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'''航空幕僚長'''(こうくうばくりょうちょう、Chief of Staff, Air Self Defense Force)は、[[防衛省]][[航空幕僚監部]]の長であり、航空自衛官の最高位である。空幕長と略する。外国軍の空軍参謀総長に相当し、[[防衛大臣]]の指揮監督の下、[[航空自衛隊]]の任務および隊員の服務を監督し、それらに関する最高の専門的助言者として大臣を補佐する。航空自衛隊の人事、教育訓練、防衛力整備、後方補給などを司るフォースプロバイダー(練度管理責任者)として平時の部隊を管理し、有事の際にはフォースユーザー(事態対処責任者)の[[統合幕僚長]]に航空自衛隊の部隊を提供する役目を担っている<ref>[https://www.kantei.go.jp/jp/singi/shin-ampobouei2010/siryou/hosoku_tougou.pdf 統合運用について] 防衛省 2010年3月</ref>。[[政令]][[指定職]]7号<ref group="注釈">[[自衛官#自衛官と防衛省内局及び他省庁の官僚との比較]]を参照。</ref>の役職である。 |
'''航空幕僚長'''(こうくうばくりょうちょう、Chief of Staff, Air Self Defense Force)は、[[防衛省]][[航空幕僚監部]]の長であり、航空自衛官の最高位である。空幕長と略する。外国軍の空軍参謀総長に相当し、[[防衛大臣]]の指揮監督の下、[[航空自衛隊]]の任務および隊員の服務を監督し、それらに関する最高の専門的助言者として大臣を補佐する。航空自衛隊の人事、教育訓練、防衛力整備、後方補給などを司るフォースプロバイダー(練度管理責任者)として平時の部隊を管理し、有事の際にはフォースユーザー(事態対処責任者)の[[統合幕僚長]]に航空自衛隊の部隊を提供する役目を担っている<ref>[https://www.kantei.go.jp/jp/singi/shin-ampobouei2010/siryou/hosoku_tougou.pdf 統合運用について] 防衛省 2010年3月</ref>。[[防衛省]]に設置される[[特別の機関]]の一つである[[防衛会議]]の構成員で、[[政令]][[指定職]]7号<ref group="注釈">[[自衛官#自衛官と防衛省内局及び他省庁の官僚との比較]]を参照。</ref>の役職である。 |
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階級は[[空将]]であるが、通常の空将が空軍中将に相当するのに対し、航空幕僚長は統合幕僚長と同じ特別の[[階級章 (自衛隊)|階級章]]が定められているため、[[空軍大将]]相当である。特別の階級章とは、通常の空将の階級章は桜星が3つであるのに対し、[[統合幕僚長および航空幕僚長たる空将]]は桜星が4つ<ref group="注釈">[[1962年]](昭和37年)12月1日、[[自衛隊法]]の一部改正により現在の階級章が制定された。それ以前は他の空将と同じ階級章であり、左胸に幕僚長であることを示す幕僚長章を着けていた。</ref>となっている。自衛隊において旧軍や諸外国軍の[[大将]]に相当する処遇を受けるのは統合幕僚長・[[陸上幕僚長]]・[[海上幕僚長]]・航空幕僚長の4人だけである。 |
階級は[[空将]]であるが、通常の空将が空軍中将に相当するのに対し、航空幕僚長は統合幕僚長と同じ特別の[[階級章 (自衛隊)|階級章]]が定められているため、[[空軍大将]]相当である。特別の階級章とは、通常の空将の階級章は桜星が3つであるのに対し、[[統合幕僚長および航空幕僚長たる空将]]は桜星が4つ<ref group="注釈">[[1962年]](昭和37年)12月1日、[[自衛隊法]]の一部改正により現在の階級章が制定された。それ以前は他の空将と同じ階級章であり、左胸に幕僚長であることを示す幕僚長章を着けていた。</ref>となっている。自衛隊において旧軍や諸外国軍の[[大将]]に相当する処遇を受けるのは統合幕僚長・[[陸上幕僚長]]・[[海上幕僚長]]・航空幕僚長の4人だけである。 |
2018年7月4日 (水) 16:40時点における版
航空幕僚長 | |
---|---|
航空幕僚長の旗 | |
任命 |
|
初代就任 | 上村健太郎 |
創設 | 1954年(昭和29年)7月1日 |
ウェブサイト | 防衛省・自衛隊 |
航空幕僚長(こうくうばくりょうちょう、Chief of Staff, Air Self Defense Force)は、防衛省航空幕僚監部の長であり、航空自衛官の最高位である。空幕長と略する。外国軍の空軍参謀総長に相当し、防衛大臣の指揮監督の下、航空自衛隊の任務および隊員の服務を監督し、それらに関する最高の専門的助言者として大臣を補佐する。航空自衛隊の人事、教育訓練、防衛力整備、後方補給などを司るフォースプロバイダー(練度管理責任者)として平時の部隊を管理し、有事の際にはフォースユーザー(事態対処責任者)の統合幕僚長に航空自衛隊の部隊を提供する役目を担っている[1]。防衛省に設置される特別の機関の一つである防衛会議の構成員で、政令指定職7号[注釈 1]の役職である。
階級は空将であるが、通常の空将が空軍中将に相当するのに対し、航空幕僚長は統合幕僚長と同じ特別の階級章が定められているため、空軍大将相当である。特別の階級章とは、通常の空将の階級章は桜星が3つであるのに対し、統合幕僚長および航空幕僚長たる空将は桜星が4つ[注釈 2]となっている。自衛隊において旧軍や諸外国軍の大将に相当する処遇を受けるのは統合幕僚長・陸上幕僚長・海上幕僚長・航空幕僚長の4人だけである。
歴代の航空幕僚長
代 | 氏名 | 写真 | 在職期間 | 出身校・期 | 前職 | 後職 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 上村健太郎 | 1954.7.1 - 1956.7.2 | 東京帝国大学 | 保安庁長官官房長 | 退職 調達庁長官 →1957.7.30 | ||
2 | 佐薙毅 | 1956.7.3 - 1959.7.17 | 海兵50期・ 海大32期 |
航空幕僚副長 | 退職 | ||
3 | 源田実 | 1959.7.18 - 1962.4.6 | 海兵52期・ 海大35期 |
航空総隊司令 | 退職 | ||
4 | 松田武 | 1962.4.7 - 1964.4.16 | 陸士39期・ 東京帝国大学[注釈 3] |
航空幕僚副長 | 退職 | ||
5 | 浦茂 | 1964.4.17 - 1966.4.29 | 陸士44期・ 陸大52期 |
航空幕僚副長 | 退職 | ||
6 | 牟田弘國 | 1966.4.30 - 1967.11.14 | 陸士43期 | 航空総隊司令官 | 第4代統合幕僚会議議長 | ||
7 | 大室孟 | 1967.11.15 - 1969.4.24 | 陸士45期 | 航空幕僚副長 | 退職 | ||
8 | 緒方景俊 | 1969.4.25 - 1971.6.30 | 陸士46期・ 陸大55期 |
航空幕僚副長 | 退職 | ||
9 | 上田泰弘 | 1971.7.1 - 1971.8.9 | 陸士49期・ 陸大58期 |
航空幕僚副長 | 退職[注釈 4] | ||
10 | 石川貫之 | 1971.8.10 - 1973.6.30 | 陸士50期 | 航空幕僚副長 | 退職 | ||
11 | 白川元春 | 1973.7.1 - 1974.6.30 | 陸士51期・ 陸大58期 |
航空幕僚副長 | 第8代統合幕僚会議議長 | ||
12 | 角田義隆 | 1974.7.1 - 1976.10.14 | 海機49期 | 中部航空方面隊司令官 | 退職 | ||
13 | 平野晃 | 1976.10.15 - 1978.3.15 | 海兵69期 | 航空幕僚副長 | 退職 | ||
14 | 竹田五郎 | 1978.3.16 - 1979.7.31 | 航士55期 | 航空総隊司令官 | 第12代統合幕僚会議議長 | ||
15 | 山田良市 | 1979.8.1 - 1981.2.16 | 海兵71期 | 航空総隊司令官 | 退職 | ||
16 | 生田目修 | 1981.2.17 - 1983.4.25 | 航士58期 | 航空幕僚副長 | 退職 | ||
17 | 森繁弘 | 1983.4.26 - 1986.2.5 | 航士60期 | 航空幕僚副長 | 第16代統合幕僚会議議長 | ||
18 | 大村平 | 1986.2.6 - 1987.12.10 | 東京工業大学 | 航空幕僚副長 | 退職 | ||
19 | 米川忠吉 | 1987.12.11 - 1990.7.8 | 青山学院大学 | 航空総隊司令官 | 退職 | ||
20 | 鈴木昭雄 | 1990.7.9 - 1992.6.15 | 防大1期 | 航空総隊司令官 | 退職 | ||
21 | 石塚勲 | 1992.6.16 - 1994.6.30 | 防大3期 | 航空総隊司令官 | 退職 | ||
22 | 杉山蕃 | 1994.7.1 - 1996.3.24 | 防大4期 | 航空総隊司令官 | 第21代統合幕僚会議議長 | ||
23 | 村木鴻二 | 1996.3.25 - 1997.12.7 | 防大6期 | 航空幕僚副長 | 退職 | ||
24 | 平岡裕治 | 1997.12.8 - 1999.7.8 | 防大8期 | 航空幕僚副長 | 退職 | ||
25 | 竹河内捷次 | 1999.7.9 - 2001.3.26 | 防大9期 | 航空総隊司令官 | 第24代統合幕僚会議議長 | ||
26 | 遠竹郁夫 | 2001.3.27 - 2003.3.26 | 防大11期 | 航空幕僚副長 | 退職 | ||
27 | 津曲義光 | 2003.3.27 - 2005.1.11 | 防大13期 | 航空支援集団司令官 | 退職 | ||
28 | 吉田正 | 2005.1.12 - 2007.3.27 | 防大14期 | 航空教育集団司令官 | 退職 | ||
29 | 田母神俊雄 | 2007.3.28 - 2008.10.30 | 防大15期 | 航空総隊司令官 | 航空幕僚監部付[注釈 5] →2008.11.3退職 | ||
- | 岩﨑茂 | 2008.10.31 - 2008.11.6 | 防大19期 | 職務代理(本務・航空幕僚副長)[注釈 6] | |||
30 | 外薗健一朗 | 2008.11.7 - 2010.12.23 | 防大18期 | 情報本部長 | 退職[注釈 7] | ||
31 | 岩﨑茂 | 2010.12.24 - 2012.1.30 | 防大19期 | 航空総隊司令官 | 第4代統合幕僚長 | ||
32 | 片岡晴彦 | 2012.1.31 - 2013.8.21 | 防大20期 | 退職 | |||
33 | 齊藤治和 | 2013.8.22 - 2015.11.30 | 防大22期 | 退職 | |||
34 | 杉山良行 | 2015.12.1 - 2017.12.20 | 防大24期 | 退職 | |||
35 | 丸茂吉成 | 2017.12.20 - | 防大27期 | 航空幕僚副長 |
脚注
注釈
- ^ 自衛官#自衛官と防衛省内局及び他省庁の官僚との比較を参照。
- ^ 1962年(昭和37年)12月1日、自衛隊法の一部改正により現在の階級章が制定された。それ以前は他の空将と同じ階級章であり、左胸に幕僚長であることを示す幕僚長章を着けていた。
- ^ 員外学生として東京帝国大学工学部機械工学科に派遣され、工学士号を取得。技術将校としてのキャリアを歩んだ。陸軍人事上は、陸大卒業者と同等の処遇を受けた。
- ^ 全日空機雫石衝突事故により引責辞任。
- ^ 田母神論文問題により更迭。
- ^ 「幕僚長に事故があるとき、又は幕僚長が欠けたときは、その職務を行う。」(防衛省設置法第25条の2の規定による)
- ^ 航空自衛隊事務用品発注官製談合事件による引責辞任。