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== 決勝 ==
== 決勝 ==
スタートを決めたセナを先頭に、プロスト、アレジ、ベルガーが続いて1コーナーをクリア。下り坂のミラボーコーナーへの入り口で、アレジが果敢にプロストのインを突いて2位に進出。これに乗じて後方のベルガーもプロストのインを狙ったが接触し、ミラボーを塞ぐ形で2台がストップ。後続車が行き場を失い、玉突き事故も起こり、ただちに[[レース旗#赤旗|赤旗]]レース中断となった。
スタートを決めたセナを先頭に、プロスト、アレジ、ベルガーが続いて1コーナーをクリア。下り坂のミラボーコーナーへの入り口で、アレジが果敢にプロストのインを突いて2位に進出。これに乗じて後方のベルガーもプロストのインを狙ったが接触し、ミラボーを塞ぐ形で2台がストップ。後続車が行き場を失い、玉突き事故も起こり、ただちに[[レース旗#赤旗|赤旗]]レース中断となった。プロストとベルガーはお互いのチームメイト用にセッティングされているスペアカーに乗り換えた。


再スタートでは混乱は起きず、セナがプロスト以下を引き離して独走状態に持ち込んでいく。31周目、2位プロストがバッテリートラブルでリタイア。35周目、ロウズヘアピンでスピンしたピケがマーシャルの押し掛けでレースに戻ったが、今回から採用されたルールで失格(レース除外)となった。
再スタートでは混乱は起きず、セナがプロスト以下を引き離して独走状態に持ち込んでいく。31周目、2位プロストがバッテリートラブルでリタイア。35周目、ロウズヘアピンでスピンしたピケがマーシャルの押し掛けでレースに戻ったが、今回から採用されたルールで失格(レース除外)となった。

2020年5月14日 (木) 20:17時点における版

モナコ 1990年モナコグランプリ
レース詳細
1990年F1世界選手権全16戦の第4戦
日程 1990年5月27日
正式名称 XLVIII Grand Prix Automobile de Monaco
開催地 モンテカルロ市街地コース
モンテカルロモナコ
コース 公道サーキット
コース長 3.328 km (2.068 mi)
レース距離 78周 259.584 km (161.298 mi)
決勝日天候 晴、ドライ
ポールポジション
ドライバー マクラーレン-ホンダ
タイム 1'21.314
ファステストラップ
ドライバー ブラジル アイルトン・セナ マクラーレン-ホンダ
タイム 1'24.468 (59周目)
決勝順位
優勝 マクラーレン-ホンダ
2位 ティレル-フォード
3位 マクラーレン-ホンダ

1990年モナコグランプリ: 1990 Grand Prix Automobile de Monaco)は、1990年F1世界選手権第4戦として、1990年5月27日モンテカルロ市街地コースで決勝レースが開催された。

予選

マクラーレンアイルトン・セナは予選1回目で2位に1.2秒差をつけるアタックを決め、暫定ポールポジションを獲得。土曜日の予選2回目はタイム差こそ縮められたものの、モナコGP3年連続4回目のポールポジションを獲得した。2位はフェラーリアラン・プロストが0.4秒差で、セナと最前列に並んだ。プロストは直線区間が短くシフト回数の多いモンテカルロに合わせて、ボタン操作でダウンシフト可能な6速セミAT仕様のマシンを持ち込んだ。開幕戦アメリカGPと同じく、ストリートコースで元気なティレルジャン・アレジが自己最高の3番グリッドを獲得した。

予備予選結果

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 29 フランスの旗 エリック・ベルナール ローラ-ランボルギーニ 1'27.134
2 30 日本の旗 鈴木亜久里 ローラ-ランボルギーニ 1'27.548 +0.414
3 14 フランスの旗 オリビエ・グルイヤール オゼッラ-フォード 1'27.938 +0.804
4 33 ブラジルの旗 ロベルト・モレノ ユーロブルン-ジャッド 1'28.295 +1.161
5 17 イタリアの旗 ガブリエル・タルキーニ AGS-フォード 1'28.677 +1.543
6 18 フランスの旗 ヤニック・ダルマス AGS-フォード 1'30.511 +3.377
7 34 イタリアの旗 クラウディオ・ランジェス ユーロブルン-ジャッド 1'33.195 +6.061
8 31 ベルギーの旗 ベルトラン・ガショー コローニ-スバル 1'39.295 +12.161
9 39 イタリアの旗 ブルーノ・ジャコメリ ライフ 1'41.187 +14.053

予選結果

順位 No ドライバー コンストラクター Q1 Q2
1 27 ブラジルの旗 アイルトン・セナ マクラーレン-ホンダ 1'21.797 1'21.314
2 1 フランスの旗 アラン・プロスト フェラーリ 1'23.449 1'21.776 +0.462
3 4 フランスの旗 ジャン・アレジ ティレル-フォード 1'23.372 1'21.801 +0.487
4 6 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズ-ルノー 1'24.179 1'22.026 +0.712
5 28 オーストリアの旗 ゲルハルト・ベルガー マクラーレン-ホンダ 1'23.001 1'22.682 +1.368
6 5 ベルギーの旗 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズ-ルノー 1'23.936 1'22.691 +1.377
7 2 イギリスの旗 ナイジェル・マンセル フェラーリ 1'24.433 1'22.733 +1.419
8 23 イタリアの旗 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディ-フォード 1'24.012 1'23.149 +1.835
9 21 イタリアの旗 エマヌエル・ピッロ ダラーラ-フォード 1'24.766 1'23.494 +2.180
10 20 ブラジルの旗 ネルソン・ピケ ベネトン-フォード 1'25.273 1'23.566 +2.252
11 12 イギリスの旗 マーティン・ドネリー ロータス-ランボルギーニ 1'24.724 1'23.600 +2.286
12 22 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラ-フォード 1'25.849 1'23.613 +2.299
13 11 イギリスの旗 デレック・ワーウィック ロータス-ランボルギーニ 1'24.070 1'23.656 +2.342
14 8 イタリアの旗 ステファノ・モデナ ブラバム-ジャッド 1'25.485 1'23.920 +2.606
15 30 日本の旗 鈴木亜久里 ローラ-ランボルギーニ 1'27.193 1'24.023 +2.709
16 19 イタリアの旗 アレッサンドロ・ナニーニ ベネトン-フォード 1'25.926 1'24.139 +2.825
17 25 イタリアの旗 ニコラ・ラリーニ リジェ-フォード 1'24.206 1'24.270 +2.892
18 26 フランスの旗 フィリップ・アリオー リジェ-フォード 1'25.387 1'24.294 +2.980
19 24 イタリアの旗 パオロ・バリッラ ミナルディ-フォード 1'26.352 1'24.334 +3.020
20 35 スイスの旗 グレガー・フォイテク オニクス-フォード 1'26.183 1'24.367 +3.053
21 3 日本の旗 中嶋悟 ティレル-フォード 1'25.679 1'24.371 +3.057
22 10 イタリアの旗 アレックス・カフィ アロウズ-フォード 1'26.520 1'25.000 +3.686
23 16 イタリアの旗 イヴァン・カペリ レイトンハウス-ジャッド 1'26.969 1'25.020 +3.706
24 29 フランスの旗 エリック・ベルナール ローラ-ランボルギーニ 1'25.398 1'25.541 +4.084
25 7 オーストラリアの旗 デビッド・ブラバム ブラバム-ジャッド 1'28.339 1'25.420 +4.106
26 36 フィンランドの旗 J.J.レート オニクス-フォード 1'27.923 1'25.508 +4.194
27 9 イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート アロウズ-フォード 1'27.282 1'25.622 +4.308
28 14 フランスの旗 オリビエ・グルイヤール オゼッラ-フォード 1'25.785 1'26.781 +4.471
29 15 ブラジルの旗 マウリシオ・グージェルミン レイトンハウス-ジャッド 1'26.943 1'26.192 +4.878
30 33 ブラジルの旗 ロベルト・モレノ ユーロブルン-ジャッド 1'26.604 1'27.265 +5.290
出典[1]

決勝

スタートを決めたセナを先頭に、プロスト、アレジ、ベルガーが続いて1コーナーをクリア。下り坂のミラボーコーナーへの入り口で、アレジが果敢にプロストのインを突いて2位に進出。これに乗じて後方のベルガーもプロストのインを狙ったが接触し、ミラボーを塞ぐ形で2台がストップ。後続車が行き場を失い、玉突き事故も起こり、ただちに赤旗レース中断となった。プロストとベルガーはお互いのチームメイト用にセッティングされているスペアカーに乗り換えた。

再スタートでは混乱は起きず、セナがプロスト以下を引き離して独走状態に持ち込んでいく。31周目、2位プロストがバッテリートラブルでリタイア。35周目、ロウズヘアピンでスピンしたピケがマーシャルの押し掛けでレースに戻ったが、今回から採用されたルールで失格(レース除外)となった。

セナは2位のアレジに20秒あまりの差をつけていたが、レース終盤はエンジンの異変を感じてペースダウン。アレジの背後にベルガーが迫り、2位争いがヒートアップすると、セナとのギャップが縮まっていく。しかし、セナは冷静に走り切り、アレジに1秒差をつけてモナコGP3勝目のトップチェッカーを受けた。フリー走行1回目のトップタイムをアレジに奪われた以外、予選1回目からウォームアップランまで全てのセッション1位、決勝レースも全周回1位・ファステストラップ獲得と、ほぼ完璧なレースウィークを締めくくった。

アレジと同じフランス人で、国際F3000時代からライバルだったベルナールは6位でフィニッシュし、F1デビューから6戦目で初入賞。完走扱いは7位のフォイテクまでというサバイバルレースになった。

決勝結果

順位 No ドライバー コンストラクター 周回 タイム/リタイア グリッド ポイント
1 27 ブラジルの旗 アイルトン・セナ マクラーレン-ホンダ 78 1:52'46.982 1 9
2 4 フランスの旗 ジャン・アレジ ティレル-フォード 78 + 1.087 3 6
3 28 オーストリアの旗 ゲルハルト・ベルガー マクラーレン-ホンダ 78 + 2.073 5 4
4 5 ベルギーの旗 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズ-ルノー 77 + 1 Lap 6 3
5 10 イタリアの旗 アレックス・カフィ アロウズ-フォード 76 + 2 Laps 22 2
6 29 フランスの旗 エリック・ベルナール ローラ-ランボルギーニ 76 + 2 Laps 24 1
7 35 スイスの旗 グレガー・フォイテク オニクス-フォード 72 接触 20
Ret 11 イギリスの旗 デレック・ワーウィック ロータス-ランボルギーニ 66 スピン 13
Ret 2 イギリスの旗 ナイジェル・マンセル フェラーリ 63 バッテリー 7
Ret 24 イタリアの旗 パオロ・バリッラ ミナルディ-フォード 52 ギアボックス 19
Ret 36 フィンランドの旗 J.J.レート オニクス-フォード 52 ギアボックス 26
Ret 26 フランスの旗 フィリップ・アリオー リジェ-フォード 47 ギアボックス 18
Ret 6 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズ-ルノー 41 ディストリビューター 4
Ret 22 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラ-フォード 38 エンジン 12
Ret 3 日本の旗 中嶋悟 ティレル-フォード 36 スピン 21
DSQ 20 ブラジルの旗 ネルソン・ピケ ベネトン-フォード 34 押し掛け 10
Ret 1 フランスの旗 アラン・プロスト フェラーリ 30 バッテリー 2
Ret 19 イタリアの旗 アレッサンドロ・ナニーニ ベネトン-フォード 20 ギアボックス 16
Ret 7 オーストラリアの旗 デビッド・ブラバム ブラバム-ジャッド 16 トランスミッション 25
Ret 16 イタリアの旗 イヴァン・カペリ レイトンハウス-ジャッド 13 ブレーキ 23
Ret 25 イタリアの旗 ニコラ・ラリーニ リジェ-フォード 12 デフ 17
Ret 30 日本の旗 鈴木亜久里 ローラ-ランボルギーニ 11 ステアリング 15
Ret 23 イタリアの旗 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディ-フォード 7 電気系 8
Ret 12 イギリスの旗 マーティン・ドネリー ロータス-ランボルギーニ 6 ギアボックス 11
Ret 8 イタリアの旗 ステファノ・モデナ ブラバム-ジャッド 3 トランスミッション 14
Ret 21 イタリアの旗 エマヌエル・ピッロ ダラーラ-フォード 0 エンジン 9
DNQ 9 イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート アロウズ-フォード
DNQ 14 フランスの旗 オリビエ・グルイヤール オゼッラ-フォード
DNQ 15 ブラジルの旗 マウリシオ・グージェルミン レイトンハウス-ジャッド
DNQ 33 ブラジルの旗 ロベルト・モレノ ユーロブルン-ジャッド
DNPQ 17 イタリアの旗 ガブリエル・タルキーニ AGS-フォード
DNPQ 18 フランスの旗 ヤニック・ダルマス AGS-フォード
DNPQ 34 イタリアの旗 クラウディオ・ランジェス ユーロブルン-ジャッド
DNPQ 31 ベルギーの旗 ベルトラン・ガショー コローニ-スバル
DNPQ 39 イタリアの旗 ブルーノ・ジャコメリ ライフ
出典[2]

レース後の選手権順位

  • :ランキング上位5位まで記載。

脚注

  1. ^ Monaco Grand Prix - OVERALL QUALIFYING”. Formula1.com. 2020年4月24日閲覧。
  2. ^ Monaco Grand Prix - RACE RESULT”. Formula1.com. 2020年4月22日閲覧。
  3. ^ a b Monaco 1990 - Championship STATS F1”. www.statsf1.com. 2020年4月24日閲覧。
前戦
{{{前戦のグランプリ名}}}
FIA F1世界選手権
1990年シーズン
次戦
{{{次戦のグランプリ名}}}
前回開催
{{{前回のグランプリ名}}}
モナコの旗 {{{開催グランプリ名}}} 次回開催
{{{次回のグランプリ名}}}