正常位

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正常位(せいじょうい)、通常位(つうじょうい)( missionary position)は、人間が性交を行う際の体位(性交体位)のひとつで、比較的一般的に行われる体勢である。女性が仰向けになり、膝を立てて股を広げた状態のところに男性が上からおおい被さる体位。下腹部性器結合部分の密着挿入感と全身の接触感を得ることができ、2人が正面に向かい合う体位。同性愛者においてもこのような体位があり、俗に仰向けになる方を「ウケ」覆いかぶさる方を「タチ」という。

目次

[編集] 概説

1.正常位(男性が身体を起こして行う例)
2.正常位(男性が腕を立てて行う例)
3.正常位(男女が重なる例)
イ・モーディに描かれた正常位

一般にこの姿勢が性交体位として標準とされる。これはほとんどのほ乳類は後背位に近い姿勢を取るのとは対照的である。ゴリラではこれに近い姿勢が知られる。これを標準とする理由ははっきりしないが、ヒトにおいてペアはまず顔を見合わせる姿勢を取るのが普通であること、性器や性的愛撫に関わる乳房が正面を向いていること、また男性が上であるのは男が攻勢を取ることが多いことなどに由来すると考えられる。また、に関しては、一般のサル類とヒトでは向きがやや異なり、対面性交に向いた角度を持つとも言う。なお、これは類人猿の子供の形に近く、人が幼形成熟で生まれたとの説の根拠の一つともなっている。

  1. 女性が仰向けになり、膝を曲げ立て、股を開く。
  2. 女性の両脚の間に男性が膝を着いた状態で入る。
  3. 女性器陰茎をあてがう。
  4. 男性は腰を前進させ、または臀部に陰茎を挿入する。

[編集] 体位の変形

正常位は、多くのバリエーションを持つ。(参照:四十八手
女性の体を丸めるように両脚を上げさせて結合部に男性の体重をかけ、その重みでペニスが普通以上に奥深く挿入される体位(屈曲位)や、女性の腰の下に男性の両手を回し入れ、腰を宙に浮かせる体位などがある。また、正常位から松葉崩しや対面座位などに移行することもある。正常位には位置関係で主に以下のような形がある。

  • 男性が上半身を完全に起こして身体をそらすようにして腰を使う形。女性の上半身を男性の体で覆い隠さないので、視覚効果の高いアダルトビデオでもよく使われる。俗に「AV正常位」と呼ばれる。(挿絵1)
  • 女性と胸を合わさず男性が両腕を伸ばし自らの上半身を支える形。女性との結合点に重みをかけるようにすると、密着感が高く、腰も使い易いという長所があるが、男性の両腕の筋肉の持続力が必要となり、両手での女性への愛撫ができなくなくなるという短所もある。(挿絵2)
  • 男性と女性の胸をぴったり合わせる形。抱擁の快楽を味わうことができるが、女性に男性の体重がかかるので女性は息苦しく、男性は腰を使い辛いので、あまり長続きできない体位である。(挿絵3)

[編集] 名称

「正常位」という文字を見ると、「騎乗位後背位は異常な体位なのか」という疑問が生じる。「正上位」と表記する場合もあるが、「女性が上という状態は正しくないのか」とやはり疑問が残る。一方「対面男性上位」を略し、誤って表記しているのではないか、という説もある。国語辞典や『現代用語の基礎知識』にも収録されない言葉であり、いつ誰が使い始めた言葉なのか、吟味が必要であろう。(開高健『ずばり東京』所収「ある都庁職員の一日」(1964年10月記事初出)に既に見出される。最古の用例については更に要調査)。

[編集] 名称をめぐる意見

  • 体位は時代や文化によっても変化することがありうる。正常位、後背位あるいは騎乗位のどれが「正しい」とも言い切れないであろう。
  • 「動物の場合、ほとんどが後背位であるのに比べて、互いが向き合って眼を合わせて愛を確認する人間特有の体位といえるのではないか」という説に対して、「爬虫類や哺乳類の類・海獣類は体の構造上後背位はとれず、人類と同様にお互いが向かい合って性交をする。このような俗説は人類至上主義に基づく偏見である」という反論がある。(人間は体の構造上、正常位・後背位など複数の体位が可能であるが、その中から正常位が多く選択されている点は動物と異なるであろう)
  • 「後背位は動物のようで嫌だという感想を持つ女性がいる」ことも事実であるし、逆に「後背位の方が良いという感想を持つ女性もいる」ことも忘れてはならない事実である。
  • 英語では「宣教師ポジション(スタイル):missionary position」という言葉で示される通り、キリスト教の布教の際に宣教師が推奨した体位とされている。15世紀から17世紀前半にかけた大航海時代の頃、スペインやポルトガルなどの列強国家が南米大陸の各国・地域を侵略するにあたって、制圧した土地でキリスト教を浸透させていったのは有名な話である。そのキリスト教を布教させる過程で、現地住民が性交時にとるセックス体位が「あまりにも動物的である」ことが問題視されたという。一体どのような体位が動物的だと見なされたのかは不明だが、宣教師らはセックスは「人間らしい」体位で行われるべきだ、という理由で正常位以外の体位でセックスを行うことを禁止したという。これがmissionary positionと呼ばれる語源になったと言われている。


[編集] 体位の不具合

パートナー同士の体の相性によっては正常位が取れない場合がある。女性の膣口が極端に下側(背中側)近くに位置する場合(「下付き」)やその反対(「上付き」)で、男性器との組み合わせが悪い場合である。また、女性の股関節がかたく男性器の挿入が難しい場合もある。正常位は男性が女性に体重をかける状態になるため、比較的負担が少なく楽に性運動が行えるとする意見もあるが、実際には腰を痛めやすい体位でもある。

また、女性に体重をかけた正常位が長時間に及ぶと、女性にも負担となる場合がある。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ