日南線

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JR logo (kyushu).svg 日南線
特急「海幸山幸」のキハ125と日南線色のキハ40(南宮崎駅)
特急「海幸山幸」のキハ125と日南線色のキハ40
(南宮崎駅)
基本情報
日本の旗 日本
所在地 宮崎県鹿児島県
起点 南宮崎駅
終点 志布志駅
駅数 28駅
開業 1935年4月15日
全通 1963年5月8日
所有者 JR logo (kyushu).svg 九州旅客鉄道(JR九州)
運営者 JR logo (kyushu).svg 九州旅客鉄道
使用車両 運行形態の節を参照
路線諸元
路線距離 88.9 km
軌間 1,067 mm
線路数 単線
電化方式 交流20,000 V・60Hz 架空電車線方式
(南宮崎 - 田吉間)
非電化
(上記以外)
閉塞方式 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
(南宮崎 - 田吉間)
特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
(田吉 - 志布志間)
最高速度 85 km/h
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日南線(にちなんせん)は、宮崎県宮崎市南宮崎駅から鹿児島県志布志市志布志駅までを結ぶ九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線地方交通線)である。

日南海岸沿いや鰐塚山地を縫って走り、宮崎県南部や鹿児島県東部の市町を結ぶ行楽・地域輸送路線である。

日南線内では南宮崎駅と田吉駅のみICカード「SUGOCA」が利用可能である[1]。一般向けリアルタイム列車位置情報システム「どれどれ」は、南宮崎駅 - 田吉駅のみ「宮崎空港線」として、列車位置情報がスマートフォンアプリで配信されている[2]

路線データ[編集]

  • 管轄(事業種別):九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者
  • 路線距離(営業キロ):88.9km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:28(起終点駅含む)
    • 日南線所属駅に限定した場合、起点の南宮崎駅(日豊本線所属[3])が除外され、27駅となる。
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:南宮崎駅 - 田吉駅間(交流20,000V・60Hz)
  • 閉塞方式
    • 南宮崎 - 田吉間:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
    • 田吉 - 志布志間:特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
  • 最高速度:85km/h

全線鹿児島支社の管轄である。

運行形態[編集]

気動車を使用した南宮崎方面 - 青島・油津・志布志方面と、電化区間のみを運行する電車を使用した宮崎空港線直通列車の2つの運転系統に分かれるが、後者でも特急に関しては、宮崎空港線分岐駅の田吉駅に停車しないため、前者の運転系統のみが「日南線の列車」として案内される場合が多い(宮崎空港方面は日南線の区間を含めて「空港線」の路線愛称がある)。ここでは、主に宮崎空港線へ直通しない列車について記す。

ほとんどの列車が、南宮崎駅から隣の日豊本線宮崎駅まで乗り入れる。朝ラッシュ時には日豊本線佐土原駅高鍋駅まで乗り入れる。

油津駅行き下り最終列車を除き、すべての普通列車で、ワンマン運転を実施している。宮崎駅 - 志布志駅間の列車が1 - 2時間に1本程度運転されているほか、宮崎駅・南宮崎駅 - 青島駅・油津駅・南郷駅間と油津駅 - 志布志駅間の区間列車が運転されている。下りでは宮崎発志布志行き、上りでは南郷発宮崎行きで快速「日南マリーン号」が1日1本ずつ設定されている。「日南マリーン号」に使用されている車両は下りがキハ40形1両で、上りはキハ47形2両編成である。

2009年10月10日から、観光特急列車海幸山幸」が宮崎駅 - 南郷駅間で運行されている。車両は、廃止された高千穂鉄道より譲渡されたTR400形キハ125形400番台へと改造して使用している。田吉駅から南郷方面では初の特急列車運転となる。

非電化区間の田吉駅 - 志布志駅間を走る普通列車には、国鉄時代に製造されたキハ40系が使用されている。なお、キハ125形0番台や、キハ200系などの民営化以降に製造された車両は運用に入ったことがない。

2016年(平成28年)12月22日よりスマートフォンアプリ「JR九州アプリ」内において、リアルタイム列車位置情報システム「どれどれが」運用開始された。日南線の閉塞方式の都合により「南宮崎-田吉間」のみ対応し、「宮崎空港線」として配信されている。(田吉-志布志間の電子符号照査式は列車運行システムJACROS非対応のため)

宮崎空港直通[編集]

南宮崎駅 - 田吉駅間には宮崎空港線と直通する列車が多数運転されており、南宮崎駅から日豊本線の延岡方面まで直通している。日豊本線の特急列車も一部が直通している。特急は南宮崎駅のみ停車し、宮崎空港線分岐駅の田吉駅を通過する。なお田吉駅は青島方面と宮崎空港方面の接続は完全ではない。

歴史[編集]

南宮崎 - 北郷間は、1963年(昭和38年)に開業した。これは、宮崎交通が1962年(昭和37年)に廃止した南宮崎 - 内海間の線路跡を利用したもの。この時に、志布志線と繋がり、志布志 - 北郷間を編入して南宮崎 - 志布志間が日南線となった。

北郷 - 志布志間は、当初、志布志線の一部として開業した。このうち、飫肥 - 油津間は宮崎県営鉄道飫肥線という軌間762mmの軽便鉄道として開業した路線を、改正鉄道敷設法の予定線に重なることから1935年(昭和10年)に国有化し、その後志布志線として新線(軌間1067mm)に切り替えたもので、一部は実質的に改軌したものである。

1963年(昭和38年)の日南線全線開通時に、志布志 - 北郷間が、志布志線から日南線に編入されたことで、志布志線は西都城 - 志布志間となった。日南線の終点となった志布志駅は、日南線の他にも、志布志線、大隅線が合流する交通の要衝で、機関区を擁していたが、1987年(昭和62年)には、志布志線、大隅線が特定地方交通線として廃止され、1990年(平成2年)には東方へ移転して1線のみに縮小された。かつての栄華は、今では見る影もなくなってしまった。なお、日南線自身は1987年(昭和62年)時点で代替輸送道路が未整備だったため[4]、第3次廃止対象特定地方交通線から除外された。

2008年度分の統計によると、日南線の輸送密度(平均通過数量)は851人/日であり、JR九州の路線のうちでは最下位から3番目に少ない(最下位は吉都線、2番目に少ないのは肥薩線[5]。この数字は、特定地方交通線として廃止された志布志線と大隅線の廃止対象とされた当時の輸送密度の半分程度である。

宮崎軽便鉄道→宮崎鉄道→宮崎交通[編集]

  • 1913年(大正2年)10月31日 【開業】宮崎軽便鉄道 赤江(現在の南宮崎) - 内海 【駅新設】赤江、田吉(初代)、南方(初代。簡易停車場)、木花(初代)、青島(初代)、折生迫(初代)、内海(初代)
  • 1914年(大正3年)7月15日 【簡易停車場→停留場】南方
  • 1915年(大正4年)
    • 3月20日 【停留場新設】曽山寺(初代)
    • 7月1日 【駅名改称】赤江→大淀
  • 1920年(大正9年)?月?日 【社名変更】宮崎軽便鉄道→宮崎鉄道
  • 1923年(大正12年)10月22日 【停留場新設】青島温泉
  • 1939年(昭和14年)3月21日 【停留場名改称】青島温泉→子供の国(初代)
  • 1942年(昭和17年)
    • 4月1日 【駅名改称】大淀→南宮崎
    • 4月7日 【仮停留場新設】本郷
  • 1943年(昭和18年)8月24日 戦時企業統合政策により宮崎鉄道が宮崎交通となる。
  • 1943年(昭和18年)9月1日 【仮停留場廃止】本郷
  • 1949年(昭和24年)1月20日 【停留場新設】江佐原
  • 1962年(昭和37年)
    • 1月 青島 - 内海間が土砂崩れのため休止となる。
    • 7月1日 【路線廃止】南宮崎 - 内海 【駅廃止】飛行場前、田吉(初代)、南方(初代)、江佐原、木花(初代)、曽山寺(初代)、子供の国(初代)、青島(初代)、折生迫(初代)、白浜、内海(初代)

宮崎県営鉄道飫肥線・宮崎県営軌道→国有鉄道油津線[編集]

  • 1912年(明治45年)2月10日 鉄道免許状下付(油津 - 飫肥間)[6]
  • 1913年(大正2年)8月18日 【開業】宮崎県営鉄道飫肥線 飫肥 - 油津(3.9M→6.4km) 【駅新設】油津(初代)、一里松、飫肥(初代)[7]
  • 1914年(大正3年)6月21日 【停留場新設】星倉[8]
  • 1919年(大正8年)6月3日 【駅→停留場】一里松
  • 1929年(昭和4年)3月5日 【停留場新設】妻手橋、宮之前
  • 1930年(昭和5年)10月1日 【停留場→駅】一里松
  • 1931年(昭和6年)
    • 6月15日 【停留場→駅】星倉
    • 9月8日 【延伸開業】飫肥(2代) - 東飫肥(0.4km) 【駅新設】飫肥(2代) 【駅名改称】飫肥(初代)→東飫肥[9]
  • 1932年(昭和7年)8月1日 【開業】宮崎県営軌道 星倉 - 大藤(5.3km) 【停留場開業】(貨)殿所、(貨)内之田、(貨)大藤
  • 1935年(昭和10年)7月1日 【買収・国有化】油津線 飫肥 - 油津(6.8km)、星倉 - 大藤(5.3km)
  • 1937年(昭和12年)4月5日 【駅名改称】油津→元油津
  • 1941年(昭和16年)10月28日 【路線廃止】油津線 飫肥 - 元油津(-6.8km)、星倉 - 大藤(-5.3km)。※志布志線延伸開業にともない。元油津付近は、改軌の上志布志線の貨物支線に流用) 【駅廃止】元油津、妻手橋、一里松、宮之前、星倉、東飫肥、飫肥(2代)、(貨)殿所、(貨)内之田、(貨)大藤

志布志線[編集]

  • 1935年(昭和10年)4月15日 【延伸開業】志布志 - 榎原(28.5km) 【駅新設】大隅夏井、福島今町、福島仲町、日向北方、日向大束、榎原
  • 1936年(昭和11年)3月1日 【延伸開業】榎原 - 大堂津(10.2km) 【駅新設】南郷、大堂津
  • 1937年(昭和12年)4月19日 【延伸開業】大堂津 - 油津(4.3km) [10]【駅新設】油津(2代)
  • 1941年(昭和16年)10月28日 【延伸開業】油津 - 北郷(13.5km)、油津 - 元油津(1.0km。貨物支線。実態は、油津線起点付近の改軌新線) 【駅新設】吾田、飫肥(3代)、内之田、北郷
  • 1952年(昭和27年)1月1日 【駅名改称】吾田→日南
  • 1960年(昭和35年)7月25日 【貨物支線廃止】油津 - 元油津(-1.0km)

日南線[編集]

  • 1963年(昭和38年)5月8日 【開業】日南線 南宮崎 - 北郷(+32.5km)旅客営業のみ 【編入】志布志線 志布志 - 北郷(+56.5km) 南宮崎 - 志布志間が日南線となる。 【駅新設】田吉(2代)、南方(2代)、木花(2代)、曽山寺(2代)、子供の国(2代)、青島(2代)、内海(2代)、小内海、伊比井
  • 1964年(昭和39年)3月30日 【貨物営業開始】 南宮崎 - 北郷(32.5km)
  • 1966年(昭和41年)12月1日 【駅新設】折生迫
  • 1971年(昭和46年)10月1日 【駅廃止】田吉(2代)
  • 1982年(昭和57年)11月15日 【貨物営業廃止】全線
  • 1984年(昭和59年)3月18日 【臨時乗降場新設】運動公園
  • 1987年(昭和62年)4月1日 【承継】九州旅客鉄道(第1種鉄道事業者) 【臨時乗降場→駅】運動公園
  • 1990年(平成2年)
    • 2月20日 【改キロ】志布志駅が移転し0.1km短縮
    • 8月8日 【臨時駅設置】食と緑博覧会(南宮崎・南方間、現田吉駅より南方側、1990年(平成2年)9月17日廃止)
  • 1994年(平成6年)3月1日 ワンマン運転開始
  • 1996年(平成8年)7月18日 宮崎空港線開業 【電化】南宮崎 - 田吉間。【駅新設】田吉(3代)
  • 2011年(平成23年)1月26日-28日 霧島山新燃岳噴火で、青島 - 志布志間が不通
  • 2015年(平成27年)11月14日 南宮崎 - 田吉間でSUGOCAが利用可能になる[11]
  • 2016年(平成28年)12月22日 列車位置情報システム「どれどれ」が運用開始され、当線では南宮崎 - 田吉のみ列車位置情報を配信[2]

駅一覧[編集]

便宜上、直通列車の多い日豊本線宮崎駅からの区間を記載。

  • 停車駅
    • 普通…すべての駅に停車
    • 快速「日南マリーン号」…●印の駅は全列車停車、▼印の駅は志布志方面行きのみ停車、|・↓印の駅は全列車通過(↓は矢印の方向のみ運転)
    • 特急「海幸山幸」…列車記事参照
  • 線路(全線単線) … ◇:列車交換可、|:列車交換不可
路線名 駅名 駅間営業キロ 南宮崎
からの

営業
キロ
快速 接続路線 線路 所在地
宮崎駅 - 2.6 九州旅客鉄道日豊本線延岡方面) 宮崎県 宮崎市
南宮崎駅 2.6 0.0 九州旅客鉄道:日豊本線(鹿児島方面)
日南線
田吉駅 2.0 2.0 九州旅客鉄道:宮崎空港線[* 1]
南方駅 2.2 4.2  
木花駅 3.3 7.5  
運動公園駅 1.5 9.0  
曽山寺駅 1.2 10.2  
子供の国駅 1.2 11.4  
青島駅 1.3 12.7  
折生迫駅 1.1 13.8  
内海駅 3.7 17.5  
小内海駅 2.4 19.9  
伊比井駅 3.4 23.3   日南市
北郷駅 9.2 32.5  
内之田駅 4.6 37.1  
飫肥駅 2.7 39.8  
日南駅 4.0 43.8  
油津駅 2.2 46.0  
大堂津駅 4.3 50.3  
南郷駅 2.7 53.0  
谷之口駅 3.1 56.1  
榎原駅 4.4 60.5  
日向大束駅 8.1 68.6   串間市
日向北方駅 3.2 71.8  
串間駅 2.6 74.4  
福島今町駅 2.8 77.2  
福島高松駅 2.4 79.6  
大隅夏井駅 4.9 84.5   鹿児島県
志布志市
志布志駅 4.4 88.9  
  1. ^ 宮崎空港線の列車はすべて南宮崎駅へ乗り入れる
  • ※:宮崎駅 - 南宮崎駅間は日豊本線

過去の接続路線[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 利用可能・発売エリア - 九州旅客鉄道 SUGOCA公式サイト、2015年11月18日閲覧
  2. ^ a b 〜 運行情報のご案内を充実 〜 「JR九州アプリ」で列車位置情報を表示します! (PDF) - 九州旅客鉄道、2016年12月20日
  3. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
  4. ^ 鉄道ジャーナル1984年11月号NO.213の131ページ
  5. ^ 梅原淳「国内鉄道全路線の収支実態」『鉄道完全解明2011』(週刊東洋経済臨時増刊、2011年7月8日)
  6. ^ 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1912年2月15日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1913年8月22日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ 「軽便鉄道停留場設置」『官報』1914年9月23日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1931年9月23日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 記念スタンプ「逓信省告示第号」『官報』1937年4月16日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ 宮崎エリアでSUGOCAが始まります! (PDF) - 九州旅客鉄道ニュースリリース 2015年9月17日

関連項目[編集]