的にも失敗し[15]、評論家にも酷評され[16]、さらにシャマランは第27回ゴールデンラズベリー賞で最低監督賞と最低助演男優賞を受賞した。2008年の『ハプニング』は興行的に成功するも[17]、批評家の反応はまた低迷した[18]

2010年にはニコロデオンのテレビアニメ『アバター 伝説の少年アン』を原作とした『エアベンダー』が公開される。これは今までオリジナル脚本を書いてきたシャマランにとって初めての脚色の仕事となった。『エアベンダー』の興行収入は全世界で3億ドルを超えたが[19]Rotten Tomatoesでの批評家支持率は6%でシャマランの作品では過去最低の数値となった[20]。また同作品は第31回ゴールデンラズベリー賞では最低作品賞、最低監督賞、最低脚本賞を含む5部門を受賞した[21]

2008年7月、シャマランはメディア・ライツ・キャピタルと共同でナイト・クロニクルズを立ち上げた。シャマランは監督はせずにプロデュースに専念し[22]、2010年に第1作『デビル』が公開された。この映画はシャマランの原案をブライアン・ネルソンが脚本化し、ジョン・エリック・ドゥードルが監督した[23]

2013年5月にはジェイデン・スミスウィル・スミス主演のアフター・アースが公開された。シャマランはこの作品で初めてデジタルでの映画撮影を行った。[24]

その他[編集]

2008年公開の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』のプロジェクトに一時期脚本として関わっていたが、辞退した。このプロジェクトで最初に脚本の執筆を頼まれたのが彼であったという。辞退したのは、当時シャマランは『アンブレイカブル』の製作を終えようとしていた時期で、次作『サイン』のアイデアがすでに頭の中にあったということ、またスティーヴン・スピルバーグジョージ・ルーカスも世界中のあちこちで撮影を行っていたため、3人がそろって話し合うことが困難であったことなどが理由だった[25]

「シックス・センス」「アンブレイカブル」「サイン」「ヴィレッジ」のDVDには、特典映像としてシャマランが少年時代に製作した自主映画の一部が収録されている。

私生活[編集]

1993年にニューヨーク大学時代に出会った心理学者と結婚し[26]、その後3人の娘をもうけた。家族はシャマランがよく撮影現場に使うフィラデルフィア近郊に住んでいる。またシャマランの製作会社であるブランディング・エッジ・ピクチャーズ英語版ペンシルベニア州に在る[27]

フィルモグラフィ[編集]

作品 クレジット 役名 備考
1992 Praying with Anger 監督・製作・脚本・出演 Dev Raman
1998 翼のない天使
Wide Awake
監督・脚本 N/A
1999 シックス・センス
The Sixth Sense
監督・脚本・出演 ドクター・ヒル
スチュアート・リトル
Stuart Little
脚本 N/A
2000 アンブレイカブル
Unbreakable
監督・製作・脚本・出演 ドラッグ・ディーラー
2002 サイン
Signs
監督・製作・脚本・出演 レイ・ラディ
2004 ヴィレッジ
The Village
監督・製作・脚本・出演 ジャイ
2006 レディ・イン・ザ・ウォーター
Lady in the Water
監督・製作・脚本・出演 ヴィック・ラン
2008 ハプニング
The Happening
監督・製作・脚本・出演 ジョーイ(声)
2010 エアベンダー
The Last Airbender
監督・製作・脚本 N/A
デビル
Devil
製作・原案 N/A
2013 アフター・アース
After Earth
監督・脚本・製作総指揮 N/A ウィル・スミス原案、ゲイリー・ウィッタ英語版共同脚本

盗作疑惑[編集]

2003年、脚本家のRobert McIlhinneyは、『サイン』が彼の未発表の脚本『Lord of the Barrens: The Jersey Devil』と類似しているとしてシャマランを訴えた[28][29][30]

2004年、マーガレット・ピーターソン・ハディックス英語版は『ヴィレッジ』が自身の小説『Running Out of Time』と多数の類似点があることを指摘した[29][30][31]

双方の主張を受け、ディズニーとシャマランの製作会社は「(盗作であるという)主張は信用するに値しない」との声明を出した[31]

参考文献[編集]

  1. ^ a b “The need for a Dev Patel in the Life of Pi”. Rediff. (2009年2月20日). http://inhome.rediff.com/movies/2009/feb/20need-for-a-dev-patel-in-the-life-of-pi.htm 
  2. ^ Padma Shri Awardees — Padma Awards.
  3. ^ Bamberger, Michael. The Man Who Heard Voices: Or, How M. Night Shyamalan Risked His Career on a Fairy Tale (Gotham Books, New York, 2006), p. 150.
  4. ^ Chennai Online”. 2009年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月6日閲覧。
  5. ^ Edelstein, David (2006年7月16日). “nymag.com”. nymag.com. 2012年7月23日閲覧。
  6. ^ Dean's Message”. about.tisch.nyu.edu. 2012年9月6日閲覧。
  7. ^ Edelstein, David (2006年7月16日). “M. Narcissus Shyamalan”. New York Magazine. 2010年4月27日閲覧。
  8. ^ NNDB -Manoj Shyamalan.
  9. ^ http://www.imdb.com/name/nm0796117/bio
  10. ^ Bamberger, Ibid., p. 19.
  11. ^ a b IMDb: Praying with Anger Release Information.
  12. ^ Internet Movie Database - Wide Awake Trivia.
  13. ^ The Numbers - Wide Awake Box Office Data.
  14. ^ Rotten Tomatoes T-Meter Rating of ''The Village''”. Rottentomatoes.com. 2012年7月23日閲覧。
  15. ^ Lady in the Water”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年9月6日閲覧。
  16. ^ Rotten Tomatoes T-Meter Rating of ''Lady in the Water''”. Rottentomatoes.com. 2012年7月23日閲覧。
  17. ^ The Happening (2008)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年2月5日閲覧。
  18. ^ Rotten Tomatoes T-Meter Rating of ''The Happening''”. Rottentomatoes.com. 2012年7月23日閲覧。
  19. ^ The Last Airbender (2010)” (英語). Box Office Mojo. 2012年9月6日閲覧。
  20. ^ Rotten Tomatoes T-Meter Rating of ''The Last Airbender''”. Rottentomatoes.com. 2012年7月23日閲覧。
  21. ^ The 31st Annual RAZZIE® Awards”. ゴールデンラズベリー賞. 2012年9月6日閲覧。
  22. ^ Fleming, Michael (2008年7月21日). “Night falls for Media Rights”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1117989271.html?categoryid=1237&cs=1 
  23. ^ Fleming, Michael (2008年10月28日). “MRC, Shyamalan dance with 'Devil'”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1117994794.html?categoryid=13&cs=1&query=shyamalan 2009年1月3日閲覧。 
  24. ^ “シャマラン監督と最新デジタルカメラの出合いが「アフター・アース」の映像美を実現”. http://www.phileweb.com/news/d-av/201202/29/30430.html 
  25. ^ Science Fiction Weekly, Ibid.
  26. ^ The Christian Science Monitor (July 28, 2004): "A Different Take: "Self-directed filmmaker M. Night Shyamalan forges his own sub-genre: suspenseful movies with revealing twists. How a confident Hollywood outsider keeps his focus on family and faith", by Stephen Humphries.
  27. ^ herndon1.sdrdc.com”. herndon1.sdrdc.com. 2012年7月23日閲覧。
  28. ^ Disney and Shyamalan Face Plagiarism Lawsuit”. Movie & TV News. imdb.com (2004年8月11日). 2012年9月6日閲覧。
  29. ^ a b Grossberg, Josh (2004年8月10日). “Shyamalan's "Village" Villainy?”. eonline.com. 2012年9月6日閲覧。
  30. ^ a b Is Shyamalan a copycat?”. Rediff Entertainment Bureau (2004年8月11日). 2012年9月6日閲覧。
  31. ^ a b Susman, Gary (2004年8月10日). “It Takes a Village”. ew.com. http://www.ew.com/ew/article/0,,679258,00.html 2012年9月6日閲覧。 

外部リンク[編集]