イギリス王位継承順位
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イギリス王位継承順位（イギリスおういけいしょうじゅんい）は、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国（イギリス）および英連邦王国諸国の王位継承権者の一覧である。
概要
イギリスの王位継承順は王位継承法により定められている。この法律によって定められている王位継承の条件は以下の通りである。
- ステュアート家の血を引いている者（ハノーファー選帝侯妃ゾフィーの子孫）に限る。
- 継承者は国王の直系子孫。2011年10月28日以降に生まれた者は、性別を問わずに長子先継（第一子→第一子の子孫→第二子→第二子の子孫→……の順）。
- 2013年王位継承法において男子優先の長子先継（長男→長男の子孫→次男→次男の子孫→…→長女→長女の子孫→次女……の順）から改正されたが、2011年10月27日以前生まれの者については改正前の男子優先が適用される。
- プロテスタント信仰であること。王位継承後イングランド国教会・スコットランド国教会に帰属すること。
- カトリック信徒、カトリックに転向した者は継承権を喪失する。
- かつてはカトリック信徒と結婚した者も継承権を喪失していたが、2013年王位継承法でこの条件はなくなり、セント・アンドリューズ伯爵ジョージ・ウィンザーなどが復権している。
- 非嫡出子は継承権が与えられない。
2011年10月28日にオーストラリアのパースで行われた英連邦王国首相会議で、カトリック信徒との結婚による王位継承権の喪失の条項の撤廃、また男女の別なく長子先継とする改正が合意された。この改正に関しては英連邦王国の各議会の議決と国王の裁可が必要であり（パプアニューギニアとツバルを除く）、各国で作業が行われた。
2012年12月3日にケンブリッジ公爵ウィリアム王子の夫人キャサリン妃の懐妊が公表され、12月13日には英連邦首脳会議の合意に沿って王位継承法案が下院に提出された。世論は速やかな法案成立を待望しているなどとして、政府がその審議の促進を求めた結果、法案はわずかな修正を経て、2013年1月28日に下院を、4月22日には無修正で上院を通過し、4月25日に女王の裁可を得て2013年王位継承法が制定された[1]。
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王位継承順位
エリザベス2世系譜
ハノーファー選帝侯妃ゾフィー → ジョージ1世国王 → ジョージ2世国王 → ウェールズ公フレデリック王太子 → ジョージ3世国王 → ケント・ストラサーン公エドワード王子 → ヴィクトリア女王 → エドワード7世国王 → ジョージ5世国王 → ジョージ6世国王 → エリザベス2世女王（現在の国王）
- エリザベス2世女王
- (1) ウェールズ公チャールズ王太子 （1948、エリザベス女王第1王子）
- (2) ケンブリッジ公爵ウィリアム王子 （1982、長男）
- (3) ジョージ・オブ・ケンブリッジ王子 （2013、長男）
- (4) シャーロット・オブ・ケンブリッジ王女 （2015、長女）
- (5) ヘンリー・オブ・ウェールズ王子 （1984、次男）
- (2) ケンブリッジ公爵ウィリアム王子 （1982、長男）
- (6) ヨーク公爵アンドルー王子 （1960、エリザベス女王第2王子）
- (7) ベアトリス・オブ・ヨーク王女 （1988、長女）
- (8) ユージェニー・オブ・ヨーク王女 （1990、次女）
- (9) ウェセックス伯爵エドワード王子 （1964、エリザベス女王第3王子）
- (10) セヴァーン子爵ジェームズ （2007、長男）
- (11) ルイーズ・ウィンザー令嬢 （2003、長女）
- (12) プリンセス・ロイヤル・アン （1950、エリザベス女王第1王女）
- (13) ピーター・フィリップス （1977、長男）
- (14) サバンナ・フィリップス （2010、長女）
- (15) アイラ・フィリップス （2012、次女）
- (16) ザラ・ティンダル （1981、長女）
- (17) ミア・ティンダル （2014、長女）
- (13) ピーター・フィリップス （1977、長男）
- (1) ウェールズ公チャールズ王太子 （1948、エリザベス女王第1王子）
ジョージ6世系譜
- ジョージ6世国王
- エリザベス2世（1926、ジョージ6世第1王女）→#エリザベス2世系譜
- スノードン伯爵夫人マーガレット王女 （1930-2002、ジョージ6世第2王女）
- (18) リンリー子爵デイヴィッド・アームストロング＝ジョーンズ （1961、長男）
- (19) チャールズ・アームストロング＝ジョーンズ （1999、長男）
- (20) マーガリタ・アームストロング＝ジョーンズ （2002、長女）
- (21) サラ・チャット令嬢 （1964、長女）
- (22) サミュエル・チャット （1996、長男）
- (23) アーサー・チャット （1999、次男）
- (18) リンリー子爵デイヴィッド・アームストロング＝ジョーンズ （1961、長男）
ジョージ5世系譜
- ジョージ5世国王（1865-1936）
- エドワード8世国王（1894-1972、ジョージ5世第1王子、退位）[2][3]。
- ジョージ6世国王（1895-1952、ジョージ5世第2王子）→#ジョージ6世系譜
- グロスター公爵ヘンリー王子（1900-1974、ジョージ5世第3王子）
- (24) グロスター公爵リチャード王子 （1944、次男）
- (25) アルスター伯爵アレクサンダー・ウィンザー （1974、長男）
- (26) カローデン男爵ザン・ウィンザー （2007、長男）
- (27) コジマ・ウィンザー令嬢 （2010、長女）
- (28) デイヴィナ・ルイス令嬢 （1977、長女）
- (29) センナ・ルイス （2010、長女）
- (30) タネ・ルイス （2012、長男）
- (31) ローズ・ギルマン令嬢 （1980、次女）
- (32) ライラ・ギルマン （2010、長女）
- (33) ルーファス・ギルマン （2012、長男）
- (25) アルスター伯爵アレクサンダー・ウィンザー （1974、長男）
- (24) グロスター公爵リチャード王子 （1944、次男）
- ケント公爵ジョージ王子（1902-1942、ジョージ5世第4王子）
- (34) ケント公爵エドワード王子 （1935、長男）
- (35) セント・アンドリューズ伯爵ジョージ・ウィンザー （1962、長男）
- （カトリックに転向）ダウンパトリック男爵エドワード・ウィンザー （1988、長男）
- （カトリックに転向）レディ・マリーナ＝シャーロット・ウィンザー （1992、長女）
- (36) アメリア・ウィンザー令嬢 （1995、次女）
- （カトリックに転向）ニコラス・ウィンザー卿 (en) （1970、次男）
- アルバート・ウィンザー （2007、長男）
- レオポルド・ウィンザー （2009、次男）
- ルイス・ウィンザー （2014、三男）
- (37) ヘレン・テイラー令嬢 (en) （1964、長女）
- (35) セント・アンドリューズ伯爵ジョージ・ウィンザー （1962、長男）
- (42) マイケル・オブ・ケント王子 （1942、次男）
- (46) オギルヴィ令夫人アレクサンドラ王女 （1936、長女）
- (47) ジェームズ・オギルヴィ (en) （1964、長男）
- (48) アレクサンダー・オギルヴィ （1996、長男）
- (49) フローラ・オギルヴィ （1994、長女）
- (50) マリーナ・オギルヴィ （1966、長女）
- (51) クリスチャン・モワット （1993、長男）
- (52) ゼノースカ・モワット （1990、長女）
- (47) ジェームズ・オギルヴィ (en) （1964、長男）
- (34) ケント公爵エドワード王子 （1935、長男）
- ジョン王子（1905- 1919、ジョージ5世第5王子）幼少より病弱で夭折。
- プリンセス・ロイヤル・メアリー（1897-1965、ジョージ5世第1王女）の子孫が53位以下となる
有名な王位継承権者
歴代国王の子孫は各国の王室と婚姻関係を結んでいるため、非カトリック諸外国の王室・名家にも継承権者が存在する。これらの順位は、自身より上位の継承権保有者の誕生・死去、もしくはカトリックへの改宗・カトリック教徒との結婚などによって頻繁に変動する。もっとも、現イギリス王室とはかなりの遠縁のため、彼らがイギリス国王を継承する可能性は非常に低い。
- ノルウェー国王ハーラル5世 第68位
- エドワード7世 → ノルウェー王妃モード → ノルウェー国王オーラヴ5世 → ハーラル5世
- プロイセン王家家長ゲオルク・フリードリヒ・フェルディナント 第170位
- ヴィクトリア女王 → ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公アルフレッド → ロシア大公妃ヴィクトリア・メリタ → プロイセン王子妃キーラ → プロイセン王子ルイ・フェルディナント → ゲオルク・フリードリヒ
- スウェーデン国王カール16世グスタフ 第192位
- ヴィクトリア女王 → コノート公爵アーサー → スウェーデン王太子妃マーガレット → スウェーデン王太子グスタフ・アドルフ → カール16世グスタフ
- デンマーク女王マルグレーテ2世 第221位
- ヴィクトリア女王 → コノート公爵アーサー → スウェーデン王太子妃マーガレット → デンマーク王妃イングリッド → マルグレーテ2世
- ギリシャ王妃アンナ＝マリア 第235位 - ただし、正教徒である。
- ヴィクトリア女王 → コノート公爵アーサー → スウェーデン王太子妃マーガレット → デンマーク王妃イングリッド → アンナ＝マリア
- ギリシャ国王コンスタンティノス2世 第422位 - 同上。
- ヴィクトリア女王 → ドイツ皇后ヴィクトリア → ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世 → ブラウンシュヴァイク公妃ヴィクトリア → ギリシャ王妃フリデリキ → コンスタンティノス2世
- エディンバラ公爵フィリップ王配（ギリシア→イギリス）第485位 - エリザベス2世女王の夫である彼自身も、ヴィクトリア女王の玄孫（エリザベス2世もヴィクトリア女王の玄孫）である。
- ヴィクトリア女王 → ヘッセン大公妃アリス → ミルフォード＝ヘイヴン侯爵夫人ヴィクトリア → アンドレオス王子妃アリス → エディンバラ公爵フィリップ王配
- ベアトリクス前女王（オランダ） 第812位
- カタリナ＝アマリア皇太女（オランダ） 第813位
- ジョージ2世 → オラニエ公妃アンナ → オラニエ公ウィレム5世 → オランダ王ウィレム1世 → ウィレム2世 → ウィレム3世 → ウィルヘルミナ → ユリアナ → ベアトリクス → （継承権放棄 = カトリック信者と結婚）ウィレム＝アレクサンダー → カタリナ＝アマリア
その他、ルーマニア、セルビア、ロシア、クールラント、ハノーファー、グルジア、ブルガリアなどの旧王家・名家にも遠縁がある。
系図
- (1)：王位継承順
- (I)：連合王国国王歴代順
- (i)：グレートブリテン王歴代順
- 斜体は故人
| エリザベス2世系譜 | ジョージ6世系譜 | ジョージ5世系譜 |
関連項目
脚注
- ^ イギリスにおける 2013 年王位継承法の制定 河島太朗 国立国会図書館 外国の立法258 2013年12月
- ^ {「王冠を賭けた恋」として知られるウォリス・シンプソンとの結婚のため、退位してウィンザー公爵エドワード王子となり、弟のジョージ6世が国王になった。退位の法的根拠となった1936年退位宣言法により､エドワード8世国王とその子孫は王位の継承から排除されている
- ^ 諸外国の王位継承制度 －各国の憲法規定を中心に－ (PDF) 山田邦夫 国立国会図書館レファレンス 2005年9月
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