ワダチ

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ワダチ』は、松本零士による日本漫画作品。SF路線でありながら、『男おいどん』のような四畳半モノが共存した世界を描いている。

概要[編集]

屋台でアルバイト生計を立てる小柄な日本人、山本轍が、ふとしたきっかけから全日本人を新しい地球へ移住させる計画(カミヨ計画)に巻き込まれ、大地球での生き方を導き出すまでを描く。

1973年から1974年まで講談社の『週刊少年マガジン』に『スペース開拓者 ワダチ』というタイトルで連載された。講談社、小学館より単行本が発行されている。

あらすじ[編集]

屋台営業中に交通事故に遭ったワダチは、屋台の客として偶然訪れた佐渡酒造と出会い、研究所の作業の手伝いを依頼される。日を追うごとに身近な建造物が取り壊されていき、ついには居住していた大下宿荘まで消滅、海岸での居住を余儀なくされる。サバイバル生活後、他の日本人とともに瀬戸内海へ移住することになったワダチは、佐渡からカミヨ計画の実態を知らされる。佐渡の計画がついに実行され、脱出した日本人はついに大地球に到着。新たな惑星での生活が始まる。

主な登場人物[編集]

山本轍(やまもとわだち)/ ワダチ
本編の主人公。極度の近眼で、短足の小柄な日本人。四畳半のアパートに住み、屋台のアルバイトで生計を建てている。貧乏ながら非常に執念深く、タフ。頭が切れる人物で用心深く、用意周到であるが、美女に弱い。パンツを押し入れにため込む癖がある。緊急時の食料用のペットして、トリさん、ネコを飼っている。父母ともに健在。
アパートのおばさん
本名不詳。山本の住むアパート(大下宿荘)の管理人。タマゴ酒が得意料理。未亡人。口は悪いがワダチの面倒をよく見てくれる人物。
屋台のおっさん
ワダチのバイト先のおでん屋台経営者のオヤジ。金にうるさいが女房に頭があがらない。
佐渡酒造(さど さかぞう)
私立練馬美術大学研究所の第一美術科教授。礼子という娘がいる。次元波動帯水平移動跳躍理論(=ワープ航法)の第一人者。全日本人を地球から脱出させ、地球を破壊するという壮大なプラン、通称カミヨ計画を立て実行に移すも、地球脱出後に計画が発覚、拳銃自殺を遂げる。遺体は宇宙に投棄されるが、実は密かにワダチによって偽装隠匿されており、大地球到着後ワダチにより埋葬された。
川島美智夫(かわしま みちお)
ワダチの屋台と自動車事故を起こした練馬美術大学の学生で、佐渡の教え子。エリート意識が強く、ワダチを蔑む行動をとる。ストーリー後半までワダチと関わりを持つ人物。
浅野由美(あさの ゆみ)
川島と同様、練馬美術大学の学生。主に移住先の惑星に地球と同じ環境を作り上げるための測量を行う。
森木深雪(もりき みゆき)
瀬戸内海でワダチに拾われた元社長秘書。後に佐渡のスタッフとなる。名前の由来は宇宙戦艦ヤマト森雪と同じく岡山の音大生。松本零士がインキンタムシの治療薬を漫画に頻繁に登場させ、それを使った森木の交際相手がタムシが治ったことで「彼がすっかり元気になりました」と松本零士に御礼の手紙を送ったことからに始まり、ファンレターを松本零士にたびたび送るようになった。
上田理一
佐渡酒造自殺後、カミヨ計画推進の指揮を執る。大学時代は佐渡と同じ学部。
ヒミコ / 野崎雪枝(のざき ゆきえ) 
大地球に移動中の衛星船のスタッフ。ハーロックの婚約者でアンドロイド。小型衛星船での活動中、故障のため大地球に降り立つ。大地球でスパイ活動を行い、ワダチを利用しようとするが、衛星船の大地球突入が失敗し、錆びにより行動不能となる。ハーロックの行方不明以降、ワダチに心を許すようになる。
ハーロック
衛星船のスタッフ。ヒミコと同時期に作られたアンドロイド。他の作品のハーロックとは違い、気が弱い。大地球の重力により衛星船もろとも行方不明となる。