VF-1 バルキリー

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VF-1 バルキリー(ブイエフ・ワン バルキリー Valkyrie)は、「マクロスシリーズ」に登場する架空の兵器。初出は、シリーズ第1作として1982年に放送されたテレビアニメ超時空要塞マクロス』。ファイター(航空機)とバトロイド(人型ロボット)、両者の中間形態であるガウォークの3形態に変形する可変戦闘機(ヴァリアブル・ファイター=VF)。

劇中では主人公「一条輝」が所属する地球統合軍の主力機として登場し、敵陣営であるゼントラーディ軍と戦う。以降に制作されるシリーズ作品でもさまざまな改良機・後継機が登場することから、これらの機体の始祖としてあつかわれる。

愛称(ペットネーム)の「バルキリー」は、北欧神話に登場する女性の半神ワルキューレ(独:Walküre)の英語名。実在の試作戦略爆撃機XB-70から、作中でVF-1の愛称に引用された。デザインモチーフは、同じく実在するアメリカ海軍戦闘機F-14 トムキャット。以降のVFシリーズも慣例的に「バルキリー」と総称されるが、本項目ではVF-1とそのバリエーション機のみについて記す。

メカニックデザインは、以降の「マクロスシリーズ」にも深いかかわりを持つ河森正治

概要[編集]

人型に変形するアニメのロボット兵器の中でも、実在の航空機に近いファイター形態と、そこから手足を展開したガウォーク形態という斬新さから、視聴者に人気を博した。当時のロボットアニメでは、主人公機は高性能で強いのが当然だったが、VF-1は形状や色の違いこそあれ、基本的には大量生産された量産機であるという設定も斬新だった。

脚本や設定を一部変更した劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』では、宮武一貴によってディティールアップを始めとする設定のリニューアルがなされている。

放送開始から28年が経過した2010年に『マクロスエース』で行われた人気投票でも、VF-1Jが3位、VF-1Sが4位を獲得するなど根強い人気を持つ。

デザイン[編集]

「マクロスシリーズ」のメインクリエーターであるスタジオぬえの河森正治が、宮武一貴の協力を得て約2年をかけてデザインした。原案は「飛行形態を持つ変形パワードスーツ」、つまり衣服や鎧の延長線上の位置づけで進められており、初期デザインの「ブレストファイター」まではアニメロボットらしい角張ったデザインであった。しかし、両腕の収納法を、F-14から閃いたことをきっかけにリアル志向に転じ、きわめて現用機的なフォルムの完成に至った。一般的に「F-14をモデルにロボットへの変形をデザインした」と表現されることが多いが、実際は「ロボットからリアルな戦闘機形態を生みだした」アプローチであったといえる。さらに、玩具の試作過程ではスタジオぬえの没企画で日の目を見なかった二足歩行兵器(ガウォーク)のアイデアも導入され、かつてない3段変形のメカニックデザインが誕生することになった。しかし、完成したデザインもスポンサー受けは悪く「飛行機と宇宙戦艦は売れた試しがないので、やめてくれ」と却下されてしまう。困った河森は、渡辺技研の協力で実際に変形するモックアップを製作する。この出来が非常に良かったため、スポンサーからの承諾を得ることに成功する[1]

VF-1が変形することは、放映開始直前のアニメ誌(アニメックなど)の記事でガウォーク形態が発表されるまで伏せられており、初放映時の第1話・第2話を合わせた1時間スペシャルの前半ラストで、リアルな形状の戦闘機形態からロボット形態に一瞬で変形するシーンが、板野一郎の作画で描かれた。なお、この1時間スペシャルのオープニングでは、ファイター形態からバトロイド形態へ変形するカットが使われていない。

この「リアルな戦闘機がロボットに変形する」というコンセプトは続編やゲーム版などに登場する後継機種に受け継がれ、河森のライフワークとも言えるものになっている。スーパーロボット的なケレン味と兵器的なリアリティーという相反する要素を備えたVF-1の変形機軸は、ロボットアニメのデザイン史上に画期的な功績を残した。SFアニメで初めて、航空機を主役メカとしたのも本作である。

さらに、従来のロボットアニメになかった要素ということで、追加アーマーとミサイルポッドを装備したアーマードバルキリーがデザインされた。また、VF-1はF-14と似ているため、独自の形状の機体を作りたいということから、スーパーバルキリーがデザインされた。アーマードバルキリーでは変形ができなくなったため、その反省からスーパーバルキリーでは変形機構を阻害しないよう、デザインされている。これらの追加パーツは、タカトクトイスからバルキリーの可変トイの試作品が届いた段階で、河森が発泡スチロールを用いて作成することにより、実現した[2]

機体解説[編集]

諸元
VF-1 バルキリー
分類 可変戦闘機
所属 地球統合軍
設計 ストンウェル・ベルコム社
開発 ストンウェル・ベルコム社
製造 ストンウェル・ベルコム社
生産形態 量産機
全高 3.84m(ファイター)
8.7m(ガウォーク)
12.68m(バトロイド)
全長 14.23m(ファイター)
11.3m(ガウォーク)
4m(バトロイド)
全幅 14.78m(主翼展張時)
8.25m(主翼後退時)
7.3m(バトロイド)
空虚重量 13,250kg
エンジン (主機)新中州重工/P&W/ロイス FF-2001 熱核反応タービン×2
(副機)液体ロケットブースター×3
推力 (主機)11,500kg×2
(副機)8,333kg
最高速度 M2.81(高度10,000m)
M3.87(高度30,000m以上)
武装 マウラー RöV-20 11mm対空レーザー機関砲×2
ハワード GU-11 55mm3連ガトリングガンポッド×1
選択式装備 AMM-1 対空対地ミサイル×12
UUM-7 マイクロミサイルポッド×4
RMS-1 大型対艦反応弾
他多数
オプションパック GBP-1S プロテクターウェポンシステム
SP スーパーパック
乗員人数 1名(複座型あり)
搭乗者 一条輝(A型、J型、S型、D型、VT-1)
ロイ・フォッカー(S型)
柿崎速雄(A型)
マクシミリアン・ジーナス(A型、J型、S型、D型)
ミリア・ファリーナ(A型、J型、S型、D型)
熱気バサラ(VT-1C)
ミレーヌ・ジーナス(J型)
ガムリン木崎(J型)
ハヤテ・インメルマン(EX型)
ミラージュ・ファリーナ・ジーナス(EX型)

ゼントラーディ軍との第一次星間大戦において活躍した地球統合軍(のちの新統合軍)の主力戦闘機。航空機型のファイター、鳥型のガウォーク、人型のバトロイドの3形態に変形するVFシリーズの初代量産機であり、優れた汎用性と発展性から傑作機として高く評価されている。

外観は20世紀後半に配備された艦上戦闘機F-14 トムキャット」をベースとしているが、バトロイド形態の全高 (12.68メートル) に合わせて設計されたため[3]、ファイター形態時の全長もF-14(19.1メートル)より5メートル近く短縮されている。F-14と同じく、主翼には速度に応じて最適の揚抗比を得られる可変翼を採用。これはバトロイド形態時に被弾面積を減らす利点もある。可変翼特有の空力重心の変化には、機体パネル(バトロイド形態時の胸部)上のスリットから境界層流を吸い込むことで調整を行う。推力偏向二次元ノズルで上下方向の機動制御を行うため水平尾翼は不要となった。機首は宇宙空間での生存率向上を図り、胴体から分離しサバイビングセルとして機能する。分離したコクピットは、ガンポッドのようにバトロイドの腕部に装着することが可能で、ファイターやガウォーク形態への変形にも支障なく、そのままの空輸送が可能となっている。腕部には小型の補助マニピュレーターが内蔵され、自機や友軍機の自動修理プログラムを備えている。

主機の熱核反応タービンエンジン「FF-2001」は、VF計画の全領域性能の根幹となる新技術であり、取り込んだ大気を高熱圧縮して推進剤として噴射するため、大気圏内ではほぼ無限の航続性能を可能にする(ただし、熱核反応剤の搭載量の限界があるため、約700時間とされている)。一方、大気のない宇宙空間では水素などを強制推進剤とするが、変形機構に機内容積を圧迫されたため搭載量は少なく、作戦行動時間は高機動モードで約1分、通常でも約10分と極めて短い。この熱核エンジンの小型化が最も遅れたため、統合戦争末期に試作された 「VF-0 フェニックス」では通常のジェットエンジンで代用された。そのほかの機動装備として、ガウォーク・バトロイド形態時の背部パックに液体ロケットブースターを3基、機体各所に姿勢制御スラスターを内蔵する。

エンジン出力および空戦能力はVF計画発動当時の通常戦闘機レベルだが、新素材導入により大気圏再突入も可能な耐熱性と機体強度を保持する。更にバトロイド形態時には、余剰推力を用いたエネルギー転換装甲で格闘戦への備えが図られている。それでも陸戦兵器としては、火力・装甲の弱さとエンジンの大出力のアンバランスさが運用面のネックとして疑問視されていた。航空機としては破格の強度だが陸戦兵器としては脆弱、というVF-1のこの耐弾防御性能は『超時空要塞マクロス』オンエア当時の各種メディア[4]では公式設定としてあつかわれており、アーマードバルキリーも防御力および余剰出力問題の解決策であるとされていた。しかし、その後の続編で「エネルギー転換装甲」という新設定が後付けされ、VF-1やその原機VF-0の装甲脆弱問題はなかったことにされており、この問題が言及されることはなくなった。

操縦系はバトロイド形態とファイター / ガウォーク形態とで系統が異なっている。ファイター / ガウォーク形態は従来の戦闘機に近い有視界コクピットで、メインコンソールは3つの全面モニターを備えたグラスコクピットになっている。またガウォーク形態用の腕部操作グリップが設けられている。後期生産型では一面モニターとなり、ほかに照準や敵機シンボルなどが視界に直接3次元投影されているほか、バトロイド形態も加えてサイドスティックスロットルレバーが腕部操作にも用いられる。

一方バトロイド形態ではキャノピーが防弾・防熱カバーに覆われ、視界はすべて頭部カメラ映像のモニター表示に頼ることになる。コクピットが機体前面の真正面に位置するため、格闘戦闘では生存性に難がある。なお、バトロイド形態におけるパイロットの乗降・脱出の際は、頭部が前方に折れ曲がった後にシートがせり上がるようになっている。

バトロイド形態ではほぼ人間と同様の動作が可能で、ブリタイ艦に乗り込んだマクシミリアン・ジーナス機がゼントラーディ兵から奪った軍服を着て歩き回り、そのままガウォークに変形する場面がある。

武装[編集]

GU-11 55mm3連ガトリングガンポッド
ファイター形態では機体下部に装着した状態で、バトロイド / ガウォーク形態ではマニピュレータにより保持した状態でそれぞれ使用される[5]。携帯弾数は最大180発。ファイター形態では空力の関係から機関部がカバーで覆われているが、バトロイド形態では冷却のためにカバーが開き、むき出しになる。また、バトロイド形態ではスリングを使用することもできる。砲口の上部にはセンサーが設置されている。
RöV-20 11mmレーザー機銃
バトロイド時は頭部に、ファイター / ガウォーク形態では機体下部に位置する。機体のタイプにより門数が異なる(型式の項を参照)。
選択装備
左右主翼の4 - 6か所のハードポイントに装備される。劇場版では冒頭のタイタン近傍の戦闘で長射程対空反応ミサイル4発とUUM-7 2基を装備して出撃したように、混載も可能である。そのほか、地上防衛部隊用に各国の従来航空機用のミサイル・爆弾の装備も可能になっている。
AMM-1対空対地ミサイル・アロー(最大12発)
交戦対象である異星人の兵力が未知数であったことから、破壊力はやや強力になっている。
UUM-7マイクロミサイルポッド(GH32マイクロミサイル15発入りを最大4基)
実際のゼントラーディ軍の用兵思想が防御性に劣る歩兵や戦闘ポッドを大量投入するものであったことから、比較的破壊力の低い弾頭を多く装備することを念頭に追加開発された。前方に10発、後方に5発発射できる。ミサイルポッドは直方体状の形状から空気抵抗が大きく、基本的には宇宙空間専用の装備とされるが、スカル小隊など一部のパイロットが大気圏内で使用したことがある[6]
RMS-1対艦大型反応弾(最大6発)
ボドル基幹艦隊との決戦に使用された大型反応弾。

上記のほか、敵ミサイルの誘導を撹乱させて回避するためのフレアディスペンサーを備えている。なお、巨大異星人との至近戦闘を想定して開発されたにもかかわらずバトロイド形態での白兵戦装備はないが、ガンポッドは装備弾数が少ないにもかかわらず再装填機構がなく、マニピュレータによる打撃武器としての使用も可能である。

変形機構[編集]

変形操作はテレビ版と劇場版では異なる。テレビ版では「B」「G」「F」と書かれた形態選択レバーを下げることでバトロイド、ガウォーク、ファイターに変形する。ただし、これでは変形を行うためにはコントロールスティックから手を離す必要があるという欠点があった。劇場版では一体型のコントロールスティックが変形操作も兼ねるようになっている。コントロールスティックを直立させた状態ではバトロイドに、斜めの状態ではガウォークに、倒した状態でファイターに変形する。変形は全自動で行われ、各可動部の高速パルスアクチュエータが熱核反応エンジンからのエネルギー伝導により、加減速G空気抵抗に逆らい機体各ブロックの移動・組み換えを行う。通常ファイターからバトロイドへの変形所要時間は約3秒。作中ではアクション演出により、ほぼ瞬間的(0.5秒以下)に変形するように描写されている。その一連の変形プロセスは以下のとおり。

  1. エンジンブロック(脚部)の下方展張、エアブレーキスポイラーの作動により高速飛行からの減速を行う。
  2. 両脚の逆関節が鳥脚状に屈曲。推力偏向ノズルが開き、逆噴射でさらに減速。この状態は「ガウォーク・ファイター」とも呼ばれる。
  3. 尾翼が折り畳まれ、背部ブースターパックが前方へ180度回転移動。機体下面の両腕ブロックが主翼下に引き出され、ガンポッドが右腕に握られる。戦闘機に手足が生えたようなこの状態が「ガウォークモード」。
  4. 機体上面が前(胸部)後(背部)に分割。胸部プレートが前方にスライドし、機首後部を覆う(コクピットカバーが降りる)。
  5. 分割部を支点に前後の機体が折り重ねられ、バトロイドの胴体となる。背部プレートの一部が開き、その空間を抜けて機首下方の頭部(メインカメラ兼銃座)が移動する。
  6. トラベルヒンジで支えられた脚部全体が前方に90度回転。機首両脇のバルジに接合しバトロイドの腰部となる。空気吸入口はシャッターが閉じる。
  7. 可変主翼が最後退位置へ閉じられる(ただし、主翼下にミサイルなどを吊るした場合は展張位置に保たれる)。

後継機に比べVF-1の変形プロセスは洗練されておらず、所要時間も戦場において実戦的とは言いがたい。しかし、用法次第ではドッグファイト戦術に新たな可能性が開けることが、歴戦のエースパイロットたちによって証明されている。

ファイター・ガウォークからバトロイドへの変形時の脚部移動は、設定どおりに再現すればいわゆる「組み替え変形」になるが、独自解釈により取り外すことなく変形できる玩具も多い。

作中での経緯[編集]

開発[編集]

1999年、地球に墜落した宇宙戦艦(のちのSDF-1 マクロス)から、身長10メートル強の巨大異星人の存在が判明する。オーバー・テクノロジー (OTM) を用いた対抗兵器の1つとして、空軍海軍海兵隊は高機動力と格闘能力を兼ね備える全領域可変戦闘機=VF (Variable Fighter) 計画を発動した。艦隊防空・地上支援・特殊任務などあらゆる用途を検討した結果、航空機と人型ロボットを融合する奇抜なコンセプトが創出された。

航空メーカーのストンウェル社とベルコム社の共同による本機の設計チームは、陸軍系のデストロイドよりも早く2001年2月に結成されたが、前代未聞の新兵器であるために開発は難航した。動力系の新中州重工と陸軍系のセンチネンタル社の協力で、2007年2月に試作機VF-X1が初飛行を迎える。当初、変形モードはファイターとバトロイドの2つであったが、テスト中に偶然ガウォークの有用性が見出され、急遽機体設計に盛り込まれることになった。2008年7月にはマヤン島沖のプロトカルチャー遺跡争奪戦において、従来型エンジンを装備した先行量産機VF-0が実戦投入され、反統合同盟軍側の可変戦闘機SV-51と交戦し、その実戦データはVF-1の開発にも大きく貢献することとなった。

制式採用型VF-1のロールアウトは2008年11月、マクロス進宙式のわずか4か月前だった。生産1号機にはデモカラーが施され、統合軍の新型戦闘機として発表されたが、当初は人型に変形することは公表されなかった。1号機はその後、頭部やエンジンを交換し、S型の1号機となった。オーバー・テクノロジーによる超高性能ゆえ、1機あたりデストロイド20機分という陸上兵器としては問題外の超高価格となったが、航空兵器の範疇で見ればさほど常識外とは言えないために量産の妨げとはならず、マクロス進宙までに1,000機以上が実戦配備された。むしろ、在来機からの機種転換が課題となり、バトロイド形態の操縦に戸惑うパイロットたちが多かった。

開発企業名に関して[編集]

作品世界での設定では、2007年から2009年にかけてストンウェル (Stonewell) とベルコム (Bellcom) が合併し、ストンウェル・ベルコム (Stonewell & Bellcom) として、本機の開発を推進したとされている。ストンウェル・ベルコムと新中州重工の航空機部門が合併したことで、2012年には新星インダストリーが誕生したとされており、第一次星間大戦後は同社がVF-1の製造・改良を行ったと設定されている。

また、上記の企業の名称は現実世界にかつて実在した下記の企業、あるいは現に存在している企業名をもじったものである。

ストンウェル(ロックウェル・インターナショナル / Rockwell International
1996年12月、ロケットダインを含めた宇宙部門全体と防衛部門の大部分をボーイング統合防衛システム部門に売却し、消滅した。
Bellcom(ベル・ヘリコプター・テキストロン / Bell Aerospace Textron
1960年、テキストロン社によってベル・エアロスペース社は買収され、ベルエアロスペースはベルエアクラフト社の3部門で構成された。その中にはヘリコプター部門も含まれており、唯一の航空機生産部門となる。ヘリコプター部門はベル・ヘリコプター社と名前を変え、テキストロン社中で最大の部門を創出した。1976年、テキストロンは名前をベル・ヘリコプター・テキストロンに変更し、「固定翼航空機」製造企業としては姿を消した[7]

実戦[編集]

2009年2月、第一次星間大戦が勃発すると、SDF-1マクロスにはフォールド事故に巻き込まれた攻撃空母プロメテウス所属の航空部隊が配備される。おもに防空迎撃任務に就き、一条輝、ロイ・フォッカーマクシミリアン・ジーナスら名パイロットの活躍で、マクロス捕獲をはかる敵艦隊や機動兵器の襲来を退ける。大戦末期には宇宙戦用の追加パーツを装備したスーパーバルキリーが投入され、最終決戦の「リン・ミンメイ作戦」では、反応弾による対艦一斉攻撃で多大なる戦果を挙げる。

引退[編集]

作品上および関連作品上、戦後は新統合軍下で治安維持活動などに従事。主力機の座を「VF-4 ライトニングIII」に譲り2015年に生産終了となるが、VF-4が大気圏内領域を苦手としていたこともあって10年以上現役機として運用される。2020年以降は退役が進み、民間へ払い下げられスポーツ・レジャー用とされた例も多いが、アップデートにより2060年代まで配備された機体もある。

また、VF-4や「VF-5000 スターミラージュ」などの後継機もVF-1の基本設計をベースに開発され、汎用機という思想も正統な後継機「VF-11 サンダーボルト」に受け継がれることになる。50年後、AVF(次世代可変戦闘機)計画以降の高性能機が現われる頃になっても、VF-1は最も愛された機体として抜群の知名度を持ち、愛称の「バルキリー」はVFシリーズの代名詞として一般に定着している。

バリエーション[編集]

基本設計を同じにし、カラーリングや頭部の違いでキャラクターごとの登場機体の個性を出すと言う手法でいくつかの派生型(バリエーション)が設定された。劇場版製作時には細部の設定をリニューアルしており、後に生産ブロックの違いという設定が後付けされた。以下、関連資料による設定。

マクロス進宙に部隊配備が間に合うよう各社で平行生産されたため、同じ生産時期、ブロックでも仕様に相違がある。おもにブロック1から4までの初期型と、ブロック5以降の改良型に大別され、ブロック5以降は大気圏外戦闘を主目的として、アビオニクスおよびコックピットの大幅改造が行われている。ブロック4までの変形レバーは操縦系とは別個に設置されており、一瞬とはいえ戦闘中の変形にタイムロスを発生させる要因となっていた。ブロック5以降の改良型の操縦系は変形モードがスロットルレバーと統合され、容易に瞬時の選択が可能となり、キャノピー内面に識別表示が立体投影される。

また、機体を活用して練習用、偵察用などの派生型も生まれている。

超時空要塞マクロス[編集]

VF-X1
熱核反応エンジンや変形機構の実用試作機。頭部が設けられていない。オーバーテクノロジーをより採用した競作機VF-X-2も存在した。テスト中、ガウォーク形態のホバリング能力が地表高速移動に適すると判明し、機体構造の見直し、推進系の調整が施された。色はグレーで、エンジンナセル部には「TEST」と入っている。第33話「レイニー・ナイト」の回想シーンに登場。
VF-1A
一般兵士用として各社が並行生産した量産型でVF-1の中でも生産台数は最も多い。頭部(カメラ兼銃座)上部にはマウラーRöV-20レーザー機銃1門が装備されている。一般的なカラーリングはライトブラウンだが、第16話「カンフー・ダンディ」に登場するエンジンナセルがオレンジの機体、第19話「バースト・ポイント」に登場する純白の機体などさまざまなカラーバリエーションが存在する。
VF-1A エンジェルバーズ仕様
VF-1A 5機編隊による統合軍アクロバットチーム「エンジェルバーズ」の機体は青と赤のラインが入っている。ガンポッドは装備しておらず、発煙装置を用いた曲技飛行を披露する。第1話「ブービー・トラップ」に登場。
VF-1A キャヴァリアーズ
第5話「トランス・フォーメーション」に登場。濃紺に赤いラインが入っている。詳細は不明だが、ファンの間では「ステルス塗装の黒い機体」などと呼ばれていた[8]。のちに非公式設定本の『ヴァリアブルファイター・マスターファイル』にてSVF-26 キャヴァリアーズの機体という設定があとづけされる。
VF-1A 柿崎機
バーミリオン小隊2番機・柿崎速雄の機体は量産機に近いカラーリングだが、胸部パネルが白で、肩がライトブラウンになっている。
VF-1A マックス機
バーミリオン小隊3番機・マクシミリアン・ジーナスの機体は青と白にカラーリングされている。
VF-1A アラスカ統合軍本部仕様
アラスカの統合軍本部の機体はグリーンと白にカラーリングされている。第15話「チャイナ・タウン」に登場。
オーガス・バルキリー
超時空世紀オーガス』のオーガスに似た形状の機体。頭部形状はVF-1Aで、腰部にはアーマードパック、脚部にはスーパーパックを、胸部および肩部はオーガスのような外装を装備しており、左腕部には丸いシールドを装備している。カラーリングは白と赤。第27話「愛は流れる」、第36話「やさしさサヨナラ」に登場するが、どちらも敵の攻撃で破壊されている。
VF-1J
新中州重工がライセンス生産の際、A型の火力不足を補うため頭部ユニットを九星重工製の武装強化型へと換装したタイプ。頭部両側面にRöV-20を単装1門、計2門装備し、頭部そのものが砲塔として旋回を、左右各砲基部が俯仰を行う。最大仰角は180度であり、真後ろを指向することも可能である。元々はA型同様通常量産機だが、生産地区が限られていたため配備数は少なく、主に小隊長機、エースパイロット機として運用されることが多かった。また初期はアーマード・バルキリーに換装可能なのはJ型のみであった[9]。なおJは「JAPAN」を意味しており、生産区域を表している。一般機はVF-1A同様ライトブラウンのカラーリングとなっている。
VF-1J 一条機
一条輝が入隊(スカル大隊23番機)から、バーミリオン小隊長時代(バーミリオン1)まで使用した機体で、作品における主役メカ的存在である。カラーリングは白地に赤いラインが入ったもの。
VF-1J(後期型) マックス機
後期生産型はエンジンとアビオニクスに改良が施された。少数のみ生産され、エースパイロットに配備された。マクシミリアン・ジーナス機は青く塗装されている。『マクロスM3』にも登場する。
VF-1J(後期型) ミリア機
ミリア・ファリーナ機は赤地に白のラインが入った機体。『マクロスM3』、『マクロス7』にも登場する。
VF-1D
VFへの機種転換用に改修された複座型訓練機。コクピットの延長により、機体上面パネル(バトロイド時の胸部)の形状が異なる。J型と同様、頭部側面にRöV-20を各1門装備し、実戦参加も可能。
作品冒頭、一条輝が成り行きでオレンジ色のVT-102号機に搭乗し、劇中では最初に変形を披露する。
VF-1D 一般機
ライトブラウンのカラーリングのVF-1D。第25話「バージン・ロード」に登場。
VF-1D バージン・ロード
マックスとミリアが星間結婚式で使用した複座型の機体。マックスのパーソナルカラーの青に塗装されている。また、機首にあるカウンターバーニアがレーザー砲に改装されている。白いタキシードを着たマックスとウェディング・ドレスを着たミリアが搭乗した。結婚式の最中にゼントラーディ軍との戦闘になり、出撃している。第25話「バージン・ロード」に登場。
VF-1S ロイ・フォッカー・スペシャル
J型と同様に、ノースロム社がライセンス生産で試みた性能向上タイプ。エンジンを推力向上型FF-2001Dに換装。ブロック12以降のA+型機体に九星重工製の武装・通信・モニター強化型頭部ユニットを搭載する。頭部両側面にRöV-20を連装2門、計4門装備。コスト面で少数生産に限られたため、中隊・大隊クラスの指揮官機(CAG機)として使用される。
テレビシリーズではロイ・フォッカー・スペシャルと呼ばれる機体のみが登場している。アメリカ海軍の第84戦闘飛行隊(ジョリーロジャース)を模した黒、黄、「スカル&クロスボーン」のマーキングが施されている。後に一条輝に与えられる。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか[編集]

劇場の大スクリーンでの鑑賞に堪えるようにディティールアップされている。コクピットの設定も変更されている。指が角ばったものになっており、タッチセンサーが設置されている。

VF-1A
劇場版における量産機。一般機はライトブラウンのカラーリングとなっている。「This is ANIMATION Special マクロスプラス」などの後年発表された書籍では大気圏外用に改良され、頭部カメラの仕様も異なるブロック5以降の機体をA+(エープラス)型と区別する場合もある…としている。
VF-1A 一条機
劇場版の一条輝はJ型に乗らず、白地に赤と黒のラインマーキングが施されたA型に搭乗する。コクピットカバーにはスカル小隊の髑髏が描かれている。機体番号は011。ミンメイ救助の際に閉鎖区画に突っ込んで全損。
VF-1A 柿崎機
劇場版の柿崎機は白地に緑と黒のラインマーキングになっている。機体番号は012。地球におけるメルトランディ軍との戦いで撃墜される。
VF-1A マックス機
劇場版のマックス機はテレビ版のA型とはカラーリングのパターンが異なる。カラーリングは青だが、一条機同様のラインパターンになっている。機体番号は013。
VF-1J
劇場版では土星軌道上の戦闘にてSDF-1の直援部隊のアーマード・バルキリーが1カット映るのみ。機体番号310でH・Yのマーキングがある。
VF-1S
劇場版ではJ型に代わり小隊長機として複数が配備されており、スカルワン(スカル小隊長機)だけでもフォッカー機、マックス機、輝機の3機が登場する。フォッカー機、一条輝機は後述のストライクパックを装備する。
VF-1S ロイ・フォッカー・スペシャル
フォッカー機はカムジン03350と相討ちとなり爆散。カラーリングはテレビ版同様で白地に黄と黒。
VF-1S マックス機
フォッカーが戦死し、一条輝が行方不明になったためスカル小隊隊長になったマックスに与えられたVF-1S。カラーリングは白地に青と黒。マックスがメルトランディに帰化したため未帰還。
VF-1S 一条機
マックスがメルトランディとの戦いで行方不明になったためスカル1となった一条輝に与えられたVF-1S。カラーリングは白地に赤と黒。ボドルザーとの最終決戦に出撃する。
VT-1 オストリッチ
ノースロム社が生産したブロック5以降の後期生産型をベースにした非武装複座型訓練機。空戦能力を要求されないため、機首や翼面形状、背部ブースターパックの畳み方が異なる。主翼翼端には姿勢制御スラスターを追加。大気圏外ではプロペラント容量を増した専用スーパーパックを装着し、その場合の愛称は「スーパー・オストリッチ (Super Ostrich)」。
バトロイド形態時の頭部は丸いディスクレドーム状でアンテナが付いており、VF-1Dとは印象が大きく異なる。なおバトロイド形態のラフデザインは起こされていたものの、劇場版の作中ではバトロイド形態が登場しなかったため、PlayStation 2用ゲームなど、バトロイド形態が登場しない作品もある(設定上は3段変形可能であり、PlayStation Portable用ゲーム『マクロスアルティメットフロンティア』などそれを再現したゲーム作品も少なくない)。VF-1Dと同様のオレンジ色の塗装が施されている。一条輝がリン・ミンメイを連れ出した時に使用した機体の番号はVT-102。
VE-1 エリントシーカー
VT-1と同型の複座型バルキリーにEWAC (Early Warning And Control) システムを搭載した早期警戒管制機。長距離偵察を行い、大型レドーム、通信アンテナ、強力な各種センサーなどで味方機への管制、誘導等を行う。マクロスの主砲射撃をサポートするほか、電子戦機としても活動する。愛称は「エリント・シーカー (Elint Seeker)」。
劇場版に先駆けて、小学館『超時空要塞マクロス ホビーハンドブック1』にて設定された複座偵察型バリエーション「ファニーチャイニーズ」に宇宙用の装備を追加してクリンナップしたものであり、大型レドーム、センサーなどの特徴的なデザインはすでにこの時点で完成されている。VE-1のバトロイド形態は劇場版では登場せず玩具化まで公開が待たれたが、雛形となったものは一足早くこちらで明らかとなっていた。

超時空要塞マクロス THE FIRST[編集]

美樹本晴彦による漫画『超時空要塞マクロス THE FIRST』ではテレビ版と劇場版の設定を踏まえつつ、設定のリニューアルがなされている。

VF-1D
テレビ版と同様に一条輝が初めて搭乗する機体。基本設定はテレビ版と同様だが、頭部の形状が異なりレーザー砲のほかに訓練用センサーが追加されている、そのためにあたかもレーザー砲が4本装備されているように見えるのが特徴、頭部のデザインは天神英貴によるもの。D型に限らず、『THE FIRST』版に登場するVF-1のコクピットは劇場版と同様のレイアウトになっている。
VF-1J改
河森が元々のVF-1Jのデザインを気に入っていなかったため、デザインを変更した。頭部カメラのゴーグルがやや細くなっている。
また、一条輝機のカラーリングは白地に黒と赤のストライプが入った劇場版のカラーリングに近くなっている。
スーパークルーザー
宇宙空間での航続距離の短さを補うための宇宙戦闘用強化パーツ案。
スーパーマニューバー
機動性を高めるための高軌道型装備でミサイルを振り切ることも可能とされている強化パーツ案。
スーパーアタッカー
攻撃力を高めるための重武装型装備。デストロイド・トマホークの荷電粒子砲とディフェンダー用の速射砲を搭載する強化パーツ案。

超時空要塞マクロス スクランブルバルキリー[編集]

スクランブルバルキリー
2010年を舞台とするゲーム『超時空要塞マクロス スクランブルバルキリー』には試作型の新型バルキリーが登場する。なお、この機体の呼び方については「スクランブルバルキリー」「NEWオリジナルバルキリー」「NEWバルキリー」「オリジナルバルキリー」…と統一されていない。スーパーパックにさらに追加の新兵装のミンメイ・キャノンを備える。ミンメイキャノンは特殊音波兵器で、サウンド発生装置と投影装置により特殊なフィールドを形成する。バルキリーが攻撃待機状態で、ゼントラーディがこの特殊フィールドに接触すると、文化の力で味方にすることができる。
VF1SOL-S スクランブルバルキリー 一条機
バランス型の機体で武装はストレートレーザー、ツインボンバー、マクロミサイル、ガンポッドを使用する。カラーリングは白地に黄色と黒で、パイロットは一条輝。
VF1SOL-J スクランブルバルキリー ミリア機
攻撃重視型の機体で武装はラピッドファイアー、ウェーヴレーザー、メガスマッシュを使用する。カラーリングは赤で、パイロットはミリア・ファリーナ。
VF1SOL-A スクランブルバルキリー マックス機
防御重視型の機体で武装はクイックバルカン、エネルギーシールド、スーパーホーミングレーザーを使用する。カラーリングは青で、パイロットはマクシミリアン・ジーナス。

超時空要塞マクロス2036[編集]

アタックバルキリー
2036年を舞台とするゲーム『超時空要塞マクロス2036』、2037年を舞台とする『超時空要塞マクロス 永遠のラヴソング』に登場するVF-1の改良型で通称「アタックバルキリー」。A型、J型、S型と同様に頭部レーザー砲が1門、2門、4門のAR型、JR型、SR型の3種類があるが形状はそれぞれ原型機と異なっている。
主にバトロイド時に推力を偏向して機動性を向上可能なブースター下部ユニット可動式の「スーパーパック II」が標準装備された。後方にも攻撃可能な「ハーピー」、貫通力の高い強力なエネルギー弾を発射する「エレメンタル」、誘導ミサイル「ヒドラ」などの武装を選択して装備可能。攻撃にも転用可能なピンポイントバリアシステム「セイレーン」も搭載している。
VF-1AR
一般機。頭部レーザー砲は1門。カラーリングはグレー地にディープイエローのラインマーキングが入る。
VF-1JR
頭部レーザー砲は2門でカメラはゴーグル型。ロット・シーン機のカラーリングは白地にレモンイエローのラインマーキングが入る。
VF-1SR
頭部レーザー砲は4門。パイロットはマクシミリアン・ジーナスミリア・ファリーナ・ジーナス夫妻の長女コミリア・マリア・ジーナス。カラーリングは白地に赤のラインマーキングが入る。

マクロスプラス、マクロス7[編集]

2040年が舞台のOVAおよび劇場版『マクロスプラス』、2045年が舞台のテレビアニメ『マクロス7』では、VF-11 サンダーボルトVF-17 ナイトメアなどの後継機が登場しており、VF-1は退役が進んでいる。軍では標的機として使用されたり、軍から民間に払い下げられた機体として登場する。

VF-1J
『マクロスプラス』第2話に1カットのみ登場。カラーリングは白で、黒いラインが入っている。西暦2040年、惑星エデンのニューエドワーズテストフライトセンターで行われた次世代主力可変戦闘機開発プロジェクト「スーパー・ノヴァ」計画に標的機として使用される。YF-19とYF-21のバトロイド射撃テスト時にヌージャデル・ガーに抱えられている。本来は撃ってはいけない目標のはずだが、イサム・ダイソンのYF-19は関係なくペイント弾を当ててしまう。
VF-1J ミリア機 / スーパーパック装備
『マクロス7』第13話「フォールドアウト」に登場。新マクロス級7番艦マクロス7の居住ブロック「シティ7」の市長になったミリア・ファリーナ・ジーナスが第一次星間大戦時から保管していた赤い機体。当時とは若干異なり、ヘッドユニットのマスクの部分も赤く塗られている。バロータ軍の罠によって戦闘ブロックのバトル7と離れ離れになってしまったため、30年を経て実戦投入される。ミリアやミレーヌはバロータ軍の量産機エルガーゾルンとも互角に戦うが、ガムリン木崎搭乗時にプロトデビルンの攻撃で爆散、機首ブロックのみ回収される。なお、速度性能はともかく、機動性に関してはまだ現用として通用していた。
VF-1A、VF-1D、VF-1J、アーマードバルキリー
バトル7と離れ離れになったシティ7において、市長のミリアの提案でバトロイドカーニバルが開催され、市民の所有する多数のバトロイド(デストロイドも含む)が集められた。パイロットも市民の中から募集し、適正試験が行われたものの、実戦には参加する者はいなかった。最終的には無人のままバロータ軍の襲撃で破壊される。第15話「乙女のジェラシー」に登場。
作業用バルキリー
2047年を舞台とするOVA『マクロス ダイナマイト7』にて登場。腕部が溶接機になっており、マクロス7の修理を行う。
VT-1C オストリッチ
『マクロス ダイナマイト7』に登場。余剰機を民間に払い下げた機体[10]。辺境惑星のゾラでも複数の機体が払い下げられゾラ湾岸警備隊や漁師のグラハム・ホイリーが所有していた。本来は非武装だが、ゾラ湾岸警備隊のものやグラハム機は銀河クジラ対策としてハープーン・ガン型ガンポッドを装備している。劇場版『愛・おぼえていますか』に登場したものとは異なり、三形態の設定画が用意されており、劇中でもバトロイド形態に変形する。独自の形状の新型スーパーパックを装備しており、大気圏脱出も可能。

マクロス デジタルミッション VF-X[編集]

VF-1X-plus
2020年代、すでに旧式となったVF-1を新技術でアップデートした機体。エンジンをFF-2079Jに換装し、アビオニクスや機体一部の材質も改装された。最高速度はM3.05(高度10,000m)、M4.28(高度30,000m以上)へ向上したが、機体性能はスーパーパック装備でようやく当時の標準機VF-11に並ぶほどでしかない。主に訓練機として用いられたとされているが、実戦にも参加している。頭部はVF-1Aに準じたレーザー機銃が1門の機体と、VF-1Sに準じた4門の機体がある。
VF-1X-plus ヴァルハラIII所属機
2047年を舞台にした『マクロス デジタルミッション VF-X』には強襲潜航母艦ヴァルハラIIIの所属機が登場する。機体のカラーは『愛・おぼえていますか』のVF-1A一条輝機に準じた白地に赤と黒。隠し機体としてマクシミリアン・ジーナス機と同仕様のスペシャル機も登場。
VF-1X-plus レイヴンズ所属機
2050年を舞台にした『マクロス VF-X2』には新統合軍の第727独立戦隊VF-Xレイヴンズの所属機が登場する。VF-1A量産機同様のサンドブラウンの機体と、VF-1Sフォッカー機同様の白地に黄色と黒の機体が確認されている。スーパーパック、アーマードパックも使用している。
VF-1S マリアフォキナ・バンローズ機
『マクロスVF-X2』に登場。反統合政府組織ビンディランスのリーダーであるマリアフォキナ・バンローズの乗るVF-1S。赤地に白のラインマーキングが施されている。特務部隊VF-Xの所有するAVFとも互角に渡り合う。

マクロス・ザ・ライド[編集]

VF-1X++ ダブルプラス
2057年に新星インダストリーがVF-1X-plusを改良し、少数生産した機体。第一次星間大戦後のOTM技術により、機体強度を向上させつつも軽量化を実現している。VF-1は2050年代でも払い下げられた機体の台数が多いため、素性を隠すために特務部隊などに需要がある。
VF-1X++ ダブルプラス ハクナSP
2058年を舞台にした『マクロス・ザ・ライド』に登場。主人公のハクナ・青葉がバルキリーレースのバンキッシュ用に改造した機体。元は新統合軍の特務部隊エトワール・フィランで使われていた機体。ハクナ機はエンジンをLAI社製のELA-3000熱核バーストタービンに換装しており、脚部にVF-11用のスーパーパックを強引に装備することで、最新のVF-19とも渡り合う。カラーリングは白地にトビウオをモチーフにした赤いマーキングが入る。

マクロスF[編集]

VF-1A
2059年を舞台とするテレビアニメ『マクロスF』に登場。新マクロス級25番艦マクロス・フロンティア船団内の美星学園高校の屋上にレストアされた機体がファイター形態で飾られている。塗装・マーキングは劇場版『マクロス』冒頭で一条輝が搭乗していたスカル11を再現しているが、細部が異なる。テレビアニメ版では飾ってあるだけだが、小説版ではリチャード・ビルラーがこれに乗ってミンメイの元へと旅立つ。
VF-1J
漫画版では美星学園の屋上に飾ってあるのはVF-1Jになっている。アルトとシェリルが実際に乗って動かす。
VF-1C
小説版『マクロスフロンティア』においてその存在が語られている機体。VF-1Aを民生用にデチューンしたもので、主人公の早乙女アルトらが通う美星学園のパイロット養成コースにおいて、実習用に用いられている[11]。また、『マクロスエース Vol.004』に掲載された短編「アクターズ・スカイ」では、映画「BIRD HUMAN -鳥の人-」工藤シン役の俳優、アキラ神島がVF-1Cへの搭乗経験を語る。
VF-1X++
小説『劇場版マクロスF イツワリノウタヒメ』では深紅のVF-1が登場し、ランカがオンラインゲームのオープニングムービーの撮影に使用する。
『劇場版マクロスF サヨナラノツバサ』ではランカがファーストライブの「恋はドッグファイト」にてこれに乗って登場する。
VE-1 エリントシーカー
小説『劇場版マクロスF イツワリノウタヒメ』に登場、第一次星間大戦から50年が経過した2059年には民生用として使用されている。作中では「TV STAFF」とマーキングが入った機体が登場し、オンラインゲームのオープニングムービーの撮影をする。

マクロス30 銀河を繋ぐ歌声[編集]

マクロス30 銀河を繋ぐ歌声 』の舞台となる辺境の移民惑星ウロボロスでは、移動や作業用に民間のVFが多数流通している。一方で、これらを悪用するバンデットと呼ばれる輩が後を絶たず、新統合軍やS.M.Sのほかにも、ライセンスを付与されたハンターと呼ばれる自衛組織もVFを使用している。2060年、惑星の各地に存在するプロトカルチャー遺跡の異変によりさまざまな時代からバルキリーが召喚される。そのほか、惑星ウロボロスのS.M.S支社にはプロトカルチャーの工場衛星があり、設計図とパーツがあれば歴代のVFを開発・生産できるようになっている。オプションパックとしてスーパーパック、ストライクパック、ダブルストライクパックが登場する。

VF-1 S.M.S ウロボロス支社仕様
第一次星間大戦時の量産機VF-1バルキリーをS.M.Sウロボロス支社にて再現した機体。ガンポッドの他にアンチ・ドラグノフ・マテリアル・スナイパーライフルを装備する。カラーリングの変更も可能。
VF-1 ハーヴァマール仕様
新統合軍特務部隊VF-Xハーヴァマールの使用するVF-1。濃紺にオレンジのワンポイントが入ったカラーリングとなっている。

マクロスΔ[編集]

西暦2067年を舞台とする『マクロスΔ』に登場。

VF-1EX
星間複合企業体「ケイオス」ラグナ支部の母艦「マクロス・エリシオン」に配備されている訓練機[12]。VF-1は初就役から半世紀以上に渡って改良され続けており、その豊富な運用実績を基に2060年代の最新技術を組み合わせることで、現用機ほどではないながらも非常に高性能な機体に仕上がっている[12]。「YF-24 エボリューション」で実用化された射出シート兼用の耐Gスーツ「EX-ギア(エクスギア)」をコクピットに導入しており、型式番号の「EX」もこれに由来する[12]。頭部形状はJ型と同型のゴーグル型。
VF-1EX ハヤテ・インメルマン機
練習生用の機体。カラーリングは白地にスカイブルー・黒の塗り分けで、マックスにあやかって塗装されたという説がある[12]。AIの介入によるオート操縦を嫌うハヤテは、途中からマニュアル操作に切り替える。
VF-1EX ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機
教官用の機体。カラーリングは白地に赤・黒の塗り分けで、こちらはミリアにあやかったものだとされる[12]。不測の事態に備え、練習生機の遠隔操縦機能を持つ。
VF-1EX 一般機
PS Vita用ゲームソフト『マクロスΔスクランブル』の「旋風 ドッグファイト」に登場。上記のハヤテ機、ミラージュ機の他にもケイオスの訓練機が多数登場する。カラーリングはオレンジ色。

その他[編集]

YVF-1
VF-X1の追加試作型はYVF-1と呼ばれる。「This is Animation Special マクロスプラス」に記述がある。
YVF-1A
YVF-1のA型である。詳細は不明である。「This is Animation Special マクロスプラス」に記述がある。
VF-1B
第一次星間大戦後、オーバーホール中のA型の機体にS型頭部ユニットを搭載したもので、非公式にB型と呼ばれる。「This is Animation Special マクロスプラス」に記述がある設定のみの機体。非公式設定本の『ヴァリアブルファイター・マスターファイル』ではイギリスのデビランド社製のタイプをVF-1Bとする予定だったが、生産が間に合わなかったため、A型に包括されたとしている。
VF-1R
米国版マクロス『ロボテック: マクロス・サーガ』[13]で設定されたVF-1の改良型。テレビ版32話の1カットに作画ミスから頭部レーザー砲が3門あるA型が登場するが、ロボテック版ではこれを「R型」と命名し、漫画には『ジャック・アーチャー』(Jack Archer)という独自のパイロットを登場させた。[14]
後にトイナミ社から完全変形玩具も発売されている。改造母体はVF-1AだがVF-1Jの電子装備を基本に、主砲として頭部中央に新設計のウェスティングハウス・エレクトリック 社製・粒子ビーム・パルスカノン砲を1門、副砲として従前のマウザー[15] RöV-20 対空レーザー砲2門を装備。なお、中央のパルスカノンのみ自動追尾照準機能(オート・トラッキング)システムで、パイロットの操作とは関係なく独立して稼動し、レーダーに入ってくる敵機またはミサイルを自動補足可能。
2003年に刊行された ワイルドストーム[16]社版の漫画 『星界から』[17]では、反乱ゼントラーディ[18]人の待ち伏せ攻撃で危機に陥ったウルフ飛行小隊(ウルフパック)[19]ジャック・アーチャーの指揮官機として登場[20]し、リック・ハンター[21](一条輝)のVF-X4(あるいはVF-X-4、VF-4プロトタイプ機)に救われる。
VF-1A-EVO / VF-1J-EVO / VF-1S-EVO
PCゲーム『マクロスsince 1983』に登場するVF-1シリーズ。実際にはゲームには通常のVF-1は登場せず、全てこのEVOという型番の付いた機体となっている。そのため通常機体との違いは不明。強いてあげるとすれば全機体共通でストライクパックを装備するという点。

追加・拡張装備[編集]

VF-1は運用の柔軟性を拡げた結果、作戦ごとの要求性能を満たさない点が課題となった。このため開発当初から脱着・使い捨て式のサブシステムが計画され、新中州重工により開発された。これらの追加装備により、VF-1は真のマルチロールファイターとして評価されるに至った。

アーマードパック[編集]

GBP-1S プロテクター・ウェポンシステム
陸戦における装甲の脆弱性、及び必要以上の高出力といった問題点を解消すべく、新中州重工によって開発されたバトロイド形態用の全身装甲兵装システム。これらを装着した状態は「アーマード・バルキリー」と呼ばれる。外観の一部は格闘戦用デストロイド・スパルタンに類似しているが開発は別会社である。この状態ではバトロイドのみに形態が固定され変形は不可能となるが、装甲は戦闘中でも分離ボルトを点火することで瞬時に各追加外装を「分離&排除」(パージ)する事が可能である。固定武装は両腕に“エリコーンGA-100 高速徹甲クラッシャー”3連×2(1基あたり弾数3発、計18発)、全身に「エリコーンGH-32 グレネード・クラッシャー」計56発(次発装填なし、一斉射分のみ)。本来は陸戦用の装備とされており、強行突入や単独迎撃などの特殊任務で使用されるが、マクロス艦上ではデストロイド部隊に混じって対空戦闘にも参加し、宇宙空間でも十分な性能を発揮する。その際の運用実績により、近距離まで接近してきた敵機には、無数のミサイルで弾幕を張るのが最も効果的だと判明する。
重装甲と全身のミサイル装備により、攻撃能力は局地戦兵器デストロイドに比する。重量は16.2トンで、装着時におけるVF-1の全備重量は34.7トンと倍加するが、剰余推力によりホバリングやジャンプも可能である。初期は開発メーカー(新中州重工)の関連からJ型にしか対応インターフェイスがなかったが、後には複座型を除くほぼ各型に対応可能なように改良がなされた(イマイ1/170プラモデルシリーズでは、複座型のアーマードも商品として存在している)。
一説には、ノーマルタイプのバトロイド形態に先駆けてアーマード形態がマスメディアには公開されていたと言われており、当時はまさかこの機体が航空機に変形するなどと想像する者はいなかったという(『超時空要塞マクロス ホビーハンドブック 1 GBP-1S プロテクター・ウェポンシステム』)。
アーマード・ガウォーク
ガウォーク形態専用のプロテクター・ウェポンシステムも存在し、こちらを装備した機体は「アーマード・ガウォーク」と呼称される[22]。機体上部に二連装のマウラーPBG-53液冷式荷電粒子ビーム砲を戦車の主砲のように装備する。肩の武装など一部の装備はバトロイド時用のものと共通だが、この状態でも装甲をパージしないかぎり変形は不可能である。劇中には登場せず、アニメ誌にイラストが掲載された。

ファストパック(スーパーパーツ)[編集]

FAST Packとは現用戦闘機F-15コンフォーマル式燃料タンク(Confomal Fuel Tank)の別名で、FASTとは英語で“Fuel And Sensor Tactical”の略で『燃料、および戦術センサー』を意味する。従来型航空機の燃料を、宇宙空間で必要となる推進剤(プロペラント / propellant )に置き換えた上で、追加装備の印象から劇中追加装備の命名として引用したものである。「スーパーパーツ」または「スーパーパック」とも呼ばれる。

スーパーパック
新中州重工によって開発された大気圏外運用時のネックである稼動時間、行動範囲の延長、さらに機動性と火力の向上を図ったユニット。背部、腕部、脚部(エンジンナセル)にユニットを装備する。
NP-BP-01 ファストパック、HMMP-02 マイクロミサイルポッド
背部に装備される化学式液体燃料ロケットブースター2基。前面のミサイルポッドには1基につき24発のマイクロミサイルを搭載している。
NP-AR-01 マイクロミサイルランチャー
腕部に装備されるミサイル装甲ブロック。
CTB-04 コンフォーマルタンク/高機動スラスター
両エンジンナセル側面の反応エンジン用大型プロペラントタンク。バーニアノズルが1ユニットにつき5基設置されている。
機体上部のユニットがファストパックであることから、これらのユニットを装備した機体は「ファストパック装備型バルキリー」通称「スーパーバルキリー」と呼ばれる。なお、開発時は「ブービーダック」のコード名で呼ばれた。
これらのパックはVF-1各機種に装着でき、GBP-1Sと異なり三段変形の利点を損なわない。各パーツは爆発ボルトによる分離が可能。大気圏内では空気抵抗が大きいため、宇宙空間からマクロス艦内に突入する際などにはパージする。戦闘時の加速力・機動力・火力すべてに数倍の性能を引き出し、宇宙におけるバルキリーの標準装備となる。またVF-11など後継の可変戦闘機にも継承されている。
テレビ版『超時空要塞マクロス』では第24話「グッバイ・ガール」でVF-1Sに初めて装備され、一般機に行きわたったのは第27話「愛は流れる」とかなり遅いが、劇場版『愛・おぼえていますか』では冒頭から殆どの機体に装備されている。
ストライクパック
通常、スーパーパックの背部両ロケットブースターの前部ハードポイントにはマイクロミサイルポッド2基を装備するが、正面左側、パイロットから見て右側にマウラー Rö-X2A 連装ビームカノンを付けるオプションもある(機構上では左右どちらも装着可)。ただし高価で取り扱いが難しいため、基本的にはS型(隊長機)しか使用を許可されない。この仕様は「ストライクバルキリー」と呼ばれる。劇場版『愛・おぼえていますか』に登場。劇場版ではスーパーバルキリーが大気圏外運用時の標準仕様とされたため、隊長機の差別化のため設定された。
ダブルストライクパック
マウラー Rö-X2A 連装ビームカノンを左右両方に装備したストライクパック。西暦2060年の惑星ウロボロスを舞台とする『マクロス30 銀河を繋ぐ歌声』に登場。S.M.Sウロボロス支社にて製造され、リオン・榊やミレーヌ・ジーナスの機体に装備される。
VT-1用スーパーパック
新中州重工によって開発された可変練習機VT-1用のスーパーパック。武装は施されておらず、通常のスーパーパックよりもプロペラントが増量されている。
NP-BP-T1 FASTパック
プロペラント容量を増やした大型プロペラントタンク兼ブースターユニット。姿勢制御用のバーニアも設置されている。
NP-AU-T1 腕部ユニット
プロペラント容量を増加させるユニットとされる。劇場版『愛・おぼえていますか』劇中では装備していないが、バンダイより発売された可変トイでは付属する。
NP-FB-T1 コンフォーマルタンク
プロペラント容量を増加させるユニット。ユニット上下が膨らんだ形状になっている。姿勢制御用のバーニアも設置されている。
索敵・空中管制用パック
VE-1に搭載される早期警戒・電子戦用のオプションパック。武装は施されていない。新中州重工とビフォーズ社が開発した。
NR-BP-E3 ブースター
APS-201監視レーダーを内蔵したレドームを装備したブースターユニット。目のようなマーキングが施されている。
NR-SR-E3、NR-SL-E3 腕部コンテナ
通信中継用のHFVHFVLF各種アンテナを装備したユニット。右腕部がSR、左腕部がSL。
NR-FS-E3 追加増装
両脚エンジンナセル部に装備されるコンフォーマルタンクユニット。姿勢制御バーニアの他に後方監視レーダーが装備されている。

その他の拡張装備[編集]

大気圏外脱出用ブースター
VF-1を地上基地から宇宙へ打ち上げる際、機体後部に連結される。全長18.9m、通常型ロケットエンジンを使用(推力22,500kg×4×4)、分離後は補助翼を広げ自動操縦で基地に帰還する。一部にゼントラーディ系技術を導入したため、従来の地球兵器とは異なるフォルムを持つ。TV版30話「ビバ・マリア」に登場。
SDP-1 スタンピードパック
PC-9801ゲームの『超時空要塞マクロス・ラブストーリーズ』、『超時空要塞マクロス・スカルリーダー コンプリートパック』に登場するゲームオリジナルの機体、スタンピードバルキリーの特殊装備。通常のスーパーバルキリーやストライクバルキリーではゼントラーディ艦を相手をするには火力不足であることが指摘されていた為、攻撃力に特化した変形可能なアーマードバルキリー的な機体として登場した。特殊な変形を可能とするために頭部や腕部の取り替えなど機体の事前改修が必要であり、またガウォーク形態が存在しない。
荷電粒子砲、クラスターミサイル、ガトリング・ガンポッドなど、戦艦を撃沈するに十分な強力な火器を装備しているが機動性に欠けている。
マイクロミサイルランチャーパック
PlayStation用ゲーム『マクロス デジタルミッション VF-X』用に河森正治がデザインしたVF-1用のオプション装備。スーパーパックと似ているが、ブースターパック前部がマイクロミサイルランチャーになっている。また、バトロイド形態時に機体正面を向くようになっている。脚部にもミサイルランチャーを装備する。
ダブルプラス用スーパーパック
VF-1X++ ダブルプラス用のスーパーパック。外観は通常のVF-1用のスーパーパックと同様だが、ミサイルや推進剤の代わりに慣性蓄積コンバーター(ISC)とそれを起動するためのバッテリーが搭載されている。
2058年のバンキッシュレースに参加したハクナSPを使いLAIとS.M.Sによってデータ収集が行われ、後にランカの乗る赤いダブルプラスに搭載された。小説版『劇場版マクロスF イツワリノウタヒメ』に登場。

商品化[編集]

キャラクター商品としてもバリエーション展開が豊富で、タカトクトイスの1/55変形玩具は高学年層にも支持され、シリーズ累計100万セットを超える大ヒット商品となった。これらの魅力から、後続の「超時空シリーズ」をはじめとする変形メカブームが起こり、ロボットアニメの主流である日本サンライズ系作品においても、番組後半から飛行形態をもつ変形主役メカが登場するパターンが見られた(ビルバインエルガイムmk-IIΖガンダムを参照)。

21世紀に入り、複雑なメカニックデザインが多くなってからもVF-1の流麗なフォルムは人気を保ち、玩具・模型(ガレージキット)などでプロポーションと変形の完全再現を目指した商品化が続いている。2000年にはスケールモデルハセガワキャラクターモデル進出に際してファイター形態をキット化、後にスーパーバルキリーに続きバトロイド形態もキット化された。日本国外においても『ロボテック』の登場メカとして人気があり、Toynami社から各種商品が発売されている。

2013年6月29日にはバンダイより可変とプロポーションを両立したVF-1 バルキリーのプラモデルが発売された。河森は最も実機に近いVF-1とコメントしている。

また、テレビ版や劇場版に登場しないオリジナルバリエーションも展開されている。以下、オリジナルのバリエーション機。

VF-1A バルキリー ロールアウト001
ハセガワより限定発売された1/72のプラモデル。バルキリーの生産1号機という設定。白地にディープブルーとゴールドでペイントされている。
VF-1A バルキリー VF-2 ソニックバーズ
ハセガワの1/72プラモ。プロメテウスに配備された第2飛行隊(VF-2)ソニックーバーズ配備機。グレー地に黒と黄色のペイントが入る。
VF-1J スーパー/ストライクバルキリー SVF-41 ブラックエイセス
ハセガワの1/72プラモ。アームド7番艦RANGERに配備されたSVF-41・ブラックエイセス隊の配備機。機首がホワイトそのほかの部分はライトグレイのカラーリング。アイパッチをしたドクロのマーキングが入る。
VF-1A バルキリー ミンメイ2009スペシャル
ハセガワの1/72プラモ。白地にオレンジ色のチャイナドレスを着たリン・ミンメイのイラストが描かれている。イラストは美樹本晴彦による。
VF-1S ストライクバトロイドバルキリー “ミンメイガード”
ハセガワの1/72プラモ。2013年に月面のクラビウス基地で行われたリン・ミンメイのライブを守護した機体という設定。デカールは『モデルグラフィックス』誌2003年8月号記事用に射尾卓弥がデザインしたオリジナルマーキングを再現している。
VF-1A バルキリー 生産5000機記念塗装
ハセガワの1/72プラモ。マクロス世界での2013年の5月に5000機目が生産され、それを記念した特別塗装版という設定。白地に青とゴールドでペイントが入っている。
VF-1S バルキリー マクロス25周年記念塗装
ハセガワの1/72プラモ。河森正治と天神英貴によるコラボレーション。ブルー地にゴールドのマーキングが入る。
VF-1 バルキリー マクロス30周年記念塗装
ハセガワの1/72プラモ。天神英貴がマーキングデザインを行い河森正治が監修する。白地に黒、赤、青、黄色のラインとマクロスシリーズ各作品のロゴが入る。
VF-1A バルキリー マックス機 ゼントラ・カラー
F-Toysから発売された1/144「バルキリーコレクション」のファイター形態の模型。『超時空要塞マクロス』第12話「ビッグ・エスケープ」に登場した、ゼントラーディの軍服を着たマックス機をイメージしたオリジナル塗装。グリーンでゼントラーディのマーキングが入る。
VF-1S 35周年メッサーカラーVer.
バンダイから発売予定の可変トイ。マクロス35周年を記念し、『マクロスΔ』に登場するVF-31Sメッサー機のカラーリングを模したVF-1S。白地に黒とグレーのカラーリングで、メッサー・イーレフェルトの死神のマーキングが入っている。

なお、タカトクトイス時代に本商品のプロモーションとして、ルービックキューブの開発者であるエルノ・ルービックが河森付き添いの下で本商品第一弾であるVF-1Jの市販商品の変形(ファイター->バトロイド)に挑んだものの、脚部変形以降へ進めなかった。

トランスフォーマーシリーズでの登場について[編集]

1984年よりハズブロ社の玩具展開で始まったトランスフォーマーシリーズのラインナップとして、タカトクトイス製のVF-1Sの金型を流用した「Jetfire」という名のキャラクターが、ごく短期間ながら日本国外のみで販売されていた。このJetfireはアニメ版にも「航空防衛戦士スカイファイアー」(日本国外でもアニメではSkyfireに変更されている)の名で登場するが、デザインは頭部を中心に大きく変更されており、作中での登場期間も短い。登場の経緯などは「スカイファイアー」の項目を参照。

日本でのトランスフォーマーの玩具は一部を除いてほとんどがタカラ製であり、ハズブロが販売していたもののタカラ製でないスカイファイヤーは日本で販売されなかったが、後のシリーズで同名キャラクターの登場やリメイクは続いており、2008年より展開された玩具シリーズ「変形!ヘンケイ!トランスフォーマー」にもアニメ版準拠のデザインでラインナップされている。この玩具にはバルキリーの頭部をイメージしたバトルヘルメットが付属しているが、ガウォークへの変形はできない(強引に近い形態にすることはできる)。

関連書籍[編集]

ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-1 バルキリー 成層圏の翼
ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-1 バルキリー 宇宙の翼
ヴァリアブルファイター・マスターファイル SDF-1 マクロス VF-1 航空隊
2009年・2010年・2014年ソフトバンククリエイティブ刊。編集・製作GA Graphic編集部。
「マクロス世界の2020年、2030年、2047年にMBSパブリッシングから出版されたVF-1の歴史・研究書」という想定で執筆されたムック。VF-1の開発から運用、技術など詳細に解説されている。アニメ版の絵は使われず、模型とCGを使った図版が用いられている。テレビ版と劇場版の設定の違いについては生産時期によるバリエーションの違いと説明されている。続編での「〜宇宙の翼」では前書ではあまり触れられなかったVF-1の追加装備・ガウォークおよびバトロイド形態・VF-1X/Pについて独自の視点から語られている。マクロスシリーズ設定監修の千葉 昌宏や模型メーカーのハセガワ、やまとが協力しており、河森正治もスーパーバイザーとして名を連ねているが、「公式設定」ではないと断り書きがされている。

以下、本書の独自の派生型(オリジナルバリエーション)。

VF-1G
上部にディスク・レドームを搭載した早期警戒・航空管制用の機体。大気圏・重力圏内能力を重視した生産ブロック4 までの初期型を母体とした。
VF-1N
2019年より改修されたVF-1A型。後期生産型のVF-1のエンジンをFF-2008に換装し、航空電子機器(アビオニクス)が近代化改修されている。
VF-1JA
新中州重工がVF-1を生産する際に生産工程やパーツチェックの確認のためにA型の図面を元に製作された組立検証機、その後マクロスに納品され実戦配備された経緯を持つ。造られたのがJ型の頭部が納品される前だったために頭部はA型で電子機器の構成がJ型に近い。なお、JA型という型番は著書内にて便宜上つけられたもの。
VF-1X
2018年頃から新星インダストリーによって近代化改修されたVF-1。初期型のVF-1にVF-4用のエンジンを小型化したFF-2012を搭載する。燃料核電池を搭載し、ファイター形態でも部分的にエネルギー転換装甲を稼働可能にしている。このほか、アビオニクスもアップデートされている。改修機と新造機を併せて400機程生産されたとされる。
*アクティブ・ステルス・システム更新 : ゼントラーディ軍の使用する索敵レーダーの周波数に同調。更にはこれらの索敵パターンや変調システムに合わせて、ソフトウェアを改修。
*機体統合管理制御システム「アンギラス」の更新 : ANGIRAS ( Anti Newmann-type Generalize Intergrated Renomarization Aided System ) のマイクローン化したゼントラーディ軍人の運用を可能とする ANGIRAS / AD-3 への更新。
*航空電子機器の更新 : ゼントラーディ軍の索敵レーダーやセンサーの周波数に同調可能。VF-4 ライトニングIII の APG-995 を VF-1 系用に調整した APG-997 を搭載。
VF-1P フレイヤバルキリー
VF-1Xと同時期にステルス性能の向上を目的に第二世代の可変戦闘機の水準まで、VF-1を近代化改修した機体。
外観上の特徴として機体形状が可能な限りステルスフォルムに変更されている。VF-5000 の開発経験がフィードバックされている為、第二世代機体と遜色のない性能を会得している。またFASTパックはステルス性能とプロペラント容量が拡大した専用装備となっている。
変形時の強度不足の不安点解消の為に機体の骨格(エアフレーム)の一部を換装、機体各部を航空力学的に最適化、機体形状を可能な限りステルス対応化(非連続面の開閉パネル・脚収納庫扉。その他パネルライン・接合面の非連続化と突出部のミクロン単位での減少)を行った。また X型の中にも後にこの改修を行った機体もある。
VF-1A 3号機「アマンダ」
2008年12月にロールアウト。L-5のラボ・ステーションで大気圏外装備のテストに使用された後、機体・エンジンの耐久性とANGIRASの自律機能のテストとして土星までの無人往復航行「プロジェクト・トラピス」に投入される事となり、エンジンの改良と巨大な反応剤・プロペラント外部タンクの追加が行われた。
チームリーダーの妻の名に因み「アマンダ」と命名された同機は2009年5月にL5を出発したが、その後ゼントラーディの攻撃によりL-5ラボは壊滅、プロジェクトの存在自体が忘れ去られた。しかし2025年、月軌道に帰還した「アマンダ」は回収され、調査の結果土星往復を達成していた事が判明した。その後出発時の姿に復元されて月面アポロ基地に展示されている。
VF-1DA
センチネンタル社で生産された複座型の機体。頭部ユニットはA型と同様で、カラーリングはオレンジ色となっている。便宜上DA型と分類されているが、書類上はD型。
VR-1A-RF
星間大戦時のヨーロッパで生産された偵察用の能力向上機。SDF-1マクロスには2機が配備された。
VR-1D
複座型の偵察機。機首にセンサーが増設されており、ガンポッドの代わりに複合センサーを搭載した戦術偵察ポッドを懸架する。
VF-1L モンキーバルキリー
2011年初頭に生産されたファイター形態固定の簡易量産タイプ。レーザー砲塔、可変機構を廃したことで軽量化、搭載プロペラントの増量が実現し、ファイター形態に限って言えばVF-1Aよりも高性能化した。
QVF-1
不要となったVF-1Lを無人機として改修したもの。大半は標的機として使用された。

脚注[編集]

  1. ^ 『マクロスアルティメットフロンティア 超時空娘々パック』より
  2. ^ 「マクロス・クロニクル」No.16 29-32頁
  3. ^ このバトロイドの身長は、ASS-1(マクロス)の調査結果から想定される巨人宇宙人の体格に見劣りせず、かつ彼らの艦艇・施設内での白兵戦に支障のないサイズとして決定されている。
  4. ^ タカトクトイス『155バトロイド・バルキリーVF-1J』パッケージ側面の記述など。
  5. ^ ただし、劇場版の冒頭の戦闘では、リガードからゼントラーディ兵を引きずり出したマックスのVF-1Aが、腕に取り付けられたままのガンポッドをマニピュレータで持ち替えずに発射して射殺するシーンもある。
  6. ^ バンダイ「1/72 バルキリー用スーパーパーツセット」 説明書 2013年
  7. ^ Our History”. Bell Training Academy. 2006年11月12日閲覧。
  8. ^ 幻の機体を立体化! 1/60 完全変形VF-1A キャヴァリアーズが登場(やまと)
  9. ^ アーマードパーツはバトロイド時にしか装着できないため、変形機構に不良を来したJ型がアーマードバルキリー用に供されたとしている資料もある。
  10. ^ 「マクロス・クロニクル」No.29 9頁
  11. ^ 小太刀右京『マクロスフロンティア Vol.1 クロース・エンカウンター』角川書店、2008年、96頁。
  12. ^ a b c d e プラモデル 「VF-1EX バルキリー“マクロスΔ”」組立説明書, 1/72スケールモデル, ハセガワ, (2016年) 
  13. ^ : Robotech: The Macross Saga
  14. ^ 海外版マクロス(ロボテック)のバルキリー YF-1R
  15. ^ ロボテック版ではマウラー社ではなく、実名のマウザー社
  16. ^ : Wildstorm
  17. ^ : Robotech: From the Stars
  18. ^ : Zentraedi
  19. ^ : Wolf Pack, Wolf squadron
  20. ^ 正確にはこの時点では未だ量産されておらず “YF-1R”の呼称。
  21. ^ : Rick Hunter
  22. ^ 「マクロス・クロニクル」No.49 32頁

外部リンク[編集]