近鉄信貴線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
近畿日本鉄道 信貴線
信貴線を走る1430系。背景は高安山。 山腹に西信貴鋼索線が見える。
信貴線を走る1430系。背景は高安山
山腹に西信貴鋼索線が見える。
基本情報
日本の旗 日本
所在地 大阪府八尾市
起点 河内山本駅
終点 信貴山口駅
駅数 3駅
路線記号 J
開業 1930年12月25日
所有者 近畿日本鉄道
運営者 近畿日本鉄道
車両基地 高安検車区
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線距離 2.8 km
軌間 1,435 mm標準軌
線路数 単線
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
最大勾配 40
閉塞方式 自動閉塞式
保安装置 近鉄型ATS
最高速度 65 km/h[1]
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
STR
D 大阪線
BHF
0.0 J12 河内山本駅
ABZgr
D 大阪線
BHF
2.0 J13 服部川駅
2.8 J14 信貴山口駅
Z 西信貴鋼索線
FUNI

信貴線(しぎせん)は、大阪府八尾市河内山本駅から信貴山口駅までを結ぶ近畿日本鉄道(近鉄)の鉄道路線。全線が八尾市内にある。

概要[編集]

信貴山朝護孫子寺への西側のルートの一部であり、信貴山口駅で西信貴鋼索線に接続している。沿線は変化に富み、河内山本駅付近の住宅地をすぎて外環状線を越えるあたりから田園風景がひろがる。途中の服部川付近では大阪平野が眺望できる。服部川駅から信貴山口駅までは急勾配が続く山岳路線の趣がある。なお、服部川駅付近には40の勾配があるが、これは近鉄の普通鉄道路線の中で最も急である。平日は通勤・通学利用が主体であるが、土休日は観光客や登山客、高安山にある霊園への参拝客の利用も多い。

スルッとKANSAI対応カードおよびJスルーカード自動券売機での乗車券引き換えのみ)、ICカードPiTaPaICOCASuicaなど全国相互利用乗車カードが使用できる。

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):2.8km
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:3駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線)
  • 電化区間:全線電化(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 最高速度:65km/h[1]

全線、大阪統括部の管轄である。

運行形態[編集]

線内折り返し運転の普通列車のみが、朝夕は約15分間隔、日中は約20分間隔で運転されている(2010年のダイヤ変更以前は日中も15分間隔だった)。そのうちの朝夕は約半数、日中は約40分に1本の割合で西信貴鋼索線と連絡している。

西信貴鋼索線が再開された1957年以降、1967年12月20日の白紙ダイヤ変更までは上本町駅から直通する準急・普通列車も運転されていた(1987年までの近畿日本鉄道ダイヤ変更参照)。大阪線直通列車は同線の準急・普通の編成増強によって、2両編成しか入線できない信貴線との直通が困難となったため廃止されたが、その後2010年12月12日には信貴線・西信貴鋼索線開業80周年記念イベントとして、直通準急列車の復活運転が行われた[2][3]。2018年12月15日にも信貴線・西信貴鋼索線開業88周年および八尾市制70周年を記念して同様に直通準急列車の復活運転が行われた[4][5]

大晦日から元旦にかけての終夜運転は、線内折り返しの普通列車をおおむね30分間隔で運行し、西信貴鋼索線と連絡するダイヤが組まれている。時刻については近鉄の公式ホームページでも紹介されている。

信貴線は制限速度が低く設定されている。河内山本駅 - 服部川駅間は線形が良く駅間も長いが、全線65km/hに制限されている。

河内山本駅の配線の都合上、当路線への送り込みの回送列車弥刀駅で一度折り返して入線する。

車両[編集]

大阪線所属の車両が使用されるが、信貴線は2両しか対応していないために2両編成の車両が限定使用され、主に1430系が使われている。詳細は大阪線の項を参照。なお、信貴線に9020系は運用されていない。

歴史[編集]

近鉄の前身である大阪電気軌道(大軌)により、信貴山電鉄の鋼索線(現在の西信貴鋼索線)・山上鉄道線(1944年休止、1957年廃止)と同日に開業した。はじめは、信貴山口から生駒山麓を通過して桜井方面に向かう計画であり、信貴線は複線分の線路用地を有している。また、信貴山口から北上して瓢箪山奈良線にアクセスする計画もあった。

開通当時、信貴山朝護孫子寺へのアクセスとしては既に東側から信貴生駒電鉄によって、1922年に現在の生駒線の一部と東信貴鋼索線1983年廃止)が開業していた。

しかしこの路線と信貴山電鉄の開業により、それまで関西本線・信貴生駒電鉄経由、ないしは1927年に信貴生駒電鉄の生駒駅 - 王寺駅間が全通したあと、大軌奈良線・信貴生駒電鉄経由で大阪から信貴山へ向かっていた客の多くは、大軌桜井線(後の近鉄大阪線)・信貴線・信貴山電鉄のルートを使うようになった。これにより信貴生駒電鉄は打撃を受け、結局は大軌の傘下に入ることにして存続を図ることにした。信貴生駒電鉄が大軌を改めた近鉄に合併されたのは、1964年のことである。

  • 1930年(昭和5年)12月15日:大阪電気軌道信貴線として、山本駅(現在の河内山本駅) - 信貴山口駅間が開業。
  • 1948年(昭和23年)7月1日:線名を東高安線に改称(同時に信貴山口駅を東高安駅に改称)[6]
  • 1957年(昭和32年)3月21日:線名を信貴線に戻す(同時に東高安駅も信貴山口駅に改称)[7]
  • 1968年(昭和43年)10月10日:自動列車停止装置 (ATS) 使用開始。
  • 2001年(平成13年)
  • 2007年(平成19年)4月1日:各駅でPiTaPaICOCAの取り扱い開始。
  • 2009年(平成21年)3月1日:Jスルーカードの自動改札機・のりこし精算機での取り扱いを終了[8]
  • 2010年(平成22年)
    • 3月19日:同日のダイヤ変更で、日中の運転間隔が毎時4本から毎時3本に減便。
    • 12月12日:信貴線・西信貴鋼索線開業80周年記念イベントとして大阪上本町駅からの直通列車を復活運転[2]

駅一覧[編集]

全駅大阪府八尾市に所在。

駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線
J12 河内山本駅 - 0.0 近畿日本鉄道:D 大阪線 (D12)
J13 服部川駅 2.0 2.0  
J14 信貴山口駅 0.8 2.8 近畿日本鉄道:Z 西信貴鋼索線 (Z14)

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b 寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』 - ネコ・パブリッシング
  2. ^ a b 大阪上本町〜信貴山口間の直通列車が復活運転 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2010年12月13日
  3. ^ 〜信貴線・西信貴鋼索線開業80周年記念イベント 〜大阪上本町〜信貴山口間の臨時直通列車を復活運転! (PDF) - 近畿日本鉄道、2010年12月3日
  4. ^ 近鉄で信貴線直通の臨時準急列車運転 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2018年12月16日
  5. ^ 臨時準急列車の運転について(信貴線・西信貴鋼索線開業88周年) - 近畿日本鉄道 お知らせ、2018年11月16日
  6. ^ 『創業70周年記念 最近20年のあゆみ』、近畿日本鉄道、1980年、376頁
  7. ^ 『創業70周年記念 最近20年のあゆみ』、近畿日本鉄道、1980年、384頁
  8. ^ Jスルーカードの利用終了について (PDF) - 近畿日本鉄道プレスリリース 2008年12月2日

参考文献[編集]

  • 徳田耕一(編著)『まるごと近鉄ぶらり沿線の旅』河出書房新社、2005年。ISBN 4309224393
  • 諸河久・山辺誠(編著)『日本の私鉄 近鉄2』保育社〈カラーブックス〉、1998年。ISBN 4586509058
  • 近畿日本鉄道(編著)『近鉄時刻表』各号、近畿日本鉄道。
  • 電気車研究会(編)「特集:近畿日本鉄道」『鉄道ピクトリアル』2003年1月号臨時増刊、2003年。

関連項目[編集]