悪霊島

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金田一耕助 > 悪霊島
悪霊島
著者 横溝正史
発行日 1981年5月15日
発行元 角川書店
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
ページ数 347
コード ISBN 4041304679
ISBN 978-4041304679(文庫本)
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悪霊島』(あくりょうとう)は、横溝正史の長編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一つ。『野性時代』に1979年から1980年まで連載された。

本作を原作として、2014年3月までに映画1本、テレビドラマ2作品が制作されている。

ストーリー[編集]

昭和42年。金田一耕助は、瀬戸内海に浮かぶ刑部(おさかべ)島に再開発計画を持ち込んでいる島出身の億万長者・越智竜平の依頼により人捜しをするため、島がある岡山県にやって来ていた。

しかし捜していた男は、海で瀕死の状態となって発見される。金田一は友人である岡山県警の磯川警部から、男の最期の言葉を録音したテープを聴かされる。そこには「あの島には恐ろしい悪霊が取り憑いている…腰と腰がくっついた双子…の鳴く夜は気をつけろ……」という不気味なダイイング・メッセージが録音されていた……

登場人物[編集]

金田一耕助(きんだいち こうすけ)
私立探偵。
磯川常次郎(いそかわ つねじろう)
岡山県警警部。
広瀬(ひろせ)
岡山県警警部補。
藤田(ふじた)
岡山県警刑事。
山崎宇一(やまざき ういち)
刑部島駐在巡査。
木下(きのした)
嘱託医。

事件の関係者達[編集]

刑部大膳(おさかべ だいぜん)
刑部島の最高権力者。錨屋を取り仕切る。
刑部辰馬(おさかべ たつま)
刑部島村長。大膳の甥。
刑部守衛(おさかべ もりえ)
刑部神社神主。婿養子。
刑部巴(おさかべ ともえ)
大膳の一人娘。守衛の妻。「巴御寮人」とも。
刑部真帆(おさかべ まほ)
守衛と巴の娘。双子の姉。
刑部片帆(おさかべ かたほ)
守衛と巴の娘。双子の妹。
越智竜平(おち りゅうへい)
実業家。アメリカ帰りで刑部島出身。
越智多年子(おち たねこ)
竜平の叔母。
越智吉太郎(おち きちたろう)
竜平の従兄弟。
松本克子(まつもと かつこ)
竜平の秘書。
青木修三(あおき しゅうぞう)
竜平の部下。
妹尾四郎兵衛(せのお しろべえ)
神楽太夫社長。
妹尾松若(せのお まつわか)
神楽太夫。四郎兵衛の息子。昭和二十三年に失踪。
妹尾平作(せのお へいさく)
神楽太夫。
妹尾徳右衛門(せのお とくえもん)
神楽太夫。
妹尾嘉六(せのお かろく)
神楽太夫。
妹尾弥之助(せのお やのすけ)
神楽太夫。
妹尾誠(せのお まこと)
神楽太夫。松若の息子。
妹尾勇(せのお いさむ)
神楽太夫。松若の息子で誠の弟。
三津木五郎(みつぎ ごろう)
観光客。※物語のキーマン。当時はヒッピーで、1981年(昭和56年)ではどこかのラジオ局プロデューサーDJを勤めている。
荒木清吉(あらき せいきち)
置き薬行商人。昭和三十三年に失踪。
荒木定吉(あらき ていきち)
置き薬行商人。清吉の息子。
浅井はる(あさい はる)
市子。

その他[編集]

刑部天膳(おさかべ てんぜん)
大膳の双子の兄で巴の祖父。故人。
宮本勇雄(みやもと いさお)
雲竜丸船長。
山下亀吉(やました かめきち)
学生服卸販売業者。
田中静恵(たなか しずえ)
クラブ「モナミ」の女将。
川島ミヨ(かわしま みよ)
はるの近所に住む婦人。
三津木秀吉(みつぎ しゅうきち)
三新証券元社長。五郎の父。故人。
三津木貞子(みつぎ さだこ)
秀吉の亡妻。
浅野こう(あさの こう)
三津木家の留守を預かる婦人。
新田穣一(にった じょういち)
三新証券社長。
山城太市(やましろ たいち)
人形遣い。昭和三十六年に失踪。
磯川糸子(いそかわ いとこ)
磯川警部の亡妻。
磯川平太郎(いそかわ へいたろう)
磯川警部の兄。
磯川八重(いそかわ やえ)
平太郎の妻。
磯川健一(いそかわ けんいち)
平太郎の息子。
磯川清子(いそかわ きよこ)
健一の妻。

解説[編集]

1980年(昭和55年)初刊。横溝正史による最後の長編小説作品で、昭和40年代の瀬戸内を舞台にした連続殺人事件を追う金田一耕助の活躍を描く。金田一シリーズとしても最後のリリースであり[1]また、「岡山編」の最後の作品でもある。岡山県警の磯川警部が活躍を見せるほか、磯川の過去の彫り込みもなされている。

映画[編集]

1981年版[編集]

悪霊島
監督 篠田正浩
脚本 清水邦夫
原作 横溝正史
製作 角川春樹
橋本新一(プロデューサー)
飯泉征吉(プロデューサー)
出演者 鹿賀丈史
室田日出男
古尾谷雅人
音楽 湯浅譲二
主題歌 ビートルズ
レット・イット・ビー
(Let It Be)」
撮影 宮川一夫
編集 浦岡敬一
製作会社 角川春樹事務所
配給 東映/日本ヘラルド
公開 日本の旗 1981年10月3日
上映時間 131分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 9.3億円(配給収入[2]
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1981年10月3日に公開された。角川映画、監督は篠田正浩

原作発表から直ちに映像化された作品。原作発表の年に発生したジョン・レノン暗殺のニュースを本編に折り込むという方針から、物語のキーマン・三津木五郎が、1980年の現在から本編で描かれた刑部島事件のあった10年前を回想するという形式に変更されている。本作完成直後に横溝正史が逝去し、弔報が逆に集客に一役買うことに。

公開時キャッチコピーは「の鳴く夜は恐ろしい…」。

原作では岡山県にあるとされている刑部島が、映画では広島県となっており、磯川警部の所属も広島県警に変更されている。

主題歌はビートルズの「レット・イット・ビー(Let It Be)」、挿入歌に同じく「ゲット・バック(Get Back)」を使用し作品に強い印象を残していたが、後年、これら楽曲の使用権が切れたためTV放映・ソフト発売出来ず、長らく幻の作品となっていた。2004年にようやくDVDが発売されたものの、楽曲部分は別歌手によるカバー版に変更されており、近年のCS等でのテレビ放映に於いても、その変更版が放映されている。なお、20年以上前に東芝EMIから発売されたビデオソフトは公開当時のオリジナルで収録されている(1980年代のTV放送時も)。

キャスト
スタッフ

テレビドラマ[編集]

1991年版[編集]

横溝正史シリーズ・悪霊島』は、フジテレビ系列2時間ドラマ「金曜ドラマシアター」(金曜日21:03 - 23:22)で1991年10月14日に放送された。

舞台を昭和20年代に移しての映像化作品。簡略化されているが原作に比較的忠実な内容。しかし本作の重要なポイントであるシャム双生児「太郎丸・次郎丸」の骸は倫理上から改変され、単独の死児に変更されている。

キャスト
スタッフ

1999年版[編集]

名探偵・金田一耕助シリーズ・悪霊島』は、TBS系列2時間ドラマ月曜ドラマスペシャル」(毎週月曜日21:00 - 22:54)で1999年3月8日に放送された。

キャスト
スタッフ

脚注[編集]

  1. ^ 作品の時系列では「病院坂の首縊りの家」が最後の物語である
  2. ^ 中川右介 「資料編 角川映画作品データ 1976-1993」『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』 角川マガジンズ2014年、281頁。ISBN 4-047-31905-8

関連項目[編集]

外部リンク[編集]