「近鉄5200系電車」の版間の差分
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それまで[[近鉄大阪線|大阪線]]や[[近鉄名古屋線|名古屋線]]の長距離急行用車両として運用されていた[[近鉄2600系電車#2600系|2600系]]・[[近鉄2600系電車#2680系|2680系]]・[[近鉄2600系電車#2610系|2610系]]は座席に[[鉄道車両の座席|対面式固定クロスシート]]を装備していたが1970年代前半まで運用されていた先代の急行車である[[参宮急行電鉄2200系電車|2200系]]や[[近鉄2250系電車|2250系]]と比べるとシートピッチが狭く、旅客から敬遠されつつあったこと<ref name="coramu">近鉄時刻表2010年号p397のコラムより。 タイムスケープ100「16.近鉄が先駆けた種々のクロスシート」</ref>や、一部編成では[[列車便所|トイレ]]を装備しているものの、[[近鉄1600系電車#1600系|1600系]]や[[近鉄1000系電車|1000系]]、[[近鉄1400系電車#1200系|1200系]]などの[[鉄道車両の座席|ロングシート]]車両も長距離急行の一部で運用されており、特別料金不要の速達列車であっても高品質な輸送を求める声が多くなっていたことから、2610系等に代わる急行用車両として[[1988年]](昭和63年)に登場した<ref name="coramu">近鉄時刻表2010年号p397のコラムより。 タイムスケープ100「16.近鉄が先駆けた種々のクロスシート」</ref>。運行距離の長い大阪線・名古屋線の[[急行列車|急行]]や[[快速急行]]などの長距離列車<ref>運転距離が100kmを超える主な料金不要列車としては、名古屋線急行が[[近鉄名古屋駅]] |
それまで[[近鉄大阪線|大阪線]]や[[近鉄名古屋線|名古屋線]]の長距離急行用車両として運用されていた[[近鉄2600系電車#2600系|2600系]]・[[近鉄2600系電車#2680系|2680系]]・[[近鉄2600系電車#2610系|2610系]]は座席に[[鉄道車両の座席|対面式固定クロスシート]]を装備していたが1970年代前半まで運用されていた先代の急行車である[[参宮急行電鉄2200系電車|2200系]]や[[近鉄2250系電車|2250系]]と比べるとシートピッチが狭く、旅客から敬遠されつつあったこと<ref name="coramu">近鉄時刻表2010年号p397のコラムより。 タイムスケープ100「16.近鉄が先駆けた種々のクロスシート」</ref>や、一部編成では[[列車便所|トイレ]]を装備しているものの、[[近鉄1600系電車#1600系|1600系]]や[[近鉄1000系電車|1000系]]、[[近鉄1400系電車#1200系|1200系]]などの[[鉄道車両の座席|ロングシート]]車両も長距離急行の一部で運用されており、特別料金不要の速達列車であっても高品質な輸送を求める声が多くなっていたことから、2610系等に代わる急行用車両として[[1988年]](昭和63年)に登場した<ref name="coramu">近鉄時刻表2010年号p397のコラムより。 タイムスケープ100「16.近鉄が先駆けた種々のクロスシート」</ref>。運行距離の長い大阪線・名古屋線の[[急行列車|急行]]や[[快速急行]]などの長距離列車<ref>運転距離が100kmを超える主な料金不要列車としては、名古屋線急行が[[近鉄名古屋駅]] - [[鳥羽駅]]間で走行距離は120.4km。大阪線快速急行や急行が[[大阪上本町駅]] - [[宇治山田駅]]間で走行距離は137.2km(快速急行が鳥羽駅まで乗り入れる場合の走行距離は150.4km)である。</ref>、及び[[団体専用列車]]に使用<ref>本系列は[[近鉄20100系電車|20100]]系の代替も兼ねており、同時期に団体専用車両へ改造された[[近鉄18200系電車#18200系|18200系]]では対応しきれなくなった際は本系列が使用されたことがあった。</ref>するため、[[鉄道車両の座席|座席]]に[[鉄道車両の座席|転換式クロスシート]]<ref>乗降扉付近も含めてほぼ全ての座席が転換出来るが、連結側の妻面の座席のみは進行方向に関わらず固定されている。</ref>を採用した。 |
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1422系や1220系、3200系、6400系では[[シリーズ21]]にそれぞれ後継系列が製造されているが、シリーズ21では本系列に相当する後継系列は製造されておらず、本系列以降の車両ではVVVFインバータ制御を採用した急行車は4扉[[鉄道車両の座席|デュアルシート]]を採用した5800系・5820系L/Cカーが製造されている。 |
1422系や1220系、3200系、6400系では[[シリーズ21]]にそれぞれ後継系列が製造されているが、シリーズ21では本系列に相当する後継系列は製造されておらず、本系列以降の車両ではVVVFインバータ制御を採用した急行車は4扉[[鉄道車両の座席|デュアルシート]]を採用した5800系・5820系L/Cカーが製造されている。 |
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[[明星検車区]]に'''5201F・5204F・5205F・5206F'''の4本が配置され、[[近鉄大阪線|大阪線]]を中心に運用されている。 |
[[明星検車区]]に'''5201F・5204F・5205F・5206F'''の4本が配置され、[[近鉄大阪線|大阪線]]を中心に運用されている。 |
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大阪線では朝と夕方以降は主に急行系の運用に就くが、昼間の[[宇治山田駅]]直通の長距離急行には主に[[近鉄1400系電車|1400系1408F]]とロングシート改造された[[近鉄2600系電車#2610系|2610系]]か、[[近鉄5800系電車|5800系]]・[[近鉄5820系電車|5820系]]L/Cカーのいずれかが運用に就いているため、当系列は青山町駅以西の急行、[[榛原駅]]以西の準急・普通の[[間合い運用]]に入ることや団体用としての予備車として[[高安検車区|名張車庫]]や[[明星検車区|明星車庫]]などで待機していることが多い。 |
大阪線では朝と夕方以降は主に急行系の運用に就くが、昼間の[[宇治山田駅]]直通の長距離急行には主に[[近鉄1400系電車|1400系1408F]]とロングシート改造された[[近鉄2600系電車#2610系|2610系]]か、[[近鉄5800系電車|5800系]]・[[近鉄5820系電車|5820系]]L/Cカーのいずれかが運用に就いているため、当系列は青山町駅以西の急行、[[榛原駅]]以西の準急・普通の[[間合い運用]]に入ることや団体用としての予備車として[[高安検車区|名張車庫]]や[[明星検車区|明星車庫]]などで待機していることが多い。 |
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運用時は主に[[近鉄2400系電車#2410系|2410系]]か[[近鉄1422系電車#1430系|1437系]]、[[近鉄1220系電車#1230系|1253系]]等と6両編成を組んでいるが、ラッシュ時の[[快速急行|快速急行・区間快速急行]]・準急は[[高安駅]]・[[名張駅]]・[[青山町駅]]以西では[[近鉄1422系電車#1620系|1620系]]や2610系・2800系等の4両固定編成とも組んで8・10両編成で運用されている列車もある。突発的な運用変更で5200系同士での8両編成や、5800系・5820系と10両編成を組むこともある。 |
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名古屋線への間合い運用は[[2006年]]までは存在したが、2011年現在は2610系ロングシート車両か1400系1407Fの乗り入れのみであった。また、終日青山町駅以西の運用もあるため、伊勢方面に乗り入れない編成もある。 |
名古屋線への間合い運用は[[2006年]]までは存在したが、2011年現在は2610系ロングシート車両か1400系1407Fの乗り入れのみであった。また、終日青山町駅以西の運用もあるため、伊勢方面に乗り入れない編成もある。 |
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===共通事項=== |
===共通事項=== |
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本系列が運用される場合、名古屋線では限定運用が基本で平日での5200系運用の列車が休日の一部にL/Cカー運用 |
本系列が運用される場合、名古屋線では限定運用が基本で平日での5200系運用の列車が休日の一部にL/Cカー運用に変わる(その逆もある)場合を除き、毎日同じ列車に充当されている。反対に大阪線では曜日によって運用される列車が違っており、本系列で運用する列車が一定していないが、年間を通して同じ列車に充当される運用も存在する<ref>大阪上本町駅6:15分発鳥羽行き快速急行など。</ref>。 |
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転換クロスシートや二箇所のトイレ、補助席といった1980年代後半当時の一般車両では破格の車内設備ゆえに当初投入された大阪線はもとより在籍編成の多い名古屋線では好評を博した<ref name="coramu">近鉄時刻表2010年号p397のコラムより。 タイムスケープ100「16.近鉄が先駆けた種々のクロスシート」</ref>。そのため、[[天理教]]輸送列車や[[修学旅行]]他の団体輸送、臨時列車などで[[近鉄京都線|京都線]]や[[近鉄志摩線|志摩線]]などの通常の定期運用では乗り入れない他の線区に入線することも多い。導入当初は高安検車区にも配置していたが、先述の通り2011年時点では配置されていない。 |
転換クロスシートや二箇所のトイレ、補助席といった1980年代後半当時の一般車両では破格の車内設備ゆえに当初投入された大阪線はもとより在籍編成の多い名古屋線では好評を博した<ref name="coramu">近鉄時刻表2010年号p397のコラムより。 タイムスケープ100「16.近鉄が先駆けた種々のクロスシート」</ref>。そのため、[[天理教]]輸送列車や[[修学旅行]]他の団体輸送、臨時列車などで[[近鉄京都線|京都線]]や[[近鉄志摩線|志摩線]]<ref>「[http://railf.jp/news/2010/11/09/100000.html 近鉄,『ミズノクラシック』開催にともない臨時列車を運転] [[交友社]]『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』railf.jp 2010年11月09日</ref>などの通常の定期運用では乗り入れない他の線区に入線することも多い。導入当初は高安検車区にも配置していたが、先述の通り2011年時点では配置されていない。 |
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ごくまれに、本来は4両編成L/Cカーが充当される朝の山田線宇治山田始発名古屋線白塚行き普通列車や大阪線名張始発名古屋線近鉄名古屋行き急行<ref>この急行は伊勢中川駅で方向転換を行なう関係上、全席転換クロスシートを装備する本系列では乗客に座席を転換させる手間が生じるために通常の車両運用では充当されないのが主な理由である。</ref>に突発的な代走で充当されることがある<ref>前日に明星車庫や名張車庫で停泊する編成があるため、運用の乱れが発生しても対応出来るようになっている。</ref>。また、定期検査や車体更新、団体運用等で通常の運用を離脱する場合は、大阪線所属編成は2610系や1400系1407F、名古屋線所属編成が代走することがある<ref>2610系の代走が多いが、青山町駅以西のみの運用であれば、トイレなしの編成が代走を務めることもある。</ref>。名古屋線所属編成が運用を離脱した場合も同様で、トイレを装備している2000系XT07 (2013F) 以外に急行編成の予備車がないために、[[近鉄1400系電車|1400系]]FC07(1407F)、2610系や5200系の大阪線所属編成が代走するが、[[近鉄2600系電車#2000系|2000系]]のXT07 (2013F) が |
ごくまれに、本来は4両編成L/Cカーが充当される朝の山田線宇治山田始発名古屋線白塚行き普通列車や大阪線名張始発名古屋線近鉄名古屋行き急行<ref>この急行は伊勢中川駅で方向転換を行なう関係上、全席転換クロスシートを装備する本系列では乗客に座席を転換させる手間が生じるために通常の車両運用では充当されないのが主な理由である。</ref>に突発的な代走で充当されることがある<ref>前日に明星車庫や名張車庫で停泊する編成があるため、運用の乱れが発生しても対応出来るようになっている。</ref>。また、定期検査や車体更新、団体運用等で通常の運用を離脱する場合は、大阪線所属編成は2610系や1400系1407F、名古屋線所属編成が代走することがある<ref>2610系の代走が多いが、青山町駅以西のみの運用であれば、トイレなしの編成が代走を務めることもある。</ref>。名古屋線所属編成が運用を離脱した場合も同様で、トイレを装備している2000系XT07 (2013F) 以外に急行編成の予備車がないために、[[近鉄1400系電車|1400系]]FC07(1407F)、2610系や5200系の大阪線所属編成が代走するが、[[近鉄2600系電車#2000系|2000系]]のXT07 (2013F) が名古屋線所属の3両編成と組んだ6両編成で代走することもある<ref>2000系2013Fが代走する場合は、単独4両編成で運行する列車や大阪線に乗り入れる列車には充当されない。</ref>。 |
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== 改造・車体更新 == |
== 改造・車体更新 == |
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[[つり革]]<ref>L/Cカーで設置された五角形のつり革ではなく、従来の丸型つり革が採用されている。</ref>や窓際肘掛の撤去などの小改造が行われているものの、登場以降の内装や外見に大きな変化はなかった。しかし、製造後20年前後が経過し後に投入された5800系や5820系と比べると内装面での見劣りが目立ってきたため、[[2007年]]から車体更新工事が名古屋線所属の5202Fから始まっており、2011年4月までに5201F - 5208Fの7編成が[[高安検修センター]]にて車体更新を受けている。更新内容は以下の通り。 |
[[つり革]]<ref>L/Cカーで設置された五角形のつり革ではなく、従来の丸型つり革が採用されている。</ref>や窓際肘掛の撤去などの小改造が行われているものの、登場以降の内装や外見に大きな変化はなかった。しかし、製造後20年前後が経過し後に投入された5800系や5820系と比べると内装面での見劣りが目立ってきたため、[[2007年]]から車体更新工事が名古屋線所属の5202Fから始まっており、2011年4月までに5201F - 5208Fの7編成が[[高安検修センター]]にて車体更新を受けている。更新内容は以下の通り。 |
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*内外装材の張り替え<ref>化粧板は5800系や5820系同様ラベンダーブルーに、床材は[[近鉄7000系電車#7020系|7020系]]と同様の砂目のグレートーンに変更された。</ref> |
*内外装材の張り替え<ref>化粧板は5800系や5820系同様ラベンダーブルーに、床材は[[近鉄7000系電車#7020系|7020系]]と同様の砂目のグレートーンに変更された。</ref> |
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*棒状の[[転落防止幌]] |
*棒状の[[転落防止幌]]・雨樋・各車両に[[車椅子スペース]]<ref>最初の更新車の5202Fは、更新する前からあったTc5102(運転台側)の車椅子スペースを撤去し、新たにトイレの向かい側にあった座席を撤去しそこへ設置された(Tc5152も同様)が、5203F(2編成目)以降の更新車は、更新する前からあったTc5100の車椅子スペースは撤去されず、同じ場所となっている(Tc5150も設置場所は運転台側であり、トイレの向かい側は車椅子スペースではなく、従来通り座席が設置されている)。中間車のM5200・M5250は何れも宇治山田・鳥羽側に設置されている。</ref>・車内案内表示器・乗降扉横に手すりの設置 |
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*座席モケットがそれまでの緑・茶色から赤系のもの<ref>5820系等シリーズ21車両をベースに、5200系独自のものに改良された。</ref>に変更<ref>このモケットは2009年からロングシートVVVF制御車両の一部にも部分変更の上で順次採用されている。</ref> |
*座席モケットがそれまでの緑・茶色から赤系のもの<ref>5820系等シリーズ21車両をベースに、5200系独自のものに改良された。</ref>に変更<ref>このモケットは2009年からロングシートVVVF制御車両の一部にも部分変更の上で順次採用されている。</ref> |
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*窓下のテーブル・補助席の撤去 |
*窓下のテーブル・補助席の撤去 |
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*車内非常通報装置を通話機能付きのものに更新・設置位置の変更<ref>妻面に設置されていたものを貫通扉の横に移設した。</ref> |
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*補助席の撤去による一部座席のシートピッチ拡大 |
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*ロールカーテンのブラインドをシリーズ21と同様のタイプに変更<ref>ただし、L/Cカーで採用されたフリーストップ式カーテンには更新されず、従来の3段階ストップ式カーテンである。窓枠の固定化も行われていない。</ref> |
*ロールカーテンのブラインドをシリーズ21と同様のタイプに変更<ref>ただし、L/Cカーで採用されたフリーストップ式カーテンには更新されず、従来の3段階ストップ式カーテンである。窓枠の固定化も行われていない。</ref> |
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*5203F以降は新型[[自動列車停止装置|ATS]](ATS-SP)<ref>新設したATSはトランスポンダ方式と呼ばれる方式で、曲線、分岐、駅近接踏切等の線路条件に応じて速度制限を行うとともに、各駅間の最高速度を連続的に制限する等、従来型よりも保安度の高いシステムである。[http://www.kintetsu.jp/kouhou/History/A10004.html 近鉄ストーリー 平成13年 - 平成22年] - 近畿日本鉄道(公式サイト)</ref>設置・[[デッドマン装置]]更新工事の施工(車体更新を受けるまで施工されなかった車両のみ) |
*5203F以降は新型[[自動列車停止装置|ATS]](ATS-SP)<ref>新設したATSはトランスポンダ方式と呼ばれる方式で、曲線、分岐、駅近接踏切等の線路条件に応じて速度制限を行うとともに、各駅間の最高速度を連続的に制限する等、従来型よりも保安度の高いシステムである。[http://www.kintetsu.jp/kouhou/History/A10004.html 近鉄ストーリー 平成13年 - 平成22年] - 近畿日本鉄道(公式サイト)</ref>設置・[[デッドマン装置]]更新工事の施工(車体更新を受けるまで施工されなかった車両のみ) |
2012年1月26日 (木) 18:10時点における版
近鉄5200系電車 | |
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2006年6月12日 大阪線 高安駅 | |
基本情報 | |
製造所 | 近畿車輛 |
主要諸元 | |
編成 | 4両編成 (Tc-M-M-Tc) |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 |
直流1,500V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 110 km/h |
設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 |
編成単独及びVVVF制御車との併結時:2.6 km/h/s 抵抗制御車との併結時:2.5 km/h/s 界磁チョッパ制御車との併結時:2.5 km/h/s |
減速度(常用) | 4.0 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 512名(新造時) |
車両定員 |
Tc車:124名(新造時) M車:132名(新造時) |
自重 |
5201F - 5210Fまで:36.0t(Tc車・新造時)・42.0t(M車・新造時) 5211系:35.0t(Tc車・新造時)・40.0t(M車・新造時) |
編成重量 |
5201F - 5210Fまで:156.0 t (新造時) 5211系:150.0 t (新造時) |
全長 | 82,880 mm |
車体長 | 20,720 mm |
車体幅 | 2,800 mm |
全高 | 4,150 mm |
車体高 | 4,022 mm |
台車 |
積層ゴムブッシュ+コイルばね式ダイレクトマウント空気ばね台車 型式:KD-301形(5210Fまで) 積層ゴムブッシュ片側軸箱支持式ボルスタレス台車 型式:KD-306形(5211系) |
主電動機 |
三菱電機MB-5023-A(5204Fまで) 三菱電機MB-5035-A (5205F - 5210F) 三菱電機MB-5035-B(5211系) |
主電動機出力 | 165kW |
駆動方式 | WNドライブ |
歯車比 |
6.31(5204Fまで) 5.73(5205F以降) |
編成出力 | 1,320kW |
制御装置 |
GTO-VVVFインバータ制御 型式:三菱電機MAP-174-15VD27 |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ |
保安装置 | 近鉄型ATS |
備考 | 電算記号:VX |
近鉄5200系電車(きんてつ5200けいでんしゃ)は、近畿日本鉄道の急行形車両。電算記号はVX[1]。
本項では改良型の5209系・5211系[2]についても記述する。
概要
それまで大阪線や名古屋線の長距離急行用車両として運用されていた2600系・2680系・2610系は座席に対面式固定クロスシートを装備していたが1970年代前半まで運用されていた先代の急行車である2200系や2250系と比べるとシートピッチが狭く、旅客から敬遠されつつあったこと[3]や、一部編成ではトイレを装備しているものの、1600系や1000系、1200系などのロングシート車両も長距離急行の一部で運用されており、特別料金不要の速達列車であっても高品質な輸送を求める声が多くなっていたことから、2610系等に代わる急行用車両として1988年(昭和63年)に登場した[3]。運行距離の長い大阪線・名古屋線の急行や快速急行などの長距離列車[4]、及び団体専用列車に使用[5]するため、座席に転換式クロスシート[6]を採用した。
1422系や1220系、3200系、6400系ではシリーズ21にそれぞれ後継系列が製造されているが、シリーズ21では本系列に相当する後継系列は製造されておらず、本系列以降の車両ではVVVFインバータ制御を採用した急行車は4扉デュアルシートを採用した5800系・5820系L/Cカーが製造されている。
車体
1986年に登場した3200系や6400系をはじめ、前年に登場した1220系・1422系ではアルミニウム合金製車体が採用されたが、本系列では車体側面に連続窓、車体前面に曲面ガラスを採用した関係上、車体強度を確保するため普通鋼製とされた。乗降扉は片側3箇所[7]。両端側の2箇所は4扉の通勤形に合わせてあり、もう1箇所は車体の中央部に設置されている。種別標識灯は縦2列・横6列の素子を使用したLEDを採用した[8]。
車内インテリア
車内はそれまでの急行車よりも特に快適性が重視されており、内装のカラーリングでは同時期製造のロングシート車両である3200系や1422系等と同様に、化粧板にはパールカラーを、床材はブラウントーンを採用したが、本系列では妻面はベージュ系レザー調とした。シートモケットは両先頭車はグリーン系、中間車はブラウン系を採用[9]されシートピッチは910mmと余裕を持たせており、背もたれはプライベートな空間を出すために従来よりも高めに取り、白のカバーを装着している。シートの材質は柔らかめのものとし、長距離の乗車でも楽な姿勢を保てるように配慮されている。カーテンはベージュ系のロールアップ式となり、大型の5連続窓と合いまって一般車両の中でもトップクラスの高級感と開放感を併せ持つ車内空間を演出している。
乗降扉付近には、折り畳み式補助座席が設けられ、団体列車として運行する際に使用される。なお、補助座席を全て使用すると、4両編成で296席となる。4両編成中2箇所(先頭車の連結側)にトイレ(和式の水洗トイレで、貯蔵タンク式)が設けられた。トイレの床は緑のタイル張りとした[10]。また、後に団体運用を考慮して荷物棚下部には座席番号も表記されている。
本系列の功績
1988年、グッドデザイン商品に選定された。なお、この3扉転換クロスシートのコンセプトは、その後JRグループにおいて西日本旅客鉄道(JR西日本)221系電車、東海旅客鉄道(JR東海)311系電車、九州旅客鉄道(JR九州)JR九州811系電車にも採用され、東日本旅客鉄道(JR東日本)をのぞくJR旅客各社でも同様の車両が投入されるようになったその先駆者ともいえる。
主要機器・性能
VVVFインバータ制御[11]が採用され、走行機器は5201F - 5204Fが1422系と、5205F - 5208Fが1430系と、5209系5209F/5210Fが1435系と、5211系5211F - 5213Fが1437系・1620系とほぼ同一の仕様である。
台車は、近畿車輛製KD-301系である。従来のシュリーレン式に酷似した形状ながらシュリーレン台車の特徴であった軸バネ部のオイルダンパーを廃し、代わりに積層ゴムブッシュを採用した軸箱支持を採用したのが特徴で、枕ばねに空気ばねと左右動ダンパを用いた新設計台車で、走行安定性の確保と転向横圧低減の両立をはかっている。なお、5211系として区分される後期の3編成は軸箱支持部を片側支持積層ゴムブッシュ式としたボルスタレス台車の近畿車輛KD-306系[12]に変更した。
KD-301型の基礎ブレーキ装置は車輪の踏面を前後から制輪子で締め付ける両抱き式である。当初は鋳鉄制輪子を装備していたが、5201F - 5210Fは合成制輪子に交換されている。一方、KD-306型の基礎ブレーキ装置は車輪の踏面を片方の制輪子で押し付ける片押し式で、Tc車はディスクブレーキを併設する。1436系や1254系で搭載された滑走検知装置は1437系・1620系同様に搭載されていない。
制動装置は抑速ブレーキ・回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ (HSC-R) 方式を採用し、従来の界磁チョッパ制御車や抵抗制御車との併結も考慮している。運転台はベージュ系のものを採用し、電動発電機は5208FまではHG-77463形で5209F以降はNC-FAT形を、電動空気圧縮機はC-1000LをそれぞれTc車に配置している。パンタグラフは各電動車の大阪・名古屋寄りに下枠交差式の東洋電機製造PT-48を1基ずつ搭載し、当初から母線引き通しが施されている。
車両性能は起動加速度2.6km/h/s。減速度4.0km/h/s。運用上の最高速度は110km/hで、大阪線西青山駅 - 東青山駅間の新青山トンネル内22‰上り勾配においても均衡速度104km/h以上の走行性能が確保され、33‰上り勾配・架線電圧10%減・定員乗車条件でも均衡速度96km/hを確保している。本系列は長距離運転の多い大阪線・名古屋線向けに投入されたが、後述のように近鉄の標準軌線であればどの線区にでも入線可能[13]な性能になっている。
冷房装置は冷凍能力10,500kcal/hの集約分散式ユニットクーラーを各車両に4台搭載し、補助送風機としてラインデリアを併用する。
編成一覧
← 大阪上本町・近鉄名古屋・京都(貸切) 鳥羽 →
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T'c ク5100 |
M モ5200 |
M モ5250 |
Tc ク5150 |
- ク5100形および、ク5150形には、トイレが設置されている。ただし、大阪線編成に関しては、2009年に頻発した放火事件の影響で、いたずらや放火事件の再発防止等、防犯上の理由から、名張駅・青山町駅以西の準急や普通列車運用に入る場合[14]は、トイレが使用不可[15]になっている。しかし、伊勢方面直通の快速急行や急行[16]、および名古屋線[17]では長距離を運行する列車が殆どのため、トイレは使用可能である。
配置箇所と運用線区
1996年までに13編成が製造された。それまで大阪線や名古屋線急行の主力車両だった2600系や2610系、2680系の運用が一部、本系列に置き換えられている。
大阪線用
明星検車区に5201F・5204F・5205F・5206Fの4本が配置され、大阪線を中心に運用されている。 大阪線では朝と夕方以降は主に急行系の運用に就くが、昼間の宇治山田駅直通の長距離急行には主に1400系1408Fとロングシート改造された2610系か、5800系・5820系L/Cカーのいずれかが運用に就いているため、当系列は青山町駅以西の急行、榛原駅以西の準急・普通の間合い運用に入ることや団体用としての予備車として名張車庫や明星車庫などで待機していることが多い。 運用時は主に2410系か1437系、1253系等と6両編成を組んでいるが、ラッシュ時の快速急行・区間快速急行・準急は高安駅・名張駅・青山町駅以西では1620系や2610系・2800系等の4両固定編成とも組んで8・10両編成で運用されている列車もある。突発的な運用変更で5200系同士での8両編成や、5800系・5820系と10両編成を組むこともある。
名古屋線への間合い運用は2006年までは存在したが、2011年現在は2610系ロングシート車両か1400系1407Fの乗り入れのみであった。また、終日青山町駅以西の運用もあるため、伊勢方面に乗り入れない編成もある。
5201Fは当初は高安検車区に所属し、1990年から1997年まで富吉検車区に配置された後に、明星検車区に転属している。5204F - 5206Fは2006年から明星検車区所属となっている。
名古屋線用
富吉検車区に5202F・5203F・5207F - 5213Fの9本が配置され、名古屋線を中心に運用されている。
1810系や1201系、1230系、1430系、9000系と併結[18]した6両編成で、終日、近鉄名古屋駅 - 伊勢中川駅・松阪駅・宇治山田駅・五十鈴川駅・鳥羽駅間の中・長距離急行運用に就いており、同線における急行の主力系列となっている。また近鉄名古屋駅での富吉車庫への急行車折り返し回送の関係で近鉄名古屋駅 - 富吉駅間の準急でも運用されている。間合い運用として1編成が大阪上本町6:15発鳥羽行き快速急行、五十鈴川20:37発大阪上本町行き快速急行で大阪線に入線する[19]。通常のダイヤでは、名古屋線編成での普通列車の運用は大阪線・名古屋線・山田線のいずれにも存在しない[20]。
名古屋線系統に配置が多いのは、JR東海の快速「みえ」や自家用車との競合が激しいという理由がある反面、大阪線系統ではラッシュ時の混雑に3扉車では対応しにくいこと、また競合路線が存在せず[21]、特急と急行系統の所要時間[22]の格差が名古屋線よりも大きく、速達性と快適さを求める乗客は特急料金を払ってでも特急を選ぶ傾向にあるという理由から、一般車両としてのクロスシート車の存在意義が名古屋線より薄いという背景がある。このため近鉄では混雑時にロングシート、閑散時にクロスシートに切り替えが可能な「デュアルシート」を開発し、4扉の「L/Cカー」として投入するようになる。
5202Fは製造当初は高安検車区に配置されていたが、1990年に快速「みえ」[23]との競合[24]における急行車両増強のために富吉検車区へ転属した。5203F・5207F - 5213Fは製造当初から名古屋線所属である。
共通事項
本系列が運用される場合、名古屋線では限定運用が基本で平日での5200系運用の列車が休日の一部にL/Cカー運用に変わる(その逆もある)場合を除き、毎日同じ列車に充当されている。反対に大阪線では曜日によって運用される列車が違っており、本系列で運用する列車が一定していないが、年間を通して同じ列車に充当される運用も存在する[25]。
転換クロスシートや二箇所のトイレ、補助席といった1980年代後半当時の一般車両では破格の車内設備ゆえに当初投入された大阪線はもとより在籍編成の多い名古屋線では好評を博した[3]。そのため、天理教輸送列車や修学旅行他の団体輸送、臨時列車などで京都線や志摩線[26]などの通常の定期運用では乗り入れない他の線区に入線することも多い。導入当初は高安検車区にも配置していたが、先述の通り2011年時点では配置されていない。
ごくまれに、本来は4両編成L/Cカーが充当される朝の山田線宇治山田始発名古屋線白塚行き普通列車や大阪線名張始発名古屋線近鉄名古屋行き急行[27]に突発的な代走で充当されることがある[28]。また、定期検査や車体更新、団体運用等で通常の運用を離脱する場合は、大阪線所属編成は2610系や1400系1407F、名古屋線所属編成が代走することがある[29]。名古屋線所属編成が運用を離脱した場合も同様で、トイレを装備している2000系XT07 (2013F) 以外に急行編成の予備車がないために、1400系FC07(1407F)、2610系や5200系の大阪線所属編成が代走するが、2000系のXT07 (2013F) が名古屋線所属の3両編成と組んだ6両編成で代走することもある[30]。
改造・車体更新
つり革[31]や窓際肘掛の撤去などの小改造が行われているものの、登場以降の内装や外見に大きな変化はなかった。しかし、製造後20年前後が経過し後に投入された5800系や5820系と比べると内装面での見劣りが目立ってきたため、2007年から車体更新工事が名古屋線所属の5202Fから始まっており、2011年4月までに5201F - 5208Fの7編成が高安検修センターにて車体更新を受けている。更新内容は以下の通り。
- 内外装材の張り替え[32]
- 棒状の転落防止幌・雨樋・各車両に車椅子スペース[33]・車内案内表示器・乗降扉横に手すりの設置
- 座席モケットがそれまでの緑・茶色から赤系のもの[34]に変更[35]
- 窓下のテーブル・補助席の撤去
- Tc車に設けているトイレを和式から洋式に変更
- 5203F(車体更新2編成目)以降は乗降扉付近の仕切り壁をL/Cカーに準じた化粧板タイプの仕切り壁[36]に交換
- ロールカーテンのブラインドをシリーズ21と同様のタイプに変更[37]
- 5203F以降は新型ATS(ATS-SP)[38]設置・デッドマン装置更新工事の施工(車体更新を受けるまで施工されなかった車両のみ)
- 5201F(車体更新3編成目)以降はVVVFインバータ制御のシンボルマーク撤去[39](定期検査等で撤去された編成を除いて)[40]
- 5207F(車体更新4編成目)以降は大阪・名古屋方Tc車に連結部注意喚起スピーカー[41]の取り付け。
- 製造から20年以上経過して車体更新工事を受けた5201F・5203F - 5205F[40]は種別灯・尾灯がシリーズ21と同じものに変更[42]
2008年に5202Fが、2011年に5212F・5213Fが新型ATS設置・デッドマン装置更新工事を受けている。
5212F・5213Fは増粘着剤噴射装置の取り付けが行われている。[43]
2009年からは、5202F・5203F・5206F・5209F - 5213Fは車体側面の運転室扉と乗降扉間に貼られていたVVVF制御車のシンボルマークが撤去された[39]。
車体更新が施工されていない5211F - 5213Fにも転落防止幌が設置されている。
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Tc車(車体更新前)の車内の様子
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M車(車体更新前)の車内の様子
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更新前の車端部 補助席が格納されている
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車体更新後の車内の様子
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車体更新後の座席(新モケット)
アートライナー
名古屋線所属の5210Fは、2009年第29回世界新体操選手権のアートライナーとなり、2009年3月14日近鉄名古屋駅で出発式を行った。同編成は2009年11月にラッピングを解除されている。[44]
また、かつて名古屋線所属の5209Fは赤塚グループの会社である赤塚の商品「FFCパイロゲン」のアートライナーとなっていた。こちらは2007年11月にラッピングを解除されている。
脚注
- ^ 本系列の電算記号であるVXのVはVVVFインバータ制御車両を、Xは急行用車両を意味している。
- ^ 5209系は1991年11月に登場、5211系は1993年3月に登場した。
- ^ a b c 近鉄時刻表2010年号p397のコラムより。 タイムスケープ100「16.近鉄が先駆けた種々のクロスシート」
- ^ 運転距離が100kmを超える主な料金不要列車としては、名古屋線急行が近鉄名古屋駅 - 鳥羽駅間で走行距離は120.4km。大阪線快速急行や急行が大阪上本町駅 - 宇治山田駅間で走行距離は137.2km(快速急行が鳥羽駅まで乗り入れる場合の走行距離は150.4km)である。
- ^ 本系列は20100系の代替も兼ねており、同時期に団体専用車両へ改造された18200系では対応しきれなくなった際は本系列が使用されたことがあった。
- ^ 乗降扉付近も含めてほぼ全ての座席が転換出来るが、連結側の妻面の座席のみは進行方向に関わらず固定されている。
- ^ 大阪線では1460系、名古屋線では6441系以来の片側3扉車両である。近鉄時刻表2008年号p368 コラム「鉄道の名優たち38 5200系」
- ^ 本系列の製造と同時期に登場した21000系や26000系、22000系、23000系と同様に、尾灯の赤と種別標識の黄色を切り替えて表示するタイプである。
- ^ 本系列に採用されたこの2種類のモケットは、21000系「アーバンライナー」に採用するための試作品として開発された8種類のモケットのうち、21000系に採用されなかった6種類のモケットの中の2種類である。
- ^ このトイレは、2600系や2610系等にも車体更新の際に本系列に準じたトイレに改修されている。
- ^ 5207Fまでは、3200系と同じ磁励音だったが、後に5208F以降に合わせてプログラムが更新された。更新後の磁励音は都営地下鉄5300形に近い音になっている。
- ^ 電動車はKD-306Bを、制御車はKD-306Cを装備する。なお、後に登場した5800系では1620系や1026系と同様のKD-306・KD-306Aが採用されたため、KD-306B・KD-306Cを装備するのは5211F - 5213Fのみとなっている。
- ^ ただし、本系列は4両固定編成であるためにプラットホーム有効長が最大2両編成まで対応の信貴線や最大3両まで対応の鈴鹿線、田原本線には入線不可能となっている。
- ^ 放火された列車がトイレ付き車両で運用されていた準急であったため。
- ^ 以前から、大阪上本町 - 高安・河内国分間の準急と普通列車では、乗客の少ない列車によるトイレでの喫煙やいたずら防止のため、本系列や5800系などトイレ付き車両のトイレ使用不可の処置がとられていた。
- ^ 伊勢方面直通の急行であっても、列車によっては青山町駅または名張駅までトイレを施錠する場合がある。
- ^ 宇治山田発白塚行き普通列車に突発的に充当された場合や近鉄名古屋駅 - 富吉駅間の準急でも使用可能である。
- ^ 抑速ブレーキ未設置である1810系以外の2両編成車はいずれも抑速ブレーキを装備しているため、運用・性能面での制約はほとんどないが、大阪線に乗り入れる場合は、ワンマン改造されなかった1430系や1233系と組んだ編成に限定して乗り入れる。
- ^ 後述のラッピング編成もこの運用で大阪線に入ることがあった。
- ^ 鳥羽線では朝と夜間の急行が宇治山田駅到着後に鳥羽行き普通列車に系統変更する列車があるが、これらはいずれも大阪線所属編成で充当されているため、突発的な運用変更がない限りは名古屋線車両での普通運用は設定されていない。
- ^ 実際はJR難波駅や天王寺駅などから関西本線(大和路線)ルートで加茂駅・亀山駅・多気駅を経由して松阪駅、伊勢市駅、鳥羽駅へ向かうことは可能であるが、所要時間や利便性の面からも近鉄大阪線と比べると明らかにJR線が不利で、実質的に伊勢市・鳥羽方面への競合路線が存在しないが、大阪府および奈良県内においては大阪線桜井駅や大和高田駅、特に河内国分駅以西でJR西日本の桜井線や和歌山線、大和路線との競合が多少はある。
- ^ 途中駅で特急を待避する急行で30分前後、特急を待避しない快速急行でも20分前後の時間差がある。
- ^ 1990年3月に快速「みえ」の運行が開始され、1993年8月からは本系列と同様の3扉転換クロスシート車両のキハ75形気動車が投入されている。
- ^ 快速「みえ」以外にも1989年から関西本線に2扉転換クロスシート車両の213系5000番台、1999年および2006年以降はラッシュ時の間合い運用であるが3扉転換クロスシート車両の313系1500・1600・1300番台が投入されているため、快速・普通列車とも競合している。
- ^ 大阪上本町駅6:15分発鳥羽行き快速急行など。
- ^ 「近鉄,『ミズノクラシック』開催にともない臨時列車を運転 交友社『鉄道ファン』railf.jp 2010年11月09日
- ^ この急行は伊勢中川駅で方向転換を行なう関係上、全席転換クロスシートを装備する本系列では乗客に座席を転換させる手間が生じるために通常の車両運用では充当されないのが主な理由である。
- ^ 前日に明星車庫や名張車庫で停泊する編成があるため、運用の乱れが発生しても対応出来るようになっている。
- ^ 2610系の代走が多いが、青山町駅以西のみの運用であれば、トイレなしの編成が代走を務めることもある。
- ^ 2000系2013Fが代走する場合は、単独4両編成で運行する列車や大阪線に乗り入れる列車には充当されない。
- ^ L/Cカーで設置された五角形のつり革ではなく、従来の丸型つり革が採用されている。
- ^ 化粧板は5800系や5820系同様ラベンダーブルーに、床材は7020系と同様の砂目のグレートーンに変更された。
- ^ 最初の更新車の5202Fは、更新する前からあったTc5102(運転台側)の車椅子スペースを撤去し、新たにトイレの向かい側にあった座席を撤去しそこへ設置された(Tc5152も同様)が、5203F(2編成目)以降の更新車は、更新する前からあったTc5100の車椅子スペースは撤去されず、同じ場所となっている(Tc5150も設置場所は運転台側であり、トイレの向かい側は車椅子スペースではなく、従来通り座席が設置されている)。中間車のM5200・M5250は何れも宇治山田・鳥羽側に設置されている。
- ^ 5820系等シリーズ21車両をベースに、5200系独自のものに改良された。
- ^ このモケットは2009年からロングシートVVVF制御車両の一部にも部分変更の上で順次採用されている。
- ^ 本系列では転換クロスシートを装備している関係で、幅は更新前の仕切り壁と同等の広くとられた仕切り壁とされた。最初に更新された5202Fのみ、更新前の割り付けを引き継いでいるために形状が更新前のままで、5203Fよりも仕切り壁が厚くなっている。
- ^ ただし、L/Cカーで採用されたフリーストップ式カーテンには更新されず、従来の3段階ストップ式カーテンである。窓枠の固定化も行われていない。
- ^ 新設したATSはトランスポンダ方式と呼ばれる方式で、曲線、分岐、駅近接踏切等の線路条件に応じて速度制限を行うとともに、各駅間の最高速度を連続的に制限する等、従来型よりも保安度の高いシステムである。近鉄ストーリー 平成13年 - 平成22年 - 近畿日本鉄道(公式サイト)
- ^ a b VVVF制御車のシンボルマークと同時に貼られていた車椅子スペースのステッカーは撤去されず新品に交換され、従来の位置よりも乗降扉寄りに移設されている。
- ^ a b 近鉄時刻表2011年号の表紙に車体更新後の5205Fが掲載されている。表紙の写真には交換された種別灯や剥がされたVVVF制御シンボルマークが確認出来る。
- ^ 奈良線所属の5800系や1026系に取り付けられたものと同等のものである。
- ^ 車体更新時に交換されなかった5202Fも2010年12月に交換された。
- ^ 他形式との併結運転が大半で単独運転が少ないためク5100形には設置されず、基本的に編成の先頭となる場合が多いク5150形への設置となっている。
- ^ 「近鉄5209系にラッピング編成登場 交友社『鉄道ファン』railf.jp 2009年03月19日
関連項目
外部リンク