ベルリン国際映画祭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベルリン国際映画祭(ベルリンこくさいえいがさい、独: Internationale Filmfestspiele Berlin, 1951年 - )は、ドイツのベルリンで毎年2月に開催されるFIAPF(国際映画製作者連盟)公認の国際映画祭。カンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と並び世界三大映画祭のひとつに数えられる。ドイツではベルリナーレ(Berlinale)と呼ばれることが多い。
目次 |
[編集] 概要
- 他の映画祭と比べると社会派の作品が集まる傾向がある。また、近年は新人監督の発掘に力を注いでいる。
- 最高賞は作品賞にあたる金熊賞(Goldener Bär)。この賞の名は熊がベルリン市の紋章であることに因む。
FIAPF公認の国際映画祭中、2006年の上映作品数は第7位(360本)、来場者数は第1位(418,000人)であった。
[編集] 歴史
1951年に映画史家であるアルフレッド・バウアーをディレクターに開催されたのが起こり。第二次世界大戦前に芸術の都として栄えたベルリンの西側の拠点であり、東側の中にある当時の西ベルリンにて西側の芸術文化をアピールしたいという政治的意図があったとされる。1955年にFIAPFに公式に認められた。当初は東側の作品は除かれており、ソ連の初参加は1974年である。
バウアーの引退後、1976年にヴィルフ・ドナーが第2代のディレクターに就任する。ドナーは夏開催であった本映画祭を2月開催に変更した。1980年に第3代ディレクターとしてモリッツ・デ・ハデルンが就任する。ハデルンはハリウッド映画に重点をおくセレクションを映画祭にもたらした。1994年には、映画にも及んだGATTの貿易対立で、アメリカ側が映画祭をボイコットする騒ぎとなり、ハリウッド重視の方針により大きな影響を受けた。2000年にハデルンはディレクターを解任を宣告され、2001年で退任。2002年からはディーター・コスリックが第4代ディレクターとなっている。
[編集] 部門
ベルリナーレにはコンペティション部門、フォーラム部門、パノラマ部門、レトルスペクティブ部門、青少年映画部門、ドイツ映画部門の6つの公式部門がある。それぞれに部門にディレクターがおり、独立した運営体制をとっている。その他、2004年から始まったベルリナーレ・スペシャルや、映画を売り買いするヨーロピアン・フィルム・マーケット(Europian Film Market)なども開催されている。
- コンペティション部門
- 世界中から優れた映画作品が集められ、最優秀賞である金熊賞などが授与される。
- パノラマ部門
- コンペティション部門からは外れたものの優れた作品を上映する。のちに名をなす監督のデビュー作がこの部門で紹介された事も多い。作品のテーマ、質ともにかなり幅広いのが特徴である。ドキュメンタリー映画が上映されることも多い。
- フォーラム部門
- 以前はヤング・フォーラムという名前であったことから分かるように、若手監督の支援を目的に始まったため、新人の作品が多く上映される。また、アヴァンギャルド映画、実験映画、ルポルタージュの上映、埋もれていた過去の優れた作品を再上映することもある。近年では二つの部門の違いがさほど明らかではなくなってきているようである。
- レトロスペクティブ部門
- 1977年からドイツ・キネマテークの運営で行われており、過去に制作された優れた作品を上映している。毎年テーマが決められ、特定の監督をフィーチャーする場合もある。
- 青少年映画部門(Kinderfilmfest)
- 1978年からあったが、2007年から2つに分かれることになった。Generation Kplusは4歳以上が対象で、11人の子供の審査員によって最優秀賞が選ばれる。Generation 14plusは14歳以上が対象で、7人の子供の審査員によって最優秀賞が選ばれる。
[編集] 賞
- 金熊賞 (Golden Bear / Goldener Berliner Bär) - 以下はInternational Juryによって選出される。
- 銀熊賞 (Silver Bear / Silberner Bär)
- 審査員グランプリ (Jury Grand Prix - Silver Bear)
- 男優賞 (Silver Bear for Best Actor / Silberner Berliner Bär Bester Darsteller)
- 女優賞 (Silver Bear for Best Actress / Silberner Berliner Bär Beste Darstellerin)
- 監督賞 (Silver Bear for Best Director / Silberner Berliner Bär Beste Regie)
- 音楽賞 (Silver Bear Best Film Music / Silberner Berliner Bär Beste Filmmusik)
- 芸術貢献賞 (Silver Bear for an outstanding artistic contribution / Silberner Berliner Bär Besondere künstlerische Leistung)
- アルフレッド・バウアー賞 (Alfred-Bauer Prize / Alfred-Bauer Preis)
- 初監督作品賞 (The Best First Feature Award / Der Preis für den Besten Erstlingsfilm) - Best First Feature Juryによって選出される。
- 短編部門 - International Short Film Juryによって選出される。
- 金熊賞
- 銀熊賞
そのほか名誉賞なども授与される。
[編集] 日本との関わり
- 1963年 - 今井正監督『武士道残酷物語』 が、金熊賞を受賞
- 1963年 - 今村昌平監督『にっぽん昆虫記』で、左幸子が主演女優賞を受賞
- 1975年 - 熊井啓監督『サンダカン八番娼館 望郷』で、田中絹代が主演女優賞を受賞
- 2002年 - 宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』が、金熊賞を受賞
その他の日本映画関連の受賞は、
- 黒澤明監督『生きる』がドイツ上院議員賞
- 今井正監督『純愛物語』が銀熊賞 (監督賞)
- 黒澤明監督『隠し砦の三悪人』が監督賞と国際批評家連盟賞
- 家城巳代治監督『裸の太陽』が青少年向映画賞(西ベルリン参事会賞)
- 篠田正浩監督『鑓の権三』が銀熊賞
- 熊井啓監督『海と毒薬」が審査員特別賞
- 原一男監督『ゆきゆきて、神軍』がカリガリ映画賞
- 東陽一監督『絵の中のぼくの村』が銀熊賞
- 緒方明監督『独立少年合唱団』がアルフレッド・バウアー賞
- 熊坂出監督が『パーク アンド ラブホテル』で新人監督賞
- 若松孝二監督『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』が最優秀アジア映画賞ならびに国際芸術映画評論連盟賞、荻上直子がザルツゲーバー賞などを受賞。
- 園子温監督『愛のむきだし』(2008年)が国際批評家連盟賞 カリガリ映画賞
1965年に日本映画連盟が増村保造監督『兵隊やくざ』(勝新太郎主演)など2作を予選に出したが落選、しかし、日本映画を上映したかった映画祭サイドはピンク映画である『壁の中の秘事』(若松孝二監督作品)を選出し上映したところ、日本映画連盟や日本の評論家が「国辱」と問題視するなど騒ぎとなった。なお、2008年の第58回では、若松孝二監督作品『実録・連合赤軍』の出品に合わせて、再び『壁の中の秘事』とその他の若松孝二監督作品が上映された。
[編集] ギャラリー
[編集] 外部リンク
|
1951 | 1952 | 1953 | 1954 | 1955 | 1956 | 1957 | 1958 | 1959 | 1960 | 1961 | 1962 | 1963 | 1964 | 1965 | 1966 | 1967 | 1968 | 1969 | 1970 | 1971 | 1972 | 1973 | 1974 | 1975 | 1976 | 1977 | 1978 | 1979 | 1980 | 1981 | 1982 | 1983 | 1984 | 1985 | 1986 | 1987 | 1988 | 1989 | 1990 | 1991 | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | |