内閣 (イギリス)

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内閣(ないかく、Cabinet of the United Kingdom)は、英国政府を構成する内閣の名称。

英国の内閣は首相と「Secretary of State(閣内相)」と呼ばれるその他の閣僚で構成される。Secretaryとは、元々は「秘書、書記」を意味する語である。

なお、「閣僚」を表すときに「minister」という語を用いるか、「secretary」という語を用いるかは国によってまちまちである。フランスでは自国の閣僚についてministre(英語のministerに相当するフランス語)を用い、また、日本では大臣を英訳としてはministerを用いるが、英国や米国などでは閣僚はSecretaryと呼ばれる。英国にはministerと呼ばれる役職も存在するが、首相(Prime Minister)以外は内閣には属さない「閣外相」のことである点に注意が必要である。

このページでは「閣僚」である「閣内相(Secretary of State)」を「大臣」として表記する。

首相[編集]

英国(以下、イギリスとする)では、庶民院(下院)の第1党の党首が、国王によって首相に任命される。よって、首班指名という作業は存在しない。

イギリスで首相という職が法律で定められたのは1937年のことで、この年まで「首相(Prime minister)」という語は大臣法になかった。ただし、外交文書ではこれよりも前に「首相」という語が使われている。

なお、首相は職務上当然に第一大蔵卿を兼任する。

閣内と閣外相と政務次官と政務秘書官[編集]

イギリスの省(Department)には、通常、「閣内相(Secretary of State)」と「閣外相(Minister of State)」と「政務次官(Parliamentary Under Secretary of State; 別称としてJunior Minister)」、「政務秘書官(Parliamentary Private Secretary)」が置かれる。ただし、1981年の運輸省、1999年の農漁業食糧省に閣内相が存在しなかった例にあるように、省に閣内相が置かれない場合もある。

閣内相は常に1名だが、閣外相、政務次官、政務秘書官については人数は1名の場合もあり、複数の場合もある。

日本の副大臣との比較
日本にはかつて政務次官(Parliamentary Vice-Minister)という役職があったが、副大臣(Senior Vice-Minister)に変えられた。よって、イギリスの「政務次官」に相当する日本の役職は「副大臣」である。

閣僚の任命[編集]

日本と同様、閣内相を任命するのは首相である。首相によって任命された閣僚はその後で国王によって認証される。

内閣の構成[編集]

  • 首相・第一大蔵卿・行政機構担当大臣(Prime Minister / First Lord of the Treasury / Minister for the Civil Service)
  • 副首相(Deputy Prime Minister)
  • 筆頭国務大臣(First Secretary of State)
  • 財務大臣・第二大蔵卿(Chancellor of the Exchequer / Second Lord of the Treasury)
  • 外務・英連邦大臣(Secretary of State for Foreign and Commonwealth Affairs)
  • 内務大臣(Secretary of State for the Home Department)
  • 国防大臣(Secretary of State for Defence)
  • ビジネス・イノベーション・職業技能大臣(Secretary of State for Business, Innovation and Skills) 
    • ※2007年6月28日までは教育技能大臣(Secretary of State for Education and Skills)
  • 教育大臣(Secretary of State for Education) ※同上
  • 保健大臣(Secretary of State for Health)
  • 司法大臣・大法官(Secretary of State for Justice / Lord Chancellor)
  • 文化、メディアおよびスポーツ大臣(Secretary of State for Culture, Media and Sport)
  • 環境、食料および農村大臣(Secretary of State for Environment, Food and Rural Affairs)
  • 国際開発大臣(Secretary of State for International Development)
  • 北アイルランド大臣(Secretary of State for Northern Ireland)
  • ウェールズ大臣(Secretary of State for Wales)
  • スコットランド大臣(Secretary of State for Scotland)
  • ランカスター公領大臣(Chancellor of the Duchy of Lancaster)
  • 運輸大臣(Secretary of State for Transport)
  • ビジネス、企業および規制改革大臣(Secretary of State for Business, Enterprise and Regulatory Reform) 
    • ※2007年6月28日までは貿易産業大臣(Secretary of State for Trade and Industry)
  • 雇用年金大臣(Secretary of State for Work and Pensions)
  • 地域社会および地方政府大臣(Secretary of state for Communities and Local Government)
  • 庶民院院内総務(Leader of the House of Commons)
  • 王璽尚書(Lord Privy Seal)
  • 貴族院院内総務(Leader of the House of Lords)
  • 枢密院議長(Lord President of the Council)
  • 首席大蔵大臣(Chief Secretary to the Treasury)
  • 下院与党院内幹事長(Government Chief Whip)

また、閣議は首相と閣内相によって行われるが、閣内相ではない以下の役職の者も出席する。

  • 上院院内幹事長(Lords Chief Whip)
  • 法務長官(Attorney General for England and Wales)

なお、閣内相に関する最新の情報については 駐日英国大使館のウェブページ を参照。

院内幹事[編集]

上下両院には院内幹事(whip)という役職が存在する。上院には政党の議員がいないため、上院院内幹事には与野党の区別はないが、下院院内幹事には与党院内幹事(Government Whip)と野党院内幹事の区別がある。

与党院内幹事
与党院内幹事は全員が閣外相の扱いを受ける。また、与党院内幹事長(Government Chief Whip)は閣内相であり、大蔵政務次官(Parliamentary Secretary to the Treasury)を兼ねる。
院内幹事の役割
与党院内幹事も野党院内幹事も、自らが所属する政党の議員が採決の際に造反しないよう根回しを行う。

現在の内閣[編集]

デービッド・キャメロン内閣

関連項目[編集]

外部リンク[編集]