岡田敬二
岡田 敬二(おかだ けいじ、1941年2月19日 - )は、日本のレビュー演出家、宝塚歌劇団の演出家。東京都港区生まれ。
日本レビュー界の第一人者。宝塚歌劇団では近年「ロマンチック・レビュー」路線を提唱。「ロマンチック・レビュー」は最新作「ロマンス!!(Romance)」を含め19本を数える。
プロフィール
- 1941年 東京都港区に生まれる。
- 1959年 東京都立大森高等学校卒業。早稲田大学第一文学部入学。
- 1963年 大学卒業後、宝塚歌劇団演出部に就職。
- 1967年 「若者たちのバラード」で演出家デビュー。
- 1974年文化庁海外研修員として、1年間の海外留学。
- 1977年「ザ・レビュー」で文化庁芸術祭大衆芸能部門2部 優秀賞を受賞。
- 1970年代、「青春のプレリュード」「ビューティフル・ピープル」「イフ」といったフォークソングを積極的にレビューに取り入れるなどの、実験的な作風で知られた。
- 1984年「ジュテーム」を皮切りに伝統的な宝塚レビューに、独自の美学を反映させた、独自のスタイル「ロマンチック・レビュー」を提唱。宝塚大劇場にてシリーズ化。一躍 日本を代表するレビュー作家となる。
長年にわたり、エレガントなオリジナルレビューを演出。数多くの名場面を生み出し不動の地位を確立する。代表作として「魅惑」「ル・ポアゾン 愛の媚薬」[1]「ダンディズム」「ラ・カンタータ」などがある。
「アップル・ツリー」(1979年)「ディーン」(1981年)「キス・ミー・ケイト」(1988年)など、海外ミュージカルの宝塚歌劇版の演出も多く手がける。特に1993年アメリカ演劇界の第一人者 演出家トミー・チューンとの共同演出の宝塚版「グランドホテル」、「Broadway Boys」は大きな話題となる。さらに桜田淳子主演の「アニーよ銃を取れ」など、ミュージカルの演出も多数。
人物
- 若い頃から理論家として知られる。早稲田大学在学中に「歌劇」誌に投稿したレビュー評を白井鐵造に認められたことで、歌劇団への就職のきっかけをつかむことになる。また、レビューの地位向上のために劇評家と激論を交わすこともしばしばある。
- 無類の競馬好きとして知られている。1980年代には大阪新聞紙上で競馬コラムを連載したり、関西テレビの競馬中継「エキサイティング競馬」にゲスト解説者として出演したりしていた。
- 外部演出の多い演出家としても知られ、ペギー葉山・雪村いずみ・松田聖子リサイタルや、小椋佳ミュージカル「アルゴプロジェクト」、桜田淳子主演「アニーよ銃を取れ」など1980年代を中心に多数、作品の演出を手掛けている。
- 1996年 - 2004年には、宝塚クリエイティブアーツの代表取締役社長に就任。宝塚歌劇のエンターテインメント事業に従事。2011年より宝塚文化創造館の名誉館長に就任。
- 妻・泰子は宝塚歌劇団卒業生(元雪組)の若菜ゆき。現在は子供ミュージカル劇団「のんのんバレエスタジオ」を主宰している。
- 長男はテレビ演出家の岡田倫太郎。
受賞歴
岡田敬二演出作品
宝塚歌劇団
- 1967年 - 「若者達のバラード」
- 1968年 - 「タカラヅカ`69」
- 1970年 - 「青春のプレリュード」
- 1971年 - 「サンライズ・アゲイン」
- 1972年 - 「グラン・ソレイユ -ひまわり-」
- 1973年 - 「イフ…さよなら古城都」
- 1976年 - 「ビューティフル・ピープル」
- 1977年 - 「ザ・レビュー」第一部、「ボーイ・ミーツ・ガール」
- 1978年 - 「センセーション!」
- 1979年 - 「アップル・ツリー」(宝塚バウホール)、「ビューティフル・シティ」
- 1981年 - 「ディーン」(宝塚バウホール)、「ファースト・ラブ」
- 1982年 - 「魅惑」、第2回東南アジア公演
- 1983年 - 「グラン・エレガンス」、「ロンリー・ハート」(宝塚バウホール)
- 1984年 - 「ジュテーム」(ロマンチック・レビューシリーズ第1作)、「フル・ビート」
- 1985年 - 「オール・フォー・ラブ」(宝塚バウホール)、「アンドロジェニー 麗しき乙女たち」
- 1986年 - 「ラ・ノスタルジー」
- 1987年 - 「リプライズ!」(宝塚バウホール)
- 1988年 - 「キス・ミー・ケイト」
- 1989年 - 「ラ・パッション!」、「ウォーター・フロント・ララバイ」(宝塚バウホール)
- 1990年 - 「ル・ポアゾン 愛の媚薬」
- 1991年 - 「ナルシス・ノアール」
- 1992年 - 「夢・フラグランス」
- 1993年 - 「グランド・ホテル」、「Braodway boys」
- 1994年 - 「ラ・カンタータ」
- 1995年 - 「ダンディズム!」
- 1996年 - 「La Jeunesse!」、「魅惑II -ネオ・エゴイスト!-」
- 1998年 - 「シトラスの風」
- 1999年 - 「ザ・レビュー`99」
- 2000年 - 「Asian Sunrise」
- 2001年 - 「Rose Garden」
- 2002年 - 「with a song in my heart」
- 2003年 - 「テンプテーション! - 誘惑 -」
- 2004年 - 「タカラヅカ・グローリー」
- 2005年 - 「ASIAN WINDS! - アジアの風 -」
- 2006年 - 「ネオ・ダンディズム! - 男の美学 -」
- 2009年 - 「Amour それは…」
- 2016年 - 「ロマンス!!(Romance)」 *予定
ロマンチック・レビュー
岡田が1982年の「ジュテーム」から提唱した一連のシリーズ。宝塚歌劇団創設者・小林一三の「清く正しく美しく」のモットーと、女性だけで演じるという特殊性を生かし、美しく華やかで品位をもった作品。日本人の心の琴線に触れるような内容を持ちたいとの想いが込められている[3]。主題歌など作曲編曲はすべて吉崎憲治が担当している。
- 「ジュテーム」主なスター:高汐巴、大浦みずき
- 「アンドロジェニー」主なスター:高汐巴、大浦みずき
- 「ラ・ノスタルジー」主なスター:剣幸、こだま愛、涼風真世
- 「ラ・パッション」主なスター:杜けあき、鮎ゆうき、一路真輝
- 「ル・ポワゾン 愛の媚薬」主なスター:剣幸、こだま愛、涼風真世
- 「ナルシス・ノワール」主なスター:日向薫、紫苑ゆう、毬藻えり
- 「夢 フラグランス」主なスター:涼風真世、麻乃佳世
- 「ラ・カンタータ」主なスター:紫苑ゆう、麻路さき、白城あやか
- 「ダンディズム!」主なスター:真矢みき、純名里沙
- 「La Jeunesse!」主なスター:高嶺ふぶき、轟悠、花總まり
- 「魅惑II ネオ・エゴイスト」主なスター:麻路さき、月影瞳
- 「シトラスの風」主なスター:姿月あさと、花總まり、和央ようか
- 「Asian Sunrise」主なスター:愛華みれ、大鳥れい
- 「Rose Garden」主なスター:轟悠、月影瞳
- 「テンプテーション -誘惑-」主なスター:和央ようか、初風緑、花總まり
- 「Asian winds」主なスター:春野寿美礼、ふづき美世
- 「ネオ・ダンディズム 男の美学」主なスター:湖月わたる、白羽ゆり
- 「Amour それは…」主なスター:大和悠河、陽月華
- 「ロマンス!!(Romance)」主なスター:北翔海莉、妃海風 *予定
脚注
- ^ 「歌劇」誌の読者投票で1位に選ばれた傑作レビュー
- ^ 主演・大浦みずきもこの作品での演技に対して、月刊「ミュージカル」・タレント部門 第5位に入賞し、作品自体も、作品部門 第3位に入賞
- ^ 出典「岡田敬二 ロマンチック・レビュー」 阪急コミュニケーションズ刊