函館スプリントステークス

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函館スプリントステークス
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 函館競馬場
創設 1994年7月17日[1]
2023年の情報
距離 芝1200m
格付け GIII
賞金 1着賞金4100万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(特指)
負担重量 別定
出典 [2][3]
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函館スプリントステークス(はこだてスプリントステークス)は、日本中央競馬会(JRA)が函館競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

概要[編集]

1994年に夏季競馬の短距離重賞の充実を図る目的で、4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走として「札幌スプリントステークス(さっぽろスプリントステークス)」の名称で創設[4][5]。1997年から札幌競馬と函館競馬の開催順が入れ替えられたことにより、施行場を函館競馬場に変更のうえ現名称となった[4][5]。2006年からはサマースプリントシリーズの第1戦に指定されている[4][5]

創設時から外国産馬が出走可能なほか、地方競馬所属馬は1996年から、外国馬は2009年からそれぞれ出走可能になった[1][6]

競走条件[編集]

以下の内容は、2023年現在[2][3][7]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 3歳52kg、4歳以上56kg、牝馬2kg減
    • 日本馬:収得賞金3000万円超過馬は超過額2000万円毎に1kg増
    • 外国馬:GI競走1着馬5kg増、GII競走1着馬3kg増、GIII競走1着馬1kg増(2歳時の成績を除く)

賞金[編集]

2023年の1着賞金は4100万円で、以下2着1600万円、3着1000万円、4着620万円、5着410万円[2][3]

歴史[編集]

  • 1994年 - 4歳以上の馬による重賞競走(GIII[注 1])として「札幌スプリントステークス」の名称で創設、札幌競馬場の芝1200mで施行[5]
  • 1996年
    • 特別指定交流競走となり、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能となる[1]
    • この年の本競走に於いて勝利騎手の安田富男がJRA全10場重賞完全制覇の偉業を達成した。
  • 1997年
    • 施行場を函館競馬場に変更[5]
    • 名称を「函館スプリントステークス」に変更[5]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳以上」に変更。
  • 2006年 - サマースプリントシリーズに指定[5]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIIに変更[8]
  • 2009年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬が8頭まで出走可能となる[6]
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更[6]
  • 2019年 - 中央競馬競走除外多発事案により、13頭が出走予定だったが、6頭が競走除外となり7頭立てで争われた。これは、中央競馬重賞競走における最多の除外となった。
  • 2020年 - COVID-19の流行により「無観客競馬」として開催[9]
  • 2021年 - 東京オリンピックの男女マラソンおよび競歩が札幌市で開催されることに伴う開催日程の調整により札幌競馬場で施行。
  • 2024年 - 「JRA70周年記念競走」の副称をつけて施行予定[10]

歴代優勝馬[編集]

コース種別の記載がない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第3回まで「札幌スプリントステークス」[5]

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1994年7月17日 札幌 1200m ゴールドマウンテン 牡5 1:09.3 武豊 佐山優 (株)グリーンファーム
第2回 1995年7月16日 札幌 1200m ノーブルグラス 牝4 1:09.4 小島太 上原博之 芳賀満男
第3回 1996年7月14日 札幌 1200m ノーブルグラス 牝5 1:08.9 安田富男 上原博之 芳賀満男
第4回 1997年7月13日 函館 1200m マサラッキ 牡4 1:08.8 河内洋 増本豊 丸井正貴
第5回 1998年7月19日 函館 1200m ケイワンバイキング 騸4 1:09.0 横山典弘 奥平真治 北村和哉
第6回 1999年7月18日 函館 1200m シンコウフォレスト 牡6 1:09.4 四位洋文 栗田博憲 安田修
第7回 2000年7月2日 函館 1200m タイキトレジャー 牡4 1:08.7 横山典弘 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第8回 2001年7月1日 函館 1200m メジロダーリング 牝5 1:09.5 武幸四郎 大久保洋吉 (有)メジロ牧場
第9回 2002年6月30日 函館 1200m サニングデール 牡3 1:10.3 福永祐一 瀬戸口勉 後藤繁樹
第10回 2003年7月6日 函館 1200m ビリーヴ 牝5 1:09.3 安藤勝己 松元茂樹 前田幸治
第11回 2004年7月4日 函館 1200m シーイズトウショウ 牝4 1:09.4 池添謙一 鶴留明雄 トウショウ産業(株)
第12回 2005年7月3日 函館 1200m シーイズトウショウ 牝5 1:09.0 池添謙一 鶴留明雄 トウショウ産業(株)
第13回 2006年7月2日 函館 1200m ビーナスライン 牝5 1:09.1 秋山真一郎 堀宣行 (有)ターフ・スポート
第14回 2007年7月1日 函館 1200m アグネスラズベリ 牝6 1:08.9 角田晃一 西浦勝一 渡辺孝男
第15回 2008年7月6日 函館 1200m キンシャサノキセキ 牡5 1:08.4 岩田康誠 堀宣行 吉田和美
第16回 2009年7月5日 札幌 1200m グランプリエンゼル 牝3 1:08.5 熊沢重文 矢作芳人 北側雅司
第17回 2010年7月4日 函館 1200m ワンカラット 牝4 1:08.2 藤岡佑介 藤岡健一 青山洋一
第18回 2011年7月3日 函館 1200m カレンチャン 牝4 1:08.0 池添謙一 安田隆行 鈴木隆司
第19回 2012年6月17日 函館 1200m ドリームバレンチノ 牡5 1:09.4 松山弘平 加用正 セゾンレースホース(株)
第20回 2013年6月16日 函館 1200m パドトロワ 牡6 1:08.5 勝浦正樹 鮫島一歩 吉田照哉
第21回 2014年6月22日 函館 1200m ガルボ 牡7 1:08.5 津村明秀 清水英克 石川一義
第22回 2015年6月21日 函館 1200m ティーハーフ 牡5 1:08.3 国分優作 西浦勝一 H.H.シェイク・モハメド
第23回 2016年6月19日 函館 1200m ソルヴェイグ 牝3 1:07.8 丸田恭介 鮫島一歩 (株)G1レーシング
第24回 2017年6月18日 函館 1200m ジューヌエコール 牝3 1:06.8 北村友一 安田隆行 (有)サンデーレーシング
第25回 2018年6月17日 函館 1200m セイウンコウセイ 牡5 1:07.6 池添謙一 上原博之 西山茂行
第26回 2019年6月16日 函館 1200m カイザーメランジェ 牡4 1:08.4 江田照男 中野栄治 友水達也
第27回 2020年6月21日 函館 1200m ダイアトニック 牡5 1:07.5 武豊 安田隆行 (有)シルクレーシング
第28回 2021年6月13日 札幌 1200m ビアンフェ 騸4 1:07.6 藤岡佑介 中竹和也 前田幸貴
第29回 2022年6月12日 函館 1200m ナムラクレア 牝3 1:07.2 浜中俊 長谷川浩大 奈村睦弘
第30回 2023年6月11日 函館 1200m キミワクイーン 牝4 1:08.2 横山武史 奥村武 浦邊輝實

脚注・出典[編集]

参考文献[編集]

  • 「函館スプリントステークス(GIII)」『中央競馬全重賞競走成績集【古馬関東編】』日本中央競馬会、2006年、933-954頁。 

注釈[編集]

  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典[編集]

  1. ^ a b c 中央競馬全重賞競走成績集【古馬関東編】
  2. ^ a b c 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 23 (2023年). 2023年9月8日閲覧。
  3. ^ a b c 令和5年第1回函館競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月8日閲覧。
  4. ^ a b c 2023年度第1回函館競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月8日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 歴史・コース:函館スプリントステークス 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2023年9月8日閲覧。
  6. ^ a b c 第1回 札幌競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 2092-2094 (2009年). 2016年6月14日閲覧。(索引番号: 19069)
  7. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(令和5年夏季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月8日閲覧。
  8. ^ 2007年の成績表参照。
  9. ^ 6月の中央競馬の開催等について”. 日本中央競馬会 (2020年5月28日). 2020年6月17日閲覧。
  10. ^ JRA70周年記念事業の詳細日本中央競馬会、2023年12月11日配信・閲覧

各回競走結果の出典[編集]

外部リンク[編集]