八つ墓村 (1977年の映画)
| 八つ墓村 | |
|---|---|
| Village Of The Eight Tombs | |
| 監督 | 野村芳太郎 |
| 脚本 | 橋本忍 横溝正史(原作) |
| 製作 | 野村芳太郎 杉崎重美 織田明 |
| 出演者 | 渥美清 萩原健一 |
| 音楽 | 芥川也寸志 |
| 編集 | 太田和夫 |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 151分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 日本語 |
| 興行収入 | (1977年邦画配給収入3位) |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
『八つ墓村』(やつはかむら)は、1977年に公開された野村芳太郎監督の日本映画。
横溝正史の同名小説『八つ墓村』を原作として映画化したもの。
目次 |
[編集] 解説
1970年代後半の横溝ブーム(漫画化~映画化にいたる経緯は「石坂浩二の金田一耕助シリーズ」の項を参照)を受けて、松竹は監督の野村芳太郎をはじめ、脚本の橋本忍、撮影は川又昂、音楽に芥川也寸志と、『砂の器』を制作した陣営を投入、東宝作品などと競うように封切られ、目論見どおり配収19億9千万円という松竹映画の歴代に残る大ヒット作となった。
探偵・金田一耕助の役には渥美清を配するなど、同時期の東宝配給による石坂浩二のシリーズとは作風が大幅に異なる。事件を「祟りに見せかけた犯罪」ではなく「本当の祟り」として描き[1]、登場人物の設定も大幅に変更し、推理劇風のオカルト映画へとアレンジした異色作となった。テレビCMで流された濃茶の尼のセリフである「祟りじゃ~っ」はキャッチコピーとして流行語にもなった。
クライマックスでは、金田一による謎解きのくだりが短縮され、背景を地中の鍾乳洞洞窟とした迫力ある恐怖描写に替わっている。 もうひとつの大きな特長は、舞台を現代(公開当時)へと移し、原作発表時の昭和20年代に舞台をとった東宝のシリーズとは大きく一線を画したことである。特に、日本航空とのタイアップをとって辰弥の職業を空港職員に設定、近代的なジェット機離着陸場面で幕を開け、失われつつある農村風景や前近代的風習とのコントラストを強調した。
[編集] ストーリー
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
寺田辰弥は首都圏空港で航空機誘導員をしていたが、ある日の新聞尋ね人欄の記述により、大阪の法律事務所を訪ねることになった。体に有った火傷の痕で辰弥は尋ね人本人と認められるが、そこで初めて会った母方の祖父であるという井川丑松は、その場で突然、苦しみもがき死んでしまう。辰弥は、父方の親戚筋の未亡人である森美也子の案内で生れ故郷の八つ墓村に向かうことになった。辰弥は美也子に、腹違いの兄・多治見久弥が病床にあり余命幾ばくもなく子もいないため、辰弥が故郷の豪家の多治見家の後継者であると聞かされる。赤子であった辰弥を連れて村を出た母の鶴子は、別の地で結婚した後、辰弥が幼いころに病死しており、辰弥は自分の出自について今まで何も知らずにいたのだった。
美也子に聞かされた多治見家と八つ墓村にまつわる由来は、16世紀にまで遡った。戦国時代のころ、毛利に敗れた尼子義孝という武将が、同胞と共に八人で今の八つ墓村の地に落ち延び村外れに住みついた。しかし落ち武者たちは、持っていたとされる財宝と、毛利からの褒賞に目の眩んだ村人たちの欺し討ちに合って惨殺される。落ち武者たちは「この恨みは末代まで祟ってやる」と呪詛を吐きながら死んでいった。このときの首謀者である村総代の庄左衛門は褒賞として莫大な山林の権利を与えられ、多治見家の財の基礎を築いた。だが、庄左衛門はあるとき突如として発狂、村人七人を斬殺した後、自分の首を斬り飛ばすという壮絶な死に方をする。村人は、このことにより落武者の祟りを恐れ、義孝ら八人の屍骸を改めて丁重に葬り祠をたてたことから、村は八つ墓村と呼ばれるようになったというものだった。
さらに、辰弥の父だという多治見要蔵も、二十年ほど前に恐ろしい事件を起していた。要蔵は事件当時に多治見家の当主で妻もありながら、若い鶴子を強引に妾にし多治見家の離れに軟禁していた。しかし鶴子が生まれたばかりの辰弥を連れて出奔してしまい、その数日後の夜に要蔵は発狂。妻を斬殺、村人三十二人を日本刀と猟銃で虐殺し失踪したという。
八つ墓村では、辰弥の帰郷と呼応するように、また連続殺人が起りはじめ、私立探偵の金田一耕助が事件調査のため村に姿を現わす。
[編集] スタッフ
- 美術:森田郷平
- 編集:太田和夫
- 録音:山本忠彦
- 照明:小林松太郎
[編集] キャスト
| 役名 | 俳優 |
|---|---|
| 寺田辰弥 | 萩原健一 |
| 森美也子 | 小川眞由美 |
| 多治見要蔵・久弥 | 山崎努 |
| 多治見春代 | 山本陽子 |
| 多治見小竹 | 市原悦子 |
| 多治見小梅 | 山口仁奈子 |
| 久野恒実 | 藤岡琢也 |
| 森荘吉 | 浜村純 |
| 和江 | 夏純子 |
| 井川丑松 | 加藤嘉 |
| 吉蔵 | 山谷初男 |
| 濃茶の尼 | 任田順好 |
| 吉岡太一郎 | 浜田寅彦 |
| 工藤校長 | 下條正巳 |
| 諏訪弁護士 | 大滝秀治 |
| 亀井陽一 | 風間杜夫 |
| 井川鶴子 | 中野良子 |
| 辰弥(少年時代) | 吉岡秀隆 |
| 井川勘治 | 井川比佐志 |
| 多治見おきさ | 島田陽子 |
| 尼子義孝 | 夏八木勲 |
| 落ち武者 | 田中邦衛 稲葉義男 |
| 庄左衛門 | 橋本功 |
| 磯川警部 | 花沢徳衛 |
| 矢島刑事 | 綿引洪 |
| 新井巡査 | 下條アトム |
| 金田一耕助 | 渥美清 |
[編集] その他
- 1979年10月12日(金)フジテレビ系列にてTV初放送、視聴率34.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
- 多治見家(本作では「多治見」と表記している)は岡山県の吹屋ふるさと村にある広兼邸でロケが行われた。
[編集] 脚注
- ^ オカルト見識では、同じ土地で周期的な大惨劇が繰り返されたら、曰く付の呪いスポットであり、怪奇映画仕立てのロジックも正しい。