超越瞑想

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超越瞑想(ちょうえつめいそう、英:Transcendental Meditation、略称:TM)は、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーによって創立された瞑想法である。

方法[編集]

楽な姿勢で座って、目を閉じて行うのが超越瞑想の特徴のひとつである。楽な姿勢でありさえすれば、どのような姿勢で座ってもよく、この点で坐禅などの方法とは少々異なる。ただ、具体的な実践方法は、マンツーマン指導を通じて学ぶ必要があり、書物などで学ぶことはできない。この理由のひとつとして、瞑想の初心者がこれから経験することを前もって知っているのは、あまりよくないことを挙げることができる。すなわち、瞑想の初心者が、ある特定の経験を予想すると、そのことに注意を奪われて、有意義な深い経験をする可能性を失うことになる。さらに、自己暗示にかかって、その経験を空想するだけに終わってしまうおそれすらある。したがって、瞑想実践の詳細について書き記すことには、実際的な価値が無い。

統計的調査[編集]

医療費の削減[編集]

経営学の博士号を持ち、医療費削減方法を研究している在野の研究者であるRobert E. Herron[1]は、インターネット新聞『ハフィントン・ポスト』に、「メディケアメディケイドの支出を削減する革新的方法」と題するブログ記事を寄稿している[2]。この記事は、Robert E. Herron自身が、2011年に"American Journal of Health Promotion"誌で発表した医療費削減に関する研究についてのもので[3][4]、この研究では、診療報酬支払額を含む医療費が高額であった10%の者について、超越瞑想を5年間実施した場合と実施しない場合を対照した場合、実施者についての医療費が非実施者と比較して約28%少なくなったとしている。この研究の統計学的な有意性の評価によると、統計結果が偶然にこのようになる確率は、実施者については0.1%(p=0.001)程度、非実施者については97%(p=0.97)程度である[5]

高血圧の改善[編集]

マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーによって創立されたマハリシ経営大学(Maharishi University of Management)準教授のMaxwell V. Rainforthらは、2007年に"Current Hypertension Reports"誌で、高血圧患者に対して実施されたストレス軽減プログラムについての過去の研究をメタアナリシスした結果、5種類のプログラムのうちで超越瞑想だけに血圧の低下についての統計有意差が認められたと報告している。分析対象とされた5種類のプログラムは、単純なバイオフィードバックリラクゼーションを併用したバイオフィードバック、漸進的筋肉弛緩法、ストレスマネジメント訓練、および超越瞑想プログラムである[6]

宗教社会学的分類[編集]

イギリスの宗教社会学ブライアン・R・ウィルソンは1982年の著作において、新大陸で誕生したアーミッシュエホバの証人クリスチャン・サイエンス、近年のサイエントロジーチルドレン・オブ・ゴッド(現在のファミリー・インターナショナル)およびクリシュナ意識運動などと並んで、超越瞑想をセクト主義運動として分析している[7]。アメリカの宗教社会学者ロバート・ニーリー・ベラーは1976年の文献において、ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントや超越瞑想のようなグループについて、それらは一時的な例外はあるけれども集団がメンバーシップ制でないこと、そして教祖が組織リーダーというよりカリスマ的ヒーラーもしくは教師と見られることが多いという点から、一般的に言って、セクトというよりはカルトとして見られるものだろうと分析している[8]。列挙されている例を見ても分かるように、こうした専門的な文献で使われているセクトやカルトといった言葉の使い方は日本語の一般の語感とはやや隔たりがある点は注意されたい。

実践者[編集]

2011年12月7日にアメリカ合衆国テレビ放送されたドクター・オズ・ショーでは、オプラ・ウィンフリーが自身の超越瞑想の体験についてコメントした[9]。 また、イギリスの日刊新聞であるタイムズ紙は、2009年4月6日に、ポール・マッカートニーリンゴ・スターが超越瞑想を世界中の小中高生に推奨するためにステージに立った、と報じた[10]ハリウッドに関するニュースを配信しているニュースサイトであるハリウッドニュースは、2011年12月10日に、デヴィッド・リンチに対する超越瞑想に関するインタビュー番組を配信した[11]。この番組は、マイクロソフトが運営するポータルサイトであるMSNでも放送されている[12]アフリカ人向けのニュースサイトであるThe Bantu Observerは、2012年6月14日に、モザンビークの第2代大統領であるジョアキン・アルベルト・シサノの披瀝として、超越瞑想を閣僚や公務員軍隊に紹介した結果、国内で政治平和自然のバランスがもたらされた、との言葉を掲載した[13]

脚注[編集]

  1. ^ Robert E. Herron, Ph.D. The Huffington Post
  2. ^ Transcendental Meditation: An Innovative Way to Help Reduce Medicare and Medicaid Expenses The Huffington Post
  3. ^ Herron, Robert E. (Sep-Oct 2011). “Changes in Physician Costs Among High-Cost Transcendental Meditation Practitioners Compared With High-Cost Nonpractitioners Over 5 Years”. American Journal of Health Promotion 26 (1): 56-60. PMID 21879945. http://www.ajhpcontents.org/doi/abs/10.4278/ajhp.100729-ARB-258. 
  4. ^ Prevention and Treatment of Cardiovascular Disease in Adolescents andAdults through the Transcendental Meditation Program: A Research Review Update Georgia Health Sciences University
  5. ^ Reduced Medical Expenses for High-Cost People The Huffington Post
  6. ^ Maxwell V. Rainforth, et al. (Dec 2007). “Stress Reduction Programs in Patients with Elevated Blood Pressure: A Systematic Review and Meta-analysis”. Current Hypertension Reports 9 (6): 520–528. PMC 2268875. PMID 18350109. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2268875/. 
  7. ^ 櫻井 義秀 「カルト論の現代的射程」 現代社会学研究 Vol. 17 (2004) pp.1-19 JOI:JST.Journalarchive/hokkaidoshakai1988/17.1
  8. ^ Robert Neelly Bellah "New Religious Consciousness and the Crisis in Modernity," Ch.15, New Religious consciousness, University of California Press, (1976) ISBN 978-0520030831 p. 345
  9. ^ Exclusive Interview with Oprah The Dr. Oz Show
  10. ^ Paul McCartney and Ringo Starr promote Transcendental Meditation for pupils The Times
  11. ^ デヴィッド・リンチ監督、「超越瞑想法で素晴らしい経験を」 ハリウッドニュース
  12. ^ デヴィッド・リンチ監督、「超越瞑想法で素晴らしい経験を」 MSNビデオ
  13. ^ Meditation: What’s The Big Deal? The Bantu Observer

参考文献[編集]

  • ノーマン・E・ローゼンタール『超越瞑想 癒しと変容』("Transcendence" 原田稔久訳、さくら舎、2013年) ISBN 978-4906732449
  • マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー 『超越瞑想(存在の科学と生きる技術)』(マハリシ出版、2011年) ISBN 978-4434153877
  • Maharishi Mahesh Yogi 『Maharishi Mahesh Yogi on the Bhagavad-Gita: A Translation and Commentary, Chapters 1-6』 Penguin Books; Reprint版、1990年
  • Robert E. Herron 『New Knowledge for New Results』 1st World Publishing; 1 edition、2008年

外部リンク[編集]