一条輝

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一条 輝
超時空要塞マクロス』のキャラクター
登場(最初) 『超時空要塞マクロス』第1話
「ブービー・トラップ」
作者 スタジオぬえアートランド
美樹本晴彦(デザイン)
声優 長谷有洋
野島健児(長谷死去後の作品)
プロフィール
生年月日 1991年(1992年)11月4日
年齢 16歳または17歳(初登場時点)
性別 男性
種類 地球人
身長 175cm
体重 58kg
血液型 O型
出身地 日本の旗 日本
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一条 輝(いちじょう ひかる)は、テレビアニメ超時空要塞マクロス』および関連作品に登場する、架空の人物。男性。声の出演長谷有洋。1996年の長谷の死去後に発売された「スーパーロボット大戦シリーズ」や「マクロスシリーズ」のゲーム作品においては、野島健児が新たに声を担当している。

概要[編集]

『超時空要塞マクロス』の主人公。民間のスタントパイロットであったが戦闘に巻き込まれ、地球統合軍に入隊。可変戦闘機バルキリーのパイロットとして成長してゆく。

ロボットアニメの主人公としては、熱血漢にはほど遠い性格、戦闘技量で脇役に劣る、乗機を失い乗り換える、ライバルとなる敵キャラクターがいない、最終決戦の途中で戦場から離脱するなど、前代未聞のキャラクターであった。これは一市民に近い青年の感覚を表現するために、従来のヒーロー像を意図的に外した演出術であった。また特に恋愛に関しては、リン・ミンメイ早瀬未沙というふたりの女性の間でしばしば優柔不断な面や鈍感な面を見せる。

劇中では輝がミンメイ相手に「お宅(おたく)」という二人称を使う場面が何度もある。この二人称は『超時空要塞マクロス』の企画に携わったスタジオぬえの中で広まっていたものが反映されたともいわれる[1]。『超時空要塞マクロス』の放送と時を同じくして、同人誌即売会に集まるアニメ・漫画ファンの間で「お宅」という二人称が流行し、それが転じてアニメや漫画の愛好家を指す「おたく」という用語が生まれるが、一説には、この二人称をアニメ・漫画ファンの間に流行させたきっかけは、一条輝の台詞回しによるものともいわれる[1]

一方で、ゼントラーディ軍兵士がに動揺することを見た経験から後世「ミンメイ・アタック」と呼ばれる戦法を発案し、ボドルザー基幹艦隊との決戦を勝利に導くといった主人公らしさも発揮する。劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』では、終盤にて自らヒロインに告白したり、単機で機動要塞中枢に突入してボドルザーを破壊したりするなど、ヒーロー性が強調されている。

設定[編集]

超時空要塞マクロス[編集]

経歴・人物像[編集]

日本国出身。1991年(または1992年)11月4日生まれ。身長175cm、体重58kg。血液型はO型。年齢はテレビシリーズ開始時において16歳、17歳の両表記がある。趣味は飛行機のプラモデル製作。軍宿舎の私室にはVF-X-4XB-70バルキリーの模型が飾られている。

母親を早くに亡くし、アクロバットチームを率いる父親に育てられ、チームのエースだった兄貴分のロイ・フォッカーに操縦の手解きを受ける。演技中の事故で父親も亡くし、以後、天涯孤独の身で各地のアマチュア大会を転戦し、賞金稼ぎで暮らす。

2009年2月、ロイ・フォッカーに招待されSDF-1マクロスの進宙式典に赴くが、フォールド事故に巻き込まれ望まぬまま乗艦することになる。その際リン・ミンメイと出会う。この時点では17歳であり、2歳年上(19歳)の早瀬未沙中尉を「おばさん」呼ばわりする。その後ミンメイを守るため統合軍に入隊し可変戦闘機バルキリーのパイロットとなる。

男所帯で育ったため遠慮がなく、上官の早瀬未沙への反抗や命令違反を繰り返すが、危険を恐れない勇敢さや、部下思いの優しさも持っている。反面、好意をいだくリン・ミンメイの性格が理解できず思い悩むナイーブな面もある。アイドルデビューして遠ざかる彼女への焦燥感と、戦いを通じて互いに理解を深めた早瀬未沙との三角関係に迷うが、フォッカーや部下である柿崎速雄の死などを経て、人間的な成長をみせる。

星間戦争での最終決戦を前に、死を覚悟した輝ははっきりミンメイへ告白するが、この時は幼い頃から憧れだった従兄のカイフンを選ばれ2人は結ばれることなく、大戦後は離ればなれとなる。

終戦後は未沙との関係を不器用にも深めていくが、互いに素直になれず恋愛への確信を持てない。そのうち公私ともにうまくいかないミンメイが、楽しかった昔の記憶に縋るように輝のもとに身を寄せてくると、これを受け入れる。人類宇宙移住計画の責任者として銀河へ旅立つことになった未沙が、最後に素直な気持ちを輝に告白し、本当に自分にとって大切なものに気付いた輝は、憧れていたミンメイではなく、むしろいがみ合ってきた未沙を選んで物語は終了する。

軍人として[編集]

はじめはロイ・フォッカー少佐麾下スカル大隊のひとり(軍曹)。のちに昇進し同時にチタニウム勲章を受章、スカル大隊・バーミリオン小隊長(少尉)に就任。その後早瀬未沙や部下とともに敵の捕虜になるが、奇跡の生還を果たし中尉に昇進。ロイ・フォッカー戦死後、その機体を受け継ぎバーミリオン小隊をスカル小隊に改称、直後に中隊長に昇進し、スカル中隊長として活躍する。第一次星間戦争後は月面アポロ基地の太陽系パトロール隊、次期可変戦闘機VF-X-4の開発チームのテストパイロットを経て大尉に昇進、治安維持パトロール隊隊長に着任。

スタント出身のため操縦技術は優秀だが、歴戦のエースである上官ロイ・フォッカーと、天才と呼ばれる部下マクシミリアン・ジーナスには及ばない。第一次星間戦争当時はいまだ可変戦闘機運用の黎明期であり、元来飛行機乗りだった輝は、可変機構を活用した戦闘術に独創性を見せるマックスとは違って、バトロイド形態を駆使した空戦術になじめなかったことも考慮されるが、次第に錬度も上がり、スカル小隊長として名機ロイ・フォッカー・スペシャルを引き継いだあとは、歴戦の勇士と呼ぶにふさわしい活躍を見せる。単にパイロットとしての能力のみならず、ゼントラーディ軍との最終決戦で「リン・ミンメイ作戦」を発案し、戦後も優れたリーダーシップが新統合政府内で重んじられる。

物語中、マクロスのブリッジで通信を担当しているシャミー・ミリオムが早瀬未沙、キム・キャビロフのふたりとランジェリーショップに入った際、偶然そこにミンメイに買い物に付き合わされていた輝がいたために、「ミスターランジェリー」という屈辱的なあだ名を付けられる。何度か乗機を撃墜されたことを恥じ、入院時には「墜落王」というあだ名で呼ばれる悪夢に苛まれる。

入隊訓練時からフォッカー機を受け継ぐまで小隊長機用のVF-1Jを使用していたが、理由として複数の説が存在しており、下記の文献によって説明されている。

  • 軍がVF-1Aからの機種転換を行っていたため、たまたまVF-1Jが与えられたという説(小説版あとがき)。
  • ロイ・フォッカーが可愛い後輩のために便宜を図った説(小説版あとがき)。
  • ロイ・フォッカー・スペシャル(VF-1S)に不備があった際のフォッカーの予備機として用意されていたVF-1Jを、個人的な縁があった後輩である輝に与えた説(『ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-1 バルキリー』)。

VF-1Jの塗装は変化があり、訓練時はVF-1A一般機に類似したカーキ色白色による配色であったが、大隊配属以降は白色を基調とし、翼やボディなどに赤色のアクセントが入った配色となる。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか[編集]

年齢は18歳、身長は178cmに変更。入隊前の経歴やフォッカーとの関係はテレビ版と同様。機体のパーソナルカラーは赤と黒。早瀬未沙とは土星宙域での防衛戦で言い争うまで、リン・ミンメイとはマクロス艦内でその命を救うまで、個人的な面識はない。劇中ではアイドルに憧れる一ファンとしてミンメイと出逢う。彼女の疲れを癒したい気持ちから軽率な行動に出たために、周囲の人間とともにゼントラーディ軍の捕虜となる。脱出時に未沙と荒廃した地球に飛ばされ、長い時間をふたりで過ごすうちにやがて愛情で結ばれる。のちに自身を思い続けていたミンメイと再会し動揺するも、未沙への思いは揺るがずに告白を果たし、ミンメイとの関係にもけじめをつける。最後の戦いでは戦死したロイ・フォッカー、行方不明となったマクシミリアン・ジーナスのあとを継いでスカル小隊長(中尉)となり、ゴル・ボドルザー打倒の特務を遂行する。

河森正治監修のセガサターン/プレイステーション用ゲーム『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のオープニングムービーでは、マクロスがゼントラーディ軍の奇襲をうけた物語冒頭部で、すでに空母プロメテウスに所属する軍人であり、ロイ・フォッカー少佐以下、同階級(少尉)のマクシミリアン・ジーナス、柿崎速雄らとスカル小隊を編成している。プロメテウスが撃沈されたためマクロスへ転属となり、劇場版オープニング(5か月後)へとリンクしていく。

その後[編集]

2012年、早瀬未沙と結婚し長女、一条未来(みく)をもうける。メガロード級移民船1番艦 SDF-2 メガロード-01の航空隊長として新鋭機VF-4を駆り、第1次超長距離移民船団の護衛任務につくが、2016年、銀河系中心部でメガロード-01艦隊ともども、謎の失踪を遂げるも一般には非公表となる。

第一次星間大戦のエピソードは映画「愛・おぼえていますか」やドラマ「リン・ミンメイ物語」、「トライアングラー」などにより後世に語り継がれ、リン・ミンメイとともに『マクロス7』や『マクロスF』の時代にも名前の知られた有名人となっている。

搭乗機[編集]

超時空要塞マクロス
  • ファンレーサー (スタントパイロット当時の愛機) 
  • VF-1D バルキリー (複座練習機、機体番号VT-102)
  • VF-1J バルキリー (スカル大隊23番機 識別番号117、バーミリオン小隊長機 識別番号101、コールサイン「バーミリオンリーダー」)
  • ファンライナー (リン・ミンメイがミス・マクロス・コンテストで得た優勝商品。その後、一条輝の私用機になる)
  • VF-1S バルキリー (スカル小隊長機、スカル中隊長機、コールサイン「スカルリーダー」 識別番号001)
  • VF-1S スーパーバルキリー (同上)
  • デストロイド・スパルタン (第34話)
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
  • VF-1A スーパーバルキリー(スカル小隊2番機、コールサイン「スカル11」)
  • VT-1 スーパーオストリッチ (宇宙用複座練習機)
  • VF-1S ストライクバルキリー(スカル小隊長機、コールサイン「スカル1」)
超時空要塞マクロス Flash Back 2012

ロボテック版[編集]

海外「ロボテック」版では「リック・ハンター」(Rick Hunter)という欧米人風の名前になり、設定も一般民間人から、素性を隠した軍人(士官候補生[2]に変えられ、性格描写も優柔不断な面が幾分改定されている。

海外版オリジナルである『ロボテック II:センチネルズ』 (: Robotech II: The Sentinels) にも航空/航宙群・作戦提督(Aerospace-group Admiral)の役職(階級は少将)となって登場し、遠征艦隊軍・司令(提督、"Fleet General")となった「リサ・ハイエス(Lisa Hayes / 早瀬未沙)」(当時は大佐、のちに海軍大将)との結婚のエピソードが描かれている。

またDCコミックス子会社のワイルドストーム(Wildstorm)社の漫画では、ゼントラーディ人暴徒の鎮圧に際し VF-4 ライトニングの実戦試験機 X-4 に搭乗して戦うシーンもある。

最初の『マクロス・サーガ』 (: Robotech : The Macross Saga) から33年後の時代を描いた漫画『シャドウ・クロニクルへの序曲』 (: Robotech: Prelude to the Shadow Chronicles) と、OVA(あるいは「劇場映画」)『ロボテック:シャドウ・クロニクル』 (: Robotech: The Shadow Chronicles) にも登場、前者では『ニュー・ジェネレーション』 (: Robotech: The New Generation、『機甲創世記モスピーダ』) のCVR-3M ライディング・スーツ着用姿が見られる。

妻であり上司でもあるリサとの間には、入隊時点から「SDF-3 パイオニア」 (: Pioneer) が、「S型中性子超時空戦略核ミサイル」 (: Neutron S Type Super Dimensional Strategic Nuclear Missile) 試射実験中の事故を原因として、「オミクロン領域」 (: Omicron Sector) において、艦長である妻とともに消息を絶つまでの期間を通して、つねに2階級から5階級もの身分差が発生しているが、本質的に飛ぶことに生きがいを見出すパイロット気質であったこともあり、周囲が気を揉むほどには当人は気に掛けていない。

声の出演はトニー・オリバー

脚注[編集]

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  1. ^ a b 岡田斗司夫 (1996). “オタクの正体”. オタク学入門. 太田出版. ISBN 4-87233-279-2. オリジナルの2006-12-16時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20001216171500/http://www.netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/books/otakugaku/No1.html 2010年7月25日閲覧。. 
  2. ^ 平時は民間人だが、身分は州兵空軍や予備役空軍におけるパイロットに近い存在であると説明されている。

関連項目[編集]