九十九里町

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くじゅうくりまち ウィキデータを編集
九十九里町
九十九里町旗
九十九里町旗
九十九里町章
九十九里町章
九十九里町旗 九十九里町章
1962年 (昭和37年)
10月10日制定
日本の旗 日本
地方 関東地方
都道府県 千葉県
山武郡
市町村コード 12403-6
法人番号 8000020124036 ウィキデータを編集
面積 24.44km2
総人口 13,507[編集]
推計人口、2024年3月1日)
人口密度 553人/km2
隣接自治体 東金市山武市大網白里市
町の木 クロマツ
町の花 オオマツヨイグサ
町の鳥 シロチドリ
九十九里町役場
町長 浅岡厚
所在地 283-0195
千葉県山武郡九十九里町片貝4099
北緯35度32分06秒 東経140度26分25秒 / 北緯35.53511度 東経140.44028度 / 35.53511; 140.44028座標: 北緯35度32分06秒 東経140度26分25秒 / 北緯35.53511度 東経140.44028度 / 35.53511; 140.44028
外部リンク 公式ウェブサイト

九十九里町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町 / ― 村

地図
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九十九里町(くじゅうくりまち)は、千葉県東部の山武郡に属する九十九里浜の南部に位置し、都市雇用圏における東京都市圏に含まれる。紀州加太浦漁民によって開かれた片貝(加太開)を中心とし[1]漁業の町、イワシの町として有名である。

概要[編集]

江戸幕府8代将軍・徳川吉宗は、甘藷(現在のサツマイモ)の栽培を青木昆陽に命じ、現在の九十九里町不動堂で試作させている。この結果、享保の大飢饉以降、関東地方や離島においてサツマイモの栽培が普及し、天明の大飢饉では多くの人々の命を救ったと評される。そのため、当地には「関東地方甘藷栽培発祥の地」の碑が建てられている[2]

伊能忠敬生誕地としても知られ、高村光太郎竹久夢二徳富蘆花などの多くの文人墨客が九十九里の地に訪れている[3]。夏には海水浴客で賑う保養地となっている。

地理[編集]

千葉県東部に位置し、県庁所在地である千葉市から約30キロメートルの距離である。東京都都心から60 - 70キロメートル圏内である。都市雇用圏における東京都市圏に含まれ、東金市への通勤率は17.0%(平成22年国勢調査)。

太平洋に面し、九十九里平野および九十九里浜(九十九里海岸)の南部に位置する。ハマナス群生地[4] などの自然が残る。

河川[編集]

隣接する自治体[編集]

歴史[編集]

沿革[編集]

人口[編集]

平成27年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、8.30%減の16,510人であり、増減率は千葉県下54市町村中51位、60行政区域中57位。2022年4月1日には過疎地域に指定された。

九十九里町と全国の年齢別人口分布(2005年) 九十九里町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 九十九里町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

九十九里町(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


行政[編集]

町長[編集]

  • 大矢 吉明(2015年10月12日就任、2期目)

立法[編集]

町政[編集]

定数:16[6]

県政[編集]

国政[編集]

経済[編集]

農業[編集]

平地を生かした稲作や野菜の生産が盛んである。

千葉県園芸特産地指定

漁業[編集]

片貝漁港(第4種漁港)

九十九里町における漁業には、主にイワシまき網漁業、小型船舶によるハマグリ漁、観光遊漁船(釣船)の3種がある。有名な地引き網は、体験型観光としてのみ行なわれている。

水産加工業[編集]

主にカタクチイワシを原料とした水産加工が行われている。生産品目は、みりん干し目刺丸干し煮干しごま漬け、野菜漬けである。なお、地元で採れる岩ガキは大ぶりで味がクリーミーである。

漁港[編集]

観光業[編集]

九十九里町における観光には海水浴サーフィン海釣りなどがある。1970年代頃まで九十九里町における観光といえば、夏季の海水浴が中心で、浜沿いには季節民宿が存在していた。しかし、自動車の普及と交通網の整備により、九十九里町は東京都都心からの日帰り圏となったため、季節民宿は縮小傾向にある。

ガス事業[編集]

南関東ガス田の中にあり、天然ガスを産出する。なお町内のガス供給は町が行っている。

工業[編集]

町内の主な工場

姉妹都市・提携都市[編集]

日本国内[編集]

教育[編集]

千葉県立九十九里高等学校

小学校[編集]

中学校[編集]

高等学校[編集]

交通[編集]

鉄道[編集]

町内に鉄道路線は通っていないが、路線バス高速バスによる交通網が発達しており、東京駅千葉駅のような主要駅への直接アクセスが可能である。

1926年(大正15年)から1961年(昭和36年)までは九十九里鉄道(鉄道路線)が通っていた。廃線後は九十九里鉄道バスが旧鉄道路線沿いを運行している。

かつて存在した鉄道[編集]

九十九里鉄道(1961年3月1日廃止)

バス路線[編集]

九十九里鉄道バス

ちばフラワーバス・小湊鉄道・九十九里鉄道によって路線が運行されており、東京駅や千葉駅と片貝やサンライズ九十九里を結ぶ高速バス、急行バスも運行されている。

道路[編集]

九十九里一宮大原自転車道線
有料道路
主要地方道
一般県道
自転車道

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事[編集]

名所・旧跡[編集]

伊能忠敬記念公園

観光スポット[編集]

九十九里ビーチタワーから望む初日の出
九十九里ビーチタワーから望む初日の出
海の駅 九十九里(いわし資料館)
海の駅 九十九里(いわし資料館)
  • 九十九里浜(海水浴場・サーフスポット)
    • 作田海水浴場
      • 作田サーフスポット
    • 片貝海水浴場
      • 片貝漁港サーフスポット
      • 片貝新堤サーフスポット
    • 豊海海水浴場
      • 豊海サーフスポット
      • 九十九里ビーチタワー - 巻貝をモチーフに作られているタワー、ちば眺望100景
      • 2000年(平成12年)1月1日 - ミレニアム・イヤーの初日の出遥拝者41,000人を記録した[5]
    • 不動堂海水浴場(粟生海水浴場含む)
    • 真亀海水浴場
  • 海の駅 九十九里
    • 2015年4月24日にオープンした片貝漁港の隣接地にある道の駅に類似した博物館・商業施設で、正式な名称は「いわしの交流センター」。農水産物直売所や飲食店、いわし資料館から成る施設であり、約3000匹のマイワシが回遊する水槽を設置するなど、休館が続くいわし博物館の事実上の後継施設となっている。
  • いわし博物館
    • かつて存在した博物館。いわしに関する資料などを展示する、世界唯一の博物館であり、2003年には天皇皇后も訪問した。しかし2004年7月30日にこの地域特有の自然湧出する天然ガスを原因とする爆発事故が発生、死傷者2名を出す惨事となった。これにより博物館は屋根や壁が吹き飛ぶほどの損傷を受け休館した。
  • 国民宿舎サンライズ九十九里
  • 宮島池親水公園

祭事・催事[編集]

  • ふるさと祭り
    • 夏の行事としては毎年八月の初めに片貝海水浴場にてレゲエナイトなどが行われている。
  • 虫おくり
    • 夏の伝統行事[9](毎年7月最終土曜日)
  • 西の下の獅子舞
    • 九十九里八坂神社に保存伝承されている獅子舞で、神輿の露払いとして獅子舞を伝習させたのが始まり。県の無形文化財に指定されている。
  • 九十九里大漁節
    • 千葉県の無形文化財に指定され、九十九里大漁節保存会によって保存伝承されている。
  • 福の種まき
    • 皇産霊神社でとり行われる例祭で、獅子舞・かっこ舞の奉納とともに行われる。
  • 直売朝市
    • 毎週日曜日(7時30分 - 8時30分)、九十九里町役場の駐車場で開催[10]

名産品[編集]

工芸品[編集]

郷土料理[編集]

イワシ漁が盛んであったため、イワシを用いた郷土料理が多い[11]

文化財[編集]

千葉県指定文化財一覧[13]

番号 指定・登録 類別 名称 所在地 所有者または管理者 指定年月日 備考
1 県指定 無形民俗文化財 九十九里大漁節 山武郡九十九里町片貝 九十九里大漁節保存会 昭和38年5月4日
2 西ノ下の獅子舞 山武郡九十九里町西ノ下(八坂神社) 西ノ下獅子舞保存会 昭和45年1月30日
3 記念物(史跡) 伊能忠敬出生地 山武郡九十九里町小関2689 個人(九十九里町) 昭和44年1月10日
4 青木昆陽不動堂甘藷試作地 山武郡九十九里町不動堂301-6 九十九里町 昭和44年4月18日

有名人[編集]

著名な出身者[編集]

観光大使[編集]

  • DISH// :6枚目のシングル曲「イエ〜ィ!!☆夏休み」の歌詞に「九十九里」が登場する縁で、2015年7月11日より初代・九十九里町観光大使に任命された[14]
  • かのんぷ♪ :ウクレレピアノの夫婦アコースティックユニット。九十九里町在住であることから2020年4月1日より2代目・九十九里町観光大使に任命された[15]

九十九里町を舞台・ロケ地とした作品[編集]

音楽[編集]

  • 想い出の九十九里浜Mi-Ke
    • 九十九里町を限定してモチーフにしたという訳ではないが、1990年に大ヒットし、九十九里浜の名前が全国的に知れ渡った。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 『角川日本地名大辞典 12 千葉県』 247頁
  2. ^ 九十九里町の国・県指定文化財 青木昆陽不動堂甘薯試作地
  3. ^ 町長あいさつ | 九十九里町ホームページ”. www.town.kujukuri.chiba.jp. 2019年6月4日閲覧。
  4. ^ ハマナシ群生地 | 九十九里町ホームページ”. www.town.kujukuri.chiba.jp. 2019年6月4日閲覧。
  5. ^ a b 歴史 | 九十九里町ホームページ”. www.town.kujukuri.chiba.jp. 2019年6月4日閲覧。
  6. ^ 町議会のしくみと運営”. 九十九里町. 2019年7月31日閲覧。
  7. ^ 重要文化財 武家屋敷門移設工事が完了しました” (2016年10月5日). 2018年11月15日閲覧。
  8. ^ 武家屋敷|山脇学園中学校・高等学校”. 2020年12月31日閲覧。
  9. ^ 伝統行事 虫おくりの開催について | 九十九里町ホームページ”. www.town.kujukuri.chiba.jp. 2019年6月4日閲覧。
  10. ^ 日本の郷文化 | 名物 郷の名産物 千葉県郷自慢九十九里浜片貝漁港九十九里町の郷の名産物”. jpsatobunka.net. 2019年6月4日閲覧。
  11. ^ 特産品|九十九里エリア観光ガイド”. 九十九里・東金・山武・大網白里・芝山・横芝光エリア観光ガイド. 2019年6月4日閲覧。
  12. ^ 千葉県. “千葉ブランド水産物認定品”. 千葉県. 2019年6月4日閲覧。
  13. ^ 千葉県. “九十九里町の国・県指定文化財”. 千葉県. 2019年6月11日閲覧。
  14. ^ DISH//が初代九十九里町観光大使に就任しました” (2015年7月13日). 2015年7月23日閲覧。
  15. ^ 九十九里町2代目観光大使 かのんぷ♪” (2020年5月19日). 2020年5月20日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]