森雪

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森雪
宇宙戦艦ヤマトシリーズのキャラクター
登場(最初) 宇宙戦艦ヤマト』第1話「SOS地球!!甦れ宇宙戦艦ヤマト」
作者 松本零士岡迫亘弘
声優 麻上洋子
由愛典子宇宙戦艦ヤマト 復活篇
桑島法子宇宙戦艦ヤマト2199
俳優 黒木メイサSPACE BATTLESHIP ヤマト
プロフィール
年齢 18歳(第1作)~38歳(復活篇)
33歳(実写版)
19歳(ヤマト2199)
性別
種類 地球人
国籍 地球連邦
肩書き 宇宙戦艦ヤマト生活班長
宇宙戦艦ヤマト船務長(ヤマト2199)
親戚 古代進(夫)
古代美雪(娘)
森直之(父)(ヤマト2199)

森 雪(もり ゆき)はアニメ宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する架空の人物。声優は麻上洋子由愛典子(『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』)、桑島法子(『宇宙戦艦ヤマト2199』)。俳優黒木メイサ(『SPACE BATTLESHIP ヤマト』)。

概要[編集]

シリーズのヒロイン。『ヤマトよ永遠に』『宇宙戦艦ヤマトIII』を除く『宇宙戦艦ヤマト 完結編』までのシリーズでは、宇宙戦艦ヤマト唯一の女性クルーである[1]。生活班長兼レーダー手[2]で、クルーの健康管理&生活環境維持に気を配るほか、医務室においては佐渡医師を補佐する優秀な看護師であり、なおかつ日常は第一艦橋でコスモレーダーの監視手も兼ねているというオールラウンダー。

ヤマトの戦闘班長である古代進とは、第1作での航海を通して恋仲となる。

佐渡酒造に「大美女」と評されるほどの美貌の持ち主であるが、その性格は勝気で男勝り。髪はセミロングの茶髪だったが、後年の作品では金髪(黄色)になっている。

容姿が、イスカンダルの女王スターシャの妹であるサーシャに酷似している為、遺体を埋葬した古代や島から驚かれ、イスカンダルに到着した際にもスターシャ本人ですら間違えて、「どうして連絡してこなかった」と言われる程(実際には髪の毛の色と長さが違う)。

初期設定名は「森木雪」[3]

劇中での登場[編集]

宇宙戦艦ヤマト
第1話から登場。ヤマト乗艦以前は防衛軍司令部病院で看護婦を務めており、後にイスカンダルへの航海を通じて次第に想いを寄せるようになる古代進と初めて出会う。また、彼女に一方的に懸想し、恒常的セクハラに悩まされている分析ロボットアナライザーとは、この頃からの腐れ縁となっている。
当初は、どちらかと言うと精神的に未成熟な古代や島大介たちを叱咤激励するお姉さん的振る舞いを見せていたが、航海途上で古代進を異性として意識するようになり、人知れず願い星に恋の成就を託すなど歳相応の可憐な少女らしさを随所で見せるようになった。
自分も含めたクルーの精神健康管理に献身的なまでの情熱を持ち、正月には艦長に餅つきを提案したり、時には自分であつらえたと思しき前世紀風ドレスで即席ファッション・ショーを演出したりした。ちなみに、彼女のいれたコーヒーは不味く、第15話ではそれを飲んだ島に「いつまでたっても美味くならない」と不評だった。
イスカンダルを出発する際、スターシャが、救助し治療した古代守を愛している事を見抜き、守への愛を諦めようとしたスターシャに「運命を受け入れるだけでは愛は実らない」とアドバイスし、二人を結びつけるきっかけを作る。
最終話でデスラーが仕掛けてきた白兵戦において、放射能ガスから古代の命を救いたい一心で、工場長の真田志郎の制止を無視して、テスト未了の放射能除去装置を起動させた。その際、同装置の初期不良に絡んだ酸欠空気に晒されて、いったんは死亡したと思われ古代を絶望させるが、地球帰還と言う本懐を遂げて絶命した[4]沖田艦長の命を受け継いだかのように蘇生。古代の腕に抱かれて、想いを遂げることになった。
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
地球防衛軍司令長官の秘書官[5]としての職務に就いていた。古代と婚約しており、結婚式まで3日と迫っていたが、テレサのメッセージを確かめるべくヤマトが無断発進することになり、結婚式は事実上延期になる。地球に残ったかと思われたが、こっそりヤマトに乗り込んでおり、佐渡のところにいた。自分もヤマトの乗組員であると言って古代と抱き合い、再びヤマト生活班長の任に着く。
デスラーとの戦いにおいて、彼を狙撃しようとしたミルの銃撃から古代を庇おうとして重傷を負う。その後、治療後に手負いのまま第一艦橋でレーダー手を務めるが、都市帝国戦での激しい攻防の中で限界が来て、古代に看取られつつ戦死した。遺体はその後、古代とともに満身創痍のヤマトで白色彗星帝国超巨大戦艦に特攻する。
宇宙戦艦ヤマト2
第1話から登場。防衛軍中央病院看護婦を務めている。『さらば』とは異なり、古代との婚約は不明で、結婚の予定もない。また、ミルに撃たれる事もなく、最後まで生存している。
古代の事で形振り構わず暴走する事が多くなり、第23話におけるデスラー艦での白兵戦ではその暴走で、彼女をかばった島を爆発に巻き込み、宇宙漂流に遭わせた。
宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち
生活班長としての職務を引き続き担っている。新人の育成に苦悩する古代を励まし、島から仲の良さを茶化される。
ヤマトよ永遠に
司令長官の秘書官として防衛軍司令部にいたが、長官の指令書を持って、古代たちと合流。地球にいたヤマトクルーたちをイカルスへ脱出させるために、大統領脱出用高速艇ターミナルへ案内したが、発進口を開けるためにコントロールルームに引き返し、侵入してきた敵兵の攻撃を受け負傷したため、一人地球に取り残されてしまう。
本来ならば収容所送りになるところをアルフォンに保護され、求愛される。敵の爆弾の秘密を探るべく敢えて彼の申し出を受け入れようとするが、本心を見抜かれパルチザンの元へ戻るよう促される。あらためてパルチザンとして彼と対峙し、勝利をおさめて起爆装置を解体し、古代の帰りを待つ。
本作では自ら地球軍パルチザンの一員として、対暗黒星団帝国ゲリラ部隊を率いて奇襲攻撃を展開、重核子爆弾の占拠と起爆装置解体に活躍するなど、優れた戦闘能力を見せている。
宇宙戦艦ヤマト 完結編
序盤ではヤマトに乗艦しておらず、地球防衛軍司令部にいた。ヤマトが自動操縦で帰還して来た際、古代が死んだと思い、彼の銃で自殺を図ろうとして、直前に真田に止められる。その後は連邦中央病院で古代の看病を付きっきりで行っていた。ヤマトがアクエリアスのワープを阻止するべく発進する際には、再びヤマトに乗り込む。
終盤で沖田が自身を犠牲にしようとすることに悲しんでいたが、古代に諭され、冬月の展望室からヤマトに向かって敬礼をしていた。エンディングで古代と結婚した。
本作では、艦内服が黄色から白色へ変更されている。
宇宙戦艦ヤマト 復活篇
『完結編』で古代と結婚したため、名前が「古代雪」となっている。一人娘の美雪を産んでいるものの、夫の進とは別居状態になっていた。美雪は進を非難していたが、雪は夫を誰よりも理解しており、彼への手紙の内容からもそのことが見て取れる。
西暦2220年の38歳の時、惑星アマールの衛星への移民計画の第1次移民船団の責任者に任命されるも、SUS艦隊の襲撃を受け行方不明となる。

宇宙戦艦ヤマト2199[編集]

宇宙戦艦ヤマト』(以下、旧作)のリメイク作品である本作では、船務科(旧作の生活班の一部の部門と通信班を合わせた科)所属の船務長という立場になっており、旧作のように主計科(旧作の生活班)を兼任はしていない。情報・電測・船体消磁・通信・暗号・航空管制・電子機器整備等を統括。旧作において森雪が担当していた生活班の役割は、それぞれ平田一(炊事部門)と原田真琴(医療部門)に分担された。また、本作は職務に三交代制が導入されており、レーダー手の交代要員として、岬百合亜西条未来がいる。ちなみに、第9話と『星巡る方舟』では、空席になっていた真田の席に座して解析作業等を行っている。

階級は一尉(一等宙尉)、2179年12月24日生[6](第15話本編中に経歴書が出た際は「2180年生まれ」となっていたが、設定上の年齢のズレが出てしまったため修正された)、年齢は19歳。ヤマト乗艦以前は司令部の幕僚作戦部9課所属の三尉であった。容姿に関しては、髪は色が明るい栗色で、長さがロングに変更されている。旧作同様、その容姿はスターシャの妹・サーシャに似ており、さらに末妹・ユリーシャとはほぼ瓜二つである。

第15話に登場した経歴書や第17話での真田の弁のよると、1年前にユリーシャとともに事故ないしテロに巻き込まれ、ユリーシャは意識を、雪は記憶を喪失する。外務次官を務める父・直之と母親とも死別し、その後の1年間は父の友人とされる土方に保護され、育てられていた。ただし、雪本人に記憶がないため、経歴の厳密な真偽は不明で、雪の明確な素性が劇中で明かされることはなく、資料でも明言まではされていない。なお、ユリーシャと容姿が似ていることに関しては偶然とされている[7]

劇中での登場(2199)[編集]

第1話から登場。国連宇宙軍極東管区司令部でメ号作戦のオペレーターとして初登場する。その後、第2話でヤマト船務長を拝命し、ヤマトに乗艦する。

古代とは第1話で初めて出会うが、その際の古代が南部康雄に示した乱暴な態度や、乗艦時に艦橋で挨拶した古代が失礼であったことから、当初はそっけない態度をとっていた。しかし、第4話においてガミラスの攻撃から助けられてからは態度が軟化し、その後は好意とも取れる言動へ発展、やがて恋仲となる。

当初は正体がユリーシャであるかのような描写がされており、ヤマト発進直前に艦橋でメッセージカプセルに向かって「必ず帰ります」と囁き、古代が現れるとそのカプセルを隠すなどの不審な行動をとっていた[8]。第16話では伊東真也からユリーシャであると疑われ、他のクルーからも疑心を抱かれていたが、第17話で別人であることが判明し、同時に自身の記憶喪失の原因も知る。

第20話での七色星団海戦の最中、ヤマトに潜入したガミラスの特務部隊によってユリーシャと取り違えられて拉致され、デスラーの身辺に送り込まれた。拉致を担当したノラン・オシェットは、後に雪の正体が地球人であると気づくが、ガミラス移送までの経緯から個人的に崇拝に近い気持ちを抱き、その正体にかかわらず彼女を守ることを決める。デスラー陣営も雪の正体は見抜いているが、政治利用できれば真贋のほどを問わないデスラーの方針に沿い、イスカンダルの第三皇女ユリーシャとして遇される。

第23話でのヤマトの総統府突入後は脱出しようと動くが、その前に雪とノランを乗せた状態でデウスーラII世が発進してしまう。その後、デウスーラII世の第二バレラス到着後に脱出するが、逃げようとはせずにデスラー砲の制御室で波動コアを暴走させ、自分ごと爆破しようと覚悟を決める。しかし、ノランによって第二バレラスから追い出され、彼の自己犠牲で第二バレラスが爆発すると、救出に来た古代との再会を果たす。

第24話においてイスカンダルでスターシャに謁見した際には、旧作同様サーシャと間違われる。ユリーシャとの絆を深め、出航間際にイスカンダルの花「碧水晶」をもらう。

第25話の復路でのデスラーの仕掛けた白兵戦において敵兵に撃たれ、瀕死の重傷を負う。現状維持のために自動航法室へ入れられるも、最終話において地球到達前に死亡する。しかし、悲しむ古代進の姿を見た古代守の意識がコスモリバースシステムを起動させたことによって蘇生し、地球へ生還する(ただし、古代の希望で死んだ事がその場にいた真田、佐渡、原田以外の乗組員には伏せられたため、他の乗組員は「蘇生した(生き返った)」とは思っておらず、「意識を取り戻した」と思っている)。

ちなみに、テレビ放送時にはカットされたが、第25話では航路作成室でコーヒーを入れる場面があり、その不味さから旧作同様に島と航海科の林には不評を買っている。 特に林はコーヒーを吹き出しており、それを見て、顔を赤らめながら膨れっ面をしている。

SPACE BATTLESHIP ヤマト[編集]

本作では、ブラックタイガー隊所属のパイロットとなっている[9]

性格はアニメ版以上に男勝りで気性が荒く、腕っ節もかなり強い。

古代に憧れて入隊したが、ほぼ同時に古代が除隊して、火星星会戦に参加しなかったため、当初は強く反発していた。しかし、木星域での戦闘で被弾した際に古代が命がけで助けに来てくれたことや、古代が除隊した経緯を聞いたことにより、反発心は鳴りを潜め、やがて彼に惹かれていく。

ガミラス・イスカンダル星への突入作戦において、イスカンダルと同化し、彼女自身が放射能除去装置となり、地球復活後、地球のために死んでいった古代の子供を産む。

名前の由来[編集]

森雪の由来は、松本零士にファンレターを送っていた岡山の音大生・森木深雪から、間の漢字を削ったもの[3]。松本零士はインキンタムシに悩まされていたが治療薬によって改善した。「こんなに良いものならもっと知らせなければ」とその治療薬を自分の漫画に頻繁に登場させるようになった。それを森木の交際相手が使ったところタムシが治ったため、「彼がすっかり元気になりました」と松本零士に御礼の手紙を送って以来、ファンレターを松本零士にたびたび送るようになったという[10][11]

脚注[編集]

  1. ^ 作中では他の女性乗組員も描かれたシーンが存在するが、『宇宙戦艦ヤマト画報』(竹書房、2001年)P026には「第10話以降、森雪以外の女性非戦闘員は冷凍睡眠下にあるという設定」とある。加えて小説版などではヤマトは極秘の移住計画用の「箱舟」で、地球人類の子孫を残すために女性乗組員も複数確保されていたが、スターシャからコスモクリーナーの存在を知らされ急きょイスカンダルへの旅に目的変更した、という設定も散見される。冷凍睡眠下と説明について、雑誌『月刊OUT』で本作の特集が組まれた際に語られたものが後年の書籍に踏襲されたものでオフィシャルの設定ではない。真実は当初、森雪以外の女性乗組員は乗艦していないという設定であったが現場サイドまで完全に行き届いていなかったことによる作画ミスである。その後のオリオン座アルファ星のエピソード(第12話)では女性看護婦の登場が予定され、声優まで決まっていたにもかかわらず、上記の設定を理由に直前で男性看護兵に変更されている。この事に関して、後年、『宇宙戦艦ヤマト2199』第1話のオーディオコメンタリーで、出渕裕が生前の西﨑義展に質問したところ、西﨑は「ヤマトには森雪以外不要だと考えていたのを、勝手にスタッフが描き、その後、登場していた女性乗組員は初めからいなかったことにした」と言っていたと語っている。
  2. ^ 第1作第3話での自己紹介では「調査分析、生活関係のチーフリーダー」。
  3. ^ a b 『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 設定資料集』(スタジオDNA、2001年)P125。
  4. ^ 第1作ではそう設定されていたが、続編の『完結編』において誤診だったと理由付けして生還していたことになった。
  5. ^ 医務室で古代に身分を訪ねられたときには地球防衛軍科学局生活部に所属と語っている。
  6. ^ 『宇宙戦艦ヤマト2199 COMPLETE WORKS-全記録集-Vol.1』(マッグガーデン、2014年)P120。
  7. ^ 『宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[GARMILLASS]』(マッグガーデン、2013年)P196。
  8. ^ 第14話では、カプセルはユリーシャから託されたものである描写がある。しかし、この描写はミレーネル・リンケによって作り出された幻影内のことであり、真偽は不明。実際、雪自身は自分がユリーシャのカプセルを持っていた理由を覚えておらず、幻影内の描写との間に齟齬がある(幻影内では記憶喪失の後に渡されている)。
  9. ^ 松本零士の原案では古代進の部下で、調査分析専門の科学者兼偵察部隊所属のパイロットとなっている。
  10. ^ テレビブロス 平成22年8月7日号「全駅停車! 銀河鉄道999 大特集」における松本零士コメントより
  11. ^ 漫画家・松本零士さんインタビュー(2)自分の思い しっかり伝えるにおける松本零士コメントより

外部リンク[編集]

  • 森雪 - 宇宙戦艦ヤマト発信!(インターネットアーカイブ2006年1月3日分キャッシュ)
  • 森雪 - 宇宙戦艦ヤマト2199